寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み終えた後、心に灯がともったような、非常に前向きな気持ちになれる一作だった。
物語のラストで明かされる「世界はきみが思うより」というタイトルの回収がよかったな。主人公が抱いたその実感は、読んでいる私たちが物語を通じて受け取った感覚そのものであり、作者からの温かいメッセージとして深く胸に響いた。
全編を通して流れる空気感はどこまでも優しく、読んでいる間中、ずっと温かい気持ちにさせられる。文章も非常に読みやすく、物語の世界に自然と没入できる点も魅力だ。
日々の生活に少し疲れたときや、誰かの優しさに触れたいときに、ぜひ手にとってほしい。自信を持っておすすめできる、心温まる作品である。 -
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ネタバレ子どもの頃から常に髪にリボンをつけているから、「リボンちゃん」と伯母からも呼ばれる百花、33歳。周りから浮いてるけれど、本人はあまり気にせずにその日の気分で色んなリボンをつけて過ごしている。
3年前に母親を病気で亡くし、父親は再婚相手のマンションで暮らし、実家で一人暮らしをするリボンちゃんには、良き理解者である母の姉・加代子さんがいる。そんな加代子さんは、今は施設に義父と亡き夫がやってきた「テーラー城崎」で洋服のお直しなどを仕事として細々と暮らしている。洋裁の能力がありながらも、「テーラースーツを作るのは職人の男がするもので、女がするもんじゃない!」(本文の文章とはちがう)という言葉に従い続け -
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**コードネームは保留**
殺し屋になりきって生活することで、日々の寂しさや辛いことから自分を守っている会社員。
殺し屋なら、ひとりでおにぎりを食べて寂しいなんて思わない。そんな女性が好きになった同僚を想って発した言葉。
> P42
でも、好きな人にどうあってほしいか、ということならばすぐに答えられる。
**「好きな人に、ちょっといい枕で眠ってほしいとよく思います」**
>
**タイムマシンに乗れないぼくたち**
学校、家、友人関係…いろいろなことで悩む小学6年生のボク。博物館で出会ったおじさんとはなし、時間を共有することで少しの安らぎと、勇気をもらう。
タイムマシンには乗れ -
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ネタバレ椿さんの心の声にスカッとしたり
それでいいんだと思ったり
クスッと笑えたり懐かしかったり
いい言葉がたくさんあった。
まだ生まれて10年もたってない小さい子に
私は何を強いてしまってるんだ、、と反省した。
振っても振っても靴から砂が出てくる
自分を名前からぼく、おれへと進化する
ダンスが嫌なんじゃなくて、きれいな石を拾って
落とさないように握りしめて頭がいっぱいだったのかもしれない
ほんの数年前までおむつをあてていた小さい人が
軽くはないランドセルを背負い、決められた時間
席に座って授業を受けているのはものすごいこと
自分の家庭を持ってない女性は幸せじゃない?偏見も甚だしい
戻りたい。甘いミ -
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今日が晴れでよかったか、
今日が雨でよかったと思えるか、
久しぶりの寺地はるなさん
こんな形容の仕方は失礼と思いつつ、寺地はるなさん的な青山美智子さんっぽい短編集。
ラストがほんとによかった。
5年ごと遡りつつ、じんわり温かくなる。
出てくる人物は少しずつ何かを抱え、少しずつ自分自身を変えていく。そこに主人公永瀬がちょっとずついる。
主人公の永瀬は「ポトスライムの舟」のナガセを思い出させるような、淡々としつつ観察力があり、芯のある女性。
三月
なにかが終わってまたなにかがはじまる
そういう時期に読めて、いい本だった。
今日が、雨でよかった
と思える1日もいいな
ティアドロップのアクセ -
Posted by ブクログ
つらさを抱えて生きる三人が交錯する物語。
正直寺地はるなさんを「そろそろ結婚あきらめて自分探し始めようとする女性向けの話を作る作家たちの一人」というように意地悪にとらえていたことを申し訳なく思いました。そのくらい、とても素晴らしい作品でした。
いつもどこかの小さな会社の中で起こる日常のちょっとした延長でしかない、その辺の女性の等身大の話なのに、登場人物が交錯しつつ話が絡み合っていき、それぞれの持つ負い目や恨みを消化できずに持て余す、薄暗い感情をどうにか処理したいというかなり深く暗い心理描写がとても巧みに描かれていると思いました。
特に秀逸と感じたのが、莉子のような本来勝ち組となって -
Posted by ブクログ
本屋大賞ノミネートぶりなので、3年ぶり。
当時読んだ時よりも更に深く刺さったな〜
そして前も思ったけど、読んでよかった本当に。
これを読んで、まったく他人の話だ、自分には関係ないって思う人は居ないんじゃないかな?
一度読んでいるはずなのに、
この3年でやっぱり意識から遠ざかってたことが多々。
改めて自分は"川のほとりに立つ者"だと思うし
あああ反省だ、反省だぁぁと思いながら読んでた。
あと良い人、嫌な人の話。
全面的に「良い」人ってのは絶対居ないよなと共感、、、絶対「良い」人になりきれないと現実突きつけられてる。
でも自分以外の誰かの、明日が良い日になりますようにと祈ること -
Posted by ブクログ
すごく考えさせられるお話でした。っていうと薄っぺらく感じますが、色んな登場人物から色んな気づきを感じました。
読むのは寺地はるなさんの作品は5作目なのですが、なんか今までとは違うこれから何が起きるのか?と思わせる始まりで、2人の視点でストーリー展開していくのですが、
川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない
というフレーズが何度か出てきますが、これがとても深く、人間とはやはり難しいなぁと思います。
あんまり話すと内容に触れてしまうのでぼんやりな感想になりがちですが、
善意が必ずしも相手に伝わるとは限らないですよね。あと、無知であるという事で相手を知らずに傷つけてしまっているなど