寺地はるなのレビュー一覧

  • 雫

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    「わからないものについて考え続けるのは、体力がいることです。わからない、という思いをとどめておくこともね。わからない、わからないどうなっている大人はかっこ悪いです。ほんものの知性ある大人というのは、あるいはそのような大人になる素質のある子どもは、かっこ悪く見えるものです。
    ですが、ほんとうは美しいのです。わたしは愚直なまでにまっすぐに己の問いと向き合う人の姿は、とても美しいと思いますよ」


    わたしたちはずっと、「心配する」という名目で絶えず「あなたは今のままではだめだ」というメッセージをしずくに発し続けていたのではないか。伝えるべきことは、それだけではなかったのに。

    心に残ったところ

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    2025年07月13日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    「店長、フレディマーキュリーさんからお電話です」のセリフにふふっと笑った。
    マレオさんのような生き方がうらやましい。周りに左右されることなく、個を貫くスタイル。きっとストレスとも無縁なんだろう。いや、マレオさんにもマレオさんにしか分からない悩みがあるかもしれないけど。
    ときどき肩の力を抜いていこう…と言い聞かせても、今日も気を遣いまくって疲弊する自分の姿が思い浮かぶ。でもちょっとした合間にこういう本を手に取って深呼吸できたらいいな。
    そういえば寺地はるなさんの本、お初でした!

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    2025年07月07日
  • いつか月夜

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    職場図書室の新刊入荷のところにあったんだったかな。
    まず「月」と入っていると手に取りたくなる。

    帯には
    父を亡くした後に得体の知れない不安(モヤヤン)にとり憑かれるようになった實成は、夜やってくるそれを遠ざるように、夜道を歩くようになる。
    そのうち、その散歩?仲間?が増えていく。
    というようなことが書かれていた。

    それだけで、みな、何か抱えているように思えるじゃない?
    私の不安感やらは、もしかしたら同じように父が亡くなる前あたりからはじまっていたのかも。
    私も共感できるかも、って。

    読後
    共感というか、いろいろな悩みやらを抱えながら、それでも生きている人がけっこういるんだろうな、と。あた

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    2025年07月05日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    日常の感情が素直に描かれていて、とても自分の好みでした!
    ミステリーもいいけど、「そうだよね、私も頑張ろ」って思える小説も本当に素晴らしいと思います!

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    2025年07月05日
  • ガラスの海を渡る舟

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    確かに言葉は正しく使わないと相手に伝わらない場合もある
    障害ではなく、人に伝える言葉は曖昧ではいけない。

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    2025年07月03日
  • ガラスの海を渡る舟

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    「泣かないで」は一見やさしく見えるけれど、実は相手の感情を無視して、自分が安心したいだけだったりする。あの場面は、“やさしさ”のふりをした“無関心”に静かに切り込んでいて、ハッとさせられました。本当の優しさは、悲しみを急かすのではなく、そばに居てあげることなんだと教えてもらった。

    誰かを思って言ったはずの言葉が、時に誰かを深く傷つけてしまう。私自身も、知らないうちに誰かの心に傷をつけていないだろうか――そんな不安と共に、言葉の重さについて考えさせられました。
    本当に優しくて大好きな1冊になりました。絶対また読む。

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    2025年07月02日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    生きづらさを感じながらも懸命に生きる人たちの物語を描いた短編小説集。

    表題作の中の「だいじな人って、たまにやっかいだよね」という言葉が心に残った。

    「口笛」という作品からは、女のしあわせって何だろうと考える時間をもらった。

    他には「夢の女」も印象に残った。

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    2025年06月29日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    え、好き..。寺地はるなさん初読み。少々とんとん拍子でうまく行き過ぎ感もあるけれど、じんわりとあったかくて、そして蜂蜜を使った料理がおいしそう。
    『ごはんはなくならない』の所がいいな。
    寺地さん他の作品も読んでみよう。

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    2025年06月29日
  • ガラスの海を渡る舟

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    お互い違う感性や個性を持つ兄妹のそれぞれの視点がわかりやすく描かれ、歩み寄り認めていく過程に涙してしまった。表紙と裏表紙が物語っている。
    道の幸せをこれからも願ってしまう自分がいる。

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    2025年06月29日
  • やわらかい砂のうえ

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    人に対するモヤモヤを、対峙するよりも
    避けていくことを選んできた自分には
    一つ一つのモヤモヤを
    すぐには言葉にできなくても
    じっくり向き合おうとする主人公に
    気づきもらった。

    今、自分が見ているその人の言動は、
    自分が理解していることが全てではない
    いろんな背景があっての
    眼にみえる、その言動。

    人を理解しようとすることは
    恋とか友情などを育むために
    とても大切なことなのだ。

    素敵な大人の友達もとてもいい。
    スパッと言い切ってくれる言葉が
    思い込みや、頑固さを
    叩き割ってくれるように思われた。

    やわらかい砂のうえ。
    あぁ、そんな感覚もあったなぁ
    と思い出すような気持ちと、
    これから、そ

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    2025年06月27日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    タイトルに惹かれて読みました。
    本当に子供の頃は、大人は当たり前に
    泣かないと思ってました。
    でも、それは勘違いだなと思う
    大人の方が感情的になってしまうことが
    あると思う…
    読んでみて改めて思いました。

    登場人物みんなが豊かな人生を
    歩めますように(*˘ᵕ˘*).。.:*☆

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    2025年06月25日
  • 正しい愛と理想の息子

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    ネタバレ

    タイトルの妙に唸った。
    2人とも親から正しく愛されたとは決して言えないし、自分のことを理想の息子だとは思ってもいないんだろうけれど、それでも愛が無かったとはどうしても思えない。正しい愛が親子関係だけにかかるものとも言いきれないのがすごい。語り部たち2人のものでもあるし、灰嶋さんのも愛じゃないかと思った。登場人物がそれぞれ自分じゃない誰かとの2人同士で繋がっている構図も良かった。

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    2025年06月23日
  • ガラスの海を渡る舟

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    発達障害の特性を持つ道と何でもそつなくこなす羽衣子。祖父のガラス工房を継いだ二人はぶつかり合いながらも互いを認め合う。彼らの師匠・繁實さんの言葉「障害があるからかならず才能もあるはず、みたいな考えかた、俺は嫌いや。」は金言。要再読の名作!

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    2025年06月22日
  • ガラスの海を渡る舟

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    とても好き。

    誰かみたいになることはできないし、誰かのことを完璧に理解することもできない。
    でもそれはぜんぜん悲しいことなんかじゃないと思える。

    静かに終わっていく感じも良い。
    この工房が本当に存在していて、今もここでふたりの日常が続いてるんだろうな、私もここに行ってみたいな、なんて想像をしてしまう。

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    2025年06月22日
  • ガラスの海を渡る舟

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    ネタバレ

    他人の感情は天候と同じものという道の一言がその通りだなぁと感じました。
    コントロールできないものだと思って付き合うくらいがちょうど良い。

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    2025年06月21日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    ネタバレ

    寺地はるなさん初読。表紙のパンケーキが素敵でなんだか良さそう、くらいの気持ちで読んでみたのですがとても良かった。素敵でした。
    想像していたよりガチでハチミツの話でした(?)え?主人公可哀想すぎない?と最初は思ったけれど、違うな。現実、こうやって生きていくのかもしれない。そして、だんだんと魅力的になっていく。すごい。
    ハチミツたっぷりのパンケーキが食べたいです!!

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    2025年06月13日
  • ガラスの海を渡る舟

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    自分の普通と思う価値観の押し付けは
    期待であって相手にはしんどい
    羽衣子と道それぞれ良いところがあって
    喧嘩しながらも二人の兄妹愛が素敵やった

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    2025年06月11日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    いい話だった〜。読み終わった後にスッと内容が心に染み渡りました。
    碧が見知らぬ土地で、何も持たない中地元の人たちに力強く馴染んでいっている姿が自分にはないパワフルさで少しびっくりしたけど、解説でも言われているみたいに「自分の居場所」を作っていくってそういうことだよな…としみじみ思いました。

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    2025年06月09日
  • ガラスの海を渡る舟

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    発達特性の強い兄と、なんでもソツなくできるが突出したものがないことに引け目を感じる妹が、反発し合いながらも一緒にガラス工房を営む中で理解しあっていく。一つ一つのセリフやエピソードが読む人の心の琴線に触れる傑作。砂村かいりの解説も、作者への深い理解とリスペクトが溢れ、秀逸。

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    2025年06月05日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    本の帯にある「さみしさに、ほっとする」というフレーズに惹かれて購入。
    短編集だから毎日少しずつ…と思っていたのに、気づいたら一気読みしていた。

    各短編の書き出し。気になる…と、わくわくした。

    作中には、時々、突如パワーワードが出てきて、クスッと笑わされる感じも好き。

    どのお話も、なんとなく、さみしい。そのさみしさは、決して否定的なさみしさではない。さみしさのなかで、自分を読み解き、受け入れ、他者に優しい人たち。
    集団の暴力性について。人間関係における感情がリアルに丁寧に描いてあるので、そういったシーンを読むと心がきゅっとなった。
    いろんな生き方がある。そのことが粛々と描いてあり、どの生き

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    2025年06月03日