寺地はるなのレビュー一覧
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小さな結び目を無かったことにして過ごした鳴海の20年。かつて子守をしていたいる栄輝からの電話をきっかけに、封印していた過去が明かされる。
現在の鳴海は、経済力は低いが常に彼女を見守り支える夫の暖と、精神的には満たされた日々を送っている。「ぬすびと」という言葉が強いが、彼女は何かを盗んだわけではない。栄輝の母彌栄子は、夫との関係に達観した態度を取りつつも傷ついていたが、鳴海とは心を通わせるようになる。鳴海は彌栄子の立場に関わらず、正しいと思ったことを正しいと言えるまっすぐな女性で、彌栄子にとっては憧れだった。だが彼女たちは「ぬすびと」事件から疎遠となってしまった。
再開した鳴海と彌栄子は、20年 -
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高級ジムでパートで働く田原鳴海の元に、
ある日突然、電話がかかってくる。
「泥棒でしょあなたは。だから取り返しに
いったのかと思ったんですよ、昔盗まれた
ものを」
‥‥しょっぱなから不穏な空気。
20年前、南雲製菓会社の社長の息子、
栄輝の子守りに雇われた鳴海。そこで彼の
母親の彌栄子さんと出会う。彼女は無垢な、
少女のような女性だ。まさに箱入りお嬢様。
しかし、彼女が望んでそうなったわけでは
なく、周りが彼女に対して望んだことだった。
「いつの間にかできないふりをしていた。
そのほうが、いろんなことがうまくいくから。
できないふりをしてたら、ほんとうになにも
できなくなっちゃった」彌栄子 -
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「どうして私はあの子じゃないの」
という気持ち、誰しもが思ったことがあるのでは?
そこまでいかなくても、「あの子になりたい」とかならもっとたくさんの人が感じたことがあるのでは?
「あなたはあなたにしかなれないのよ。どこにいたって」これは100点満点の回答だと思う。私は私、あなたはあなた。でもそういうことじゃないと思う。言葉を選ばずに言うと、そんなのは綺麗事だ。
自分のことを「可哀想」と思い、周りの人みんなを「嫌なやつ」と思うのは確かに快感で、自分中心に世界を回すのは実に気持ちがいいかもしれない。
結局、ここではないどこかに行きたい気持ちや
この場所から抜け出したら変われるかも……!という思いが -
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タイトルだけ見てもどんな話かよく分からなかったけど、読み終わってみると、とても深く心に刺さるタイトルだった。泣けるお話ではないけれど、人はそれぞれ抱えているものが違うし、表面だけで判断するす流のは違うよなあ、と感じさせられた。
単純な自分の思い込みだけで理解したような気になるのも、良かれと思ってやったことも、「受う入れられるべき」と感じている自分がいたと気づいて反省した。そういう「分かりやすい」物語を好んでいるのは間違いないけれど、手を差し伸べられた側が必ずしも「受け入れなければならない」ことはないいんだよなあ。なんだか、スッキリするようなものではないけれど、人はそれぞれ。それを突きつけられ -
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実際に鈴菜の様な妹がいると大変だと思うけど、それ以上に蒴が可愛い。
姉妹で勘違いは良くあると思う。
私も妹と互いに親が自分には関心ないと思っていた。
椿の葛藤は子育てに悩みお母さんにもきっと共感されると思う。
うちの母は3人産んでフルタイムで働いていたから本当にほったらかしだったけど、多少の不満はあれどよく働くなあと感心と感謝しかなかった。
時代は変わり大らかに育児をするのが大変な時代になったとも思います。
少子化が進む中、誰の子に対しても優しいおばさんでありたい。
子供はいるだけで癒される。だけどその子育てをする人はそれだけではない。
実際、産休明けの先輩が仕事の方が楽と言っていた。勿論その -
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豪華執筆陣にワクワクして購入し、期待通りの素晴らしいアンソロジーだった。
どのお話にも違った良さがあってどれが1番好きか決めきれないが、今いちばん思い出すのは金原ひとみの『ラストサパーフォーエバー』。
彼氏と別れて死にたいくらいつらいクズハの元に女友達3人が最後の晩餐に食べたいものを持ち寄る。死にたいクズハ本人ではなくその友人たちが選んだものなので理性が働いていて面白い。特に未来のことを心配しなくて良いから痛風鍋、という選択肢はあまりにも理性。自分にはその視点と選択肢が存在してなかったのですごく良いなと思った。本能のままに手を伸ばし食べまくる描写に活力が湧いてくる。
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高級ジムで清掃パートをやっている鳴海は貧乏筋の家育ちのようだが、イケメンの夫、暖(だん、彼もイケメン過ぎてハブられると無理に仕事続けない低収入系)とも仲が良いようだし、卑屈ではない精神性を感じさせる。そんな時、鳴海が職場で商工会ニュースなどチラ見して気にしていた老舗のお菓子メーカー次期社長、南雲栄輝の元婚約者が家に来ていた。そして栄輝から母の彌栄子がそこにいないかと電話がくる。なぜ、名家の南雲家とカツカツ生活っぽい鳴海が繋がっているのか?しかも20年前の繋がりのようだし、なぜ今?と気になる感じで物語は始まります。実際の生活に妥協しながらも芯の曲がらない鳴海の精神の強さが読んでいて心地良いのと、