寺地はるなのレビュー一覧

  • 雨夜の星たち

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    好きじゃなくても良い。好かれなくても良いってなんて甘美なんだろうか。
    甘美に感じるのは、私はすぐ好きになって、全員に好かれたいから。全員に好かれたいはちょっと違うかも。丁度良い塩梅に思われてたい。だからと行って三葉姉みたいに努力も出来ないから、中途半端にニコニコし、距離をとる。距離をとるのは、近く無ければ大きく嫌われることもないから。かと言って好意は持って欲しいから、たまに少し近寄って、声をかける。当たり障りのない話
    をしてニコニコして去る。そしてうまく話せたかな?って振り返ったりして、ほっとした気持ちになったり、何回もあの場面思い出して、どう言えば正解やったのか考える。でも分かってる。他人が人のこと気にしてないこと。だってうちがそうだから。いつだって自分のこと、自分の印象のことを考えている。
    だから主人公の三葉が羨ましい。三葉にはなれないけど、そうなりたいって死ぬまで思うのは、滑稽だ、意味がないかもだけど、これが私なんだと思う。死ぬまで、色んなふわふわモヤモヤした思考で集中力がなく、漂うように生きて、、でも三葉なら、別にそれが良いとか悪いとかないって言いそうじゃないかな。分類する必要があるだろうか。
    この作品に出てる人達で、分かりやすいく良い人生、幸せな人っていただろうか。
    ただひとつ、私も山羊をつくるようなことをしたくない。自分は自分で抱えていくしかない。誰かの何かで自分を勝手に罰したり慰めたりするのをやめたい。

    強さには種類がある

    私もひとつの強さが欲しいし、あれば良いと思う。

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    2025年05月24日
  • わたしの良い子

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    家族の形や考え方は、ソレゾレなはず。でも溢れる情報、周りとの比較、周りからの何気ない一言、、で、平穏でいられなくなる。
    フラットに考えることは簡単そうで、難しいなと思うのと、子どもも子どもなりに狭い世界で一生懸命考えているなと。出奔(笑)した妹の子どもを姉が育てるという設定が特殊なのかもしれないが、どんな場面でも自身がフラットに考えられたらいいなと。読みやすくて面白かったです。

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    2025年05月17日
  • わたしの良い子

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    わけあって妹の子供を育てているで主人公の日常を描く作品

    解説では主人公に共感できる人はマイノリティじゃないか、と書かれていたけれど私は共感しまくりでした。
    けっして多くはない文章量ながら
    わかるわぁ、と思うことがたくさん書いてありました。

    主人公と人に対しての考え方がとても似ていました
    私は情に薄いと思われがちだし、そうなのかもしれませんが、主人公がその気持ちを言語化してくれていてうれしかったです。

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    2025年05月12日
  • わたしたちに翼はいらない

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    子供の時や学生の時のくだらないことをまだ引き摺っている自分にとっては、なんて優しく強い物語なんだと感じた。幼稚さ、何様なのか、と感じる大人になっても存在する人間関係とそういう態度を取る人のベースにあるものの見方を言葉で表してくれている。

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    2025年05月09日
  • わたしの良い子

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    子供が成長していくと、どんなふうに悩みが変わっていくかがリアルだった。
    自分だって子供として成長を体験してきたわけだけど、親からしたらこんなにしんどかったんだなって思った。

    悩みは変わっていくけれど、根本的に「生きてほしい」っていう願いは変わらないのすごく共感する。

    子育ての考え方でも、いろいろハッとさせられた。
    今までグミがのってるケーキを見たことがないというのが、のせてはいけない理由にならないとか、言われてみれば確かに!だった。
    自分がこういう考え方を植え付けると、発想がどんどん狭まってしまうよなと。。

    授業がわからないと学校がつまらなくなる、だから(親ができることとして)塾とかで勉強させるっていうのも、なるほど…だった。
    遊ぶ時間が長い方が楽しいじゃん…という子供だったけど、わからない時間が長いとつまらない。多くの時間過ごす学校を、苦しい場所にさせたくないよなと。

    自分が周りによく思われたいタイプなので、上司に「ノリ悪いな」と言われても、「ええ、悪いんですよね、これが」とかえせる主人公に憧れるし、これでいいよなって勇気づけられる。

    「守るものの優先順位を間違えてはいけない」という言葉とエピソードがすごく印象に残った。

    きっと、成長過程で、他の人と比べられる機会が増えてくると、誰かにとっての良い子を押し付けそうになると思う。
    定期的に読み返して、まったまった、大事なものはなに?ってしたい。

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    2025年04月20日
  • 月のぶどう

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    かなり好きでした。

    あずみちゃんの母への想い、歩との関係性、互いに紡ぐ言葉、自分を見てるようで、苦しくなった

    登場する人物みんなが、それぞれ良い変化をしていく

    最期を描かないあたりもとても良い

    みんなが幸せになりますように

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    2025年04月18日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    ネタバレ

    世間のいう普通や幸せから少し外れた人達、でも誰にでも当てはまる気もする人達の短編集。
    個々の葛藤が完全に解決する訳ではないが、それでも他者との繋がりを感じたり、自分から一歩を踏み出したりする場面が描かれており、心が暖まった。

    「深く息を吸って、」が一番好きだった。心情の微細な部分まで追いかけて表現されているため、「きみ」が最後に立ち向かう場面の緊張感が手に取るように伝わってきて、短い作品ながらも最後は没入して読んでいた。
    世間における「きみ」の濃度と、呼吸の深浅の比喩も、とても好きな表現だった。

    一方で「対岸の叔父」は、世間に立ち向かうことが全てでなく、逃げる道もあると教えてくれるようで、話のコミカルさもあって心の緊張が解れるようだった。

    全体を通して、様々な生き方を肯定してくれる短編集だった。

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    2025年04月06日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    登場人物たちの“現実”を思うと、胸が痛くなることもしばしば…
    なんてことなく言った言葉、言われた言葉は簡単に刃にも、縋れるものにもなる。
    寺地はるなさんの物語は、現実を包み隠さずドロドロに澱んだ部分もまっさら真っ白な部分も表現されていて、私もきちんと現実を見ることができている気持ちになる。苦しくもあるけど、読まずにはいられない一冊。

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    2025年03月29日
  • 声の在りか

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    日々のモヤモヤを的確な言葉で言語化してくれるのに、暗い気持ちにはならない、むしろ希望を持てる、そんな物語だった。ああ、よかった。今年1好きかも。声にしてみる、たったそれだけのことで、自分の周りの世界を変えることができる。希和さんの生き方を見て、自らの生き方を変えて行きたいと思った。

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    2025年03月09日
  • 夜更けのおつまみ

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    31人の人気作家さんたちがそれぞれの夜更けのおつまみ語るというなんとも豪華でお腹が空きまくるエッセイアンソロジー。
    私はお酒は飲めないけど酒の肴と呼ばれるものが何より大好き。
    それぞれの作家さんの私だけのおつまみが沢山詰まっていて最高だったー✨
    共感できるおつまみもあれば初めて知るおつまみやお酒もあって面白い。
    この本を片手に晩酌するのも最高のおつまみになりそう

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    2025年02月24日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    小学校から様々な助けてもらいたい場面がありました。私も彼らは宇宙人なんだ、と思っていたかもしれません。先輩からパンを6個食べさられた時にも、毅然とした態度は全く取れませんでした。助けてくれたのは、自分自身の唯一強靭な消化管でした。

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    2025年02月23日
  • 声の在りか

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    子どもができたら読み返したい本No. 1です!
    私は保育士ですが、保育関係に携わる者としても、胸に刻みたい言葉が沢山ありました。

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    2025年02月23日
  • 雨夜の星たち

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    思いの外スピードで読み終えた今季初ブルペン151キロの大谷的な速いって 雨音のハッキリとした判断基準っていいな、本当は間違ってる事を相手に伝えないとダメなのに嫌われたくない波風立てない=それを優しさと勘違いした自分はヘタレでしかない。雨音に対する登場人物を見て世の中色々いるなと改めて思うし勉強になりましたってこと。姉の雨音は自分の人生に邪魔とか星崎の母にめんどくさい奴と言われるとかしごとの会社を作る霧島とかせつ子さんと霧島の関係とかリルカが38とか 面白くて、あっさりした終わり方でも寺地はるなさんの本から学ぶこと多いし

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    2025年02月17日
  • わたしの良い子

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    ネタバレ

    1番刺さった言葉。
    『わたしは誰も救えない正しさよりも、正しくなくても鈴菜も朔も生きていける方法を探す。』

    以前どこかで、『正しいことを言うのは正しいのか』という一文を見つけ、ハッとさせられたことがあった。
    私はもともと、正しいことをちゃんと言いたい•やりたいタイプ。だけど、それは自分の領域内でのこと。他人の領域ではだめ。なぜなら『言葉は刃で、鈍器だから。』

    これから先、正しさなんかよりも優先すべきものがある。そう気づかせてもらえた作品でした。

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    2025年02月11日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    思った以上に一つ一つが短い連作短編集のため、次々と登場人物が出てくる。
    他の方の感想でも見たが、メモや相関図を書きながら読んだ方が、より楽しめそう。あの時の人が今はこうなって…など、新たな気づきもありそうで、再読したい一冊。

    寺地さんが描く登場人物は、普段実は思っているが、人には言いづらい自分の暗い部分を、同じように考えていたり、もやもや悩んでいたりするので、とても共感できる。
    私だけじゃない、同じように迷いながら生きている人はいっぱいいるよ、と言ってもらえているようで元気が出る。

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    2025年01月29日
  • わたしの良い子

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    子育て中で妹がいるという主人公との共通点。
    すごく考えさせられたし、変な固定概念や物差しじゃなく、相手を観察して自分の軸で生きたいと思った。みんな違ってみんないい。普通である必要なんてない。

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    2025年01月23日
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)

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    これはすごい。
    寺地はるなさんのこの作品は、読めば読むほど自分の心がざわついてくる。

    この物語の章の展開も秀逸だ。
    大きな警察沙汰の事件があるわけではないのに、重大なことが少しずつ見えてくる重厚なミステリー小説のような展開で、章を読み終える毎に自分がハッとさせられることに気付かされる。

    自分の奥底にある何かを突きつけられるようでいて不安になりつつ、自分以外に対しての距離感のようなものをつい測り直すような気分になった。
    読後、不快感とも清涼感ともいえない、なんにも表現できない感覚が続いている。

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    2025年01月01日
  • わたしの良い子

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    寺地さん、初。難しい言い回しはなく、肩が凝らない文体。心のつぶやきがちょっとしたコラムのような感じで読みやすい。たまに特徴のある表現があって、飽きなかった。

    重々しくない語り口だけれど、心が刺激されてズシッとくる文章がそれはそれはたくさんあった。私の心の中にもある感覚だなあと頷いたり、わかってはいるけれどできていないことをストレートに言われてグッサリきたり。珍しくいくつもメモっちゃった。

    主人公の椿は自分をきちんと持っていて、流されない。思考停止することなく、物事の大事な部分をちゃんと見ることができる。でもそれができるというのは逆に、平均的な人とは少しずれた感覚ってことになるんだろう。

    そんなふうに価値観や考えがしっかりしている椿も、失敗はする。間違えることもあるし、人を傷つけることもある。自分の見ている景色と相手が見ている景色が違うこともある。

    頭では当たり前にわかっているようなことでも自分のこととなるとわからなくなったりするし、相手を思いやっているつもりで傷つけてしまったりもするし。私も、椿の正しい感覚が少し癇に障る時があった。人ってみんなダメなところがあるなあと再確認。それでも人間っていいなと思うし、そう思っていられるのは恵まれているってことなのかもと思う。

    結論。みんな良い子だ。大人もこどもも。我が家のこどもたちもとても良い子!

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    2024年12月12日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    「わたしが他の誰かになれないように、他の誰かもまたわたしにはなれない。残念だが、わたしはわたしを引き受けて生きていくしかなさそうだ」

    友達をうらやんでばかりいた若い頃の、劣等感とか自意識過剰ぶりを思い出しほろ苦い。年齢を重ね、自分が見たい面だけでなく、多角的に相手を見ることができるようになるにつれてこの境地に至る。うらやましさを感じるのはきっと、様々な面があって輝く一面、様々な面によって生み出される一面。そこだけちょい、と、つまみとれるものではないのだ。

    お互いがお互いに何かしら屈折した思いを抱いていた10代の頃を過ぎ、30代になった天、藤生、ミナ。自分と言うものを受け入れて、これから3人の関係はどうなってゆくのだろう。

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    2024年11月13日
  • 声の在りか

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    希和のように変わることはできていないけど、私は希和そのもの。希和の堅さ、狭さ、意固地さ、不器用さ。それが希和の、自分の首を絞めている。共感できるから苦しかった。残念ながら私の生活には要さんのような人はいないので、要さんの言葉を胸に置いて生きていこう。きっと再読するだろうと思える1冊。

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    2024年11月10日