寺地はるなのレビュー一覧
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ネタバレ最近はお見舞いに行きたくても距離や仕事など様々な事情で行けない家族が増えている。お見舞い代行とは面白い着想だと感じた。病床にあって、医療者が提供しがたいもの。そして、患者さんが希求するもの。それは人間的ななんでもない、温かい交流である。
少数派、個性派の雨音の感性から紡がれる等身大の心情の数々は、言い得て妙である。寺地さんは、みんなが当たり前にできることができない、その代わりにみんなができないことを難なくできてしまう、などという登場人物の世界線を描くのが、ピカイチ上手だと感じる作家さんである。
少数派だからこそ得た葛藤と、その中に散りばめられた愛しい要素を拾い上げた小説だった。 -
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ネタバレハセと沖は女を騙してお金を稼ぐ詐欺師だ。悪いヤツに違いないけど憎めない。騙されても仕方ない女たちなら許せるくらいだ。応援したくなってしまう。後半の老人を騙すのはさすがに賛成できないけれど。極悪人でない二人は結局いい人を騙すことはできないだろう、、
ハセの生い立ち、境遇には同情するけどハセが思ってるようにどうしたらよかったのかと問われると答えられない。確かに生きていくだけで精一杯だったと思う。
沖の生い立ちにも複雑な心境となる。両親が教師、よくあるかもしれないけど勉強が嫌い、こちらも辛い幼少時代だったと想像できる。長い間絶縁状態だった母親と再会するも認知症となっていた、、感情が揺れるのは当たり前 -
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もやもやを遠ざけるため、ひたすら歩きたくなる気持ちわかります。
夜になんとなく集って歩くことになった5人。
それぞれが譲れないこと、日常には抱えるものがあり、歩いて話して心通わせ、人に話せば心が軽くなるのだと伝わります。語らいのなかで、現状に向かっていきます。相手に踏み込んでいかない関係性が良かった。
言葉のやり取りが、優しいのに、ずきっと胸にきます。みけねこ洋菓子店が出てきたところでほっとしました。
塩田さんの存在は貴重で、ありがたい出会いです。
どうかしてもらおうとかでなく、自分をみつけてくれる、それだけでよかった、すごくわかる。
もっちゃんのエピソードもう少しほしかった。
大きな出来事で -
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子どもの気持ち
子どもを思う大人の気持ち
どちらも大袈裟じゃなく、愛情深い。
親子の関係性、愛情や友情を描くとなると、寺地はるな先生は1番なんじゃないかと思ってます。
先生の作品はいつも適度な距離で子供と向き合う大人が描かれ、自分もこうありたいと思わせてくれます。
ストーリーは明るく楽しい内容ではありません。厳しい現実、恵まれない家族環境、それぞれに抱え悩みながらも最後は糸口を見つけ希望が見える。
主人公鳴海の芯のある性格や、彌栄子さんのやわらかさ、栄輝のやんちゃぶりが、本当によくわかり共感しました。最後のほうは…涙が堪えきれません。
(唯一、暖…格好良すぎるのでは…)
とても素敵な -
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寺地はるなさんの作品は、生きづらさを生きづらさとして認めてくれる感じが心地よい。ひとと違うことで嫌な気持ちになったり、つらくなったりすることがあっても、それをそれとして受け止めてもらえる。
高校生のぼくと、20代前半のわたしが語り手となって、家族との関係、友人との接し方、恋人との付き合い方などを描く。痛みやつらさを知っているからこそ、安易な発言や共感はしない。相手を思いやると、言葉が出てこなくてぎこちない雰囲気になってしまうこともある。でもその思いやりはちゃんと相手に伝わっている。
そういう、優しい作品だった。
日々の困難や厄介ごとを、「おかずシェアの会」みたいに分け合って、みんなで解決で -
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ネタバレ私の祖父は、桐矢の祖父と違い、「みんなそれぞれ考え方があって受け入れる性格まるっこいじいちゃん」だったので、最初読んでて桐矢の祖父の横暴さや「典型的なステレオタイプの昭和の頑固迷惑爺」がしんどかったし、そんな祖父と生活しなきゃいけなくなった桐矢に同情しかなかった。そんな正直鼻つまみ者な祖父と祖父が若かりし頃営業を頑張ってたレトルトカレーでちょっとずつ距離が近づいていくところをみて「人情は多少あるんだけどね…」って感じだった。
桐矢の祖父は家族の愛情を知らずに育って食べ物にも苦労したから、家族を持つことに戸惑いもあったし、食べ物の恩のこともあって必死だったこと。そういう面を知ると仕方ない部分もあ -
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寺地はるな、『水を縫う』。
寺地はるな作品初読み。
松岡清澄、手芸好きな高校1年生。手芸好きをからかわれ、クラスでは浮いている。幼いころに父と母が離婚し、今は祖母・文枝、母・さつ子、姉・水青との3人で暮らしている。
かわいいものが苦手な、結婚を控えた水青のために、清澄は、ウェディングドレスを手作りすることに。
家族でありながら、自分たちの想いをなかなかうまく伝えられない松岡家。
水青は、過去の忌まわしい記憶から、かわいいものが苦手であるが、それをうまく伝えられない…
水青のためにウェディングドレスを作ろうとする清澄も水青の想いを汲み取れず、自分の想いを伝えられない…
さつ子も手芸好きな清 -
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寺地はるなさんの作品はいくつか読んでいるが、
エッセイは初!表紙もほんわかして可愛らしい!
私と同世代なので、感覚が近い所がいくつもあり、何度も励まされたり、笑わせてもらった。
そして、ふいに勇気づけられたり元気ももらえた。
一つ一つのコラムから溢れるメッセージというより、まぁ同じ時代に生きとる者同士、ぼちぼちいきましょう〜という感覚の、肩の力をそっとほどいてくれるような作品だった。
リヴァー・フェニックス、私も好きだったなぁ。
久しぶりに当時の胸キュンを思い出させてくれた寺地さんに感謝。
小説では分からない、寺地さんの心に少しだけ近づけた気がして、親近感がわいた。
今後も作品を読ん -
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/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/
いろんな世界があるということを感じさせてくれるお話でした。
いろいろなものが認められていくと、少数であっても差別されないという世界に近づいていくんでしょう。
人生をどう謳歌していくか、
人に迷惑をかけていないか、
何かの役にたっているのか、
大切なのはそんなところでしょうか。
人への興味が薄れていって、差別することもなくなるかもしれないですが、この先の時代はどうなっていくんでしょうね。
自分をもって深掘りして見つめていくことが何よりも大切だと感じる、今日この頃ですが、この作品を読んで、尚のこと、どう生きていくべきか、と、考えさ