寺地はるなのレビュー一覧

  • 大人は泣かないと思っていた

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    自分がなにかに悩んでいるとき、きまって、小説を手にとりたくなり、最初は気を紛らわすつもりで読み始めるのに、内容が次第に自分の悩みと重なっていく。おそらく勝手にこちらが重ねているだけなんだろうけれど、本作に登場する人物とは相性が良いのか悪いのか、気付けば自分が窘められていて、読みながらなんども謝ってしまった。ごめんなさい、私も先のことばかり考えて、今を蔑ろにするところある。大切な人へ気持ちを伝えることを恐れている。意地を張ることもある。それにより傷付けてしまった人々へ、ごめんなさい。
    でも、大人ってだいたいそうじゃないか? 誰にも叱られなくなって、自分が確立されていって、他者を受け付けなくなって

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    2026年05月23日
  • 世界はきみが思うより

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    タイトルからしてよさそうだと思いましたが私にとっては期待以上。寺地さん作品の中でも上位。

    ほたるいしマジカルランドがさりげなく(?)出てきたのもファンにはうれしい。

    世の中の不条理に悩んでいる人に
    この本のタイトルのように
    「世界はきみが思うよりずっと」
    とは言えなくても

    「きみが思っているより悪くない」

    ぐらいは言える世界になりますように。

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    2026年05月22日
  • 白ゆき紅ばら

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    久しぶりにハラハラした気持ちで本を読んだ。
    洗脳、DV、性的搾取、ヤングケアラー
    いろんな問題それぞれが重くて、章を読み終えるたびに『はぁーーー』と深い息を吐いた。
    最後どうなっていくのかな、2人幸せになってほしいな、とほぼ祈りに近い感覚だった。

    Good girls go to heaven,bad girls go everywhere.

    小説の帯にもなるくらいの印象的なフレーズ。
    この言葉の深みにはまってしまった。
    天国と、どこでも。
    一見するとどちらも良い響きで、良い子も悪い子も報われるような気がしてくる。
    でもこの言葉が意味するのは、
    良い子は天国にしか行けないし、悪い子は地獄に

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    2026年05月21日
  • 最後の晩餐

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    角田さんの「最後の鰻」が一番のお気に入り。情景描写の巧みさ、表現の仕方が好きだからお気に入りになった。この作品を読んで自然と涙が出てくるのは、脳内で情景を詳細にイメージすることができていて、なおかつ感情移入することができるからなのだろう。簡単に小説の世界に入らせてくれる角田さんの文章がすごく好きだ。また、同じ単語を繰り返すことで、人物の感情を深く描くことができるのだと知ることができたことも読んでよかったと感じるポイントの一つ。もっともっと、角田さんの長い文章を読みたくなった。

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    2026年05月21日
  • 川のほとりに立つ者は

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    忙しい仕事中にはなかなか難しい。ただ、家庭での接し方には、著しく、一過性にかもしれませんが、良い影響を与えてくれました。ちょうど苦しくて窒息しそうな時に読んだからか。

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    2026年05月20日
  • リボンちゃん

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    ほんわかしていて読みやすい作品。

    テイラー城崎で伯母の68歳の加代子さんは働いている。もうスーツは作っていなくて、ちょっとしたリフォームとか体操服入れを縫ったりしながらクリーニング店で働いている。
    33歳のリボンちゃんこと百花もよくわからない店で働いている。社長の思いつきでいろんなことが始まるのだ。保奈美さんという人に頼まれたビスチェのリフォームを加代子さんに頼まれる。

    同僚のえみが辞めるという。えみちゃんは前職でつまづいてしまって、外に出られなくなってリハビリがてら働いていたけど、転職するらしい。えみちゃんは考えたくない人で、転職祝いには1週間分のショーツが欲しいという。だが割とこだわり

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    2026年05月19日
  • 最後の晩餐

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    ネタバレ




    『最後の晩餐』



    当代の人気作家7名が究極のテーマに挑んだ
    自由でぜいたくで幸福な「食」小説アンソロジー
    あなたは人生の最後に何を味わいますか?



    なんとも贅沢な読書の時間でした♪
    作家さんのラインナップは 以下の通り♡



    ★江國香織 『コインランドリーの夜』
    ★金原ひとみ 『ラストサパーフォーエバー』
    ★角田光代 『最後の鰻』
    ☆寺地はるな 『小曾根幸子の送別会』
    ☆原田ひ香 『最後に、何を食べたの?』
    ☆藤野千夜

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    2026年05月18日
  • ガラスの海を渡る舟

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    ネタバレ

     兄妹の関係や、人それぞれの「普通」の違いについて深く考えさせられる作品だった。
     発達障害の可能性がある兄と、その兄にずっと苦手意識を持っていた妹が、ガラス工房を通して少しずつお互いを理解していく流れがとても面白かったし感動した。

    特に印象に残ったのは、118ページの、
    「ぼくにとってはひとりひとりが違う状態が『ふつう』なんや」という言葉だった。
     羽衣子は“特別な人”と“その他大勢”という感覚を持っていたけれど、道にとっては、一人ひとり違うこと自体が当たり前だった。その考え方がすごく優しくて、「普通になりたい」という気持ちが「普通にならなきゃ」としんどくなっている羽衣子にとって大切な考え

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    2026年05月17日
  • 最後の晩餐

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    豪華作家陣によるフルコース。
    まず、「最後の晩餐」の捉え方がそれぞれで面白い。
    同じテーマで書いても、それぞれの特徴があり、
    こうも違う作品が出来上がるのかと、面白かった。

    そして、最後を考えることは、それまでどう生きてきたか、どういうことを大切にしてきたかを振り返り、さらにこれからについても考えることに繋がっていくのだと感慨深かった。

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    2026年05月15日
  • こまどりたちが歌うなら

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    たった一人でも「きみは大丈夫。」って心にスタンプを押してくれる人の存在は大きい。
    皆にも、そんな人が一人でもいますように。

    “だいじょうぶ”の話は、聞くにしても答えるにしてもホンマに気をつけよう。
    誰かが「人は大丈夫?って聞かれると反射的に大丈夫って答えてしまうから。」って言ってて「せやねん、せやねん。」って思ったのを思い出した。

    「少しずつ少しずつでも、大丈夫。」って言ってもらえてる気がする一冊やったなぁ。

    ☆第一章 春の風
    ☆第二章 香る雨
    ☆第三章 夏の雪
    ☆第四章 秋の夢
    ☆第五章 冬の花
    ☆第六章 空と羽

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    2026年05月15日
  • わたしの良い子

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    読んでいて、「普通」や「良い子」という言葉にずっと問いかけ続ける作品だと思った。

    特に印象に残ったのが
    「ずれてるっていうのは穂積が標準モデルがいると仮定してるからでしょ。でもほんとはいないんだよ。そんなのどこにも。」という言葉。

    “普通”とか“標準”って、ついどこかに存在している気がしてしまうけれど、本当はそんなものはなくて、みんな違うのに、自分だけが外れているような気持ちになって苦しくなることがある。だからこの言葉にすごく救われた。

    解説の「ノーマは存在しない」という話も興味深かった。“普通”の基準に人を当てはめるのではなく、一人ひとり違う存在として見ていくことの大切さを改めて感じた

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    2026年05月14日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    切ない。
    特に「妥当じゃない」で平野さんの視点から見る色々な人の模様が特に切なかった。
    誰かみたいに明るく生きたい。あの人みたいに真っ当な人生を送って、いい頃あいになれば自分を心から愛してくれる人がめぐってきて結婚するものだと思っていた。
    でもそれは思い込みで幸せは自分で手に入れなければならない。白馬に乗った王子様なんていないのだと。
    「翼がないなら飛ぶだけだ」もよかった。
    結婚とは親や親戚とするものではない。
    本人同士が好きで結婚したければすべきなのだ。
    確かになぜ親に許してもらわないといけないのか。
    ましてや親戚など全く関係ないのに。
    それでも旦那の親や親戚に媚を売って気に入られようとして

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    2026年05月13日
  • 雫

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    中学4人組の30年。

    2025年4月 珠が20年勤めた「タカミネジュエリー」がお店を畳むことになった。不動産部門は残るけど、珠はジュエリーのデザイナーなので、辞める。明日から無職。

    2020年2月 珠の母はボケかけている。昔から母が好きでも嫌いでもない。母の世話は姉に任せている。

    2015年12月 お父さんの形見のオニキスのカフスを自分のピアスにリフォームする。この頃はしずくの周辺をしずくの父がうろついている。

    2010年7月 姪のりんの運動会に来た。そこで知り合った長田さんの家にバーベキューに行った。長田さんにお付き合いしたいと言われて帯状疱疹になる。

    2005年4月 珠はヤンおば

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    2026年05月13日
  • 水を縫う

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    裁縫好きの男子高校生が、姉のウェディングドレスを仕立てる話。

    表紙で青春ものと思っていたら違った。関西弁が心地よい。服飾の世界と3世代の描写がとても自然ですごくよかった。寺地さんはおばあちゃん描写が上手。全と清澄のドレスが見てみたい

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    2026年05月10日
  • ほたるいしマジカルランド

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    遊園地で働く人たちの話。
    どんな人にも葛藤はあって、でもそこで頑張ってやっていると道が開ける。そういう事ってあるかもな。

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    2026年05月10日
  • 水を縫う

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    今まさに、私が思っている、もがいていることをテーマにしていると感じた。
    自分らしさを大切にすることの尊さと難しさ。

    そして何より、ウェディングドレスを見たい。と強く思った。

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    2026年05月08日
  • ぬすびと

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    #ぬすびと
    寺地はるな
    双葉社

    ーーーーー

    もう二十年も昔のことーー。

    「何を今更?」

    そんな風に思うかしら。

    でもね、

    大人になればわかる。

    一年も、十年も変わらない。

    鮮明な記憶ほど、
    大切な記憶ほど、

    時は止まり、昨日のことのように、
    いつだって鮮明に覚えているの。

    傷も。
    宝物も。

    ーーーーーー

    若く無鉄砲だったわたし、鳴海。
    美しく慎ましかった奥様、彌栄子。
    気難しい性格を持った、その息子の栄輝。

    若かりし頃に断絶されてしまった絆。

    栄輝から掛かってきた1本の電話を境いに
    20年の歳月を経て、再び邂逅する。

    ーーーーーー

    『ぬすびと』『泥棒』

    この言

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    2026年05月05日
  • いつか月夜

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    1冊を通して、特段目立った場面展開がある訳ではなく、深い繋がりがある訳でもない、不思議な繋がりの人たちをただ夜をお散歩するだけのお話。人には何とも形容しがたいぼんやりとした不安や悩みがつきもの。そういった気持ちを、穏やかに丁寧に、時にはクスッと笑っちゃう表現で描いていて、そこが『いつか月夜』の大好きなところだなあと再読して改めてしみじみ思った!
    特に理由はなく、ただぼんやりのんびり夜を散歩するのって、もしかしたら凄い気分転換になるのかもしれない…!
    あと、實成って苗字がかっこよすぎる響きだと感動すら覚えたのは私だけ?笑 えびの背ワタを取るところとか、實成の自炊場面が何気に好きだという新しい発見

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    2026年05月04日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    短編集とか説明されていた気がしたが、一つの物語を複数の視点で綴った作品だった。
    現代の価値観に否定され過去に固執しながらも、今目の前にある大事なもの、大切な人を受け入れていく姿に、心が浄化された。最後の涙をクライマックスに、様々な人を通して確かに存在する愛に気付いて向き合っていく展開が、とても美しい。それぞれが飾らずさりげないことも、私には刺さった。
    男女の役割、親子など、世代間で変わる価値観があったとしても、最後に突き詰めていくと、愛する人のために何ができるかであり、実は時代が変わっても本質的には同じ根がはっているのではないか。

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    2026年05月02日
  • わたしの良い子

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    「誰かのこと、嫌いって言ってもいいよ。
    家ではね。好きなだけ言っていい」

    誰の悪口も言わない、愚痴も言わない。

    大人でもむずかしいようなことを、わたしたちは
    生まれて十年にも満たない子どもにさせようとした。

    良い子は他人の悪口を言いません、なんて。
    とてもひどいことだ。

    『わたしの良い子』 / 寺地はるな

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    「どうしてちゃんとできないの?他の子みたいに。」
    という帯のセリフに惹かれて手に取ってみた

    子育てに限らず、兄弟や親、上司、同僚とか
    色んな人間関係についての描写があって考えさせられた

    子育ては未経験だけど、前もって読めてよかったし、
    ずっとお守りとして本棚に置いてお

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    2026年05月02日