寺地はるなのレビュー一覧

  • 正しい愛と理想の息子

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    途中漫画とPMSを挟んだから読むのに時間がかかってしまった。もう一度集中して読まないと感想が纏まらない。
    ハセの声、津田健次郎さんで再生された。
    寺地はるなさんの本は初めて読んだが、描写が素晴らしいと思った。キャラクターの気持ちや情景をすんなり想像することが出来た。
    最終章の「こいつは俺の大嫌いな職業で、だから、俺にはできないことができる」という言葉が印象に残った。
    嫌いな人とも補い合って生きている。それぞれに名前と人生があり、みんな繋がっている と改めて気付かせてくれる。自分がもし小説を書くとしたら、こんな作品を書けたら良いなと思った。
    時間がある時に一気読みで再読したい。

    追記
    民恵とい

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    2022年04月16日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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     あかつきマーケットを中心にした町で暮らす人々を描く群像劇。
     3章仕立てで、第1章はプロローグを含めて9つの短編、第2章は5つの短編で構成され、第3章のみ単独でエンディングとなっている。

          * * * * *

     閉店決定的のマーケットや、起死回生策として作られたゆるキャラ「あかつきん」のイマイチのイメージによくマッチした、垢抜けない町の垢抜けない住民たち。
     その1人ひとりに温かな光を当て丹念に描いた、いかにも寺地はるなさんらしい作品だったと思います。

     また、各話の主人公がリレー形式でつながっていくのもよかったけれど、章題がシャレていて感心しました。

     住民たちの悩みや困

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    2022年04月14日
  • ビオレタ

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     「いつも心に棺桶を」
     「松竹梅で言えば蓼」
     風変わりなフレーズが要所で登場する、一風変わった作品というのが第1印象でした。

     登場人物もしかり。浮き世離れした人々が次々と出てきます。
     テンポといい醸し出される空気といい、川上弘美ワールドかと見紛うよう。これが寺地はるなさんのデビュー作とは驚きでした。

     それにしても登場人物が皆、キャラが立っていていい。特に菫さんが強烈です。
     菫さんは妙のいびつと言ってもいい不器用さを叱咤するのですが、菫さん自身もなかなかに不器用です。なのに偉そうなのです。
     そしてそこがまた魅力的なのでした。 ( いちばん気に入ったのは妙の父親ですが。)

     で

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    2022年04月01日
  • 大人は泣かないと思っていた

    購入済み

    大好きな作家さんです

    寺地はるなさんの小説が好きでこちらも購入しました。
    全て繋がった物語ですが、短編集のような形になっておりサクサク読み進めることが出来ました。
    たくさんの人の目線で書かれており、それぞれの人生や価値観を考えては泣き、を繰り返していたのでとても読み応えを感じました。
    寺地はるなさんの暖かいお話が大好きです。

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    2022年02月28日
  • 月のぶどう

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    不覚にも結婚式シーンは泣いてしまった。
    寺地さんは個人個人をすごく丁寧に描く作家さん。
    わかるわ~、って頷くことばかり。

    そして国産ワイン。
    私も好きです。
    こんなご苦労がたくさんあったとは知りませんでした。
    やっすい輸入ワインに走ることもあるけど、心して国産ワインを大切に飲もうと思います。
    グラスにも凝りたいけど、なかなか難しいかなー(笑)

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    2022年02月24日
  • みちづれはいても、ひとり

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    本を読みなさい。きっとあなたを遠くに連れて行ってくれる。
    自分がやってない何かをやっている人に「フッ、よくやるわ」という視線を向けて何者かになったような気分になるのは、あさましい。
    他人から際限なく引き出せる優しさなんてない。
    興味のない話に興味深げに相槌を打つ技術を、今日人至るまで会得することができないまま中年になった。
    自分が正しくも美しくもなく生きていることを知っている私はせめて、他人が心から欲するものを価値がないと嗤ったり否定したりはすまい、と誓う。

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    2021年09月05日
  • 月のぶどう

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    しっかり者で責任感が強い光実と、中途半端な歩の2人の物語は、歩の立場に共感しながらでした。若いうちは、いつか天職が見つかると根拠も無しに思っていましたが、そんなものはやはり無い。だからといって、頑張らなくていい理由にはならない。この世の仕事はすべて必要で重要。自分に言い聞かせるように読みました。読後感もとてもよく、心地のいいものでした。とても面白かったです。

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    2021年07月05日
  • 月のぶどう

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    世の中にあるたいていのモノは、全て誰かの地味な作業によって生み出されている。
    必要のない仕事は、この世の中に存在しない。必要出なかった、もうとっくに無くなっている。
    情熱とは、仕事を続けていく上で徐々に喜びとか、面白さがわかってきて、その上で段々育っていく

    就きたかった職業でなくても、真摯に、一途に、日々取り組んでいるとしたら、それはとても美しい生き方。
    共感なんてもんは、何の役に立たない。ただ誰にでもいろいろあるということを理解するだけでいい。それが他人を尊重するということ。
    うまくいかないことがあっても俺が悪いとは思わない。俺のやり方が悪かったと考え他のやり方を試してみる。

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    2021年05月22日
  • 月のぶどう

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    すごく良かった。ラストの少し前にある出来事には、感動して陽の光やワインの煌めきがありありと目に浮かんで、泣いてしまった。
    寺地さんの本は、悪人がギャフンと言わされることもないし「間違った」行動や言動が猛省される描写もないんだけど、伝えたい人にはちゃんと伝える、そこがいい。登場人物みんなが生きている、生きていく感じ。

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    2021年04月25日
  • 夜更けのおつまみ

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    このサイトで著者を見ると勘違いする人もいると思うが、これは、おつまみについていろんな作家さんが書いたアンソロジーである。
    どれも私にぴったりで、最後まで楽しく読めたし、つまみの参考にもなった。
    あまり手の込んだものつまみは出てこず、なかにはコンビニつまみランキングなるものもあり、かなり参考になった。また、各作家さんの酒との距離感、そして、つまみのポジションが明確で、スッキリ読める。
    人それぞれ、酒とつまみの位置付けは様々だが、押し付けがましくなく、自分の日常を赤裸々(?)に語っているのが最高。
    さらに、一編ずつが短いのもポイント。
    ネックは、つまみを食べたくなり、酒を飲みたくなることだけです〰

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    2020年07月14日
  • いつか月夜

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    ネタバレ

    最後、塩田さんや松江さんや伊吹さんたちと一緒に歩くことが無くなったのが、悩みから解放されて新たな生活への門出となったのかなと思えていい終わり方だと思った。
    實成が伊吹さんと猫のカフェに行く場面がとても好きだった。塩田さんや松江さんたちを好きだと思うように伊吹さんを好きだと思うこと、夜中にただ一緒に歩いてケーキを食べに行くという名前の無い関係が羨ましい。けれど、伊吹さんとは決別をして新しい生活に進んでいく實成は強いなと思った。

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    2026年09月14日
  • いつか月夜

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    ネタバレ

    みんな何かを抱えていて、それの傷の舐め合いでもなく、ただ歩く。しかし最終的には自分がどうしたいか、おかしい方に流されてそれが楽だと思わないようにすることが大切だと感じた。

    もう二度とフルメンバーの散歩は実現しないのだろうけれど、それぞれが1人でも正しいと思うほうに歩いていくのだろうと、そう思った。

    個人的に気になったのが、自分がこの本を手に取ったのがあらすじで面白そうと思ったからであるが、思ったような話じゃなかったなと感じた。モヤヤンの登場が少なく、人間模様が丁寧に書かれていたが、得体の知れないもの、モヤヤンに苦悩する様と自分を照らし合わせたいと思っていたので、少し驚いた。(それが悪いとい

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    2026年09月13日
  • ほたるいしマジカルランド

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    連作短編集。寺地はるなさんの「水を縫う」「世界はきみが思うより」に続いて京阪沿線っぽいところが舞台。ひらかたパークがモデルになっています。
    ほたるいしマジカルランドの社長の名物社長が病気になり、社長と祐の関係には少し無理が…と思いつつも、働いて人々がそれぞれの悩みを持ちつつ、目の前の仕事をコツコツとする姿は等身大の人々でした。
    好きだったのは火曜日の村瀬草。
    村瀬のイケていないのにプライドが高いところ、人を妬んだり、人に助けを求められなかったり…私もそんなところあります。素直なところもある村瀬が憎めなくて、面白かった。ちなみに串から直接食べる派です。

    男の子の母としては、水曜日の篠塚八重子系

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    2026年09月13日
  • 白ゆき紅ばら

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    寺地作品はこれで3作目。家族運営の母子保護施設の話。偽善、支配、負担、束縛。子供の心を支配し都合良く動かすことに、一切の疑問をいだかない。読んでいて辛くもあったが、祐希の運命に流されず不幸に屈しない静かな強さが印象的だった。
    途中の展開も、少しミステリー要素が含まれ、どうなっていくんだろう?と気になるところから一気読み。家族の歪みと再生を書かせたら、右に出る人はいないんじゃない?と思わせる、いい作品だった。

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    2026年09月13日
  • 雨が降ったら

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    雨が降ったら。
    傘をさす?ささない?
    レインコートを着る?
    レインシューズを履く?

    雨が降るかも。
    傘は持ち歩く?持たない?
    折りたたみ傘を持ってく?長い傘を持ち歩く?

    人生自分では選択出来なかったこともたくさんある。選択できた事もたくさんある。
    悲しい時にさしたい色の傘は何色?
    嬉しい時に着たいレインコートはどんな柄?
    傘を選ぶように自分の好きに向かって進んでいけたらいいのに。いや、進んで行っていいのだと、ちょっと背中を押される。

    雨ってちょっと憂鬱だけど、お気に入りの傘1つ欲しいかも。選ぶときワクワクするから。
    さす時もワクワクするから。

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    2026年09月12日
  • ほたるいしマジカルランド

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    表題の遊園地で働く人々の悲喜こもごも

     面白かったです。連作のかたちでそれぞれの皆さんの抱えたあれこれが紐解かれ、少しの救いが与えられるような。遊園地が舞台と言ってもお仕事小説ではなく、あくまで個々の生き方を重くならないレベルで掘り下げる感じです。

     軽い、と言ってしまうとそれまでですが、むしろその軽さが寺地はるな作品の良さだよなあ、と改めて思いました。心情的に共感する部分を多々感じさせながら、そこまで深く入り込むこともなく、激情なくふんわりとよかったなあ、と思わせてくれるという。

     ラスト、無理に登場人物同士をくっつけた話にせずそれぞれのエピローグとしたのも、無理な構成にならなくてよか

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    2026年09月12日
  • 世界はきみが思うより

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    世界はきみが思うより、その後にぱっと思いついたのはネガティブな言葉でした。私自身の経験がそういう発想になっているとしたら寂しいことだなって思います。世界はきみが思うより、優しい世界であって欲しい、私は読後にそう思いました。

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    2026年09月12日
  • 雨が降ったら

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    安定の寺地はるなさん!
    いつも読み心地が良くて、今回もさくさく読み進めました。

    私はすごく悩んでいたわけでも、すごく辛かったわけでもない。
    でも、心の中でほんの少しひっかかっていたことが、解けるような感覚がありました。
    「誰かを頼る図々しさ」
    この言葉がとても好きです。
    図々しさ(もちろんいい意味で!)を持っている人、そしてそれを受け入れられる人。
    どちらも素敵でした。

    雨が降ったら傘をさせばいい。
    辛かったら頼ればいい。

    こんなにシンプルで心強い言葉を貰えて、本当に良かったです。

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    2026年09月12日
  • 最後の晩餐

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    ネタバレ

    最後の晩餐がテーマの7編からなるアンソロージ。
    好きな作家さんばかりが、異なる切り口で書いた物語、一つ一つがとても面白かった。

    人生の最後に何を食べるのか?なかなか悩ましい、重いような軽いような命題。
    最後の食事は、何を食べるか、どういうシチュエーションで食べるか、誰と食べるか、一人なのか、一人の人生が表されているようで、様々な想像が生まれる。
    意識をしていても本当に食べれるかどうかも分からないけれど、考えるだけで、酒盛りのネタに十分になりそうで、でも実は色々考えさせられる。

    個性あふれる作家さんの物語は、色々な観点で描かれていて、其々の文体があり、あっという間に読んでしまった。

    個人的

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    2026年09月11日
  • ぬすびと

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    まず表紙が美しい、、、

    主人公鳴海の20代と現在40代のお話。
    20代の頃に働いていた喫茶店でとあるお家の家政婦をしないかと、鳴海は快諾する。
    そこで出会った5歳のやんちゃな男の子栄輝とお上品な奥様の彌栄子。
    この3人のやりとり微笑ましかったなぁ、、、
    彌栄子は鳴海と出会いどんどん新しい扉を開ける。
    とあるきっかけで鳴海は南雲家の家政婦を辞めることになる。
    そして現在40代になった鳴海に1本の電話が。それは大人になった栄輝からの電話だった。

    久しぶりにあった鳴海、栄輝、彌栄子。
    まだまだこの3人を見ていたい1冊でした。

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    2026年09月11日