寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『寺地はるなさんの作品の中で一番好きが上書きされた』
すごく良かった。高校生の青春友情小説かと思いきや、センシティブなテーマを繊細に物語にした素朴で優しい作品。ストーリーに大きな山や谷はないのに、登場人物たちの心の機微を丁寧に紡ぎ、読者自身がどう捉えるか考えさせられるような余白を感じる。
今まで数多くの寺地作品を読んできたが、寺地さんは書き手として「誰も傷つけたくない」という配慮のような、ポリシーのようなものを感じる。この物語のように、他人に言葉や態度の刃を向けることなくフェアな接し方ができれば、世界はきみが思うよりもっと良くなるはず。この本を好きな人とはとても仲良くなれる気がする。
同 -
Posted by ブクログ
寺地はるなさんは『水を縫う』に続いて2作目。
読みたいリストにずっと入っていたもので、今回やっと読むことができました。
『大人は泣かないと思っていた』本のタイトルと同じ名前の話から始まる短編集。
主人公の時田翼から始まり、その周りの人たちにも焦点が当てられていきます。
時田翼の人間性が素敵だと思いました。
農協の同僚・平野さんが主役のエピソードでは、「別に、やりたかったことを仕事にしなくてもいい。きちんと真剣に仕事ができているならそれでいい。やりたかったことを仕事にしている人と比べる必要はない」と平野さんに伝えていて、
まさにその通りだなと思いました。
私は夫もこの土地も捨てたから、と言 -
Posted by ブクログ
連作短編集
作品に漂う雰囲気がとても好きでした
読み終わってから、漠然としか受け止めきれず、タイトルに続く言葉は何だろうと考えていました
生きづらさや辛さ、抱えている問題など、粛々と描かれていてさらさらと読んでしまうけれど、取り上げられている事柄は重い。
それでも、少しずつ受け止めて一歩ずつ切り開いていく姿をかみしめながら読みました
菜子さんや冬真の母がいてくれて本当に良かった
人を好きになったときのいろんな気持ちがたくさんあってそんな気持ちがたくさん詰まっている。
今までに世界への信頼ができなくなっていても。
今後、何が起こるかはわからないけれど。
もう一度噛み締めながら読みたい -
Posted by ブクログ
間も無く閉店する商店街、あかつきマーケットを舞台に、様々な人間模様が描かれる。友人の来人の頼みでマスコットキャラの「あかつきん」の着ぐるみの中に入る事になった柊(しゅう)は、様々な事情を抱えながらもこの街で生きている人々と接していく。皆一人ひとり違うこと。自分を大事に生きていくことの大切さ。自分を大事に生きていくことが亡くなった人にとって一番の供養になること。自分の人生は自分のもの。他人に渡したらいけない。「普通」とは何なのか。『好き』を恋愛感情や友情や世間に存在するパターンに当て嵌めなくてもいい。生きていく上で人々が直面する問題や悩みがリアルで、いろんな大切な教訓が詰まっている作品だった。
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Posted by ブクログ
ADHDというカミングアウトが出る前に、あ、私は品川さんタイプだなと思った。
後半の清瀬とまおさんとの対峙も、どちらかといえばまおさんの方に私は共感する。
『持っている人間』『出来る人間』は、そうじゃない人間のことが、ああ、わからないんだな、仕方ないな、と諦めている。
作中にもあったが病名が付けられて自分の正体が知ることが出来て安心することもあるし、余命を突きつけられたような気持ちになる場合もある。
境遇であったり才能であったり、それが生まれつきにしろ努力で身につけたものにしろ、それは『たまたま』とか『運』とは思わない。
良いものを持つにしろ悪いものをもつにしろ、それらは『違い』でしかない。私 -
Posted by ブクログ
寺地はるなさんのお話は、自然に心へスーッと入ってくる現実感がステキです。
女の人が感じるDVやセクハラや性犯罪の被害者としての生きづらさがいろいろと描かれているのだけれど、主人公を男の子の實成(みなり)くんにして、女性たちの様子を見させている形なので、男性側からの見方と対比され、女性の気持ちや置かれている状況がより際立つように思います。
でもその實成くん自体も、彼なりのモヤモヤを抱えていて、みんなそれぞれにたいへんなのです。
ツライ話や嫌な人もでてきますが、読んであげることで、登場人物たちのやるせなさを分かってあげられるように思いますので、ぜひ読んで上げてください。
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