寺地はるなのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
下着って誰の為のもの?繊細なレースや刺繍、色や形。第一話はサイズも変わって着れなくなった下着をリメイクしてほしい。ポーチやハンカチでなく下着として。そこで「お前の下着なんか誰が見たいんだ、いい歳してみっともない」と言われる。女性にとっての下着は、このデザインは、男の人の為ではない。この手間ひまかけられた美しいものを身に纏う事で自分はかっこよくて強い気がして頑張れた。自分の身を守る鎧のようなもの。ルッキズム。特に女性は化粧をして当たり前、キレイにいるべきもの。それは昔は男性目線で評価されるものだったモノが、今は自分の為のモノ。化粧だって自分がキレイになるのが嬉しいから、今日の私ビジュがいい!でご
-
Posted by ブクログ
月夜、静かに歩き続ける。モヤヤンと距離を置き、自分を見失わないようにするためー。
「いつか月夜」というタイトルと、群青色の表紙を目にしたときから、月明かりのもと、夜風を感じ、目的なく散歩する静かな時が連想された。夜寝る前に、一章ずつ読み進めると、毎晩、自分も一緒に散歩しているような気持ちになった。
モヤヤンの存在は、自分の中にも確実にあって、これまでも何度も遭遇したことがある。ぐっと重くどんよりとした風向きが、突然自分の頭上にだけ現れ、体ごと飲み込まれる。そこに引きずられるのも、抜け出すのも、結局は自分次第ではあるけど、この物語のように、決して近すぎず、遠すぎない距離感の間柄だからこそ、何者で -
Posted by ブクログ
北澤平祐さんのイラストの表紙がとてもかわいい。
ですが、内容はなかなかヘビーでした。
主人公の羽猫山吹は、頭の中で飼っている架空の犬を撫でることで辛い現実をやり過ごしています。
羽猫家には山吹の姉の紅曰く「まともな大人がひとりもいない」状況です。
祖父は色々な事業に手を出しては失敗し、父親は家業の工務店の仕事を放り出してフラフラしているし、祖母は骨董品屋を経営し家事はほとんどしない(でも、家族の中では一番マシ)、母親は次男の死を受け入れられず心を病み家族への関心を失っています。
子どもって、本当に不自由で無力な存在だなぁと思います。生活の全てを親に依存しているので親に従わざるを得ない…。
今 -
Posted by ブクログ
読みやすくて、すぐに読み終わりました。
主人公の万智子と自分の性格が重なることが多く、共感もあり、自分も魅力的な登場人物から学ぶことが多かったです。
万智子は正しい、正しくないという自分のものさしで他人を判断して、許す許さないと他人の問題に首を突っ込んでしまいがちな点も、自分に突き刺さりました。
人と関係を持つと言うことは、良い面も悪い面も受けとめ、自分がその相手にしてあげたい行動や、かけたい言葉をかけていくことなのかなと考えました。
私も了さんたちのように、年齢も職業も異なって自分のよくない点を指摘してくれるような友達がほしいし、私も自分のこと好きなまま、そんな自分のこと好きになってくれる人 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最近はお見舞いに行きたくても距離や仕事など様々な事情で行けない家族が増えている。お見舞い代行とは面白い着想だと感じた。病床にあって、医療者が提供しがたいもの。そして、患者さんが希求するもの。それは人間的ななんでもない、温かい交流である。
少数派、個性派の雨音の感性から紡がれる等身大の心情の数々は、言い得て妙である。寺地さんは、みんなが当たり前にできることができない、その代わりにみんなができないことを難なくできてしまう、などという登場人物の世界線を描くのが、ピカイチ上手だと感じる作家さんである。
少数派だからこそ得た葛藤と、その中に散りばめられた愛しい要素を拾い上げた小説だった。