寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ世間のいう普通や幸せから少し外れた人達、でも誰にでも当てはまる気もする人達の短編集。
個々の葛藤が完全に解決する訳ではないが、それでも他者との繋がりを感じたり、自分から一歩を踏み出したりする場面が描かれており、心が暖まった。
「深く息を吸って、」が一番好きだった。心情の微細な部分まで追いかけて表現されているため、「きみ」が最後に立ち向かう場面の緊張感が手に取るように伝わってきて、短い作品ながらも最後は没入して読んでいた。
世間における「きみ」の濃度と、呼吸の深浅の比喩も、とても好きな表現だった。
一方で「対岸の叔父」は、世間に立ち向かうことが全てでなく、逃げる道もあると教えてくれるようで、話のコミカルさもあって心の緊張が解れるようだった。
全体を通して、様々な生き方を肯定してくれる短編集だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレやはり寺地はるなさんの作品好きです。
察するとか気持ちを汲んであげるとか、そういう事はとても大事ですが、私は正直面倒に感じます。言うべきことを言葉で伝えられれば、本来それで十分なはずではないかと。
だけどそれだとまわりに嫌われたり勘違いされてしまう。言える時と言えない時があるし、言ってはいけない時もある。察してあげないといけない時もある。よく分かる。でもその加減が難しいし、自分の判断が正しいのかも全く分からない。
「目の前にあるものは、ちゃんと見えるからいい。見えるものを私は見たい。」という三葉の言葉にとても共感しました。見えないものを大事にするのは、ほんとうに大変だなと思います 。
それでもまわりとの関わりで少しずつ変化していく三葉の姿をみて、勇気づけられました。 -
Posted by ブクログ
寺地さん、初。難しい言い回しはなく、肩が凝らない文体。心のつぶやきがちょっとしたコラムのような感じで読みやすい。たまに特徴のある表現があって、飽きなかった。
重々しくない語り口だけれど、心が刺激されてズシッとくる文章がそれはそれはたくさんあった。私の心の中にもある感覚だなあと頷いたり、わかってはいるけれどできていないことをストレートに言われてグッサリきたり。珍しくいくつもメモっちゃった。
主人公の椿は自分をきちんと持っていて、流されない。思考停止することなく、物事の大事な部分をちゃんと見ることができる。でもそれができるというのは逆に、平均的な人とは少しずれた感覚ってことになるんだろう。
そんなふうに価値観や考えがしっかりしている椿も、失敗はする。間違えることもあるし、人を傷つけることもある。自分の見ている景色と相手が見ている景色が違うこともある。
頭では当たり前にわかっているようなことでも自分のこととなるとわからなくなったりするし、相手を思いやっているつもりで傷つけてしまったりもするし。私も、椿の正しい感覚が少し癇に障る時があった。人ってみんなダメなところがあるなあと再確認。それでも人間っていいなと思うし、そう思っていられるのは恵まれているってことなのかもと思う。
結論。みんな良い子だ。大人もこどもも。我が家のこどもたちもとても良い子! -
Posted by ブクログ
「わたしが他の誰かになれないように、他の誰かもまたわたしにはなれない。残念だが、わたしはわたしを引き受けて生きていくしかなさそうだ」
友達をうらやんでばかりいた若い頃の、劣等感とか自意識過剰ぶりを思い出しほろ苦い。年齢を重ね、自分が見たい面だけでなく、多角的に相手を見ることができるようになるにつれてこの境地に至る。うらやましさを感じるのはきっと、様々な面があって輝く一面、様々な面によって生み出される一面。そこだけちょい、と、つまみとれるものではないのだ。
お互いがお互いに何かしら屈折した思いを抱いていた10代の頃を過ぎ、30代になった天、藤生、ミナ。自分と言うものを受け入れて、これから3人の関係はどうなってゆくのだろう。 -
購入済み
ああ、タイトル回収、、、母の「女/男はこうあるべき」「(これといった要求はないと言いつつ)子供にはこうなってほしい」等といった固定観念が強くて読んでて息苦しいところはあったけど、清澄のまっすぐさと素直さに助けられた。水青も弟にウェディングドレスを仕立ててもらったことで、自分のなかにあった固いものや思い込みが少しは丸くなったのではないか。美しい1冊でした。
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今年読んだ中で一番好きな本に出会えて幸せ。そのくらい好き。主人公はすごく面倒くさい性格なのだが、自分自身とすこし似ているところもあって共感できる。いろんな人と出会い、いろんな価値観に触れ、そのなかで自分が大切にしたい生き方を知る。それを他人に強制しない。
『人はひとりでは生きていけない、なんて言うけど、誰かと手を繋いでいたら転んでしまう時だってあるんだと知った。ためらいなく繋いだ手を離せるように、隣を歩いている人を信じる。自分の足でしっかり立つ。そのことを忘れないようにしよう。』
やわらかい砂の上を歩くのは大変だけど、自分に自信を持とう!と思える一冊。 -
Posted by ブクログ
世の中には泣いてる子供の親に攻撃的な輩が必ず存在する。黙らせろと詰める輩は絶対に間違えた人間で存在で大きく言うとお前がいなければいいだけ.政子さんがいつまでじろじろ見てんだよ、子供は泣くもんだと言ってやった言葉が正解なんだよね。ミステリアスな麦生の本当はただの阿呆な男とか、どんな存在と思った三崎が父親の女で親子対面する大義を掲げて接近したとかでの千尋の一言一言→みんながどうしてきたかは私には関係ないの返しがグッと来た。寺地はるなさんのビオレタとか今回の民宿とベビーシッター屋と初めて目にするのを忘れるくらい自然ですんなり受け入れた、肌に合うってことなのかなぁ