寺地はるなのレビュー一覧

  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    この本の中には7作品ある。家族(家庭)や学校に焦点が当てられている作品が多い気がした。家族や学校に対する不満が書かれた、どうせつまらない終わり方になるだろうと考えていた。しかし、読んでみると、どの作品を読み終わった後も心地が良かった。各作品の長さもちょうど良かった。普段、解説は読まないことが多いが、この作品は解説まで素晴らしかった。

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    2026年01月18日
  • カレーの時間

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    昭和の男なお爺さんと、多様性の時代に生きる孫の、分かり合えないけど寄り添おうとする話が面白かった。お爺さんの孤独な生い立ちや、離婚した理由、文句を言いながらも娘たちを愛しているのに、それを伝えられない不器用さが感動的だった。

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    2026年01月02日
  • ガラスの海を渡る舟

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    寺地はるなさん作品2冊目。本作もみずみずしくも深くじんわり心に残る文章が多く、メモが止まらなかった。
    なかでも道のまっすぐで誰にとっても分かりやすい言葉に、ハッとする場面がたくさんあった。

    ガラス工房を営む兄妹。兄の道はコミュニケーションが苦手で、協調することができない。妹の羽衣子は、何事もそつなくこなせるが個性を見つけられずにいる。正反対のふたりの物語。


    「なんでも許されると思ってんのか、それは世間への甘えとちゃうんか、みんなお前よりがんばってんねんぞ」
    苦手なことがたくさんある道に対する、この言葉がずっと引っかかっていた。

    どうしてこの人は、道がどれほど頑張っているのか分かるんだろう。怒りでも悲しみでもなく、素朴な疑問が浮かんだ。
    この人はいつもぴったりと道の側にいるわけでも、道が普段何に悩み、どう対処しているかをすべて知っているわけでもないのに、なぜ「みんなお前よりがんばっている」と言い切れるのだろう。

    同じように私が不思議に感じる言葉がもう一つある。「なんで私だけがこんな目に遭うの…」というもの。
    ひどい不幸に見舞われた人がよくこぼす言葉だが、どうして他人が自分と同じような不幸を経験していないと分かるのだろうといつも疑問に思う。

    あなただけじゃない。見えない、知らないだけで、みんなそれぞれ、まぁまぁ不幸なこともあれば、まぁまぁ幸せなこともある。
    悩みなんてないように見える人でも、その内側では自分を限界まで追い詰めてしまっている人もいるし、自信がなくて他人の良いところばかり羨ましがっている人もいる。

    良くも悪くも、自分だけが特別ということはない。さまざまな本を読んで、より一層そう思うようになった。

    なんの話?という感想になってしまったが(笑)寺地さんの作品は、肩の力がいい具合に抜けてリフレッシュできる。来年は他の作品もゆっくり集めていきたい。

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    2026年01月01日
  • 雨夜の星たち

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    実際に三葉みたいな子がいたら『なんか面倒くさいなぁ』と思ってしまうかもしれない。友達にはなれないかもしれない。でも作品の中の三葉に共感出来たり出来なかったりしながらも気になってサクサク読めてしまい一気読み。
    物語が面白いだけではなく、気づかされることがたくさんあって最終的には三葉がとても愛おしく感じられた。彼女は自分自身ができること、出来ないことをよく知っていてそれを受け入れている。ある意味とても強い女性だと思った。
    私自身の経験から思うに、常識や暗黙の了解というのは自分の周りの環境によって都合よく変化する。それを私たちは気づいていないことが多く、自分は常識やマナーを守って行動しているような気がしているが実はただ多数派からあぶれないようにしているだけなのかもしれない。
    私たちはよく迷う。何が正しくて何が悪いのか?とかこれで合ってる?とか。三葉のようになりたいというわけではないが、人と接する時に全ての人が三葉みたいな人かも?って思いながら接したら迷わないのかもなぁ。

    推し作家さんになりそう。

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    2025年12月26日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    audible⭐︎
    物語が進むにつれて入り込んでいった。
    中学時代、思春期の葛藤がよく書かれてあった。
    他者を羨む感情、素直になれなかった後悔。
    自分の思春期を思い出してしまった。
    もう一度戻れるなら…と。

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    2025年12月15日
  • わたしの良い子

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    思いがけずかなり良かった。
    自分の子じゃなくても、子どもは皆可愛い。けれど、生活の中でじわじわと溜まるやり場のない気持ちが伝わってきた。
    妹に対して責任感がないとか色々思ってしまったけれど、それは「誰も救えない正しさ」と書いてあって納得させられた。

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    2025年12月12日
  • ほたるいしマジカルランド

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    やばい…嗚咽が止まらない…

    ドストレートに告白されるのが結局は一番伝わるみたいな感じ。ものすごくシンプルで素直な文章。でもやっぱそれが一番強い。殊更、働く人という日常の人間ドラマを描くのには最高やと思う。

    とても良い職場。

    皆それぞれが不器用なだけなんよなー
    なるほどそことそこが繋がるんかー
    タイトルのほたるいしって
    働く人々すべての総称やったんかー
    とか色々語れるところはありますが、やっぱりね、働いてる間だけでも素直になりたいもんですね。

    私は特に山田さんの章がお気に入り。

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    2025年12月06日
  • カレーの時間

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    祖父と孫の生活を通じて、愛情をうまく表現出来ない切なさのような感情が湧いてきた。ノスタルジックな気持ちになる小説。

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    2025年12月02日
  • ガラスの海を渡る舟

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    兄・道の言葉は心に響くものが多い。自分が子供の頃に出会いたかったなと。辛い時には読み返したいし、お守りみたいな一冊。

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    2025年11月30日
  • ほたるいしマジカルランド

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    ほたるいしマジカルランドという遊園地でのお話。
    前回夜が暗いとはかぎらないでも思ったのですが、登場人物がたくさん出てきます。前ほどではないし、そこで働く人達のお話。
    名前を覚えるのが苦手なわたしの脳が頑張りました笑

    ほたるいしマジカルランドにいけば働いてるんだってリアルに感じられるような背景、人物像がしっかりあって、皆好きで働いてる訳ではない、でもちゃんと責任持って仕事をして生きてる。


    ちょっと苦手だなって思う人物もちゃんと背景を知るとそういう部分もあったから、今があるのね。と思ったり。
    人を知るためにはどちらからともなく、1歩踏み出してみないと良いも悪いも分かりませんよね。

    寺地はるなさんの作品は最初に雨夜の星たちという作品を初めて読んだのですが、そこで、ほたるいしマジカルランドの名前が出てくるんです。
    元々気になって早く欲しいと思ってた作品だったのですが、とても素敵でした。

    解説の畑野さんのお話が分かりすぎて刺さりすぎて…
    これまた難しいですけど幸せって大小人様々ですよね。

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    2025年11月27日
  • ほたるいしマジカルランド

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    うんうん、テーマパークじゃなくて遊園地。
    もちろん、両方とも好きやけど遊園地のほうが好き度が高いかもしれない。
    テーマパークよりも遊園地の方が良い意味で遊びに行ってる人も働いてる人も人間っぽい気がするのはアタシだけ?
    久々に遊園地、行きたいなぁ。

    ☆月曜日 萩原紗英
    ☆火曜日 村瀬草
    ☆水曜日 篠塚八重子
    ☆木曜日 山田勝頼
    ☆金曜日 国村佐門
    ☆土曜日 三沢星哉
    ☆日曜日 すべての働くひと

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    2025年11月24日
  • ほたるいしマジカルランド

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    「欠点が生きるポジションがあるかもしれない。誰かがいなくなっても問題なく仕事がまわるのが会社。」
    国村社長が素晴らし過ぎる。
    水曜日、木曜日の章にじいんとし、日曜日の章にほっこりする。

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    2025年11月23日
  • ガラスの海を渡る舟

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    「わたしはなんにでもなれる」は前進させるコトバであり、心を引っ張る呪いのコトバでもあった。
    寺地はるなさんの紡ぐ物語がわたしはやっぱり好きだなぁと、読み終えてすぐにそう思う。
    自分も含めて上手くスマートに生きたいと思いながら、もがいている不器用な登場人物達が、劇的に何かが変わることがなく少しずつ勇気を出して前に進んでいる姿を感じることが出来るから。

    この作品は、「発達障害と才能がセットに考えられているのがおかしい」ことにも触れられている。
    何かが出来ないから、何かの才能はあるハズだ。物語風にしたらこれは定石であるが、現実的には違う。いや、そうであってはならない。
    自分はこの世で自分だけ。
    自信を持って胸を張って生きていく勇気をもらえた。

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    2025年11月21日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    妄想し自分はここに居る誰とも似ていない。同じ属性じゃないと感じ、それに合わせた設定を作って生きていく。
    そんな主人公の孤独や生きにくさを感じ切なくなりました。
    100人に愛されなくてもいい。たった1人理解し合える存在がいることがどれだけ幸せなのか、どれだけ心強い事か気づかせてくれるお話でした。

    SNSで多くの目に晒される今、数で物事を捉えてしまうが、本質を見失ってはいけないと思いました。
    今私を知り私を好きだと思ってくら人をまずは知って大切にしていきたい。

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    2025年11月14日
  • カレーの時間

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    カレーが時代を超えて、人の生涯を支えてきたような、寄り添ってきたような物語だった。なんとも今の時代に明らかにそぐわない発言、行動をする祖父。だが、その祖父にも今まで生きてきた時間があり、それが祖父をつくっている。祖父の思いや価値観の形成を感じられて、納得はせずとも共感した。桐矢の感性が、好きだった。人に思ったことを言わない反面、徐々に祖父の影響か言うべきことをきちんとその時に伝えられる。それはその人に気づきを与えるし自分の成長にも繋がることに気づかせてくれた。そして、カレーがすっごく食べたくなった!

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    2025年11月09日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    舞台は、佐賀県。私も佐賀県出身です。たしかに若い頃は自分があーだったら、こーだったらばかりでした。カラオケの最低限の合いの手も打てない、人並みに走れない、キリがありませんでした。しかし、今はこの年でも救急当直をこなせる体力、健康に感謝してます。寿命は縮んでるなら不健康かもしれませんが。

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    2025年11月03日
  • カレーの時間

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    いろいろと厄介な父を、娘たちは持て余している。
    83歳で一人暮らししているのも気になり、唯一男である孫の桐矢に、実家を出て祖父との同居を提案する。

    穏やかでおしゃれな祖父とカレー屋さんでもやる、ほのぼのしたお話かと思ったらまるで違いますよ、そこのあなた。
    とっても素晴らしい、昭和の家族のお話だった。
    一気に読まされた。
    約半年ぶりの読書再開、何か感想を・・・と思っても、言葉が出てこない。
    他の人たちの素晴らしい感性と、言葉に感動してしまったので、それを読むことにします。

    ただね・・・、義景、私の亡くなった父と、よく似てた。
    声が大きくて、短気で怒りっぽくて、自分に男が生まれないことを残念がっていて、孫に男が生まれたら「これで(嫁である私が)勤めが果たせた」と言ってホッとするような人だったから、切なくなった。娘たちの嫌悪感もよくわかるし、実際私も理解できないことがたくさんあった。母は従順な人だったけど、最後は反抗してた。
    他人事とは思えない読書体験でした。

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    2025年11月03日
  • ガラスの海を渡る舟

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    ネタバレ

    この本は私の生き方を豊かにしてくれる、そんな1冊でした。
    悲しい現実に対して、『前を向く』ことが一番大切だと生きてきたし他人に対してもそう思っていました。しかしこの本を読んで、準備が整っていない状態で前を向くことは間違っている、それを受け止める力が無いから『前を向こう』と言ってしまう。そう書かれてあって、今までの私は弱かったんだなと反省しました。これからは、前を向けない私も、周りの人も全力で受け止めようってすごく思った。

    信じるって難しいですよね。彼氏のことを信じるって良く口にしちゃうけど、それは私のただの期待なのであって本当の信じるでは無いってこと。信じるというのはその人に傷つけられてもいいって思えることでは無いかって書かれてあってすごく腑に落ちた。私は彼氏に傷つけられて怒って悲しんで、それを彼氏は「俺だと傷つけてしまう」と言って別れを1度選んでしまった。だけど私は別れたくなかった、だって彼氏に傷つけられても良いって思ってたから。この人になら傷つけられても大丈夫って思ってた。だから私たちはもう一度一緒に生きることを選びました。これからも私はこの人になら傷つけられてもいいって思えるし、彼も私のことをそう思ってくれてたらなあと。(期待しちゃってる)自分語り失礼しました。

    この本に出会って、生きていく上の豊かな心の持ち方を学ぶことが出来て幸せになれました。そして、ガラス工房に行きたいなあとも思いました。

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    2025年10月21日
  • 声の在りか

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    私にもそういうところがある!そう思いながら一気に読んでしまいました。あちら側とこちら側、私はどちら側でもなく、私が信じたことを胸を張って、時にはちゃんと声をだして向き合っていきたい。

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    2025年10月12日
  • 声の在りか

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    成長するにつれ何を考えているか分からなくなる息子、家庭に無関心に思える夫、カースト制に支配されるママ友たち。そんな環境でモヤモヤを抱えながら言いたい事も言えずに過ごしてきた主婦が、民間学童で働く事により自分の声を取り戻していく大人の成長物語。終始じとっと重い雰囲気の話だったが、希望が感じられるラストで読後感は悪くない。とても良い本だった。
    自分もずっと、声の在りかを探してきた。自分の中にあるよいものを探してきた。希和が理枝ちゃんと毎日一緒に帰ったように、岡野さんが「勉強はチケット」だと伝えたように、この自分の中にあるはずだから。子どもたちに応えられるきれいなものがあるはずだから。

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    2025年10月12日