寺地はるなのレビュー一覧

  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    ネタバレ

    世間のいう普通や幸せから少し外れた人達、でも誰にでも当てはまる気もする人達の短編集。
    個々の葛藤が完全に解決する訳ではないが、それでも他者との繋がりを感じたり、自分から一歩を踏み出したりする場面が描かれており、心が暖まった。

    「深く息を吸って、」が一番好きだった。心情の微細な部分まで追いかけて表現されているため、「きみ」が最後に立ち向かう場面の緊張感が手に取るように伝わってきて、短い作品ながらも最後は没入して読んでいた。
    世間における「きみ」の濃度と、呼吸の深浅の比喩も、とても好きな表現だった。

    一方で「対岸の叔父」は、世間に立ち向かうことが全てでなく、逃げる道もあると教えてくれるようで、話のコミカルさもあって心の緊張が解れるようだった。

    全体を通して、様々な生き方を肯定してくれる短編集だった。

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    2025年04月06日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    登場人物たちの“現実”を思うと、胸が痛くなることもしばしば…
    なんてことなく言った言葉、言われた言葉は簡単に刃にも、縋れるものにもなる。
    寺地はるなさんの物語は、現実を包み隠さずドロドロに澱んだ部分もまっさら真っ白な部分も表現されていて、私もきちんと現実を見ることができている気持ちになる。苦しくもあるけど、読まずにはいられない一冊。

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    2025年03月29日
  • 声の在りか

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    日々のモヤモヤを的確な言葉で言語化してくれるのに、暗い気持ちにはならない、むしろ希望を持てる、そんな物語だった。ああ、よかった。今年1好きかも。声にしてみる、たったそれだけのことで、自分の周りの世界を変えることができる。希和さんの生き方を見て、自らの生き方を変えて行きたいと思った。

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    2025年03月09日
  • 夜更けのおつまみ

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    31人の人気作家さんたちがそれぞれの夜更けのおつまみ語るというなんとも豪華でお腹が空きまくるエッセイアンソロジー。
    私はお酒は飲めないけど酒の肴と呼ばれるものが何より大好き。
    それぞれの作家さんの私だけのおつまみが沢山詰まっていて最高だったー✨
    共感できるおつまみもあれば初めて知るおつまみやお酒もあって面白い。
    この本を片手に晩酌するのも最高のおつまみになりそう

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    2025年02月24日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    小学校から様々な助けてもらいたい場面がありました。私も彼らは宇宙人なんだ、と思っていたかもしれません。先輩からパンを6個食べさられた時にも、毅然とした態度は全く取れませんでした。助けてくれたのは、自分自身の唯一強靭な消化管でした。

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    2025年02月23日
  • 声の在りか

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    子どもができたら読み返したい本No. 1です!
    私は保育士ですが、保育関係に携わる者としても、胸に刻みたい言葉が沢山ありました。

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    2025年02月23日
  • 雨夜の星たち

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    思いの外スピードで読み終えた今季初ブルペン151キロの大谷的な速いって 雨音のハッキリとした判断基準っていいな、本当は間違ってる事を相手に伝えないとダメなのに嫌われたくない波風立てない=それを優しさと勘違いした自分はヘタレでしかない。雨音に対する登場人物を見て世の中色々いるなと改めて思うし勉強になりましたってこと。姉の雨音は自分の人生に邪魔とか星崎の母にめんどくさい奴と言われるとかしごとの会社を作る霧島とかせつ子さんと霧島の関係とかリルカが38とか 面白くて、あっさりした終わり方でも寺地はるなさんの本から学ぶこと多いし

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    2025年02月17日
  • わたしの良い子

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    ネタバレ

    1番刺さった言葉。
    『わたしは誰も救えない正しさよりも、正しくなくても鈴菜も朔も生きていける方法を探す。』

    以前どこかで、『正しいことを言うのは正しいのか』という一文を見つけ、ハッとさせられたことがあった。
    私はもともと、正しいことをちゃんと言いたい•やりたいタイプ。だけど、それは自分の領域内でのこと。他人の領域ではだめ。なぜなら『言葉は刃で、鈍器だから。』

    これから先、正しさなんかよりも優先すべきものがある。そう気づかせてもらえた作品でした。

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    2025年02月11日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    思った以上に一つ一つが短い連作短編集のため、次々と登場人物が出てくる。
    他の方の感想でも見たが、メモや相関図を書きながら読んだ方が、より楽しめそう。あの時の人が今はこうなって…など、新たな気づきもありそうで、再読したい一冊。

    寺地さんが描く登場人物は、普段実は思っているが、人には言いづらい自分の暗い部分を、同じように考えていたり、もやもや悩んでいたりするので、とても共感できる。
    私だけじゃない、同じように迷いながら生きている人はいっぱいいるよ、と言ってもらえているようで元気が出る。

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    2025年01月29日
  • わたしの良い子

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    子育て中で妹がいるという主人公との共通点。
    すごく考えさせられたし、変な固定概念や物差しじゃなく、相手を観察して自分の軸で生きたいと思った。みんな違ってみんないい。普通である必要なんてない。

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    2025年01月23日
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)

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    これはすごい。
    寺地はるなさんのこの作品は、読めば読むほど自分の心がざわついてくる。

    この物語の章の展開も秀逸だ。
    大きな警察沙汰の事件があるわけではないのに、重大なことが少しずつ見えてくる重厚なミステリー小説のような展開で、章を読み終える毎に自分がハッとさせられることに気付かされる。

    自分の奥底にある何かを突きつけられるようでいて不安になりつつ、自分以外に対しての距離感のようなものをつい測り直すような気分になった。
    読後、不快感とも清涼感ともいえない、なんにも表現できない感覚が続いている。

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    2025年01月01日
  • 雨夜の星たち

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    ネタバレ

    やはり寺地はるなさんの作品好きです。

    察するとか気持ちを汲んであげるとか、そういう事はとても大事ですが、私は正直面倒に感じます。言うべきことを言葉で伝えられれば、本来それで十分なはずではないかと。
    だけどそれだとまわりに嫌われたり勘違いされてしまう。言える時と言えない時があるし、言ってはいけない時もある。察してあげないといけない時もある。よく分かる。でもその加減が難しいし、自分の判断が正しいのかも全く分からない。
    「目の前にあるものは、ちゃんと見えるからいい。見えるものを私は見たい。」という三葉の言葉にとても共感しました。見えないものを大事にするのは、ほんとうに大変だなと思います 。
    それでもまわりとの関わりで少しずつ変化していく三葉の姿をみて、勇気づけられました。

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    2024年12月15日
  • わたしの良い子

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    寺地さん、初。難しい言い回しはなく、肩が凝らない文体。心のつぶやきがちょっとしたコラムのような感じで読みやすい。たまに特徴のある表現があって、飽きなかった。

    重々しくない語り口だけれど、心が刺激されてズシッとくる文章がそれはそれはたくさんあった。私の心の中にもある感覚だなあと頷いたり、わかってはいるけれどできていないことをストレートに言われてグッサリきたり。珍しくいくつもメモっちゃった。

    主人公の椿は自分をきちんと持っていて、流されない。思考停止することなく、物事の大事な部分をちゃんと見ることができる。でもそれができるというのは逆に、平均的な人とは少しずれた感覚ってことになるんだろう。

    そんなふうに価値観や考えがしっかりしている椿も、失敗はする。間違えることもあるし、人を傷つけることもある。自分の見ている景色と相手が見ている景色が違うこともある。

    頭では当たり前にわかっているようなことでも自分のこととなるとわからなくなったりするし、相手を思いやっているつもりで傷つけてしまったりもするし。私も、椿の正しい感覚が少し癇に障る時があった。人ってみんなダメなところがあるなあと再確認。それでも人間っていいなと思うし、そう思っていられるのは恵まれているってことなのかもと思う。

    結論。みんな良い子だ。大人もこどもも。我が家のこどもたちもとても良い子!

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    2024年12月12日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    「わたしが他の誰かになれないように、他の誰かもまたわたしにはなれない。残念だが、わたしはわたしを引き受けて生きていくしかなさそうだ」

    友達をうらやんでばかりいた若い頃の、劣等感とか自意識過剰ぶりを思い出しほろ苦い。年齢を重ね、自分が見たい面だけでなく、多角的に相手を見ることができるようになるにつれてこの境地に至る。うらやましさを感じるのはきっと、様々な面があって輝く一面、様々な面によって生み出される一面。そこだけちょい、と、つまみとれるものではないのだ。

    お互いがお互いに何かしら屈折した思いを抱いていた10代の頃を過ぎ、30代になった天、藤生、ミナ。自分と言うものを受け入れて、これから3人の関係はどうなってゆくのだろう。

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    2024年11月13日
  • 声の在りか

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    希和のように変わることはできていないけど、私は希和そのもの。希和の堅さ、狭さ、意固地さ、不器用さ。それが希和の、自分の首を絞めている。共感できるから苦しかった。残念ながら私の生活には要さんのような人はいないので、要さんの言葉を胸に置いて生きていこう。きっと再読するだろうと思える1冊。

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    2024年11月10日
  • 水を縫う

    QM

    購入済み

    ああ、タイトル回収、、、母の「女/男はこうあるべき」「(これといった要求はないと言いつつ)子供にはこうなってほしい」等といった固定観念が強くて読んでて息苦しいところはあったけど、清澄のまっすぐさと素直さに助けられた。水青も弟にウェディングドレスを仕立ててもらったことで、自分のなかにあった固いものや思い込みが少しは丸くなったのではないか。美しい1冊でした。

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    2024年10月16日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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    久しぶりの明日町こんぺいとう商店街(^^)♪って…こんな大人っぽい話だったっけ?(・・;)ドキドキ
    ほろ苦、ぽわぽわアンソロジーだった気がしたんだけれど…でも、読み心地は良かった(*´∀`*)

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    2024年10月09日
  • やわらかい砂のうえ

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    今年読んだ中で一番好きな本に出会えて幸せ。そのくらい好き。主人公はすごく面倒くさい性格なのだが、自分自身とすこし似ているところもあって共感できる。いろんな人と出会い、いろんな価値観に触れ、そのなかで自分が大切にしたい生き方を知る。それを他人に強制しない。
    『人はひとりでは生きていけない、なんて言うけど、誰かと手を繋いでいたら転んでしまう時だってあるんだと知った。ためらいなく繋いだ手を離せるように、隣を歩いている人を信じる。自分の足でしっかり立つ。そのことを忘れないようにしよう。』
    やわらかい砂の上を歩くのは大変だけど、自分に自信を持とう!と思える一冊。

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    2024年09月20日
  • 彼女が天使でなくなる日

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    世の中には泣いてる子供の親に攻撃的な輩が必ず存在する。黙らせろと詰める輩は絶対に間違えた人間で存在で大きく言うとお前がいなければいいだけ.政子さんがいつまでじろじろ見てんだよ、子供は泣くもんだと言ってやった言葉が正解なんだよね。ミステリアスな麦生の本当はただの阿呆な男とか、どんな存在と思った三崎が父親の女で親子対面する大義を掲げて接近したとかでの千尋の一言一言→みんながどうしてきたかは私には関係ないの返しがグッと来た。寺地はるなさんのビオレタとか今回の民宿とベビーシッター屋と初めて目にするのを忘れるくらい自然ですんなり受け入れた、肌に合うってことなのかなぁ

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    2024年09月10日
  • 彼女が天使でなくなる日

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    213ページの最後〜声出してぐふぐふ笑っちゃった。
    ライトなテーマじゃないのに主人公の思考とか語彙が面白くて笑っちゃう。すごい好き。
    寺地はるなさんの描く主人公まじで好きすぎる。
    クロエの蜂蜜が出てきたのもすごい嬉しかった。

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    2024年09月03日