寺地はるなのレビュー一覧

  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    寺地はるなの本を読むのは三冊目。
    『川のほとりに立つ者は』もすごくよかったけれど、こちらも私にとって久しぶりのヒット本。あっという間に読めてしまった。
    安西の父が最悪すぎて(ちょっと悪者すぎないか、という節もあるけれど)、そんな中で自分の居場所を切り開いていく碧の姿が清々しく、元気づけられる。
    こんなふうに安西を愛して、自分自身を頼みに生きていく碧がすごいと思った。こんなふうに逞しくなりたい。
    自分も安西みたいに周囲に甘やかされているなあ⋯と胸がチクリとしてしまったところもあった。日々頑張るしかないけれど。
    食べる、という基本的なことがこれほど大切に愛おしく描かれている小説もなかなかないと思う

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    2026年08月23日
  • 水を縫う

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    寺地さんの作品を読むのは「川のほとりに立つ者は」に続き2作目ですが、こちらもとても好き。

    「川のほとりに立つ者は」のように、展開が気になる!!といったストーリーではないけど、主人公とその家族がほんの少し前に進んでいく様子に引き込まれて一気読みでした!

    語り手が変わるごとに、それぞれの生い立ちや葛藤、思いが明らかになっていくにつれ
    「女性だから」「男らしく」「人並みに」「失敗のない人生」とは
    など、たくさん考えさせられました。
    2人の子を育てる母として、学ぶことも多い作品でした。

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    2026年08月23日
  • 架空の犬と嘘をつく猫

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    ネタバレ

    1988年から5年ごとに章になっている。
    始まりは8歳だった羽猫山吹は、終章では38歳になっている。
    よく「生きづらさ」というけれど、「生きやすい」人なんているんだろうか。
    みんな心の中に犬を飼っている。
    人によってその犬はアイドルだったり、現実とは違う架空の親だったり、別の世界の自分だったりするだろうけど、その犬の頭を撫でて、
    少しだけ心が和らいで、今夜をやり過ごすことが出来るんじゃないだろうか。。。

    弟の青磁は幼い頃に水難事故で亡くなった。
    母は青磁の死を認めず、生きてるように振る舞う。青磁がいないから探しに行くと言って出ていったりする。
    山吹は青磁のフリをして手紙を書く。「お母さんお元

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    2026年08月22日
  • わたしの良い子

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    作者の作品によくある「普通」って何?
    と考えさせられる内容

    主人公椿の恋人高雄がいい味出している

    臨床心理士の村中直人さんの解説がとてもよく
    短いのに一冊の作品を読んだかのような気にさせてくれた

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    2026年08月21日
  • 声の在りか

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    どうしてこれほどまでに雰囲気たっぷりな心に沁みる物語を描けるのでしょう。今回も寺地さんに完敗です。お母さんと晴基くん、要さんと大先生、希和さんと希和さんの夫、理枝ちゃんと要さんなど、皆んな本当に良い関係。他人の気持ちを想像出来る人たちで、言葉にしない深い思いを持った人たち。私もそんな人になりたい。皆さんのこれからの幸せを心から祈ってます。

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    2026年08月20日
  • きよくしぶとくやかましく

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    いやー!よかった!!
    まずタイトルからしていいよね! 絶対読もう、ってタイトルで決めた本は久しぶりだったなぁ。そして大当たり。私の勘、よくやった!

    中心人物は、中高年世代。世間一般のイメージする女性よりも、しぶとくてやかましい女性たちだ。田舎町の男たちからは「こわい女」という括りにされる、たくましくて底力のある女性たち。

    全体としてのテーマは、ジェンダーだ。女性にあてがわれるイメージからの脱却であったり、色事であったり。弱いとされる女性の本当は強いところに焦点がある。と同時に、男性のジェンダーも扱っているのがよかった。男だから言い出せない、男だからわかってもらえないという厄介さも描いている

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    2026年08月20日
  • 雫

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    ネタバレ

    頭の中で、人物を想像しながら読み進めました。
    【今日が、晴れでよかった。
    この言葉を、人々は人生の折々で口にする。】
    とありますが、確かにそうだな。と思いました

    それぞれの人生があって、それぞれのスピードで進んでいく。
    相手を妬む気持ち、羨む気持ち、分かる。
    色んな感情に折り合いをつけてみんな生きてる

    どの登場人物にも共感できて、読んでいて楽しかったです。
    自分の名前も出てきたので嬉しかったです(笑)

    読み終わったあと、空を見上げてゆっくりボーッとしたいなと思いました。雨の日であっても、晴れであっても。

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    2026年08月19日
  • 架空の犬と嘘をつく猫

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    とても生きづらい境遇で生きる男の子の成長物語。良かった。

    羽猫家にはまともな大人がいない。紅と山吹はまだ子供だ。祖母がややまとも寄りなのだが、今はインドに行っていていない。参観日のプリントを渡す相手がいない。

    姉弟の父淳吾は女の鮎子の部屋にいる。青磁が亡くなって、家に居場所がなくなった。雪乃は青磁が生きているように振る舞う。山吹が学校から帰ってくる時に、青磁を探していた。

    参観日誰も来ないと思ったのに、祖母が来てくれた。祖母はお好み焼きを作ってくれる。祖父は遊園地を作る計画は中止だという。

    山吹は中学生になる。数学ができない。去年腕の立つ職人さんが定年退職して羽猫工務店はパッとしなくな

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    2026年08月19日
  • やわらかい砂のうえ

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    この小説でも寺地はるなさんの巧みな心理描写に、はまってしまった。

    鳥取砂丘のある街で暮らしてきた万智子(24)は、職場のある大阪での知らない場所を歩く時、やわらかい砂の上で歩いているようだと思う。歩きにくいけれどなんとか歩かなきゃと頑張るような真面目な彼女。小説が進むにつれ成長していく様子に、すごく共感できた。

    税理士事務所で働きつつ、オーダーメイドドレスを作る会社でも働くようになり、出会った女性達に感化され、自分の言葉に意見されていくうちに、万智子は自分がどうあるべきかに気づかされる。

    恋することを怖がっていた彼女は、だんだん自分がどうありたいのか、そして人に完璧さを求めなくてもいいこ

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    2026年08月17日
  • 雨が降ったら

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    ネタバレ

    傘ひとつとっても、思い出とともに大切にしていれば人生が豊かになるのかなと感じた本。
    将来や結婚への不安を感じた時に読み返したい。
    この本を読んで、これから20代30代と、思い描く夢と理想はあるけれど、その通りにならなくてもいいじゃん!と思えました。日々の小さな煌めきと豊かさで人生の今に満足して一歩ずつ歩いていきたい。
    サラサラした人になりたい。

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    2026年08月16日
  • 世界はきみが思うより

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    1 オムレツ、あるいは
    2 木曜日のサンデー
    3 プウンドケーキ
    4 恋とレモネード
    5 チョコレートサンドイッチと未来
    6 ピクニックバスケットの歌

     各章にはいずれも食べ物の名前(らしきものもあるけど)がついています。
     それぞれ登場人物のこれまでだったりこれからだったりに深い関係がある食べ物です。
     それは、この小説が食べ物を通して登場人物たちのトラウマとそこからの解放を描いているからです。

     ぜひとも、最終章の「6 ピクニックバスケットの歌」まで読んで欲しいと思います。
     そこには、登場人物(や作者)が心から言いたかったことが、まとまって語られているからです。
     読者はそこで人生で

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    2026年08月16日
  • 彼女が天使でなくなる日

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    全般的に家族の話。適切な距離というのは難しい。手を離すのも愛情だよ、という台詞が胸に残る。ちなみに私の中のシロウさんは内野聖陽だ。

    第1話 理津子の夫は子育てに非協力ばかりか、育児から目を背けている。保育園には全滅して非認可保育園。達樹はとても手がかかる。ベビーシッターがついているという星母島のチラシを見て、行きたいと強く願う。民宿えとうにやってくる。

    第2話 千尋は一才の時に政子さんに引き取られた。親戚だったらしい。大阪でベビーシッターをして働いていたが、政子さんが民宿を閉めるかどうか迷っているというので、戻ってきた。麦生もついてきた。母の愛が重すぎるタイプの母子が島に泊まりにくる。

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    2026年08月15日
  • きよくしぶとくやかましく

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    主人公のキャラが好みだったので、
    最後まで楽しめた。
    読んでいる最中にちょっと伊坂幸太郎作品っぽいなと感じた。
    何故かは分からんが。
    途中クスッとされた箇所がありちょっと悔しかったが、
    嬉しくもあった。
    ただ、みんな年齢の割に若い感じに見えるが、
    今時のお年寄りは若々しい人が多いのだろうか?

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    2026年08月12日
  • 世界はきみが思うより

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    自分にも他人にも汚い部分はあるし、偏った考えや見方をしてしまう事があるし、そう思われてしまっている事があるかもしれない。

    だけど、少しだけでも理由を付けてでも世界を信用してみれば違う考え方ができるかもしれないし、相手の気持ちを汲んであげる事ができるかもしれない。
    そういう事の繰り返しで人は成長していくのかもしれないですね!

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    2026年08月11日
  • 川のほとりに立つ者は

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    ネタバレ


    また時間をあけて読み返したいと思う作品。

    『川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない』

    目に見えるものが全てではないし、差し伸べられた手を
    とって感謝されることも当たり前ではない。
    それでもその人の明日がよい日になればと
    祈ることはできる。

    自分の恵まれた環境や立ち位置は決して当たり前ではなくて
    偶然の上に成り立っていること。
    これはこれからの人生で忘れてはいけないなと思いました。

    人との寄り添い方を教えてくれるそんな一冊でした。

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    2026年08月10日
  • 水を縫う

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    男なら、女なら、母なら、世の中には数えきれないほどの「普通」が存在する。

    手芸が好きな高校一年生、松岡清澄。彼は「男の子なら普通は」と自分の好きなものを、世間から受け入れてもらえない。
    かわいいものに抵抗がある姉の水青。彼女は「女の子なら普通は」と自分の怖いものを受け入れてもらえない。
    この二人を見ていて、好きなものも怖いものもその人を形作る一部なんだと感じた。だから、否定されると自分ごとバツ印をつけられたような気持ちになってしまう。

    シングルマザーとして子ども二人を育てる母、さつ子。彼女は「母親なら普通は」に苦しんでいる。ここの描写が私にはかなーりズシンときた。
    母親=我が子に無限の愛を

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    2026年08月08日
  • 雨が降ったら

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    アラフォーの女性たちがそれぞれ抱えるぼんやりした不安や寂しさをそっと掬い取ってくれるような優しい連作短編集。傘屋の明るいおばさんとその息子の、寄り添ってくれているような、そうでもないような、絶妙な距離感の優しさもとても良いです。
    「雨が降ったら傘をさせ」。わかば洋傘店の傘に書かれた言葉に、心がふっと軽くなります。

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    2026年08月07日
  • 水を縫う

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    ・さびしさをごまかすために、自分の好きなことを好きではないふりをするのは、好きではないことを好きなふりをするのは、もっともっとさびしい。

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    2026年08月05日
  • ほたるいしマジカルランド

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    私の好きな、ホッコリするお話でした。
    みんなの続きが知りたいなぁ。
    最後に、みんなの5年後とかの短編も付けて欲しかったなぁ。
    短編形式なのも、読みやすかったです。

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    2026年08月05日
  • ガラスの海を渡る舟

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    朝ドラを見るような…すごく大きな起伏があるわけでもないけれど、でも登場人物の感情が細やかに描かれていて、よい読後感で終われる本。
    中学生くらいからの学生さんにもおすすめ。

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    2026年08月09日