寺地はるなのレビュー一覧
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ネタバレ父の死後に時々不安など負の感情に駆られるようになって、それを断ち切るために夜な夜な町を歩いている主人公。歩いている時に偶然出会った会社の同僚とその知り合い、元カノとその知り合い。それぞれに悩みを抱えた人たちが「夜の散歩」に加わっていく。
知り合い以上友だち未満、みたいな、お互いに深いところには触れないけど、それでいてお互いを思い合っている(だんだんそうなっていく)関係が素敵だと思いました。私も夜にウォーキングをするので、そういう仲間がいればいいなと思いました。
個人的には主人公たちの恋愛観に印象を受けました。主人公は「いつもそばにいて同じものを眺めて笑い合えるような恋愛関係」を望んでいる。それに対して、元カノは「わたしだけをいちばんに愛してほしい」と言っている。そして、主人公は現在の「気になる人」である幼なじみについて、「やりたいことがいっぱいあるアグレッシブな人。自分の望む恋愛観では退屈なのではないか」と思っている。
私自身の恋愛観は主人公に近いかな、と思いました。その他にも主人公には共感できるところが多くて、だからこそストーリーに感情移入できたのかな、と思います。 -
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寺地作品の好きランキングでかなり上位に食い込む、これは。最近は家族のことを書いてるのをよく読んでたけど、家族じゃない人との交わりメインの寺地さんもいいんだよな〜。「いつか月夜」のタイトル回収も美しかった。ミスチルの「足音」みたいな一冊。
おこがましいけど、實成くんと人間関係に対する価値観が結構近いと思った。必要なときに近づいて役割が終わったら離れていくって諸行無常感について、丁寧に言語化してくれた。
あと、人間関係って良くも悪くも「出会い直す」瞬間ってあるのを思い出した。「いい人だと思ってたけどそうでもないよね」を描くときの、絶妙に人を苛つかせるレベルの人間の裏表が好き。(でもその人の背景の描写がしっかりしてあるから「そういうこともあるよね、人間だもの」と納得せざるをえない)
良いほうの出会い直し、私は泣きそうになってしまった。その部分が良すぎて脳内で映像化してた。
モヤヤンの話は思ったより少なめ。 -
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何冊か持ってはいるけど初めましての作家さん
寺地はるなさん。(ヨミタカッタノ!)
未来屋書店100イベントで、サイン入り文庫として手に入れたうちの一冊。ウサギさんのイラストがサインに添えられて、かわいい。
寺地さん、こんなに読み心地が良いなんて
早く違う作品も読みたーい!
ガラス工房でガラス作品をつくりながら成長していくお話ですが、ステキなフレーズが満載。
いわゆる発達障害という個性を持つ兄と、
いわゆる普通に過ごせるが無個性な妹。
お互い苦手意識で関係が上手くない兄妹。
兄視点の章が特に良く、次第に兄を認めはじめる
妹の関西弁が心地よい!
プロジェクトヘイルメアリーからの一冊だったので、気持ち良いくらいのサクサク、いやグサグサとココロに刺さる良作でした。
久々におすすめしたくなる一冊です!
ガラスの骨壷飾ってみたいです☆*:.。.
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**コードネームは保留**
殺し屋になりきって生活することで、日々の寂しさや辛いことから自分を守っている会社員。
殺し屋なら、ひとりでおにぎりを食べて寂しいなんて思わない。そんな女性が好きになった同僚を想って発した言葉。
> P42
でも、好きな人にどうあってほしいか、ということならばすぐに答えられる。
**「好きな人に、ちょっといい枕で眠ってほしいとよく思います」**
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**タイムマシンに乗れないぼくたち**
学校、家、友人関係…いろいろなことで悩む小学6年生のボク。博物館で出会ったおじさんとはなし、時間を共有することで少しの安らぎと、勇気をもらう。
タイムマシンには乗れなくても、恐竜に会いに行けなくても、逃げたり近づいたり、なにもしなかったりできるんだ。
●結婚と価値観
> P64
違った「のに」結婚して、違った「から」離婚する。
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●いろいろ、あるよね
小さいことも、大きいことも、誰にだって「いろいろ」ある。何かイヤなことがあった。もっと人に優しくしたい。相手が嫌だと思ってしまう自分が嫌だ。そんな気持ちがいっぱいになった時、よくわからないままに泣いてしまう。
●だいじな人
> P72
「ねえ、だいじな人って、たまにやっかいだよね」
「やっかいで、だいじだ」
>
**灯台**
物言わぬ灯台。近くにいても害はないからなんでも言える、むしろ温かい光で照らしてくれる。本気じゃないから甘い言葉もかけられる。だってその人たちにとって本当に大切な人は他にいるのだから。そこでは本音は押し殺す。
優しい人。相談しやすい。一緒にいたい。なんでも話せちゃう。
「ちょうどいい第三者」の間違いじゃないのか -
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ネタバレ椿さんの心の声にスカッとしたり
それでいいんだと思ったり
クスッと笑えたり懐かしかったり
いい言葉がたくさんあった。
まだ生まれて10年もたってない小さい子に
私は何を強いてしまってるんだ、、と反省した。
振っても振っても靴から砂が出てくる
自分を名前からぼく、おれへと進化する
ダンスが嫌なんじゃなくて、きれいな石を拾って
落とさないように握りしめて頭がいっぱいだったのかもしれない
ほんの数年前までおむつをあてていた小さい人が
軽くはないランドセルを背負い、決められた時間
席に座って授業を受けているのはものすごいこと
自分の家庭を持ってない女性は幸せじゃない?偏見も甚だしい
戻りたい。甘いミルクの匂いをさせていた頃の朔を何も考えず抱っこしていたい
聞き流したつもりの言葉はいつのまにか澱のように溜まっていくし、些細なきっかけで湧き上がってきて心を苦しめる
他人の失敗を眺めて、私はあんなんじゃないからと優越感にひたるのはあさましい行為だ
普通って何?誰と比べてんの?
ずれてる、っていうのは標準モデルがいるとかていしてるから。でもほんとはそんなのどこにもいない
自分がいなくても生きていけるように育てるのが親の役目
生きてほしい。良い子じゃなくていい、ただこの世界を生き延びてほしい
奥さんに休みをあげると雇用主みたいな言い方、そのくせサポートとは。
ひとつの質問がさらなる質問を生む。質問クリエイター
守るべきものの優先順位を間違えないこと
他の子みたいにできなくたっていい。何の条件も満たす必要はない。朔はそのままで生きているだけで十分すぎるくらい良い子だ
できないことを責めたり恥じたりするより、どうやったらできるかを考えるほうがいい
誰も救えない正論より、鈴菜も朔も生きていけるやり方を選ぶ -
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今日が晴れでよかったか、
今日が雨でよかったと思えるか、
久しぶりの寺地はるなさん
こんな形容の仕方は失礼と思いつつ、寺地はるなさん的な青山美智子さんっぽい短編集。
ラストがほんとによかった。
5年ごと遡りつつ、じんわり温かくなる。
出てくる人物は少しずつ何かを抱え、少しずつ自分自身を変えていく。そこに主人公永瀬がちょっとずついる。
主人公の永瀬は「ポトスライムの舟」のナガセを思い出させるような、淡々としつつ観察力があり、芯のある女性。
三月
なにかが終わってまたなにかがはじまる
そういう時期に読めて、いい本だった。
今日が、雨でよかった
と思える1日もいいな
ティアドロップのアクセサリーを何か探して身につけたくなるような本でもありました。 -
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つらさを抱えて生きる三人が交錯する物語。
正直寺地はるなさんを「そろそろ結婚あきらめて自分探し始めようとする女性向けの話を作る作家たちの一人」というように意地悪にとらえていたことを申し訳なく思いました。そのくらい、とても素晴らしい作品でした。
いつもどこかの小さな会社の中で起こる日常のちょっとした延長でしかない、その辺の女性の等身大の話なのに、登場人物が交錯しつつ話が絡み合っていき、それぞれの持つ負い目や恨みを消化できずに持て余す、薄暗い感情をどうにか処理したいというかなり深く暗い心理描写がとても巧みに描かれていると思いました。
特に秀逸と感じたのが、莉子のような本来勝ち組となっている存在の、何一つ勝ててやしない、それを処理できず認めることもできないまま大人になってしまった内情を描いているところです。こちら側のヒリヒリした心情をこれだけ出しているのは結構すごいなと思いました。
こういう方面は桐野夏生テイストに感じていますが、そこまでのおぞましさ苦しさには踏み込まず、俯瞰して眺めればやっぱり身の丈プラスアルファくらいの範疇にうまく収めているのが寺地はるなだなあ、とまた感心したりしました。
全作品を読んだわけではないですが、これは手に取ることができてとても良かったです。 -
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映画を観たあと、原作も読んだ。
映画はやっぱり景色がきれいだったし、同世代のわたしにとって、家の中の様子や小道具が懐かしかった。
役者さんの丁寧な演技や方言もよかったなあ。
小説では、映画で省略された事情や考えていたことなどが細かいところまで分かったので、読んでよかった。
家族であっても、愛せない、理解できないこともあって当たり前で、それでも、存在を認めてかかわる、そんな形でもいいんだと思うと気持ちが楽になりました。
小説から抜粋
「役に立たないものがごくあたりまえに存在をゆるされる世界は、なんと豊かなのだろう。」
本が大好きなわたしにとって、強く心に響いた。
この平和な世界がこれからも続きますように。