寺地はるなのレビュー一覧

  • ガラスの海を渡る舟

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    ネタバレ

     兄妹の関係や、人それぞれの「普通」の違いについて深く考えさせられる作品だった。
     発達障害の可能性がある兄と、その兄にずっと苦手意識を持っていた妹が、ガラス工房を通して少しずつお互いを理解していく流れがとても面白かったし感動した。

    特に印象に残ったのは、118ページの、
    「ぼくにとってはひとりひとりが違う状態が『ふつう』なんや」という言葉だった。
     羽衣子は“特別な人”と“その他大勢”という感覚を持っていたけれど、道にとっては、一人ひとり違うこと自体が当たり前だった。その考え方がすごく優しくて、「普通になりたい」という気持ちが「普通にならなきゃ」としんどくなっている羽衣子にとって大切な考え

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    2026年05月17日
  • 最後の晩餐

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    豪華作家陣によるフルコース。
    まず、「最後の晩餐」の捉え方がそれぞれで面白い。
    同じテーマで書いても、それぞれの特徴があり、
    こうも違う作品が出来上がるのかと、面白かった。

    そして、最後を考えることは、それまでどう生きてきたか、どういうことを大切にしてきたかを振り返り、さらにこれからについても考えることに繋がっていくのだと感慨深かった。

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    2026年05月15日
  • こまどりたちが歌うなら

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    たった一人でも「きみは大丈夫。」って心にスタンプを押してくれる人の存在は大きい。
    皆にも、そんな人が一人でもいますように。

    “だいじょうぶ”の話は、聞くにしても答えるにしてもホンマに気をつけよう。
    誰かが「人は大丈夫?って聞かれると反射的に大丈夫って答えてしまうから。」って言ってて「せやねん、せやねん。」って思ったのを思い出した。

    「少しずつ少しずつでも、大丈夫。」って言ってもらえてる気がする一冊やったなぁ。

    ☆第一章 春の風
    ☆第二章 香る雨
    ☆第三章 夏の雪
    ☆第四章 秋の夢
    ☆第五章 冬の花
    ☆第六章 空と羽

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    2026年05月15日
  • わたしの良い子

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    読んでいて、「普通」や「良い子」という言葉にずっと問いかけ続ける作品だと思った。

    特に印象に残ったのが
    「ずれてるっていうのは穂積が標準モデルがいると仮定してるからでしょ。でもほんとはいないんだよ。そんなのどこにも。」という言葉。

    “普通”とか“標準”って、ついどこかに存在している気がしてしまうけれど、本当はそんなものはなくて、みんな違うのに、自分だけが外れているような気持ちになって苦しくなることがある。だからこの言葉にすごく救われた。

    解説の「ノーマは存在しない」という話も興味深かった。“普通”の基準に人を当てはめるのではなく、一人ひとり違う存在として見ていくことの大切さを改めて感じた

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    2026年05月14日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    切ない。
    特に「妥当じゃない」で平野さんの視点から見る色々な人の模様が特に切なかった。
    誰かみたいに明るく生きたい。あの人みたいに真っ当な人生を送って、いい頃あいになれば自分を心から愛してくれる人がめぐってきて結婚するものだと思っていた。
    でもそれは思い込みで幸せは自分で手に入れなければならない。白馬に乗った王子様なんていないのだと。
    「翼がないなら飛ぶだけだ」もよかった。
    結婚とは親や親戚とするものではない。
    本人同士が好きで結婚したければすべきなのだ。
    確かになぜ親に許してもらわないといけないのか。
    ましてや親戚など全く関係ないのに。
    それでも旦那の親や親戚に媚を売って気に入られようとして

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    2026年05月13日
  • 雫

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    中学4人組の30年。

    2025年4月 珠が20年勤めた「タカミネジュエリー」がお店を畳むことになった。不動産部門は残るけど、珠はジュエリーのデザイナーなので、辞める。明日から無職。

    2020年2月 珠の母はボケかけている。昔から母が好きでも嫌いでもない。母の世話は姉に任せている。

    2015年12月 お父さんの形見のオニキスのカフスを自分のピアスにリフォームする。この頃はしずくの周辺をしずくの父がうろついている。

    2010年7月 姪のりんの運動会に来た。そこで知り合った長田さんの家にバーベキューに行った。長田さんにお付き合いしたいと言われて帯状疱疹になる。

    2005年4月 珠はヤンおば

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    2026年05月13日
  • 水を縫う

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    裁縫好きの男子高校生が、姉のウェディングドレスを仕立てる話。

    表紙で青春ものと思っていたら違った。関西弁が心地よい。服飾の世界と3世代の描写がとても自然ですごくよかった。寺地さんはおばあちゃん描写が上手。全と清澄のドレスが見てみたい

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    2026年05月10日
  • ほたるいしマジカルランド

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    遊園地で働く人たちの話。
    どんな人にも葛藤はあって、でもそこで頑張ってやっていると道が開ける。そういう事ってあるかもな。

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    2026年05月10日
  • 水を縫う

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    今まさに、私が思っている、もがいていることをテーマにしていると感じた。
    自分らしさを大切にすることの尊さと難しさ。

    そして何より、ウェディングドレスを見たい。と強く思った。

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    2026年05月08日
  • ぬすびと

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    #ぬすびと
    寺地はるな
    双葉社

    ーーーーー

    もう二十年も昔のことーー。

    「何を今更?」

    そんな風に思うかしら。

    でもね、

    大人になればわかる。

    一年も、十年も変わらない。

    鮮明な記憶ほど、
    大切な記憶ほど、

    時は止まり、昨日のことのように、
    いつだって鮮明に覚えているの。

    傷も。
    宝物も。

    ーーーーーー

    若く無鉄砲だったわたし、鳴海。
    美しく慎ましかった奥様、彌栄子。
    気難しい性格を持った、その息子の栄輝。

    若かりし頃に断絶されてしまった絆。

    栄輝から掛かってきた1本の電話を境いに
    20年の歳月を経て、再び邂逅する。

    ーーーーーー

    『ぬすびと』『泥棒』

    この言

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    2026年05月05日
  • いつか月夜

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    1冊を通して、特段目立った場面展開がある訳ではなく、深い繋がりがある訳でもない、不思議な繋がりの人たちをただ夜をお散歩するだけのお話。人には何とも形容しがたいぼんやりとした不安や悩みがつきもの。そういった気持ちを、穏やかに丁寧に、時にはクスッと笑っちゃう表現で描いていて、そこが『いつか月夜』の大好きなところだなあと再読して改めてしみじみ思った!
    特に理由はなく、ただぼんやりのんびり夜を散歩するのって、もしかしたら凄い気分転換になるのかもしれない…!
    あと、實成って苗字がかっこよすぎる響きだと感動すら覚えたのは私だけ?笑 えびの背ワタを取るところとか、實成の自炊場面が何気に好きだという新しい発見

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    2026年05月04日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    短編集とか説明されていた気がしたが、一つの物語を複数の視点で綴った作品だった。
    現代の価値観に否定され過去に固執しながらも、今目の前にある大事なもの、大切な人を受け入れていく姿に、心が浄化された。最後の涙をクライマックスに、様々な人を通して確かに存在する愛に気付いて向き合っていく展開が、とても美しい。それぞれが飾らずさりげないことも、私には刺さった。
    男女の役割、親子など、世代間で変わる価値観があったとしても、最後に突き詰めていくと、愛する人のために何ができるかであり、実は時代が変わっても本質的には同じ根がはっているのではないか。

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    2026年05月02日
  • わたしの良い子

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    「誰かのこと、嫌いって言ってもいいよ。
    家ではね。好きなだけ言っていい」

    誰の悪口も言わない、愚痴も言わない。

    大人でもむずかしいようなことを、わたしたちは
    生まれて十年にも満たない子どもにさせようとした。

    良い子は他人の悪口を言いません、なんて。
    とてもひどいことだ。

    『わたしの良い子』 / 寺地はるな

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    「どうしてちゃんとできないの?他の子みたいに。」
    という帯のセリフに惹かれて手に取ってみた

    子育てに限らず、兄弟や親、上司、同僚とか
    色んな人間関係についての描写があって考えさせられた

    子育ては未経験だけど、前もって読めてよかったし、
    ずっとお守りとして本棚に置いてお

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    2026年05月02日
  • 白ゆき紅ばら

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    すごく読み易かった。今の2人なら、幸せは不幸に勝つだろうね。

    無意識に他人を苦しめる人、なんでもないことのように他人を救える人、私は後者でありたい。

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    2026年05月02日
  • 世界はきみが思うより

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    ネタバレ

    一瞬で読んだ。
    綺麗事で傷つけてしまったり、無意識に甘えてしまったり、理解しきれなかったりするけど、自分の内側の好き・大切という感覚に従って真っ直ぐ向き合う関係に感動した。特に冬真や冬真の母の言葉には、はっとさせられることが多かった。

    物事をネガティブに考えてしまいがちな私にとって、救いになるような本だった。

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    2026年04月30日
  • ほたるいしマジカルランド

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    そこには、なんのためにもならない“豊かなもの”があります(帯の言葉)←読み終えた後にすごくジーンときた。

    遊園地で働く色んな立場、年齢、キャラクターの従業員の5つのエピソード+最終章は全部をまとめたクロージングという構成。
    遊園地の社長がメインで出てくるのか?と思ったところ、社長はあくまで脇役!でも各登場人物のストーリーに出てくると言うのも予想外でおもしろかった。

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    2026年04月30日
  • 彼女が天使でなくなる日

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    北部九州出身として、海がにおってくる作品でした。作品にはどれも重要な人物が出てきてましたが、なぜか後半押しかけて来た人物が、こんなにチープな人か、となぜか逆に印象深かった。

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    2026年04月29日
  • 世界はきみが思うより

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    世界への期待や信頼をなくして、静かに日々を過ごす冬真くんと、その周囲の人たちの、それぞれの悩みと、触れ合いによる気持ちの変化の話。
    優しさを積み重ねるような連作短編集であり、登場人物は、とても魅力的だった。
    様々な場面でしみじみ感動したが、『チョコレートサンドイッチと未来』で、2人の登場人物がお互い、会話の語尾に「ですね」をつけて、心情を吐露する場面は、思わず微笑んでしまい、涙もにじんでしまった。
    世界は思うほど悪くないよというメッセージ、しかと受け止めました。

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    2026年04月29日
  • ぬすびと

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    とても良かった。
    気が強いようで実は面倒見のいい鳴海にすごく好感を持った。売られた喧嘩は買うような性格だから勘違いされることも多いだろうけど。。
    暖のゆるい感じもよかったし、読後にいい余韻が残る本だったな。

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    2026年04月28日
  • 世界はきみが思うより

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    心の中に抱えている傷とか、秘密とかを、優しく包んでくれるような、自分の中にある様々な負の感情も、ちゃんと認めてあげていいんだな、と感じられる一冊だった。

    他人の作ったものを無条件に食べられる、っていうのは他人を信じられるということで、とても幸せなことなんだな。

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    2026年04月27日