寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1冊を通して、特段目立った場面展開がある訳ではなく、深い繋がりがある訳でもない、不思議な繋がりの人たちをただ夜をお散歩するだけのお話。人には何とも形容しがたいぼんやりとした不安や悩みがつきもの。そういった気持ちを、穏やかに丁寧に、時にはクスッと笑っちゃう表現で描いていて、そこが『いつか月夜』の大好きなところだなあと再読して改めてしみじみ思った!
特に理由はなく、ただぼんやりのんびり夜を散歩するのって、もしかしたら凄い気分転換になるのかもしれない…!
あと、實成って苗字がかっこよすぎる響きだと感動すら覚えたのは私だけ?笑 えびの背ワタを取るところとか、實成の自炊場面が何気に好きだという新しい発見もできました。笑 -
Posted by ブクログ
「誰かのこと、嫌いって言ってもいいよ。
家ではね。好きなだけ言っていい」
誰の悪口も言わない、愚痴も言わない。
大人でもむずかしいようなことを、わたしたちは
生まれて十年にも満たない子どもにさせようとした。
良い子は他人の悪口を言いません、なんて。
とてもひどいことだ。
『わたしの良い子』 / 寺地はるな
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「どうしてちゃんとできないの?他の子みたいに。」
という帯のセリフに惹かれて手に取ってみた
子育てに限らず、兄弟や親、上司、同僚とか
色んな人間関係についての描写があって考えさせられた
子育ては未経験だけど、前もって読めてよかったし、
ずっとお守りとして本棚に置いておきたいなと思えた
最後の方でタイトルの意味がだんだん効いてきて
バスの中で号泣してしまった、泣ける本だった
子育てに悩んでる人、
良い子になろうとして辛かった人、
兄弟を羨んだ経験のある人、
救われると思うから読んでみてほしい〜 -
Posted by ブクログ
何冊目かの╍寺地はるな作品╍
一番好きかも
カレーレシピを織り交ぜた食べ物ストーリーかと想像していたけど、深い人間模様だった
自分の亡くなった父親と重なる部分もあり、いつしかこの頑固祖父(小山田 義景)が愛おしく大好きになった
この時代の男の人って本当に不器用らしい
でも心の中は温かく優しいの
子どもへの思いをうまく表現出来なかった父親の本心を聞けて 心が熱くなった
カフェで夢中に読んでいたら 読み切ってしまい、不覚にも涙を流してしまった 笑
余韻に浸れなかったので 家に帰ってからまた最後を読み返した
やっぱり愛おしい涙が溢れてきた
私にとっては亡き父を思い出させる一冊となった
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Posted by ブクログ
ネタバレページをめくり、読み進めるごとに「あぁ、凄く好きなお話だ…」と心が温かくなった1冊。
双子の姉弟光実と歩。出来のいい方(姉)と出来の悪い方(弟)と長年周囲から言われ続け、お互いと比べて自分に劣等感を抱えつつも、突如帰らぬ人となった経営者の母が残した葡萄ワイナリーと葡萄畑での日々を通じて、少しずつお互いを認め合い、運命共同体のような、強い関係性に変化していく様子が凄く素敵だなあと思った。
姉弟故に喧嘩も多いけど、2人みたいにああやって頻繁にぶつかって喧嘩できるの、羨ましい!と思ったり。笑
後半最後あたりの、広田と光実の結婚式でのじいちゃんからのメッセージには泣いた(T_T)じいちゃん、一日でも元気でいてほしいなあ。。
寺地さんのお話はふふっと笑えちゃう説明描写が散りばめられているのも個人的にとっても好きなポイント。読んでいて、悪い意味で心が荒らされない、安心感!
寺地さん作品で好きな作品が新たに増えたよ!文庫版も出てるようなので、単行本とどっちで買い直そうかな?悩む!笑 -
Posted by ブクログ
登場人物があぁ、好き!って思う人ばかりだった。
思うことを言っても、否定されずに成り立つ世界。
優しい世界だなと思った。
時間差で「失礼だったね」と言えるのも、「失礼ではなかったですけど」に割って入る「私も失礼だったと思う」も、だからといって気まずくなるんじゃなく、さわやかに謝れる姿もどれも好き。
社長さんにも「余計なことしました」ってハッキリ言えるところも、謝るけど引きずらないところも。
みんなそれぞれが本当に相手を思いやっているのが伝わるし、失敗してもそれで居心地悪くなるわけじゃないところがとても読んでいて心地が良くて、こんな関係を築いていきたいんだなって思った。
そしてはるちゃんの気持ちが痛いほどによく分かった。
でもこれって本当は周りが求めてるわけじゃなかったりするんだよね。
そう思ってしまうきっかけはあったとしても、みんながみんな「面倒見の良い、良い子」を求めてるわけじゃない。でも手放せない気持ちもすごく分かる。
あぁもっと自分を大切にしよう、していいんだよーと叫びたくなった。 -
Posted by ブクログ
ずっと読み続けている寺地はるなさんのエッセイ。
「主婦」と言われる人を「日中家にいて家事を担当する人」と言い換えるのはいいな、と思いました。
そして「ケアをするならまず自分に」の章からが特によかった。
「『忘れる』というのはそれほど容易なことではない。自分は忘れたつもりでいても心の内側の、ごくやわらかい部分に傷を残している。そしてコンプレックスや他者への不寛容さといった異なる(そして最悪な)かたちで表出され、他者への攻撃的な態度に変換されてしまうこともある。
だから、忘れられない人たちには、『忘れなくていいよ』と伝えたい。そういう小説を書いてきたつもりだし、これからも書きたいと思っている。」
娘に本当はこう言いたい。私が言っても素直に聞いてくれなさそうなので、「寺地さんがこう書いてた」と伝えてみようと思います。
「『自分のため』が結果的に『周囲のため』になる時って、けっこう多いのではなかろうか。」
これは私自身に当てはまる。逆に「周囲のため」になることでも自分がやりたくないことはやらない主義。
あと驚いたのはリヴァー・フェニックス。
私も大ファンで亡くなったと知ったときは本当に悲しかったし、今でも「生きていてくれたら」と思っています。
共通点は少なかったけれど、だからこそ「私は私でいい」と思える読後感。
読んだ人がみんなそう思えますように
寺地ファンの1人として願っています。
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Posted by ブクログ
ネタバレ他人に感情移入はしない。
でも感情はある。
これがとても刺さった。
感情を分かち合えないと心無いように思われることってあるけど、ただ同じ感情を持たないだけ、なんだよな。
「暗黙の了解」のような空気を読むことを当たり前にされ、それができないと出来損ないのように思われる風潮は本当にしんどいと思う。
そしてそのしんどさはちゃんと感じるんだよね。
誰も悪気がないからこそ救いがないような感じもした。
傷つける意思がなくても、傷つく人はいるし、それはその人のせいではないし。
特にお姉さんのとのやり取りは心に染みた。
でも無理をしなくても一緒に過ごせる相手はいるし、どんな人でも誰かが必要としているのかもしれないと思えて、読後は温かい気持ちになった。
●印象的な言葉
「昔から自分がおかしくない時には笑わない」
「家族だからと何でも自分たちで解決する必要なんてないのに」
「親が子供を育てるのは当たり前。大人になってまでそんなにいつまでもいつまでも感謝する必要はありません」
「ある種の人々は自分の欲求を欲求として口に出すことを厭う。常識とか規範とか慣例とかいうものに沿って、ものを言うことの方が正しい行いだと思い込み過ぎている」
「確実にお願いしたいことだけを口にするって結構難しいかもしれませんね」
「楽をしたいだけという自分の感覚がいけないとも思わないので、私は気にしません」
「ただ生きているだけ、を保つにもいろいろなものが必要になる」
「問題は友達の有無ではなく、寂しさとの付き合い方ではなかろうか」 -
Posted by ブクログ
とっても大好きな作品。装丁もステキ、、美味しそう。
最初は頑固でデリカシーがない祖父のことが苦手だったけれど、過去の回想を読んでいくうちに、家族への愛情や決意がちゃんとあったことを知れて、見え方が変わっていった。
ただ、その過去を知れるのは読者だけで、桐矢たちはそこまで知ることができない。だからこそ、すべてが解決するわけではないもどかしさがあって、それがとてもリアルだった。
人は簡単には「いい人」「悪い人」で分けられないし、過去も消えない。でも、一緒にカレーを食べる時間の中で少しずつ距離が縮まっていく感じがとてもよかった。派手な話ではないけれど、じわじわ心に残る、人間らしい物語だった。 -
Posted by ブクログ
読み終わった後に、その人たちの人生があり、いろんな場所で生きていて、感じる感情。当たり前のことだけど、なぜかそれを眩しいと思わずにはいられなかった。
それは、自分に対する悲観的な感情ではなく、物語に登場する人物同様に自分にもあの時にしか存在しなかった光のようなものがあり、それが切なくもあり敬意のようなものを感じたかもからかもしれません。
他人にたいして感じる感情を各自がラベルを貼って見ている。
私は、 自分が誰かを見るとき、また誰かに見られる時にどれだけ本物に触れているだろうかとふと怖くなりました。
とても素敵な本に出会えてよかったです。