寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ九州にある星母島。託児所付きの民宿が舞台。
そこに泊まりに来る客たち。皆んな事情は違えども「子供」との関係に悩んでいる。
夜寝ない、育てにくい子、敏感な子、癇癪、喋らない…などなど
子供を自分の天使のように思い過ぎる毒親…
現在3歳1歳子育て中の私は、出てくる親たちに何度も共感し、痛いほどわかる苦しみに少し泣きました。
「親になったからって急に別人になれるわけじゃない」
「板の間で良いから大の字で1時間寝たい」
「子供が嫌いなわけじゃない。可愛くて仕方がない。この感情に名前はつけられない。だって子供を産むまで知らなかった感情だから」
あーーーわかる。泣
民宿の千尋、麦生、政子さんがあ -
Posted by ブクログ
ネタバレどうしよう。すごく良いお話を読んでしまいました。
読み終わりたくなかった。居心地が良すぎて、まだ浸っていたかった。
妙ちゃんが癒されて前を向いていくお話ですね。その過程がすごく素敵。
菫さんも千歳さんも蓮太郎くんも、みんな素敵かよ。
庭にスミレ植えるの断固拒否な菫さん可愛いし、千歳さんホワホワしてそうでなんとも可愛らしいし、蓮太郎くんのピュアさと健全さは愛おしくてたまらない。超かわいい。
人生には痛いこともたくさんあるけど、棘はいつしか風化して少しずつ丸くなっていくのかな、などと考えました。
途中クスリとできたり、素敵な言葉があったり、やはり寺地さんの小説は好きだなぁとしみじみ思いま -
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Posted by ブクログ
真ん中あたりからググッと引き込む展開はさすが。
今回一番ハッとしたフレーズは、
「『ぜんぶ理解できんでもええんや。親族とはいえ、他人なんやから。共感もするな。共感なんてもんは、なんの役にも立たん』
ただお前は、誰にでもいろいろある、ということを理解するだけでええと思う。それが、他人を尊重する、ということや。」
これは寺地さんの作品を読むようになって、私がたどり着いた境地のようなもの。
私自身は姉妹で比べられたという気はしていないけれど、双子の姉たちは常に感じていたかもしれず、特に自己肯定感が低いと最近になって私に話してくれた下の姉に読んでもらいたいと思います。 -
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Posted by ブクログ
小説みたいな奇跡や不幸って、生きていても正直そんなに起きない。でも生きていれば、ちょっと気になることとか、モヤっとすること、小さなハッピーは起きたりする。それをこんなに上手に言語化できる人がいたんだと感動した。
短編になっていて、登場人物が少しずつつながっていく、よくある形式だけど、どの登場人物の気持ちもちょっと分かる気がした。
「夜が暗いとは限らない」というタイトルは、「夜は当然暗い」という前提が含まれている。毎日前向きに!と無理しなくても良いよと言ってもらえているようで、気持ちが楽になった。
以下フレーズを抜粋。
朝、という言葉はたいていは良い意味でつかわれる。たとえば「朝の来ない夜は