寺地はるなのレビュー一覧
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いろいろと厄介な父を、娘たちは持て余している。
83歳で一人暮らししているのも気になり、唯一男である孫の桐矢に、実家を出て祖父との同居を提案する。
穏やかでおしゃれな祖父とカレー屋さんでもやる、ほのぼのしたお話かと思ったらまるで違いますよ、そこのあなた。
とっても素晴らしい、昭和の家族のお話だった。
一気に読まされた。
約半年ぶりの読書再開、何か感想を・・・と思っても、言葉が出てこない。
他の人たちの素晴らしい感性と、言葉に感動してしまったので、それを読むことにします。
ただね・・・、義景、私の亡くなった父と、よく似てた。
声が大きくて、短気で怒りっぽくて、自分に男が生まれないことを残念がっていて、孫に男が生まれたら「これで(嫁である私が)勤めが果たせた」と言ってホッとするような人だったから、切なくなった。娘たちの嫌悪感もよくわかるし、実際私も理解できないことがたくさんあった。母は従順な人だったけど、最後は反抗してた。
他人事とは思えない読書体験でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本は私の生き方を豊かにしてくれる、そんな1冊でした。
悲しい現実に対して、『前を向く』ことが一番大切だと生きてきたし他人に対してもそう思っていました。しかしこの本を読んで、準備が整っていない状態で前を向くことは間違っている、それを受け止める力が無いから『前を向こう』と言ってしまう。そう書かれてあって、今までの私は弱かったんだなと反省しました。これからは、前を向けない私も、周りの人も全力で受け止めようってすごく思った。
信じるって難しいですよね。彼氏のことを信じるって良く口にしちゃうけど、それは私のただの期待なのであって本当の信じるでは無いってこと。信じるというのはその人に傷つけられてもいいって思えることでは無いかって書かれてあってすごく腑に落ちた。私は彼氏に傷つけられて怒って悲しんで、それを彼氏は「俺だと傷つけてしまう」と言って別れを1度選んでしまった。だけど私は別れたくなかった、だって彼氏に傷つけられても良いって思ってたから。この人になら傷つけられても大丈夫って思ってた。だから私たちはもう一度一緒に生きることを選びました。これからも私はこの人になら傷つけられてもいいって思えるし、彼も私のことをそう思ってくれてたらなあと。(期待しちゃってる)自分語り失礼しました。
この本に出会って、生きていく上の豊かな心の持ち方を学ぶことが出来て幸せになれました。そして、ガラス工房に行きたいなあとも思いました。 -
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成長するにつれ何を考えているか分からなくなる息子、家庭に無関心に思える夫、カースト制に支配されるママ友たち。そんな環境でモヤモヤを抱えながら言いたい事も言えずに過ごしてきた主婦が、民間学童で働く事により自分の声を取り戻していく大人の成長物語。終始じとっと重い雰囲気の話だったが、希望が感じられるラストで読後感は悪くない。とても良い本だった。
自分もずっと、声の在りかを探してきた。自分の中にあるよいものを探してきた。希和が理枝ちゃんと毎日一緒に帰ったように、岡野さんが「勉強はチケット」だと伝えたように、この自分の中にあるはずだから。子どもたちに応えられるきれいなものがあるはずだから。 -
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特に後半は、感じていた生きづらさを言語化してもらった。不器用な人ほど、他人に興味があったり、人のことを考えていたりするのだろうか。
世間的に良しとされる行動を「良い行い」と思い、何も疑問に持たないことが一番こわい気がする。
自分にも他人にもフラットに、そして正直にいきていきたい。それがなかなか難しい。
私の気持ちを言語化してくれた文章。
「けど、ほんまに他人に関心がないんかな、あんたは。もしかしたら簡単に相手のことをわかった気になりたくない、と思ってるんちゃう?」
他人の気持ちを考えなさい、と母にいつも言われてきた。わたしにはそれがおそろしいことのように思えてならなかった。「このような場合、通常こう考えるはずである」にあてはまらない人間だって、多くいるはずだから。
一度わかった気になると、それ以上のことをわかろうとしなくなる。だから相手がどうしてほしいとか、どう思っているとか、決めつけるのは嫌だ。 -
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じーーーーんわり心にあかりが灯ったような感覚がした。キラキラした遊園地で働く人達は、私から見たら凄く眩しくて、素敵な世界の住民のように感じる。だけど、そこで働く一人一人は紛れもなくただの人間で、それぞれの人生を悩み、迷い、もがきながら生きている。この本は、綺麗事で慰めてくれる訳じゃない。無理やり希望を持てと言う訳じゃない。ただ、あなたはあなたでいいんだよ、と寄り添ってくれるように感じた。私は、それがとっても優しく、嬉しいと思った。
どうしても、隣の芝は青く見えるし、無い物ねだりをし合っている。きっと人間って、そんなもんだ。
自分が周りを羨む気持ちは、周りの人の良いところを見つけるのが得意だということ。悪いところではなく良いところに目がいくのって、実はとっても素敵なことじゃないだろうか。ああなりたい、こうなりたいという欲は、時に人を成長させるだろう。私が大嫌いな私も、他の人から見たら青い芝に見えるのかもしれない。だから、私も人の良いところ見つけを頑張ろう。それをできる限り本人に伝えていきたい。そして少しずつ、私の良いところ見つけだってやっていこう。それはきっと、私を成長させてくれるはず。 -
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人に対するモヤモヤを、対峙するよりも
避けていくことを選んできた自分には
一つ一つのモヤモヤを
すぐには言葉にできなくても
じっくり向き合おうとする主人公に
気づきもらった。
今、自分が見ているその人の言動は、
自分が理解していることが全てではない
いろんな背景があっての
眼にみえる、その言動。
人を理解しようとすることは
恋とか友情などを育むために
とても大切なことなのだ。
素敵な大人の友達もとてもいい。
スパッと言い切ってくれる言葉が
思い込みや、頑固さを
叩き割ってくれるように思われた。
やわらかい砂のうえ。
あぁ、そんな感覚もあったなぁ
と思い出すような気持ちと、
これから、そのうえに立つとき、
自分は何を思うだろうと考えたり。
きっと、これまでより、ほんの少し
幅を持って考えて、誰かのことを思いながら
立てる。
そう思った。 -
Posted by ブクログ
本の帯にある「さみしさに、ほっとする」というフレーズに惹かれて購入。
短編集だから毎日少しずつ…と思っていたのに、気づいたら一気読みしていた。
各短編の書き出し。気になる…と、わくわくした。
作中には、時々、突如パワーワードが出てきて、クスッと笑わされる感じも好き。
どのお話も、なんとなく、さみしい。そのさみしさは、決して否定的なさみしさではない。さみしさのなかで、自分を読み解き、受け入れ、他者に優しい人たち。
集団の暴力性について。人間関係における感情がリアルに丁寧に描いてあるので、そういったシーンを読むと心がきゅっとなった。
いろんな生き方がある。そのことが粛々と描いてあり、どの生き方も尊い。