寺地はるなのレビュー一覧

  • 雫

    Posted by ブクログ

    今日が晴れでよかったか、
    今日が雨でよかったと思えるか、

    久しぶりの寺地はるなさん
    こんな形容の仕方は失礼と思いつつ、寺地はるなさん的な青山美智子さんっぽい短編集。
    ラストがほんとによかった。
    5年ごと遡りつつ、じんわり温かくなる。
    出てくる人物は少しずつ何かを抱え、少しずつ自分自身を変えていく。そこに主人公永瀬がちょっとずついる。

    主人公の永瀬は「ポトスライムの舟」のナガセを思い出させるような、淡々としつつ観察力があり、芯のある女性。

    三月
    なにかが終わってまたなにかがはじまる
    そういう時期に読めて、いい本だった。

    今日が、雨でよかった
    と思える1日もいいな

    ティアドロップのアクセ

    0
    2026年03月02日
  • わたしたちに翼はいらない

    Posted by ブクログ

    つらさを抱えて生きる三人が交錯する物語。

     正直寺地はるなさんを「そろそろ結婚あきらめて自分探し始めようとする女性向けの話を作る作家たちの一人」というように意地悪にとらえていたことを申し訳なく思いました。そのくらい、とても素晴らしい作品でした。

     いつもどこかの小さな会社の中で起こる日常のちょっとした延長でしかない、その辺の女性の等身大の話なのに、登場人物が交錯しつつ話が絡み合っていき、それぞれの持つ負い目や恨みを消化できずに持て余す、薄暗い感情をどうにか処理したいというかなり深く暗い心理描写がとても巧みに描かれていると思いました。

     特に秀逸と感じたのが、莉子のような本来勝ち組となって

    0
    2026年03月02日
  • ほたるいしマジカルランド

    Posted by ブクログ

    心温まる、泣ける、さみしい、優しい、温かい、いいお話たち。すごくよかった。
    全部を描き切らない感じが、マジカルランド。
    でも、いろんなエピソードの続きが気になる…!

    0
    2026年03月01日
  • ナモナキ生活はつづく

    Posted by ブクログ

    エッセイ本というよりも雑誌のコラムを読んでいるような感覚でサクサク読みやすかった!そしてユーモア溢れる寺地さんのキャラクターと文面に、元気と笑いと優しさをたくさんもらった♪

    わたしもそれやってる!そう思ってた!
    という共感ポイントもあれば、
    え、そこ?そういう捉え方もあるのか〜!
    という新鮮で驚かされる子供あり、
    付箋を貼った箇所を名言集としてまとめたくなった。

    「この世界は君が思うより」を先日読んで
    初めて寺地さんのことを知ったけど、
    人柄も魅力的でさらに大好きになってしまった。
    著作をもっと読んでみたい。

    0
    2026年02月28日
  • ナモナキ生活はつづく

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最高だった...
    前半の家事系の話は、クスッと笑ったり共感したりしてとても面白かった。
    ケアの話も最近あついし、リバーフェニックスなど寺地さんの人生の話も読むことができてじわっとくる本だなと思った。

    自分の家は自分が心地よく暮らすためのもので、○○なければいけないことはなく、ただ紡いでいけばいいのかもしれない。

    まめごはんが懐かしすぎて、グリーンピースを買った。近々つくります!

    0
    2026年02月26日
  • ガラスの海を渡る舟

    Posted by ブクログ

    語彙力なくなるくらい、すっごい良かった!
    田舎の、坂の上の、緑に囲まれた工房が頭の中に浮かんだ。2人の姿も生きてるように浮かんだ。
    最初は苦手だった妹も、年をとるごとに落ち着いていって、成長を感じられるのも楽しかった。

    2025年読んだ本で1番好きだった。周りにも布教中。

    0
    2026年02月23日
  • いつか月夜

    Posted by ブクログ

    暗い夜道、その中を歩く人たち。
    誰かが一緒だと心強い。
    でも、その誰かが増えていくと、
    小さな温もりも増えると同時に
    小さなモヤモヤも増えていく。

    仲間がいてくれることは嬉しい。
    でも、その喜びは、いつも仲間と同じ
    温度や形ではない。

    小さなモヤモヤと、ぶつかりながら
    少しずつ逃げずに対峙していく主人公。
    相手に投げかけた想いは、
    自分の思い通りに返ってくるわけではない。

    それでも、出会えたことで
    モヤモヤも心強さも、悲しみも喜びも
    いろんなものが得られる。

    人は出会ったら、別れていく。

    かつて、仲間だったみんな、
    元気かな。
    そんな懐かしく、恋しい気持ちになれた。

    後半は、泣きっ

    0
    2026年02月08日
  • 架空の犬と嘘をつく猫

    Posted by ブクログ

    映画を観たあと、原作も読んだ。
    映画はやっぱり景色がきれいだったし、同世代のわたしにとって、家の中の様子や小道具が懐かしかった。
    役者さんの丁寧な演技や方言もよかったなあ。
    小説では、映画で省略された事情や考えていたことなどが細かいところまで分かったので、読んでよかった。

    家族であっても、愛せない、理解できないこともあって当たり前で、それでも、存在を認めてかかわる、そんな形でもいいんだと思うと気持ちが楽になりました。

    小説から抜粋
    「役に立たないものがごくあたりまえに存在をゆるされる世界は、なんと豊かなのだろう。」
    本が大好きなわたしにとって、強く心に響いた。
    この平和な世界がこれからも続

    0
    2026年02月07日
  • ガラスの海を渡る舟

    Posted by ブクログ

    初めて読んだ作者さん!
    表紙が綺麗だったから手に取ったけど
    読んで良かった〜
    嫌なモヤモヤもなくスラスラ読めた。

    誰かに認められたい、特別でありたいって気持ちわかる。羽衣子の感情も。

    0
    2026年02月04日
  • ナモナキ生活はつづく

    Posted by ブクログ

    ふだんなかなか読まない、結構苦手分野のエッセイ

    寺地はるなさんの著作は読んだことがなく、
    普段の作風も知らない。
    そんな中書店で見つけて、直感で
    「この本おもしろそう!読みたい!」となった一冊。


    読み進めるたびにクスクス笑える内容で、
    楽しく読み終えることができました( ◠‿◠ )

    ふとしたときに読み返したくなりそう〜!!


    (どれがすきかこつこつ読書メモをとっていたのですが、消えてしまっていました…)


    0
    2026年02月02日
  • 架空の犬と嘘をつく猫

    Posted by ブクログ

    家族うまくできない人たちの話。子どもを持ったからって直ぐに完成系の父母になれるわけじゃないもんね。山吹じゃないけど、私は架空じゃない犬と猫を飼っていたおかげで生きてこれた。山吹が最後リアル犬をお迎えしたけど、絶対家族を幸せにできる人だから、頼との赤ちゃん来てくれたら良いね。頼にも笑ってもらって幸せに暮らし続けてほしい。そして父母が目が覚めて同じ価値観で過去を振り返るところは物語だなぁって絶望感あったな。現実では其々見てる世界も体感も違うからそう簡単には答え合わせできない。私も体力あるうちにもう一度わんこ飼いたいな!

    0
    2026年02月01日
  • 声の在りか

    Posted by ブクログ

    子供が小学生の頃を思いだしました。
    こんな感じだったと、あの雰囲気、空気感が上手く表現されていました。
    子供が育つにつれて、関係がなくなるので気に病むことなんてないと思うのだけど、小さい頃はそうもいかないのでモヤモヤする事もあったなぁと。

    0
    2026年01月30日
  • ガラスの海を渡る舟

    Posted by ブクログ

    心が洗われていくような感覚で一気読み。
    道の言葉にハッとさせられ、考えさせられ、癒された。日々の生活の中で人と自分を比べたり、穿った見方をしてしまったり、自分と違う考えを受け入れられず排除してしまいそうになったり、無意識にバイアスがかかってしまう自分を矯正するために定期的に読み返したい。砂村かいりさんの解説もすごく素敵で、この本に出会えて本当に良かった。

    0
    2026年01月29日
  • ナモナキ生活はつづく

    Posted by ブクログ

    寺地さんって、ちょっとへんてこでおもしろい。小説を読んで抱いていたイメージは「人の気持ちに敏感できちんとした人」みたいな感じだったけど、このエッセイを読んで変わった。
    寺地さんはきっと、「人の気持ちにスーパー敏感で、他のことにはまるで気の回らない人」。
    余計なお世話ですね笑 そんな寺地さんがもっと好きになりました。

    0
    2026年01月26日
  • 夜が暗いとはかぎらない

    Posted by ブクログ

    間も無く閉店する商店街、あかつきマーケットを舞台に、様々な人間模様が描かれる。友人の来人の頼みでマスコットキャラの「あかつきん」の着ぐるみの中に入る事になった柊(しゅう)は、様々な事情を抱えながらもこの街で生きている人々と接していく。皆一人ひとり違うこと。自分を大事に生きていくことの大切さ。自分を大事に生きていくことが亡くなった人にとって一番の供養になること。自分の人生は自分のもの。他人に渡したらいけない。「普通」とは何なのか。『好き』を恋愛感情や友情や世間に存在するパターンに当て嵌めなくてもいい。生きていく上で人々が直面する問題や悩みがリアルで、いろんな大切な教訓が詰まっている作品だった。

    0
    2026年01月23日
  • いつか月夜

    Posted by ブクログ

     寺地はるなさんのお話は、自然に心へスーッと入ってくる現実感がステキです。

     女の人が感じるDVやセクハラや性犯罪の被害者としての生きづらさがいろいろと描かれているのだけれど、主人公を男の子の實成(みなり)くんにして、女性たちの様子を見させている形なので、男性側からの見方と対比され、女性の気持ちや置かれている状況がより際立つように思います。
     でもその實成くん自体も、彼なりのモヤモヤを抱えていて、みんなそれぞれにたいへんなのです。

     ツライ話や嫌な人もでてきますが、読んであげることで、登場人物たちのやるせなさを分かってあげられるように思いますので、ぜひ読んで上げてください。
     あなたの周り

    0
    2026年01月18日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

    Posted by ブクログ

    この本の中には7作品ある。家族(家庭)や学校に焦点が当てられている作品が多い気がした。家族や学校に対する不満が書かれた、どうせつまらない終わり方になるだろうと考えていた。しかし、読んでみると、どの作品を読み終わった後も心地が良かった。各作品の長さもちょうど良かった。普段、解説は読まないことが多いが、この作品は解説まで素晴らしかった。

    0
    2026年01月18日
  • 架空の犬と嘘をつく猫

    Posted by ブクログ

    凄く好きな作品。少しだけ似たような環境で育ったからこそ「自分以外の人間のために生きたらダメ」という言葉は響いた。自分や誰かを守るためにも優しい嘘はあっていいと思う。大切にしたい。

    0
    2026年01月12日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    心の中のモヤモヤに容赦なく触られた感じなんだけど、それは嫌な感じじゃなくて「こんな気持ちになるのは私だけじゃないんだな」と思わせてくれる作品だった。
    容姿についての話は、共感しすぎて少し苦しかった。美人に生まれていたら… というたらればは、何回考えたか数え切れないなぁ…
    でも、私が羨んでいる子も、喉から手が出るほど欲しいものがあるかもと思うと、気が楽になるなぁと思った。
    色々と悩んでいる時に読みたくなる本だなと感じた。明るいだけの話じゃないのが逆に慰めになる感じがする。

    ラスト、天と藤生をくっつけなかったの良いなと思った。あの時の気持ちに区切りをつけて、前に進んでいる感じがして良い。

    0
    2026年01月10日
  • いつか月夜

    Posted by ブクログ

    寺地はるなさんの『いつか月夜』を読み終えた。ページを閉じた後も、心の中で余韻が静かに波紋を広げている。そんな読後感に包まれる作品だった。



    タイトルに込められた意味
    『いつか月夜』──このタイトルは「いつも月夜に米の飯」という諺から来ている。月明かりに照らされた夜、温かい米の飯。何不自由ない生活、満足のいく暮らし。しかし、人生はそう上手くは行かない。そんな現実への洞察が、このタイトルには込められている。

    美しくも切ない、この諺の響き。寺地さんが選んだこのタイトルは、物語の本質を見事に言い表している。


    深夜のウォーキングが導く「人生の旅」
    主人公の實成が歩くのは、深夜の街。
    静寂に包ま

    0
    2026年02月14日