寺地はるなのレビュー一覧
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寺地さんらしく、優しくそっと寄り添ってくれるような小説。主人公の鳴海は昔子守係として働いた南雲家で一悶着あり辞めて、それから20年経ち…というストーリーだが、育ちの良さ悪さ云々いう鳴海さんの南雲家に働いていた頃と辞めるきっかけになった出来事がそんなことが大きな確執となるのか…というかんじなのと、20年経ってあったらわあ!と意気投合じゃないけど、息子も覚えてるの?ってかんじなのは気になった。あとは優しく心情に寄り添うストーリー。旦那の暖くんはダメンズなのかと思いきやそうでもなかった。ちょっといろいろ詰め込まれて最後はとっちらかったかんじ??なのかな。
でも心情を丁寧に描く寺地さんらしい小説。 -
Posted by ブクログ
自分にとっての居心地のよさだったり、快不快を感じる基準は、人に理解されなかったり、“ふつう“から離れていることがある。
本来は“ふつう“なんてものはないのかもしれないけれど、人と違うと不安になったり隠したくなったりしてしまう。
その隠すことすらも、なんだか良くないんじゃないかと思ってしまうこともあるが、自分の心地よさを大事にして良いのだと思えた。
世界にひとりでも、数人でも、心地よさを共有できる、あるいは自分の基準を理解してくれる人がいるだけど生きやすくなるのだろうか。
まず自分の身近なところに、その心地よさがどんどん広がっていったら嬉しい。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ裏表紙のあらすじに『あなたのための物語』と書いてあったが、想像以上に『わたしのための物語』だった。
家庭環境や生育環境はそこまで似ていないけれど、
希和の感じる鬱屈や不安にとても共感できた。「そうそう!こういうことあるある!!」と、読みながら何度頷いたことか。
会話していて楽しいと感じた相手が、別の人に対して無自覚のマウントや無理解な言動を屈託なく行なっていたり。自分を(少なくとも自分から見たら)理由なく嫌い低俗なイジワルをしてくる相手が、子どもに対しては素敵で心に残る言葉をかけていたり。
『いいひと/いやなひと』という二元論では表せない、『ふつうのひと』のグラデーションをとても繊細に書き表 -
Posted by ブクログ
なぜ本を読むのかの問いに
「器を増やすため」
とこたえが示されていて、
すごく印象に残った。
大きすぎる感情を小さな器に注げば溢れる。
知っている言葉が増えると、
いままでただ「むかつく」で処理していた感情を「こんなふうに言われて恥ずかしかった」「傷ついた」「みじめだった」「でもみじめだと認めたくなかった」「だから強い態度をとった」と細分化できる。
それぞれの器に注げば、溢れ出さない。
小さな器をたくさん増やすために本を読むのだ、と。
私は本を読むのが好きだったから、好き以外の理由を考えたことがなかったけど、ほんとにその通りだなとすごく感銘を受けてしまった。