寺地はるなのレビュー一覧

  • 雫

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    良かった。恋愛とは距離を置いた人間同士の感情が細やかに伝わってくる。世知辛い世の中での葛藤や成長の過程、人生について考えさせられる。華々しさや驚きはないが、さまざまなキーワードを繋いで遡っていく構成に徐々に引き込まれて行く。

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    2025年12月22日
  • 川のほとりに立つ者は

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    表紙に惹かれて買いました!初めての寺地はるなさんの作品でどんなものかなと思って読み進めていくととっても好きな作品でした!読み終わったあと心が温かくなりました。ぜひ読んで欲しい作品です!

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    2025年12月19日
  • 川のほとりに立つ者は

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    ネタバレ

    私はおせっかい焼きなので、この本を読めて良かったなと思う。
    そして、私は人と話していて、この人はこういう人だなと勝手にレッテルを貼るところがある。品川さんの言葉で、ハッとさせられた。
    また、松木の生い立ちについて、すごく共感した。人と比べて、自分は恵まれている。天音さんのように、誰が見ても辛いと思うような経験をしている人じゃないと、弱音を吐くことは甘えみたいな風潮はあるよなと思った。もちろん天音さんの経験が辛くないというわけではないが。

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    2025年12月19日
  • こまどりたちが歌うなら

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    可愛い表紙に反し、『こまどりたちが歌うなら』は、職場の理不尽やパワハラを容赦なく描く物語だった。おかしいことをおかしいとハッキリ言う主人公・茉子の姿は、声を上げて傷ついた過去の自分と重なり、痛みを残した。私は物語のように、茉子のように、上手くはいかなかった。おかしいことをおかしいと言って何が悪いのだろう。人間を不当に、理不尽に扱い、法律を犯している会社に対して声を上げることの、何がいけないのだろう。正直、読むのは辛かったか、目を背けてはいけない一冊だと感じた。現実はフィクションのように上手くはいかない。

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    2025年12月16日
  • 川のほとりに立つ者は

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    他人と接する時に、果たして自分はちゃんと理解や思いやりを持って出来ているのか、この本を読んで自分も『川のほとりに立つ者』なんだと実感させられた。

    作中での篠ちゃんの言葉が印象的だった。

    「ほんとうの自分とか、そんな確固たるもん、誰も持ってないもん。いい部分と悪い部分がその時のコンディションによって濃くなったり薄くなったりするだけで。」

    結局、自分の中で変えられない部分は絶対にあるし、変える必要もない部分もきっとある。
    だけど、少しでも想像力を持って相手と接することで変わる部分もきっとある。
    少しずつトライして、明日がよい日であり続けるよう頑張ろうと思わせてくれる作品。

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    2025年12月16日
  • 世界はきみが思うより

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    世界はきみが思うより、、、。
    この後は、どんな言葉が続くのだろう。

    色んな人達のことが描かれていた。
    当事者や当事者同士ならきっと様々な悩みは少なく穏やかな幸せがあるのだろうと思える。
    けれど、それ以外の人たちが関わると、何となく心にある想いを秘さなければ生きていくのが辛くなるのだろうと思える。

    物語に出てくるような人には、多分、会ったことはないと思っています。

    色んな人がいるんだよ

    という世の中にはなってきているけれど、やっぱり少数派と思われる人には辛く苦しい世の中だろうと想像はできます。

    そんな彼ら彼女らを優しく包み込んでくれるように感じる、とても素敵な作品でした。

    作品の最後

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    2025年12月15日
  • 川のほとりに立つ者は

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    2025/12/14
    寺地はるなさんの小説を今まで読んできて、勝手に思い描いていた優しい感じの物語…という概念をいい意味で覆してくれる一冊だと思います。
    物語のスタートは仲の良かった松木と岩井という幼馴染が、殴り合いの喧嘩をして橋の上から転落して意識不明の重体で入院するところからスタートします。
    松木の彼女の原田清瀬の視点と、その前を遡る形で松木の視点が相互に描かれて物語が進んでいきます。
    当然、何で2人がそんなことになったのかということが読み進めていくうちにわかるのですが、原田清瀬は本当に松木のことを理解して接することができていたのだろうか、ということにだんだんと悩み、本当の彼の姿を理解する

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    2025年12月15日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    audible⭐︎
    物語が進むにつれて入り込んでいった。
    中学時代、思春期の葛藤がよく書かれてあった。
    他者を羨む感情、素直になれなかった後悔。
    自分の思春期を思い出してしまった。
    もう一度戻れるなら…と。

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    2025年12月15日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    九州の田舎という閉ざされた場所を舞台に、古い価値観に縛られた人々と、新しい価値観の中で生きていく人々を対比させながら、誰かのためではなく、自分で選び、自分の人生を生きることの尊さや、人生に正解はないこと、人は誰かのために生まれてきたわけではないこと、大切なのは自分で選び、自分の人生を生きることなどを、この作品は思い出させてくれる。「人は何のために生きるのか」を静かに問いかけてくる物語。

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    2025年12月14日
  • 世界はきみが思うより

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    世界への信頼を失った人達が少しずつ信頼を取り戻していく物語。すごく読みやすくて内容がスラスラと頭に入ってきて、読んでいる時間が心地よかった。私自身も職場のハラスメントの存在などで世界への信頼を失っているところがあると思うけれど、少しずつ取り戻して行けたらいいなと思った。世界は私が思うより居心地の良い世界でありますように。

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    2025年12月14日
  • 川のほとりに立つ者は

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    人は表層的な面だけで理解するのは難しい。
    ただ理解する、助けるが上から目線になってもいけない。
    それぞれに事情があり知られたくない部分もある。

    ただ人との関係を良くするにはまずは理解しようとする姿勢は大事だと思った。

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    2025年12月14日
  • 雫

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    「永遠」を不変のものではなく、形を変えながら受け継がれていく連なりとして描く物語。晴れの日も雨の日も人生の一部。終わりと始まりを抱えながら生きていくことを、静かに肯定してくれる一冊。

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    2025年12月13日
  • 世界はきみが思うより

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    ネタバレ

    "デビュー10周年・30作目"
    やっぱり寺地先生はすごいなぁ。
    まだ10作品しか読んでいないが、毎回心にグサグサ刺さる言葉を与えてくれる…
    本作を読んで、色々生きづらい世の中だけど、この世界を私はまだ生きていたいなぁってしんみり思った。

    主人公香川冬真は幼い頃から、自分は同性を愛する質であると自覚し生きている。そんな彼が高校生で出会ったのは、伯母と難病の妹と暮らす時枝綱。ふたりはゆっくり痛み、優しさを共有しながらふたりだけの愛のかたちを見つけていく。2人がお互いのためにかける言葉や行動はとても温かくて、こんなにも尊い関係を一読者として見ることができて心から幸せだった…

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    2025年12月12日
  • わたしの良い子

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    思いがけずかなり良かった。
    自分の子じゃなくても、子どもは皆可愛い。けれど、生活の中でじわじわと溜まるやり場のない気持ちが伝わってきた。
    妹に対して責任感がないとか色々思ってしまったけれど、それは「誰も救えない正しさ」と書いてあって納得させられた。

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    2025年12月12日
  • わたしたちに翼はいらない

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    寺地はるな『わたしたちに翼はいらない』を読み、静かに心を揺さぶられた。
    “幸せへ飛ぶ翼”ではなく、“地べたを歩く覚悟”を選ぶ物語。
    弱さを抱えたまま、それでも前に進もうとする人の強さが胸に残る。
    決して軽くないけれど、深く救われる一冊だった。

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    2025年12月11日
  • 架空の犬と嘘をつく猫

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    ネタバレ

    全然似てないんだけど、親近感がある家族。こんなふうに思うことあったなとか、あの時のあの気持ちは、これと同じかもと思ったり。
    みんなが少しずつ空想から抜け出して、遊園地に行ったところはなんか良かったな。

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    2025年12月11日
  • 川のほとりに立つ者は

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    人を理解するのは難しい。自分は相手ではないので表面的にしか物事を言うことはできないし、それが善意ではなく偽善になることもあるから。

    だからこそ海の底に沈んだ石を想像することは忘れずに、その時の相手に渡す言葉を選べる人でいたい。

    あなたの明日が、よい日でありますように。

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    2025年12月11日
  • 世界はきみが思うより

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    読み終えて、この世界でもっと息がしやすくなりました。
    読んだ後も涙が止まらずしばらく余韻に浸りました。

    目の前の世界がまた少し違って見えるようになりました。
    見えなかったものが見えてくる、なんてことないものが美しく見えてくる、人と比べては落ち込んでいた自分も愛おしく思える。
    目の前大切な人が、ある日、こんな世界は生き辛いと躓きそうになったなら。
    私からかけてあげたい言葉がまた一つ、できました。

    あなたの大切なものをあなたの手で守ることが許される世界でありますように。
    そんなあなたの姿を私はずっと覚えていたいです。

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    2025年12月09日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    地味かもしれないけど力強い、花ではなく根っこを連想する物語でした。
    素直な感情が溢れ出すその半歩手前のラストも素敵。

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    2025年12月09日
  • 川のほとりに立つ者は

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    ネタバレ

    男女のすれ違いの奥にある真実を丁寧に描く物語___

    清瀬は松木のことを知ろうとしすぎてしまったが、松木は家族と不仲、いっちゃんは字の練習をしてることを誰にも知られたくなかったし、清瀬も相手に対してそういう背景があるかもしれないと、配慮する必要があった。

    清瀬の考え方について、犯罪者のニュースを見てこんなことする人がいるなんて有り得ないだとか、こんな字の汚い人考えられないと言ってしまうのは、「自分はそうではないとして、切り離そうと考えている」という言葉にハッとした。

    手を差し伸べて助けようとしても、真っ直ぐに喜んでくれる人だけがいるわけじゃない。天音の「助けられたら感謝しなきゃいけないんで

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    2025年12月09日