あらすじ
大阪北部の蛍石市にある「ほたるいしマジカルランド」は、願い事を叶えてくれるという噂のあるメリーゴーラウンドが人気の老舗遊園地だ。ここで働くのはどこか不器用で悩みを抱えた人ばかり。アトラクションやインフォメーションの担当者、清掃スタッフに花や植物の管理。お客様の笑顔のために奮闘する従業員たちの日常が、ふとしたきっかけで動き出し――。毎日がんばるあなたの心をふっと軽くする温かな物語。
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ほたるいしマジカルランドという遊園地でのお話。
前回夜が暗いとはかぎらないでも思ったのですが、登場人物がたくさん出てきます。前ほどではないし、そこで働く人達のお話。
名前を覚えるのが苦手なわたしの脳が頑張りました笑
ほたるいしマジカルランドにいけば働いてるんだってリアルに感じられるような背景、人物像がしっかりあって、皆好きで働いてる訳ではない、でもちゃんと責任持って仕事をして生きてる。
ちょっと苦手だなって思う人物もちゃんと背景を知るとそういう部分もあったから、今があるのね。と思ったり。
人を知るためにはどちらからともなく、1歩踏み出してみないと良いも悪いも分かりませんよね。
寺地はるなさんの作品は最初に雨夜の星たちという作品を初めて読んだのですが、そこで、ほたるいしマジカルランドの名前が出てくるんです。
元々気になって早く欲しいと思ってた作品だったのですが、とても素敵でした。
解説の畑野さんのお話が分かりすぎて刺さりすぎて…
これまた難しいですけど幸せって大小人様々ですよね。
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「欠点が生きるポジションがあるかもしれない。誰かがいなくなっても問題なく仕事がまわるのが会社。」
国村社長が素晴らし過ぎる。
水曜日、木曜日の章にじいんとし、日曜日の章にほっこりする。
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じーーーーんわり心にあかりが灯ったような感覚がした。キラキラした遊園地で働く人達は、私から見たら凄く眩しくて、素敵な世界の住民のように感じる。だけど、そこで働く一人一人は紛れもなくただの人間で、それぞれの人生を悩み、迷い、もがきながら生きている。この本は、綺麗事で慰めてくれる訳じゃない。無理やり希望を持てと言う訳じゃない。ただ、あなたはあなたでいいんだよ、と寄り添ってくれるように感じた。私は、それがとっても優しく、嬉しいと思った。
どうしても、隣の芝は青く見えるし、無い物ねだりをし合っている。きっと人間って、そんなもんだ。
自分が周りを羨む気持ちは、周りの人の良いところを見つけるのが得意だということ。悪いところではなく良いところに目がいくのって、実はとっても素敵なことじゃないだろうか。ああなりたい、こうなりたいという欲は、時に人を成長させるだろう。私が大嫌いな私も、他の人から見たら青い芝に見えるのかもしれない。だから、私も人の良いところ見つけを頑張ろう。それをできる限り本人に伝えていきたい。そして少しずつ、私の良いところ見つけだってやっていこう。それはきっと、私を成長させてくれるはず。
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タイトルのファンシーさからは感じられない、深くて重力の重い一冊だった。
一人一人の視点からの物語が読みやすく、自身の中の蟠り、過去の傷、気づきがとても現実的に表されていて魅入ってしまった。感情がすごく波打つほど動かされたわけではない。でも、この本を読んで、“幸せ”ほ本質を知ることができた感じがする。誰かを幸せにしたい、と思うことは愛でもある。だけど、実際幸せにするのは自分自身だってことにハッとさせられた。
深すぎるぞ、この小説…!
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老舗遊園地で働く人々のお話。
遊園地という場所だけに『夢を与える場所』で『仕事大好き』というキラキラな感じかなと思ってたけど、
働く人達は色んな悩みを抱えてるお話。
色んな人達の話を聞いているようで興味深かった。
解決策や劇的に変化するという訳ではないのに、読んでいて癒される。
仕事頑張ろうって思えるお話。
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面白かった。
ご飯屋さんの女店主の、「私の人生はクソでした。でもそれが今日や明日を投げ出す理由にはならない。目の前のことをやるしかないんやって、そうすることでしか自信はつかへんらしいよって、うちによく来るお客さんが言うてました」のセリフ凄く良い。
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ふんわりした雰囲気のあたたかい小説。
解説を読んで更に深まった。よくいる、仕事をしながらその仕事は日々流れるように。特に仕事が好きでもなく、何か特徴があるわけでもなく(村瀬さんは特徴あったけど笑)そういうどこにでもいる人が仕事を通して感じたことや成長したことを感じ取ることができた。
それを知ってまた読むのもいいなと思った。
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ほたるいしマジカルランドの社員、社長のお話。それぞれに闇を抱えている感じ。
でも、いま、季節柄、退職代行サービスのニュースをよく見るけれども、サービスされてしまう企業の方にぜひ読んでほしいと思った。売店のおばちゃん上がりの(まるで某ホテルの会長のような)社長が社員を見ているからこそ言えたことば。(引用参照)
大阪北部の蛍石市にある「ほたるいしマジカルランド」は、願いごとを叶えてくれるという噂のあるメリーゴーラウンドが人気の老舗遊園地だ。ここで働くのは、どこか不器用で悩みを抱えた人ばかり。アトラクションやインフォメーションの担当者、清掃スタッフに花や植物の管理。お客様の笑顔のために奮闘する従業員たちの日常が、ふとしたきっかけで動き出し――。
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寺地さんの作品は、何か特別なことが起こるでもなく、何か才能をもった登場人物が出てくるでもなく、ごくありきたりな、当たり前の日常が描かれている。そして登場人物一人ひとりのきれいなだけではない心情が丁寧に描かれている。だからこそ好きなんだと改めて実感した作品だった。
「なんのためにもならないものが、ごくあたりまえに存在する。存在することを許される。だから素敵なんじゃないか、この世界は。」すごく素敵な言葉に出会えてうれしいな。
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遊園地で働くひとたちのそれぞれ。結局みんな仕事に誇りを持ってて、社長の人を見る目がさすがです。
ちゃんと最後はみんないい方向に向かって終わってくれるので読後感は悪くないです。
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お仕事小説だけど、「この仕事大好き!!」みたいな人が出てこなくて、逆によかった。
色んな人が仕事や家族に対して抱えている葛藤、日常の会話で得られるふとした喜び、ちょっと苦手だなと思ってた人が実はいい人だった瞬間などが丁寧に描かれている。
自分の頑張りを誰かが見てくれているというのは意外と自分では気づかないことなので、自分にもそういう人がいてくれるといいなぁと思った。
ひらかたパークに行ったことある人は、より楽しめるかも。
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振り幅は大きくない小説です。
短編集なんだけど、同じ場所を舞台にしてます。
可能な限り、現実にいそうな人を設定していると思う。
まあ、仕事ってそうだよね。とか、人との付き合いって、そうだよねって思うような小説。温かい小説。
ただ、3人くらいの主人公が良いかも。短編集の登場人物が多過ぎる気がする。
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遊園地で働けるなんて夢みたいな仕事。だけど、現実は夢みたいなことではないけど、一人一人頑張ってる姿がかっこいい。遊園地は、なくても生きていけるものだけど、あるととってもたのしいところ
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”生を全うすることが最も重要な仕事”
仕事に行き詰まっていて手にした1冊。
これ!といった閃光が走るような答えは無かったけど、そんなに頑なにちゃんとしなきゃ!とか失敗したらアカン!とか思い詰めて自分のことをがんじがらめにしなくていいのかな?って。
誰かみたいにはなれないし、ならなくていいし、求められてる姿を演じる必要もない。自分が好きとか楽しいとかコレ!って思える石ころをかき集めて光に照らして輝かせて眺めて、綺麗だなあ〜って幸せを感じられたらそれでいいんだと思ったらちょっとだけシンドさが和らいだような気がする。
ひらパーにも一度行ってみたいな。
Posted by ブクログ
連休明けに仕事するのがしんどくならないよう、お仕事に関する小説を読んだ。
無意識のうちに諦めていたり、傷ついていたり、気にしていたりしたことに沁みる言葉がたくさんあった。
1日1日、自分のできることをしっかり積み重ねていきたいと思えた。
#月曜日 萩原紗英
気付いてない、自覚してない良さがある。
仕事だからあたりまえと思っているところにこそヒントがありそう。
「〜容姿の問題ではない」のフレーズにグッときた
#火曜日 村瀬草
自分のプライドが高くて、相手に色々求めてしまっている時より、素直に相手に感謝することができると、楽しくなるって経験、思い当たるな〜となった。
#水曜日 篠塚八重子
こうしないといけない!ってなってることが、実はそうじゃない考え方の人もいるって、なんかすごく楽になるの共感。
「あ、そう言うふうに考えていいんだ!」みたいな。
1日1日積み重ねていくしかないんだなあ
#木曜日 山田勝頼
身近な人にこそ、つい自分に良きにはからってくれるように期待しちゃうけど、
自分でやらないとなんだなあ
#金曜日 国村佐門
向いてないって思っていたり、思われたりしててもいいのかも。
あたりまえが変わったのは、自然にじゃなくて、変えようとした人がいたから。
あおいさん素敵。
#土曜日 三沢星哉
ママが素敵。自分もそうありたい。
#日曜日 すべての働く人
こんな職場で働きたいわ。
自分が弱みに思っていることが活かせるポジションがあるのかも。
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『あたりまえ』は変わる。変わっていく。なんとなく自然に変わっていったわけでなくて『あたりまえ』を変えようと行動した人がいたから。
本を読んでいると『普通』とか『あたりまえ』の概念についてよく考えさせられることがある。
この本もそんな一冊、仕事は好きじゃなくてもいい。この年齢だから、こんな立場だから、〜じゃなければならないなんてことは生きていく中でひとつもないんだな。ときには不満を言っても、誰かを憎んだり、僻んだり、妬んだりしてもそれもみんな頑張って生きてるって事。登場人物がみんないい人すぎないのが人間らしくて良かった。
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読みやすかった。
遊園地で働く従業員達を主人公とした連作短編集。
一話一話、スポットの中心となる人物は変わるが、どの人物も最後には悩んでいたことに対して一歩前に進むような覚悟を持つようにになっていくところが良かった。
Posted by ブクログ
様々なバックボーンを抱えながらほたるいしマジカルランドで働く人々を描いた連作短編集。
遊園地というキラキラした場所で働きながらも、決して仕事が好きというわけではない登場人物のリアルな心情を描いていてすごく良かった。自分も働くことは好きではないけど自分なりに頑張ろうと思えたし、新年1冊目に読んで正解でした。
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大阪にある某テーマパーク(ひら◯たパーク)をテーマにして描かれた作品、という触れ込みに惹かれて購入。
テーマパークで働く様々な人が主人公のお話。
この人はどんな物語を過ごすんだろう…と続きが気になってスイスイ読んでしまいました。
読み終わった時、何故か無性にメリーゴーランドに乗りたくなりました(笑)
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サラッと読める内容、1つの遊園地の中でのお話しだから世界観もそこまで広くなくて楽に読める。登場人物が少しずつ変化していくのが見えてほほえましく思います。
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何か少し物足りなさはあったものの、登場人物一人一人の背景が細かにきちんと書かれている。
遊園地で働く人たちの人生を書いた本で、中でも篠塚八重子さんのお話しは少しの感情移入してしまった。
ただ、何か物足りなさもある。何かよく分からないが(^_^;)
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遊園地という明るい場にいる人たちのリアルな表情を描いた作品。
大きく心が動くことはなかったけど、知人の話を順番に聞いているような気分になった。
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内容は軽め。遊園地で働いている一見平凡な清掃のおばちゃんや植木のおじちゃんにもそれぞれ人生ストーリーがあり、面白さや感動があることを教えてもらった気がする。平凡な日常の中に面白さがあることを教えてもらった。
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表紙が可愛くて読みました。
内容は、年齢や性別がバラバラの人から見た遊園地の視点がうまく交差されていてあてほっこりしました。
遊園地の中でなんかひらパー(大阪にある遊園地)っぽいなって思っていたら、最後の謝辞でひらパーへの取材と書いていてびっくりしました。
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月曜日
萩原紗英
ほたるいしマジカルランドに勤めて五年。大学時代にアルバイトで入った。
国村市子
ほたるいしマジカルランドの社長。マジカルおばさん。元はおみやげ売り場のパートタイマーだった。
木村幹
蛍石市出身の俳優。
香澄。紗英の同僚。
佐門
人員整理を担当。
蛍石西高(仮)
淳朗。孫とはぐれた老人。
村瀬草
山田
マジカルランド内の植物やローズガーデンの管理を任されている株式会社蛍石園芸の社員。
三沢
堀琴音
アイドルみたいなかわいい子。去年アルバイトで入った。
佑
蛍石西高の孫。
火曜日
村瀬草
三十一歳。メリーゴーラウンドが好き。
三沢
国村佐門
市子の息子。
萩原紗英
たなかじろう(仮)
ライター。
水曜日
篠塚八重子
清掃スタッフとしてほたるいしマジカルランドに通うようになって一年以上経つ。株式会社ほたるいしクリーンサービス。
大翔
八重子の息子。
洋介
八重子の別れた夫。
美里
陽介と再婚した女性。
志賀
八重子が育児サークルで知り合った。八重子をネットワークビジネスに勧誘。
萩原
野上
『食堂のがみ」の店主。
佑
市子
木曜日
山田勝頼
マジカルランドの植物を管理するようになってもうすぐ二十年近くになる。四十二年勤めたほたるいし園芸を退職する。
照代
山田より五歳年上の妻。
光岡
ガーデン内を解説するツアーガイド。
藤尾
三十歳。山田の下で働いて三年になる。
佐竹
無断欠勤。一年前に入社。社長の遠縁。二十五歳。
玲香
照代と前夫の娘。
佐門
金曜日
国村佐門
主任
以前ガソリンスタンドに勤めていたところを社長にスカウトされ、ほたるいしマジカルランドにやってきた。
関谷
あおい
佐門の彼女。
兵藤
三十代後半の女性。小学生の子どもふまりを育てつつ、PTAの役員などもこなしつつ、さらに仕事でもばりばり実績を上げている。
田村香澄
インフォメーション。
佑
数ヶ月前まで洋服だとか雑貨だとかを扱う店で働いていた。オーナーが「商売に飽きた」という理由で店を閉めてしまった。
堀琴音
フードコートのバイト。
めいちゃん
琴音と同じ厨房のアルバイト。
土曜日
三沢星哉
ほたるいしマジカルランドでアルバイトをはじめて、もう一年になる。十三歳で祖父の養子になった。
村瀬
星哉の祖父
蛍石市内で総合病院を経営していた。
宮城
バイト。大学生で、土日を中心としたシフトに入っている。
桜華
星哉がフォローしているTwitterのアカウント。
日曜日
すべての働くひと
国村佐門
国村市子
萩原紗英
山田勝頼
藤尾
照代
篠塚八重子
大翔
三沢星哉
宮城
堀琴音
めいちゃん
木村幹
村瀬草
田村香澄
風間佑
淳朗
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モデルの遊園地であるひらパーに何度か来園したことがあるので、ひらパーと照らし合わせながら読み進めた。
清掃員:篠塚八重子の話が一番好きだった。
同じ遊園地内の話だから、もちろん重なる登場人物がいるけれど、何故か普段読む小説よりも人間関係図が結びつきにくく、それがこの小説にはまれてない印なのかなーと思った。
軽く読めて、だからこそあんまり心に残らなかった。
Posted by ブクログ
ひとつひとつの章が人を掘り下げて考えながら遊園地で働いているんだなと思わせて読んでて気持ちがいい。
まとめる大きい流れのインパクトが少し弱く感じた。
が、このお話にはそんなインパクトは必要ないのかもしれない、むしろそこがいいポイントなのかも。
もう一度読んでみよう
Posted by ブクログ
ほたるいしマジカルランドの従業員目線の作品。みんな共通して不器用なところのある人たちで、内に秘める想いや過去を持っている。
佑目線の章はないのだけど、佑がどの場面でもいい働きをしているなと思った。アパホテルの社長を彷彿させる国村市子社長は、ほたるいしマジカルランドで働くすべての人のことを大切にしていて、彼らのことをよく観察している人でとても好感が持てた。市子が石が好きな理由が、「ひとつひとつ違うから」というのが素敵だなと思った。あと、佑との昔のエピソードが心に沁みた。
「男と女のキャラやからかならず恋愛要素あるって、おもんなくない?ただの仲間でええのに、兄と妹なんて、もっとおもんない。血が繋がってるから固い絆がある、みたいなのってどうなん」という佑の言葉が一番良かった。
個人目線の章の順番として、最後に三沢星哉を置くのは違う気がする。篠塚八重子、山田勝頼が少し重めの内容で、国村佐門が社長の息子ならではの悩みを明かして、そのあとに三沢星哉の話がきたからいきなり浅い内容だなと思ってしまった。登場人物の中でも、彼は考え方が浅はかで視野が狭くて、好きになれなかった。