寺地はるなのレビュー一覧
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最近読んだ本の中だとかなり好き!!
一見、嫌だなっていう登場人物もいるんだけど、嫌な面だけではなくて、その人たちそれぞれの事情とか書いてあるから、嫌な気持ちにならずに読めた
主人公、人を故意に傷つけたりはしないけど飄々としていて軸があって、言うべきことははっきり言うところがめちゃくちゃ好き
朔は確かにできないことも沢山あって、いわゆる学習障害があるのかもしれないけど、この本の中ではそれを病気や障害と表さず描き続けているのも良かった
妹も最初はひどいなって思ってたけど、主人公としっかり話せて良かった!
妹の名前の由来のシーンのところめちゃくちゃ泣きそうになってしまった
子どもが出来てまた読んだら、感じ方も違いそう!
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Posted by ブクログ
まず表紙のデザインが好き
第一話 夫の浮気で離婚した初佳(48)。「きみは悪くない。だからこの家は渡す。」からの流れが素晴らしい。娘との距離感もとてもいい。
第二話 一人でユニバに行くのが楽しみな歯科衛生士の杏子(43)。自分のペースで楽しく生きているのに、既婚者の元カレがしつこく連絡してきて…
第三話 古くて小さいけれど自分の家を持っている会社員のもとか(47)自立して自分なりの幸せを満喫しているのに周りからはそう思ってもらえない。ある時、芸人の手品に心動かされて…
第四話 小中学生がいるパートの苑美(30代後半?)幸せだけど納得できない日々を送っている。『夫の不快な態度大会』がリアルすぎて共感しかない。
第五話 母を失ったばかりの美禰子(47)喪失感と同時に過去に囚われている感覚がある。離婚したら実家に帰ってくると疑わなかった母。女二人で毎日楽しかった日々。認知症と病気で壊れていく日常。立ち直ろうとする度に母親の幻が現れて…
一人で生きている中年女性たちは自分なりの幸せを持ち、一人なりの覚悟を持っていてどの話も滲みた。
そんな彼女たちに時に降りかかる雨を
しのぐ居場所になってくれる洋傘店。
パンクなお婆ちゃんと気が優しくて力持ちな息子がとてもいい。
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Posted by ブクログ
もう完全に平気、なんてことは、たぶんないのだろう。平気じゃなさをどこかに抱えたまま、すこし先に楽しみな予定を入れるとか、笑えるものを見るとかおいしいものを食べるとかしてその日その日を生きていくしかないんだろう
という一文がよい。
いい日にも、悪い日にも、終わりがある。どんな日もかならず終わるということは、すくなくとも自分にとってはたしかな希望やな、ほかの人はどうか知らんけど
ここも良い。
スノさんも若葉太志くんも、親子揃って良い。
もちろん他の登場人物も良い。
近くにこんな傘屋があるかも知れないから、歩いて行ける商店街をのぞいてみようかな、と思うほど、読んだ後気分は晴れる。 -
Posted by ブクログ
たぶんこういう田舎町は、どこかにあるような…。
昔からのしきたりもあって、もちろん町内会があり、その中には青年団、老人会、婦人会に子ども会などがある。
今は、どうなんだろう…子どもが少なくなり、老人会はあるが、今や70過ぎても働いてる人もいたりで、加入する人は少ないのかも…。
物語の白日町の婦人部の4人が「秘密」を語るのが、確かに秘密にしたいほどの内容なのだ。
それぞれが個性的で飽きさせない。
常に何かしらのドラマがあって、彼女たちから目が離せない。
江南とマキオの夫婦が面白い。
…で、大きな声で言えない秘密は、穴の中なのか⁈
ちょいミステリアスな感じも想像を掻き立てられる。
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Posted by ブクログ
p72
多くの人は自分の心を直視しない。認めない。
隠して押さえつけてそれでも捨て去ることはできず、巧妙なやり方で他人を傷つけてごまかそうとする。
非難とか陰口とか、意地悪とか、あるいは冷笑とか。
p120
なんで本なんか読むの?
知ってる言葉が増えるのって器が増えることだと思う。
大き過ぎる感情を小さな器に注げば溢れる。知っている言葉が増えるといままでただ「ムカつく」で処理していた感情をこんな風に言われて恥ずかしかった、傷ついた、みじめだった、でもみじめだと認めたくなかった、だから強い態度を取ったと細分化できる。
それぞれの器に注げば、溢れ出さない。よく器が大きい、小さいとかいうけれどもおれは自分はきっと器の小さい人間なんだろうと思っている。でも小さい器をたくさん持つことはできると思っている、と暖は言うのだった。
p126
彌栄子さんは確かに傷つきやすくて繊細な人です。でもただそれだけの人とも思えません。
諦めない人です。自分の心をまっすぐに見つめる人です。傷ついて、落ち込んで、それでも、それでも前に進もうとする人です。私が来たから変わったわけじゃなくて、最初からそうゆう人だったんです。
本当は頭もいいし、強い。あなた達は知らなかったでしょうけど。知ろうともしなかったんでしょうけども。
p132
あんたを守りたいんだよ、あんたをあの家から切り離すことで二度と会わないことで、守ろうとしてる
p140
みんな、化け物を見てるみたいな顔で僕を見ていた。でも鳴海は違った。鳴海だけが全然違っていた。
他の人が呆れる時にも面白がっているみたいに笑っていた。でも本当にやっちゃいけないことはちゃんと怒ってくれた。あなたと一緒にいると、僕は自分のことをおかしいと思わずにすんだ。
自分をダメな子だって思わなくなった。
あなたは僕のたった1人の仲間だった。なのに突然いなくなってしまった。
その後父も母も変わった。親戚の連中はみんなあなたを泥棒だと言うよ。あな方がこの家をめちゃくちゃにしたって。何を信じればいいのか、ずっと分からなかった。混乱したまま大人になった。
p191
互いに歳を取った。過ぎた時間は戻らないし、死んだ人と関係を築き直す事はできないし、欠けた心は元の形に戻らない。
それでも悲しい事だとは思わなかった。傷こそが、欠損こそが、その人をその人たらしめる。
いやあ!!すごく良かった!!ザ寺地はるな!
何か主人公は悪いことをして追い出されたように最初は感じたけど、全然違かった。
人生を大きく変えてしまったけど、多分良い方向に鳴海が持って行ってくれたと信じたい。
20年の歳月を経た書き方が秀逸でした。
まだ読みたい寺地はるな作品↓
リボンちゃん、名もなき生活は続く、世界は君が思うより、そういえば最近 -
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ネタバレ閉店が決まっているあかつきマーケット近くに住む人々の物語の数々。
人々は知らず知らずのうちに関わり合っていて、同じ人が別の物語にも登場してくる。
話によって人の印象は違い、人は様々な面を持っているのだ、と改めて気付かされる。
以前、寺地はるなさんの『川のほとりに立つ者は』を読んだ時に″普通″とは何か、を考えさせられたが、この物語でも普通は、普通は、と言われてきた女性の話がある。
悪気のない何気ない言葉に苦しめられる人もいる。
自分も含め、人をこうだ、という型にはめることはできない。
人はみな違って、人のことは想像はできても全てをわかることはできない。
そんなふうな考えを頭のどこかに置いていると、人との関係がうまくいくのかな、と思った。
心に刺さる物語だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ遊園地「ほたるいしマジカルランド」で働く人たちの物語。
正社員、アルバイト、外部委託会社のスタッフ…。遊園地にはたくさんの人たちがいて、そのそれぞれに悩み事や、葛藤や、不安があります。
一人ひとりにスポットライトを当てた連作短編集だけど、あるストーリーでは脇役だった人も次のストーリーでは主人公になるし、逆に主人公だった人は脇役になるので、それぞれの内面と他人から見た印象が語られるので、「ああ、そんなことを考えていたからあんな態度だったのか」という気づきもありました。そして、一週間、一日ずつの時系列で物語が進むので、登場人物の心の変化や成長も見ることができ、じんわりと温かい気持ちになりました。