寺地はるなのレビュー一覧
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子供が成長していくと、どんなふうに悩みが変わっていくかがリアルだった。
自分だって子供として成長を体験してきたわけだけど、親からしたらこんなにしんどかったんだなって思った。
悩みは変わっていくけれど、根本的に「生きてほしい」っていう願いは変わらないのすごく共感する。
子育ての考え方でも、いろいろハッとさせられた。
今までグミがのってるケーキを見たことがないというのが、のせてはいけない理由にならないとか、言われてみれば確かに!だった。
自分がこういう考え方を植え付けると、発想がどんどん狭まってしまうよなと。。
授業がわからないと学校がつまらなくなる、だから(親ができることとして)塾とかで勉 -
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ネタバレ世間のいう普通や幸せから少し外れた人達、でも誰にでも当てはまる気もする人達の短編集。
個々の葛藤が完全に解決する訳ではないが、それでも他者との繋がりを感じたり、自分から一歩を踏み出したりする場面が描かれており、心が暖まった。
「深く息を吸って、」が一番好きだった。心情の微細な部分まで追いかけて表現されているため、「きみ」が最後に立ち向かう場面の緊張感が手に取るように伝わってきて、短い作品ながらも最後は没入して読んでいた。
世間における「きみ」の濃度と、呼吸の深浅の比喩も、とても好きな表現だった。
一方で「対岸の叔父」は、世間に立ち向かうことが全てでなく、逃げる道もあると教えてくれるようで、 -
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リフォームジュエリー会社で再会した中学の同級生4人の物語。
そのうちの一人、ジュエリーデザイナーの永瀬珠の視点で物語は進み、45歳の時点から5歳ずつ遡ることで4人が各々抱えている背景や関係性が明確になっていく。
とても不器用でひたむきに生きる人たちの物語。慈悲深い。
タイトルにも表紙にもデザインされている『しずく』
しずくには大切な意味があり、この4人に関係のようにも思えた。
大人になる過程で人生はうまくいくわけではなくてままならなさと転機、そして決意の連続であって。物語は過去をさかのぼる形で進んでいたが、新たな決意をした45歳以降の物語も気になる。
とてもよかったが、言葉で表すことが難し -
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最近時間があっという間に過ぎていって焦りがあったけど、やっぱり本読む時間があると、落ち着ける。いい。
正和堂書店で、月別文庫本ランキングの一位になってたから読んでみた
遊園地で働いてる何人かの人のことが、章ごとにその人目線で書かれているお話。山田の引退ライブのとこじーんときた。
特に水曜日の章の八重子さんと野上さんが出てくるお話が好きだった。何回か会ったことある人のことをちょっと知れて、いい一日にだったって思えるところが好き。
あと、日常の中に気づかない変化があるみたいなこと書いてある部分も好きだった。
何年後かにまた読んだら、共感する相手が変わるかもだし、また読みたいなっ -
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ネタバレやはり寺地はるなさんの作品好きです。
察するとか気持ちを汲んであげるとか、そういう事はとても大事ですが、私は正直面倒に感じます。言うべきことを言葉で伝えられれば、本来それで十分なはずではないかと。
だけどそれだとまわりに嫌われたり勘違いされてしまう。言える時と言えない時があるし、言ってはいけない時もある。察してあげないといけない時もある。よく分かる。でもその加減が難しいし、自分の判断が正しいのかも全く分からない。
「目の前にあるものは、ちゃんと見えるからいい。見えるものを私は見たい。」という三葉の言葉にとても共感しました。見えないものを大事にするのは、ほんとうに大変だなと思います 。
それで -
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寺地さん、初。難しい言い回しはなく、肩が凝らない文体。心のつぶやきがちょっとしたコラムのような感じで読みやすい。たまに特徴のある表現があって、飽きなかった。
重々しくない語り口だけれど、心が刺激されてズシッとくる文章がそれはそれはたくさんあった。私の心の中にもある感覚だなあと頷いたり、わかってはいるけれどできていないことをストレートに言われてグッサリきたり。珍しくいくつもメモっちゃった。
主人公の椿は自分をきちんと持っていて、流されない。思考停止することなく、物事の大事な部分をちゃんと見ることができる。でもそれができるというのは逆に、平均的な人とは少しずれた感覚ってことになるんだろう。
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「わたしが他の誰かになれないように、他の誰かもまたわたしにはなれない。残念だが、わたしはわたしを引き受けて生きていくしかなさそうだ」
友達をうらやんでばかりいた若い頃の、劣等感とか自意識過剰ぶりを思い出しほろ苦い。年齢を重ね、自分が見たい面だけでなく、多角的に相手を見ることができるようになるにつれてこの境地に至る。うらやましさを感じるのはきっと、様々な面があって輝く一面、様々な面によって生み出される一面。そこだけちょい、と、つまみとれるものではないのだ。
お互いがお互いに何かしら屈折した思いを抱いていた10代の頃を過ぎ、30代になった天、藤生、ミナ。自分と言うものを受け入れて、これから3人