寺地はるなのレビュー一覧
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ネタバレ私はいわゆる物語が好きなので、
エッセイと聞くと若干身構えてしまうところがあります。しかし本作はどれも2ページ前後で、読みやすくて簡潔で、抜群に面白い!
あっという間に読み終わってしまいました。
中でもわかる…と共感した話が、
p28ノーノーシンプルライフです。
赤子が乳を欲しがるがこときひたむきさで対象物を求める気持ち、25にして私もオギャリズム強めに生きてきます。オギャリズム、愛用したい言葉です。心のままにオギャっているので…。
後半に書かれているように、私も好きなものは好き!あれもこれも!というたちなので、ごちゃごちゃと囲まれ統一感とは皆無の部屋で暮らしています。ときどき全部クローゼット -
Posted by ブクログ
とても可愛らしい物語だった。
読んでいる(聴いている)時間そのものが、なんとやかにやさしく癒される時間。
リボンちゃんの性格、はっきりしていて、自分の軸を持っているのに、誰かを傷つけるような尖りはなく、自然と周りと馴染んでいく。そんな人柄がとても心地よかった。
お母さんを亡くした寂しさを、どこかで“リボン”がそっと繋いでいるような気がした。
リボンちゃんという名前も、ももかという名前も、どちらも愛らしくてぴったり。
よくわからないけれど温かい雰囲気のお店で働いて、手芸が好き。
そんな彼女の世界は、静かで優しい色で満たされている感じもあった。
特に「ブラジャーのレース」に対する描写が印象的 -
Posted by ブクログ
いろいろと厄介な父を、娘たちは持て余している。
83歳で一人暮らししているのも気になり、唯一男である孫の桐矢に、実家を出て祖父との同居を提案する。
穏やかでおしゃれな祖父とカレー屋さんでもやる、ほのぼのしたお話かと思ったらまるで違いますよ、そこのあなた。
とっても素晴らしい、昭和の家族のお話だった。
一気に読まされた。
約半年ぶりの読書再開、何か感想を・・・と思っても、言葉が出てこない。
他の人たちの素晴らしい感性と、言葉に感動してしまったので、それを読むことにします。
ただね・・・、義景、私の亡くなった父と、よく似てた。
声が大きくて、短気で怒りっぽくて、自分に男が生まれないことを残念が -
Posted by ブクログ
寺地はるなさんの小説がすごく好きで、どんな方なんだろうと興味をもって、トーク会に参加したこともあります。なので待望のエッセイ本で、予約して購入し、しかもすぐには読まずに少しずつ楽しみに読んでいたのですが、読み始めてしばらく(5/6くらいまで)は「ゔーん、、、私にはあんまりあわないかも、私は小説が好きなだけなのかも」っていう考えがうかんでいましたが、後半へいくにつれてやっぱり自分の好きな寺地はるなさんがでてきて嬉しかった。
寺地はるなさんがこう思ってくれてるんだと思えば私も頑張れます!寺地はるなさんが思った通りの本となって私に届いています。 -
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余計な情報を入れずに、その本を楽しみたいから、著者のSNSやエッセイは見ない、と知人が言った。もちろんそれも分かる。
が、私は好きな人、興味ある人のことは、どんどん知りたい、と思うタイプ。
あんなすごい作品を書くのに、意外と庶民的なんだな、とか、同じような悩みを持ってるんだな、とか、なるほどそんな風に考えてるのか〜と知るのが楽しい。
で、好きな寺地はるなさんのエッセイ、楽しくてあっという間に読み終えた。
独特の妄想世界が広がっていく様子が面白かったり、子どもさんへの想いに胸が熱くなったり、いつも小説を通じて感じている「そのままの自分を大切にしてね」というメッセージをしみじみ感じたりもした。
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Posted by ブクログ
読書は嫌いじゃないけれど、普段の忙しさでなかなかじっくり本が読むことができない…。それでも、寺地さんの本を読むと、ほっとするというか救われるというか、心にすーっと馴染む感覚がして、私にとって、時間をかけてでも読みたくなる唯一の作家さん。「きっと感性が近いのだろうなぁ」とずっと思っていたので、ワクワクして読み始めた「ナモナキ生活はつづく」。
「あー!分かる分かる!あるある!」と思うところもあれば、「これは私とはちがっているな…というか真逆かも」と思うところもあり、それがまた面白い。基本的にはテンポ良くふんふん、とライトに読んでいけるけれど、時折、ハッとさせられることも(個人的には特に子育てについ -
Posted by ブクログ
久しぶりの寺地はるなの小説。登場する人物も等身大のどこにでもいそうな人たちで、いろんなことを抱えて他人を思いやりながら生きている。相手から求められることと、自分が与えられることのギャップに思い悩みながらも、自分自身であることをやめられない悩ましさ。煮詰まった関係に嫌気が差して、離れたいと望みながらも、求められることの安寧から抜け出ることができないもどかしさ。自分の気持ちを理解してもらおうとどんなに言葉を尽くしても、受け止めてもらえない絶望。特に大きな事件が起きるわけではない日常を淡々と描くなかで、複雑で難しい人間関係の機微を言語化して気づかせてくれる、最初から最後まで、なめらかで味わい深い日本
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ネタバレこの本は私の生き方を豊かにしてくれる、そんな1冊でした。
悲しい現実に対して、『前を向く』ことが一番大切だと生きてきたし他人に対してもそう思っていました。しかしこの本を読んで、準備が整っていない状態で前を向くことは間違っている、それを受け止める力が無いから『前を向こう』と言ってしまう。そう書かれてあって、今までの私は弱かったんだなと反省しました。これからは、前を向けない私も、周りの人も全力で受け止めようってすごく思った。
信じるって難しいですよね。彼氏のことを信じるって良く口にしちゃうけど、それは私のただの期待なのであって本当の信じるでは無いってこと。信じるというのはその人に傷つけられてもい -
Posted by ブクログ
成長するにつれ何を考えているか分からなくなる息子、家庭に無関心に思える夫、カースト制に支配されるママ友たち。そんな環境でモヤモヤを抱えながら言いたい事も言えずに過ごしてきた主婦が、民間学童で働く事により自分の声を取り戻していく大人の成長物語。終始じとっと重い雰囲気の話だったが、希望が感じられるラストで読後感は悪くない。とても良い本だった。
自分もずっと、声の在りかを探してきた。自分の中にあるよいものを探してきた。希和が理枝ちゃんと毎日一緒に帰ったように、岡野さんが「勉強はチケット」だと伝えたように、この自分の中にあるはずだから。子どもたちに応えられるきれいなものがあるはずだから。