寺地はるなのレビュー一覧

  • 川のほとりに立つ者は

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    読み終わった後、視野が広がるような作品だった。
    文章がとても読みやすく、一気読みできた。

    私達は自分の知っている範囲でしか世界を見ることができない。だからこそ、それを自覚して相手を理解しようと努力することが大切なのかなぁと思った。

    人生のヒントになる様な言葉がたくさんあったので、メモしながら読んでみた。
    また時間をあけて読みたい。

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    2025年11月23日
  • ナモナキ生活はつづく

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    寺地さんの小説が好きだ。でも、エッセイも大好きになった。とても面白い。寺地さんとは同じ年生まれなので忍者ハットリくんやスチュワーデス物語など楽しんできたものが同じでものすごく嬉しい。小説でもここでも、本はたくさん読んでるからえらいとかすごいとかではないと書かれている。同じように映像や音声だとついていけないので(耳だと覚えられない事も多い)自分のペースで楽しめる本が合っていて好きで楽しい。
    そして同じように、年を取ることが悪い事だとは全く思わない。当たり前に誰でも年取るからね。
    「教官、共感しないでください」「夢の退職願」を読んで、すごくすてきな人だと感じた。
    今日、久しぶりに会った孫にこの間選

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    2025年11月23日
  • ガラスの海を渡る舟

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    「わたしはなんにでもなれる」は前進させるコトバであり、心を引っ張る呪いのコトバでもあった。
    寺地はるなさんの紡ぐ物語がわたしはやっぱり好きだなぁと、読み終えてすぐにそう思う。
    自分も含めて上手くスマートに生きたいと思いながら、もがいている不器用な登場人物達が、劇的に何かが変わることがなく少しずつ勇気を出して前に進んでいる姿を感じることが出来るから。

    この作品は、「発達障害と才能がセットに考えられているのがおかしい」ことにも触れられている。
    何かが出来ないから、何かの才能はあるハズだ。物語風にしたらこれは定石であるが、現実的には違う。いや、そうであってはならない。
    自分はこの世で自分だけ。

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    2025年11月21日
  • リボンちゃん

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    自由に生きるとか、多様性とか、「個」を重んじる時代になったからこそ、それは本当に幸せなことなのか?と考える機会を与えてもらったような気がした。
    不自由よりも、もちろん自由に生きたいけれど、自由とか多様性という言葉だけが一人歩きして、それすらも価値観を押し付けられている感じがしてしまうことがあった。
    言葉にするほどではないけれど、感じていたことを言語化してもらい、背中を押してもらえた気がする。
    世の中の空気に流されず、自分が感じたことを本当の意味で大事にできたらいいな。

    印象に残ったセリフ

    誰もが自分らしく生きたいわけじゃないんですよ。

    〜進化ってよりよいほうに進むとは限らないらしくて。わ

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    2025年11月20日
  • 世界はきみが思うより

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    寺地さんの世界にどっぷり浸れます。
    多様性と言われるいまの時代ですが、いわゆる大きなお世話な寄り添いは違うと改めて思い、人と人との接し方が難しくなってるなと感じました。家族だからこそ言えないこともありますよね。
    でも、自分はこんな風に寄り添う気持ちを大事にしていきたいと、そう思わせてくれる作品に出会えたことに、胸いっぱいになりました。

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    2025年11月19日
  • 川のほとりに立つ者は

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    ネタバレ

    偏見は常に誰しものそばにあるし、何かが極端に不得手な人が手を抜いてそうであるとは限らない。そしてそれが分かったからといって必ず理解できるものとも限らない。理解できると思ってはいけないなと思う。だって自分にはそれができてしまうのだから。できる人にできない人の気持ちを理解することはできない。精々できる精一杯が、寄り添うことなんだと思う。無知は罪。でも相手が素直に教えてくれるとも限らない。だから想像する。想像力を持って、仮説を立てて、でも分かった気になってはいけない。
    川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知りえない。

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    2025年11月19日
  • 世界はきみが思うより

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    愛する誰かを見つけることは、世界への信頼に匹敵するくらい大きなことなんだな。

    押しつけがましくない優しさに溢れた世界で、
    私も大切な人の幸せを祈りたくなった。
    出てくる食べものがどれも美味しそうで、
    寺地さんからの贈り物のよう。

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    2025年11月18日
  • ナモナキ生活はつづく

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    ネタバレ

    とっても共感できるお話が多かったです。

    特に「悪いことがあっても、この先良いことしかないと思うようにしている」とか

    うんうんって読みました。

    たまに、えっ、そうなっちゃう?っていうのもありましたけど。

    とにかく一気に読んじゃいました。

    寺地さんの本の中で一番おもしろいかも。全部読んだわけじゃないけど。

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    2025年11月17日
  • 川のほとりに立つ者は

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    ミステリとして捉えるなら、恋人が歩道橋から転落して意識不明になった謎を探るお話
    でも、寺地はるなさんだけあって、人の関係性についての物語の側面が強い
    
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    カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。
    松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。
    「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。
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    カフェの店長を務める29歳の原田清瀬
    突然かかってきた電話は病院からで、恋人

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    2025年11月17日
  • 世界はきみが思うより

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    高校生の冬真と、社会人の紗里、2人の視点が入れ替わりながら、それぞれの成長と愛を描く物語。

    『子どもに大人のかわりをやらせちゃいけないって』
    『親としての自己満足にまきこんだ気がしてます。あの子の、子どもでいられる時間を縮めた。』

    「子どものために」「子どもに生きる力をつけさせる」と言いながら、親のやるべきことを押し付けるのはまさに親の自己満足でしかない。子どもでいられる時間を奪う行為で、気をつけなければやりがちな行為ではないだろうか。親として立ち止まって考えなければならない。

    読後感がとても良い作品。心の中が暖かくなる。そして自分も親として同じような状況がくることを切なくも思う。大好き

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    2025年11月17日
  • 川のほとりに立つ者は

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    ネタバレ

    あらすじを読んで気になっていた作品だが、朝井リョウさんの『正欲』を読んだ時と近しい心境になった。
    身近な人であっても、全てをさらけ出すことは難しい。そうわかっているつもりでも、自分が清瀬の立場なら、絶対同じような思い違いをしてしまう自信がある。

    今でこそ様々な障害の存在が周知されてきたが、若者の部類に入るいっちゃんが適切なケアや指導を受けられずに大人になってしまったことがショックだった。母親が障害の可能性を考えておらず、本人の能力や努力不足と認識されてきたことがしんどい。

    一番この作品を象徴していると思ったのは、篠ちゃんの「ほんとうの自分とか、そんな確固たるもん、誰も持ってないもん。」とい

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    2025年11月16日
  • 雫

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    最近ミステリやSF読んでいたけれど、(それも面白いけど)こういう本好き!とあらためて思った。
    もう一度読みたい。今度は時系列で読んでみようかな。気になるフレーズをちゃんと記録しながら。
    たくさんあって記録しなかったことを読み終わってから後悔したから

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    2025年11月15日
  • 世界はきみが思うより

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    ネタバレ

    世界への信頼が薄くなる、という表現はとても分かる。私の感じ方だけれども、些細な出来事でも、そこに悪意がなくても、少しずつ自分の心が閉ざされて、世界と距離ができる感覚がある。

    本作には、繊細で、とても優しく、人を思い、だからこそ自分を犠牲にしたり、心の中に閉じ込めてしまう人が多く登場している。そして、その周りの世界にも悪意はない。ないのだけれど、それでもやはり分かり合えない部分はある。
    自分がされて嬉しいことを相手にもしよう、相手のためにしている、という行為は優しさでありながら、優しさの押し付けであり、自己満足になってしまう。
    他人と関わるというのはとても難しく、一方で自分自身と向き合うものに

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    2025年11月15日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    妄想し自分はここに居る誰とも似ていない。同じ属性じゃないと感じ、それに合わせた設定を作って生きていく。
    そんな主人公の孤独や生きにくさを感じ切なくなりました。
    100人に愛されなくてもいい。たった1人理解し合える存在がいることがどれだけ幸せなのか、どれだけ心強い事か気づかせてくれるお話でした。

    SNSで多くの目に晒される今、数で物事を捉えてしまうが、本質を見失ってはいけないと思いました。
    今私を知り私を好きだと思ってくら人をまずは知って大切にしていきたい。

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    2025年11月14日
  • 水を縫う

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    「男らしい」「女だから」「母親なのに」…周囲から何気なく発せられる抑圧とドレスを通して紡がれる家族の物語

    読後の余韻がすごい
    どの章も自分のことのように共感した
    特に最後の刺繍が完成していくさまは感動

    家族それぞれの視点から描かれててそれぞれの想いがとても伝わってきた

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    2025年11月10日
  • カレーの時間

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    カレーが時代を超えて、人の生涯を支えてきたような、寄り添ってきたような物語だった。なんとも今の時代に明らかにそぐわない発言、行動をする祖父。だが、その祖父にも今まで生きてきた時間があり、それが祖父をつくっている。祖父の思いや価値観の形成を感じられて、納得はせずとも共感した。桐矢の感性が、好きだった。人に思ったことを言わない反面、徐々に祖父の影響か言うべきことをきちんとその時に伝えられる。それはその人に気づきを与えるし自分の成長にも繋がることに気づかせてくれた。そして、カレーがすっごく食べたくなった!

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    2025年11月09日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    7編の連作短編は、どれも大きな事件が起こるわけではない。でも、どの登場人物からもそれぞれの心の揺らぎが伝わってきて、誰もが一生懸命いろんなことを考え、悩みながら生きているんだな、と実感させられる。
    周囲の目とか、かくあるべきとされる固定観念とか、生きる中で自分を縛ろうとするものは沢山あるけれど、自分がどうしたいのかを見つめ、選び取って生きていくことを大事にしたい、ということを感じさせてくれる作品だった。

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    2025年11月09日
  • 雫

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    珠をはじめとした周りの人たちがみな愛おしいキャラクターでスラスラ読めた
    また少しずつ年代を遡っていくのもなぜ珠はこうやって生きてきたのかを知れてとてもよかった

    もともと雨は好きだけど、もっと好きなれそう

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    2025年11月08日
  • リボンちゃん

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    リボンちゃん。
    名前はかわいいけれど自分のことが一番わかっていて、人からの見え方を気にしない強さがあってかっこいいなと思った。
    読んでいる間ずっと気持ちの良い風に吹かれているような気分だった。
    この先をこそ読みたかったと思う気持ちもなくはないが、ここまででおしまだからこそのこの読後感なのかもしれないと考えると丁度いいのかもしれない。

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    2025年11月07日
  • 水を縫う

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    どの世代にも起こり得る、家族の評価と好きなことの板挟み

    特におばあちゃんの話が心に来た。お母さんは私自身。

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    2025年11月07日