寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
苦しくて 痛くて
ズシリと重たいお話だった
とても考えさせられた
私は…どうなんだろう。と
思い込みと自分勝手な解釈で
相手を傷つけていた事はないか?
こうあるべき。これが普通。
そういう意識で強要してこなかったか…
頭では理解して 手を差し伸べても
それは はたして正しかったか?
自己満足や分かったつもりの
押し付けではなかったか?
傷付けたりしてないか?
すごく すごく考えて
読みながら苦しくなった
とても理解出来ないような人も
それに至る出来事があった
そうなってしまうような背景があった
表面では分からないことは
理解するのも 受け止めるのも難しいが
偏った味方はしないように
心がけたい
伝えたいことは 言葉にしよう
そう思った
ラストは少し眩しい感じで終わった
よかった。。。
彼らの明日が良い日でありますように
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Posted by ブクログ
読み終えて一番心に残ったのは、これは松木の秘密を追う物語であると同時に、清瀬の「人を見る目」が変わっていく成長の物語だったということ。
清瀬はこれまで、自分の経験や価値観を基準にして、人を判断してきたのだと思う。
「自分ならそんなことはしない」「どうしてそんな考えになるのだろう」と、相手の立場や、それまでにどんな経験をしてきたのかを想像することなく、人を分かったつもりになっていた。
でも、松木のことを知ろうとする中で、これまで見えていなかった背景や事情に触れ、自分の中の「こういう人」という像が何度も崩されていく。
その過程で清瀬は、人は自分が見えている一面だけでは決して分からないこと、そして「分かった」と簡単に結論づけないことの大切さに気づいていく。
そこで思い出したのが、ネガティブ・ケイパビリティという言葉。
すぐに正解を求めず、分からないこと、割り切れないこと、矛盾した気持ちを抱えたまま、その人を見続ける力。
「相手を理解する」ということは、相手を説明できるようになることではなく、むしろ「全ては分からない」と思えることなのかもしれない。
清瀬の変化を追いながら、自分自身も人を自分の経験や価値観で決めつけていないだろうか、と静かに問いかけられた一冊だった。 -
Posted by ブクログ
色々な愛の形を優しく紡いでいく物語。
家族愛、親子愛、同性愛、普通のカップルに見えるけど実はそうではない二人の愛、兄弟愛など。
短編小説だと思って読み進めていたらそうではなかった。章ごとに登場人物と視点が変わっていく。時々、同じ過去の出来事が別人物の視点で描かれている。それぞれの人生観や感じ方の違いにより物語が何層にも広がっていく。
一人一人の人物の個性は際立っているけど、どこか一本の線で繋がっているようでもあった。
多様性がテーマなのかな。
最近は、多様性に過度に配慮しすぎてしまうことや、その配慮自体に苦しんでしまう人が居たりと、優しくも難しい時代だと感じる。
特に、多様性が重視される時代だからこそのコミュニケーションの取り方が本当に難しい。
レッテルを貼らないこと、「配慮してます」という顔をしないこと。
周囲の人たちに対しての過去の自分の発言などを思い返して軽率だったな、と反省する場面がたくさんあった。コミュニケーションって本当に高度だ。
コミュニケーション技術や雑談力の自己啓発本よりも勉強になる一冊だった。
《印象に残ったところ》
・冬真、早熟すぎんか
高校生の冬真。他人と会話をするとき、その一瞬一瞬でそんなに深く相手のことを考えられる人がいるんだ、と感心の連続。高校生でこの境地にいるの…凄。
でもよく考えれば、高校生だからどうとかではないのかも。コミュニケーションは大人になるにつれて上手になるわけではない。
関わる人が増えるとか、社会に出て一般常識を身につけることもコミュニケーションのステップアップの大きなきっかけだとは思う。
でも実際はそんなことよりも、他人を傷つけてしまった経験、傷つけられた経験が、その人の、人との関わり方を変えるのかなと思った。
ただ、自分にとって嫌なことを言われたとき、大半の人は本人にいちいち嫌だったとか伝えないし、そっとその人と距離を置くだけ。
無意識に、諸々の理由で関わらなくなった人たちのことを考えてしまった。本当は理由をつけて安心していただけだ。
理由なんて分かっているじゃん。私のあの一言が。あぁ言えば良かったのか…。
(でもこの思考時代が私の中の決めつけでもある。哲学みたいになってきた。)
あぁ自己嫌悪とネガティブが止まらないです。
冬真、30代を刺さないで…。
人と関わるときに"何を言うか"よりも"何を言わないか"が大切なのだと何度も感じた。
これが本当に難しい。
・紗里のルッキズムはどこから来た?
「きれいなものが好き」な紗里は、太った体型の家族の" 遺伝"を危惧して、日々食事制限も運動もストイックに取り組んでいる。
自分を綺麗にする努力が出来ることは本当に格好良いけど、半ば強迫観念のようなものを感じる。そのルッキズムはどこから来たのかな、とすごく疑問に思った。
幼い頃、安いファミリーパックのアイスにトッピングをしてウキウキした気持ちって永遠だと思ったのだけど、そんな温かい思い出をも紗里の記憶の片隅に追いやってしまったのは何だったのか。
もしそれが誰かからのヘイトだったりしたら、そのヘイトは本当に罪深い。
そしてここでも、他人の一言や一瞬の出来事は、人の人生や性格を変えるほど影響力があることを感じて、人間関係の難しさを感じる。
後半、少し痩せたお母さんが、なんでも美味しく食べられる期間って意外と少ないのよ、というような言葉を言っていて、それを聞いて泣いてしまう紗里が切なかった。
・冬真の母から学ぶ、本当の親心
-『冬真が大事、でも冬真の存在を唯一の生きがいにしたらあかんって』
-『母親から「わたしの生きがい」と思われてる人生って、なんかしんどそうやん?』
-『ごはんつくる時もさ、愛情の記みたいになったらあかんと思ってた。』
大切だからこそ、子供を自分の生き甲斐にしない。
そうか、そんな考えが。
私も、無数の未来が広がっている自分の子供たちの選択肢を狭めたり、足枷になるような親になりたくない。
子供を信頼して、何も言わず背中を押す。
この場面に立たされるのは意外とすぐなのかもしれない。
今から少しずつでも、その心の準備をしておこう。
私は私の生き甲斐を、そんなに大袈裟なものじゃなくても良いから探す。
《メモ》
この物語は、色々な形の愛を語ったもの。
だからそのことにフォーカスした感想を書く人が大半だと思うけど、私はそれよりも何よりも、とにかく登場人物たちの思慮深さや会話を丁寧にすすめていくところに圧倒された。
冬真と時枝くんが少しずつ仲良くなってきた場面での会話。
時枝くん「ぼくも香川くんと友だちになりたい」
冬真「…もう、なってると思ってた」
こんな何気ない会話の一節にも
『時枝くんは思っていたよりずっと遠慮がちな人なのかもしれない。あるいは、ぼくが自覚していたより馴れ馴れしい性格なのかもしれない。でも「そっか。よかった」と笑う顔を見たら、そんなことはどっちでもいいと思えてきた』と、続く。
時枝くんの性格を決めつけるのではなく、「あるいは、自分がこうなのかも」と全ての会話の中に色んな可能性を考えて、それに応じた言葉を紡いでいく。
会話劇というようなものではないかもしれないけど、こういう繊細な一つ一つの描写が総じて心地良かった。
多様性という言葉は便利だけど、何でもかんでも多様性で片付けようとする、その多用性には眩暈がしそうになる。
こういう発言はダメ、こういうときはこう言うべき、というタブーに怯えてしまって最近の私はコミュニケーションが少し怖くなっている。
でも、人間関係って絶対にゼロにはできない。人間関係でしか得られない温かさも知っているからね。
すぐに冬真のようになることは難しくても、「みんな色々抱えているんだな」ということだけは忘れない。分からないことは発言しない。イメージで語らない。
過去に私が無意識に傷つけてしまった人たちには、もう会うことができないけど、今現在やこれから先縁あって関わってくれる人たちと、温かい関係を築けるように、私ももっと視座を高めていきたい。
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Posted by ブクログ
美しい装丁と静謐なタイトルから、穏やかな心温まるヒューマンドラマを勝手に想像してページを開きましたが、いい意味でその予想は裏切られました。
物語が突きつけてくるのは、他人を完全に理解することの難しさ、そして人間の心に潜む表と裏の顔です。「恋人、友人、家族――今目の前にいる人のことを、あなたは本当にどこまで理解できていますか?」という問いが、読者の胸に重くのしかかります。
作中で描かれるのは、綺麗事だけでは生きていけない現実です。「困っている人には手を差し伸べましょう、そして差し伸べられた側は素直に感謝しなさい」「歪みを抱えた人はみんな改心しましょう」といった世間の「正しさ」の窮屈さ。そして、「あの人は良い人」「あの人は悪い人」と、ほんの少しの表面的な情報だけで他人のレッテルを貼ってしまっていた自分自身の傲慢さを、読み進めるうちに痛感させられました。
作中で明かされるタイトルはこう続きます。
「川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない」
相手をすべて理解したつもりでいることの危うさや、見えているものの裏側にある深淵を言い得て妙に表しており、作中の台詞の数々がこれでもかと胸に突き刺さります。
万人にとっての分かりやすい答えが出るわけでもなく、ラストも綺麗さっぱりとスッキリ解決するような終わり方ではありません。しかし、読み終えたあとには、読前とは確実に違う視点や気づきをくれる、深く考えさせられる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
わーーーー、すごいおもしろかった。
最高の読後感。
寺地はるなさんの本っていつもこの幸せな気持ちにさせてくれてる気がする。
半分から全部一気に読んだ。それくらい止まらず、面白かった。
万智子の思考はわからないでもない。面倒臭い。私も自分が面倒くさいと思うことがよくあるので、それはすごいわかる。
でてくる登場人物みんな好きだなあ、と思う。何よりもそこがいい。全然性格も年齢もバラバラなのに素敵な人がたくさんでてくる。
万智子のお父さん、すごくいいな。涙した。
万智子、了さん、菊ちゃん、早田さん、美華さん、冬さん、本多先生、お父さん。
いつか鳥取砂丘行ってみたいな。
「ポラリステキナ」て言葉なんか好き。
全くまとまらない感想だけど、最高の気分。