寺地はるなのレビュー一覧

  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    久々に全部好きな話が詰まったアンソロジーだった。

    何よりインパクトがあったのはラストの町田その子さんの「六年目の弔い」。最後にとんでもない爆弾をぶっ込んできたな…。
    設定の時点で結構突っ込んだ内容になりそうだったけど、その中で珠美と志乃がいい関係性になれてほっこり終わるのかと思ったら最後に胸がざわつく展開に。

    冠婚葬祭の中で、一番無難そうで難しいテーマの「婚」がSFだったのも面白かった。普段SF読まない人間でも読みやすくて好きな話だった。雪舟えまさん、他の作品も読んでみたいな。

    寺地はるなさんも安定して好みの作品。40代の幼馴染たちがバタバタする話って微笑ましい。

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    2025年03月01日
  • 白ゆき紅ばら

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    『のばらのいえ』という子どもやお母さんのためのシェルター(もどき)。その中で、大人から呪いのように『いいこ』でいることを強制され、祐希は高校卒業の前日に逃げ出した。しかし数年後、再び『のばらのいえ』へと連れて行かれることになる。

    『仕方ない、は便利な言葉だ。それ以上考えなくていいようになるから。』p41

    『Good girls go to heaven ,bad girls go everywhere』p108

    『あなたはこのまま逃げ延びて、いつか余裕ができた時に誰かに手を貸す。その誰かがまた誰かに手を貸す。そしてもし将来わたしの娘がなにか困った時、どこかで誰かが彼女を助けてくれるはず。

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    2025年02月27日
  • わたしたちに翼はいらない

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    寺地はるなさん三冊目。
    彼女の著作には、上っ面だけではない
    人生の本質というか、本当に大事なことが書いてあるような気がします


    『地べたを歩いて生きていこうと決めた。わたしに、翼はいらない』

    『もうこれ以上一緒にいてはいけない。手を差し伸べたら園田はきっと朱音に依存する。
    今だって自分と自分の大切な人を守るだけで精一杯なのに』

    『友だちじゃなくても、相手のために行動したり、大切に思うこと、幸せを願うことはできる』

    『ここに至るまでの痛みを死ぬまで忘れない、でも過去に置いていく』

    淡々とした文体なのだけど、ひとがひとを傷つけるときの描写、苦しみを抱えているひとの描写がとても上手い作家さ

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    2025年02月28日
  • わたしの良い子

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    子育て中の私にはタイムリーで心にグサッとささりました。
    弱音を吐けないような子どもにしていないか…大人でも難しいのにそれを子どもに強いるのは違うってのは確かに…と思いました。
    偽りの親子がなんだというのか。幸せを他人の価値感で決めてはいけないね。
    あと、朔くんの名前の由来がとても素敵だと思いました。
    月は大きくなって、小さくなって、何度もそれを繰り返す。それは何度でもやり直しがきくという意味。
    鈴菜、ちゃんと母親じゃん。
    胸を張って朔くんと一緒に人生を歩んで行ってほしい。

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    2025年02月25日
  • 雨夜の星たち

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    日常にある喧騒をかき消して自分だけにしてくれるような雨が静かに降り続けている。そんな雰囲気のお話でした。

    察するとか空気を読むということがあたりまえかのようになっているけれど、それはある意味自分の中の意思だったり、感情に反していることも山ほどあるのかもしれない。三葉のように「できないことは、できません」「やりたくないことは、やりません」と言えることも大切なんだろうなと思いました。

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    2025年02月25日
  • わたしたちに翼はいらない

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    自分が輝いていた10代。
    自分がしいたげられていた10代。
    どんな10代でも、それを引きずり続けている莉子と、園田。
    そんな二人とそれぞれの立場で出会う朱音。
    という構図でしょうか。登場人物が多くて、少し複雑でした。

    莉子の夫の大樹が本当に嫌で(「嫌なやつ」なんて簡単な言葉でまとめたくないほどに嫌)、私も復讐したくなった。
    こういう人間性はどのようにして生まれるのか、もはや興味が湧いたんだけど、結局わからなかった。親や友人がどんなに持ち上げても、ここまでになれるのだろうか。
    お母さんがいい人そう(頼らないが)なだけに、悲しみすらおぼえた。

    読みながら、みんな別れ別れになってしまうんだろうな

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    2025年02月25日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    全体的に切なさが漂うお話が多めの短編集でした。
    寺地さんは、日頃、自分でも気づかぬうちに感じている違和感や胸の痛み、みたいなものを描き出すのが本当に上手だと思う。
    あるいは、過去のちょっとした罪悪感とか…
    世間的にこうしなければならない、こんなことを言ったりしたりするのはちょっと…みたいな固定観念に縛られがちな私の気持ちを代弁してくれていると感じることも多い。
    だから、読んだあと、もうちょっとがんばろうと思わせてくれる。

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    2025年02月24日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    『言葉はいっぺん相手にぶつけてしまったら、もう取り消すことなんかぜったいできないんだから。他人に向けた言葉が、自分自身にはねかえってきた。』p26

    『わたしは彼女たちだったかもしれないし、彼女たちはわたしだったかもしれない。(中略)おしゃれをしていたら、家出をしたら、ひとりで歩いていたら、女の子は身体に触られたり、見たくもないものを見せられたり、殺されたりしてもしかたないんだろうか。』p35

    『威張り散らしたり他人の大切なものをバカにしたりするのは、自分の好きなものを追い求めることよりもまっとうなおこないなんだろうか?』p64

    『届かなかったもの。もう二度と触れられないもの。ぜったいに帰

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    2025年02月18日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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     仕事に行っても、友達と遊んでても、自宅にいても、いつも漠然とどこかに帰りたいと願っている。でも、ちゃんと同じ場所に帰ってる。
     結局、どこにいたって何をしていたって、自分にしかなれない。悲しい気もするし、安心する気もする。

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    2025年02月15日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    生きづらい世の中、どうしていいか分からない毎日に苦しんでいる。それは昔からあった感情だが、昨今では特に女性作家によって、描かれることが多い。
    読むことで自分の置かれている状況と似ていて、初めて言葉にできるようになり、救われる人もいるだろう。
    寺地はるなさん含め、高瀬隼子さん、町田そのこさん、青山美智子さん、千早茜そん、凪良ゆうさん等、そうそうたる面々によってこの分野は今花開いている。少し前には吉本ばななさんや江國香織さん等もそうだ。
    本作も心に寄り添う優しい物語だった。一番好きなのは『夢の女』。

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    2025年02月12日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    柔らかさが伝わってくる文章で、スルスルと
    読み進めていきました。
    この作品の登場人物たちはどこか生きづらさを抱えていて、自分自身に問答している印象がありました。
    個人的にどの作品にも感情移入できたし、優しい
    気持ちにもなれた。
    寺地さんの作品も今作が初だったので、もっと
    違う作品を読んでみたいです。

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    2025年02月08日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    人の数だけ色んな感情であったり、色んな人がいて、色んな形がある。そんな当たり前のことでも何かに追われていたり余裕が無い時は気付くことができないものだと思います。この短編集を読んで改めてもっと寛容な気持ちでいて、また自分の気持ちを強く持っていたいなと思えました。温かな気持ちになりました。

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    2025年02月08日
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)

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    読み進めるにつれて、今まで読んだ寺地さんとは
    ちょっと違うな、重い内容だなと思ったのだけど
    読み終えてみると やっぱり寺地さんらしい作品だったと思える、一言では言い表わせない作品でした。

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    2025年02月03日
  • 月のぶどう

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    姉弟共に貼られたレッテルや、慣習に抗いなから前に進んで行く姿から目が離せませんでした。
    嫌なことや面倒なことからも逃げ出さないという二人の気持ちにも共感しました。

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    2025年01月31日
  • ほたるいしマジカルランド

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    連休明けに仕事するのがしんどくならないよう、お仕事に関する小説を読んだ。
    無意識のうちに諦めていたり、傷ついていたり、気にしていたりしたことに沁みる言葉がたくさんあった。
    1日1日、自分のできることをしっかり積み重ねていきたいと思えた。

    #月曜日 萩原紗英
    気付いてない、自覚してない良さがある。
    仕事だからあたりまえと思っているところにこそヒントがありそう。
    「〜容姿の問題ではない」のフレーズにグッときた

    #火曜日 村瀬草
    自分のプライドが高くて、相手に色々求めてしまっている時より、素直に相手に感謝することができると、楽しくなるって経験、思い当たるな〜となった。

    #水曜日 篠塚八重子

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    2025年01月31日
  • ほたるいしマジカルランド

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    『あたりまえ』は変わる。変わっていく。なんとなく自然に変わっていったわけでなくて『あたりまえ』を変えようと行動した人がいたから。
    本を読んでいると『普通』とか『あたりまえ』の概念についてよく考えさせられることがある。
    この本もそんな一冊、仕事は好きじゃなくてもいい。この年齢だから、こんな立場だから、〜じゃなければならないなんてことは生きていく中でひとつもないんだな。ときには不満を言っても、誰かを憎んだり、僻んだり、妬んだりしてもそれもみんな頑張って生きてるって事。登場人物がみんないい人すぎないのが人間らしくて良かった。

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    2025年01月30日
  • ほたるいしマジカルランド

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    ちょっとだけ不器用な人たち、でも何かほんわか。USJやTDLもいいけど、地元密着な遊園地もいいかも。

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    2025年01月27日
  • ほたるいしマジカルランド

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    読みやすかった。
    遊園地で働く従業員達を主人公とした連作短編集。

    一話一話、スポットの中心となる人物は変わるが、どの人物も最後には悩んでいたことに対して一歩前に進むような覚悟を持つようにになっていくところが良かった。

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    2025年01月26日
  • わたしの良い子

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    いろんなことを考えさせられた。朔を守りたい気持ちになったし、椿も鈴菜もみんな一生懸命なのに傷つくこともあって。
    おすすめの一冊

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    2025年01月25日
  • 雨夜の星たち

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    できないことややりたくないことはやらないという主人公のスタンスに、目から鱗というか。本音ではそう思っていてなかなか実行に移すのは難しかったり他人の目が気になりがちだが、自然体で生きている主人公の姿にホントびっくりした。「しごと」をきっちりと行うために自分の心を必要以上に持ち込まない姿は羨ましくも感じた。姉の立場に近くて、最後に本音で向き合うことで私自身に落としどころがついたような気がする。
    妙な清々しさを感じてしまったのは私だけなのだろうか。

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    2025年01月22日