寺地はるなのレビュー一覧
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寺地はるなさんの『こまどりたちが歌うなら』を読み終えた。
正直に言う。
この本を読むのは、とても辛かった。
大好きな作家さんの作品なのに、はじめて「早く読み終えてしまいたい」とさえ思ってしまった。それほどまでに、この物語は容赦なく私の傷口を抉ってきた。
表紙に騙されてはいけない
可愛らしい表紙。
どこか温かみのあるタイトル。
手に取ったときは、きっと心温まる物語なのだろうと思っていた。
だが、ページをめくった瞬間から、その予想は裏切られた。
この作品は、容赦なくリアルな社会の現実を突きつけてくる。優しさで包まれた物語ではなく、私たちが目を背けたい「職場の闇」を、まっすぐに照らし出 -
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寺地はるなさんの『大人は泣かないと思っていた』を読み終えて、しばらくページを閉じられなかった。
九州の山々に囲まれた田舎を舞台に描かれる、何気ない日常の中に潜む人生の本質。
この作品は、私たちが普段目を逸らしがちな問いを、静かに、しかし確実に突きつけてくる。
田舎という舞台が映し出すもの
物語の舞台は、九州の山々に囲まれた小さな町。
都会の喧騒からは遠く離れた、時間がゆっくりと流れる場所だ。
しかし、その穏やかな風景の下には、目に見えない「空気」が重く漂っている。
古い価値観、世間体、「みんなと同じ」であることを求める圧力。
田舎特有の閉塞感が、登場人物たちの人生に影を落として -
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はじめに
寺地はるなさんの小説『月のぶどう』を読み終えた。
ページを閉じた瞬間、胸の奥に小さな灯りがともるような温かさが広がった。
これは、夢を追いかけることの美しさだけでなく、夢を持てなかった人、夢に破れた人、そして「何者かになりたい」と願いながら何者にもなれなかったすべての人へ向けられた、優しくも力強いエールの物語だ。
物語の舞台と登場人物
物語の中心にいるのは、双子の姉弟──姉の光実と弟の歩。
二人が生まれ育ったのは、家族経営の『天瀬ワイナリー』。
代表を務める母、経理を担当する父。ワイナリーは二人にとって生活の場であると同時に、それぞれの人生を形づくる大切な舞台でもあった。 -
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髪飾りに大きなリボンをつける主人公、リボンちゃんは32歳。リボンをつけることに確固たる意志があり、からかわれてもブレない。たくましい主人公だ。
登場人物それぞれがかなり個性的で、出てくる小道具も個性的。カポエイラ・モタンカ人形・絶滅動物・コケが一冊で出てくる作品なんて他にないだろう。人と違うことについて、自信を持たせてくれる作品だった。
そんな個性的な登場人物たちの中で、異彩を放つのが「普通」な中学生、波瑠。私は彼女の存在がとても気になった。個性的な妹のお姉ちゃんとしての苦悩を抱えている。自分のことを普通で地味で取り柄がないと思っている波瑠に、個性を貫くリボンちゃんの声は届かない。リボンち -
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読み終えた今、胸の中に温かいものがじんわりと広がっている。
この物語の舞台は「ほたるいしマジカルランド」という遊園地。
そこで働く人々の日常が、丁寧に、そして愛情深く描かれている。
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◼︎人の心を見通す作家の眼差し
読みながら何度も思った。
寺地はるなさんは、何故こんなにも他人の感情が分かるのだろう、と。
登場人物たちの喜びも、悲しみも、迷いも、葛藤も。
その全てが、まるで自分の心の内を覗かれているかのようにリアルで、切実で、そして優しい。
寺地はるなさんの作品はいつも私に大切なことを教えてくれる。
今回もまた、たくさんの宝物のような言葉に出会うことができた。
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◼︎こんな -
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ページをめくる手が止まらなかった。ガラス工房を営む兄妹の物語──それも、骨壷を作る二人の静かな日常を描いた作品だ。透明で繊細なガラスのように、登場人物たちの心の機微が丁寧に描かれていた。
「道」という鏡
主人公の一人、「道」に私は自分を重ねずにはいられなかった。
「道」は34歳の兄だ。妹と二人で工房を切り盛りしている。
彼は恐らく発達障害があり、あいまいな言い回しが理解できない。臨機応変な対応が苦手で、予想外の予定変更に対応できない。何もないところでよく転んでしまう。他人の気持ちが分からないことも多い。その姿が、痛いほど私に似ていた。
でも、彼はとてもまっすぐで優しい人なのだ。
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ほたるいしマジカルランドという遊園地でのお話。
前回夜が暗いとはかぎらないでも思ったのですが、登場人物がたくさん出てきます。前ほどではないし、そこで働く人達のお話。
名前を覚えるのが苦手なわたしの脳が頑張りました笑
ほたるいしマジカルランドにいけば働いてるんだってリアルに感じられるような背景、人物像がしっかりあって、皆好きで働いてる訳ではない、でもちゃんと責任持って仕事をして生きてる。
ちょっと苦手だなって思う人物もちゃんと背景を知るとそういう部分もあったから、今があるのね。と思ったり。
人を知るためにはどちらからともなく、1歩踏み出してみないと良いも悪いも分かりませんよね。
寺地はる -
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寺地さんの小説が好きだ。でも、エッセイも大好きになった。とても面白い。寺地さんとは同じ年生まれなので忍者ハットリくんやスチュワーデス物語など楽しんできたものが同じでものすごく嬉しい。小説でもここでも、本はたくさん読んでるからえらいとかすごいとかではないと書かれている。同じように映像や音声だとついていけないので(耳だと覚えられない事も多い)自分のペースで楽しめる本が合っていて好きで楽しい。
そして同じように、年を取ることが悪い事だとは全く思わない。当たり前に誰でも年取るからね。
「教官、共感しないでください」「夢の退職願」を読んで、すごくすてきな人だと感じた。
今日、久しぶりに会った孫にこの間選