寺地はるなのレビュー一覧

  • ぬすびと

    Posted by ブクログ

    「あっち側」と「こっち側」。生まれや育ちや環境での違いをそう表現した主人公の鳴海。この小説では「あっち側」はお菓子メーカー南雲家の娘、彌栄子。「こっち側」は南雲家の子守りとして雇われた鳴海。なにもさせてもらえずできなかった彌栄子が、鳴海と出会えたことで、いろんなことを吸収していく場面や鳴海に懐いていた子の栄輝の様子を読むと、このままうまくいけばいいなと思いつつ読み進めた。

    20年後に再び状況が動きだし、迎えた結末は、よかったと思えるものだった。「こっち側」と「あっち側」の2人が20年かけてやっと得たものが、読んでいてとても嬉しくなった。

    寺地はるなさんがえがく、心理状況や情景描写の細やかさ

    0
    2026年08月16日
  • きよくしぶとくやかましく

    Posted by ブクログ

    装丁からも窺えるどこかお伽噺のような、でも今でもあるあるの日本の由緒正しい!?田舎のお話、最高でした。

    日南の達観したふてぶてしさと可愛さ、それを取り巻く人々が個性的で魅力的。
    第一幕のミステリー感もはらんだ展開、なるほどそう来るか、オチだけでない見事な幕引き。

    「川のほとりに立つ者は」はちょっと年代が違うかなと思って敬遠していたけれど、この作品に出会い、著者の作品をまた読んでみようと思いました。

    0
    2026年08月16日
  • ガラスの海を渡る舟

    Posted by ブクログ

    祖父のガラス工房を継ぐことになった兄妹の物語です。
    正反対の兄妹はガラスの骨壷の作成を通じて、自身と他者との思考の違いについて気づきを与えられ、どのように向き合うかを考えるきっかけになると思いました。
    特に協調性が低く苦手なものの多い兄の道の考え方は、普通や常識とは何なのかを考えさせられるとともに、どこまでもフラットで心地いいと感じました。

    0
    2026年08月16日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

    Posted by ブクログ

    碧の傷つきながらも一歩一歩前に進んでいく様子が良かったです。
    黒江の分かりづらすぎる優しさも、それに気づく碧の優しさも大好きです。

    養蜂の様子や、はちみつを表す描写がキラキラしていて、読んでいて癒されました。

    0
    2026年08月15日
  • 雨が降ったら

    Posted by ブクログ

    私もお気に入りの傘をさすとテンションが少し上がります!
    雨の日は嫌いですけど、暑いだけの晴れも好きじゃない
    最近は、ほどほどの天気というものがなくて困りますね

    0
    2026年08月14日
  • 最後の晩餐

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【収録作品】
    江國香織「コインランドリーの夜」
    金原ひとみ「ラストサパーフォーエバー」
    角田光代「最後の鰻」
    寺地はるな「小曾根幸子の送別会」
    原田ひ香「最後に、何を食べたの?」
    藤野千夜「もうひとりのねえちゃん」
    井上荒野「本当の話」

    人生の最後に何を食べるか? をテーマにした、アンソロジー。
    「コインランドリーの夜」の弥生子、「小曾根幸子の送別会」の小曾根幸子の生き様は小気味よい。
    「最後の鰻」は仲の良い家族の空気が伝わってきてほのぼのとする。
    「ラストサパー…」と「もうひとりの…」は年代こそ違うが、シスターフッドのよさをしみじみと感じる。
    「最後に、…」は嫌な話にならなくてよかった。

    0
    2026年08月14日
  • 水を縫う

    Posted by ブクログ

    手芸好きの男子高校生、清澄は、〝かわいい“ が苦手な姉のためにウェディングドレスを手作りしようと決心する。
    視点は、清澄、姉の水青、母、祖母、父の雇い主の黒田、最後に清澄に戻る。
    家族それぞれが、『普通』や『らしさ』に苛立ったり抗ったりして、勇気を出して一歩踏み出していく。とても共感できた。
    ラストにさしかかると読み終えるのが惜しくなってしまった。
    清澄が刺繍したウェディングドレスを想像するのも楽しかった。

    0
    2026年08月13日
  • 世界はきみが思うより

    Posted by ブクログ

    えーとか瞬発的に思うのは、想像力の放棄やなぁとと思う。でもやけんって分かったふりをして、受け入れますよみたいな顔するのはもっと最悪やし、私は結局何もしない選択を取りがち。でもそれはそれで違うんよなぁ。普段考えるからこそ、いざという時に考えすぎずに行動できるのかもしれない。

    0
    2026年08月13日
  • カレーの時間

    Posted by ブクログ

    癖ある偏屈な娘たちにも嫌われてる祖父と同居することになった孫息子・桐矢。
    祖父は食品会社に勤めていて、レトルトカレーの営業をしていた。
    祖父が抱えていた家族の秘密。カレーのように癖ありつつ包容力で抱えていたそれ。
    昭和のくそ親父の、家族愛ある秘密。

    0
    2026年08月13日
  • カレーの時間

    Posted by ブクログ

    昭和の男とも言うべき頑固ジジイと、それを嫌う孫の桐矢の同居生活の物語。
    頑固ゆえに妻に逃げられ、3人の小さな娘を育てた小山田義景。3人の娘はそれぞれ娘を産み、最後に生まれた男の子は女系家族で育って男らしさに欠ける。83歳で心臓病になった義景を心配した娘達は同居を望んだが、唯一の男の孫を鍛えようと桐矢を指名する。
    義景の元の仕事はレトルトカレーの営業。そのため、祖父と孫の料理はいつもカレーが付き纏う。頑固が故にあちこちでトラブルを起こす祖父。優柔不断ながら几帳面な桐谷が何とかフォローしていく。桐矢の恋バナがあったり、ストーカー事件があったり、中々忙しい。家を出てから、一度も娘達に会わなかった母親

    0
    2026年08月12日
  • ぬすびと

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    もっと裏があるのかと思ったけれど、深読みし過ぎだった。
    短い作品だけれど、読む価値あり。

    心情的には大人向けだけれど、若い人が読んでも受け取れるものはあると思う。

    0
    2026年08月12日
  • 架空の犬と嘘をつく猫

    Posted by ブクログ

    沁みる。終盤は無意識のうちに、自分や自分の家族に重ねて読んでいた。若い人より、ある程度歳を重ねた人の方が沁みると思う。
    著者には失礼かも知れないが、メッセージやシナリオの面白さを求める人には物足りないだろう。本当に主人公のある期間を切り取っただけのような形なので。

    0
    2026年08月12日
  • ぬすびと

    Posted by ブクログ

    なんだかフワッとした話だったけど、ラストは、涙が止まらなかった。
    色んな状況の中で、それぞれに悩みはあり、人と関わる中で変わっていく事もある。
    人間の嫉妬や妬み、あきらめ、プライド、そんなどうしょうもない感情と人を思う気持ち、尊重、思いやり、責任感が絡まって話は進んでいく。
    最後は気持ちのよい終わり方だった。

    0
    2026年08月12日
  • ぬすびと

    Posted by ブクログ

    家柄も年齢も時も超えた友情の物語。
    主人公の鳴海は貧しいけど逞しく育った女性。どんな相手でも正直に接するからカッコいい。だから暴れん坊のお坊っちゃんも、深窓の奥様も心を開いたんだろうな^ ^

    0
    2026年08月10日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

    Posted by ブクログ

    「びろうどの布のようにしっとりと黒い空から銀色の針に似た雨が降ってくる。」夜に振る雨をこんな風に美しい情景として表現できるなんて…。
    この瞬間に入り込んでその情景を味わいたいとしばらく目を閉じ味わってしまった。
    物語の序盤に出てきた、碧にとって心の支えとなっていた、自分が言われた言葉が浸透し、生きた言葉として自らから発せられたのを目にし、その裏にあった様々な出来事があってこそ言葉に命が宿るんだなぁという感覚になった。
    誰かに委ねるのではなく、自らが動く。育てて関わりを育む中で自らが自分の居場所を自分で作っていく。
    こんな風に作り上げていくっていいなぁと思うし、受け身で文句ばかり言うだけでなく、

    0
    2026年08月09日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

    Posted by ブクログ

    寺地さんの文章は、何故か料理を作っている情景が浮かんで、美味しそうに思えてくる。

    碧は最初は無気力そうな人かと思ってたけど、誰も知らない街で出会った人たちと関係を深めて、養蜂家として奮闘していくの、たくましいなぁと思った。
    「出会っただけで終わらせない」そんな人付き合い憧れる。

    0
    2026年08月08日
  • 世界はきみが思うより

    Posted by ブクログ

    「それでもね、やっぱりね、めちゃくちゃ愛やったなー、と思う。こんなに愛させてくれてありがとうって感じやねん」

    0
    2026年08月08日
  • 世界はきみが思うより

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ある出来事がきっかけで他人が作った料理を受け付けなくなってしまった高校生の冬真は、同級生の時枝くんに「難病を抱えた美少女」の妹がいるという噂をきく。友達にそそのかされ、時枝くんの家まで行ったことがきっかけで、冬真は時枝くんと仲良くなっていくが――。

     一方、国際交流プラザで働く紗里は、「きれいなものが好き」なあまり、太ることへの嫌悪感を抱えていた。自分が撮影した写真が原因で時枝くんを傷つけたことを知った紗里は、“罰”としてマッチングアプリを始めて……。

     それぞれの理由で世界への信頼が薄くなった彼らが、大切な人と歩いていくために一歩を踏み出す感動作。(紹介文より)

    ーーーーーーーーーーー

    0
    2026年08月08日
  • こまどりたちが歌うなら

    Posted by ブクログ

    寺地はるなさんの本を読むのはこれで10作目です。表紙絵が魅力的で、まず手に取りました。作中に描かれているのは、和菓子の製菓会社にて、改善されない労働環境や職場で感じるモヤモヤなどだった。現代になっても残る理不尽さに胸が苦しくなった。

    『でも、私がだいじょうぶって言ったら小松さんみたいな人はだいじょうぶって安心しちゃいますよね。そういう人ですもん。そこを察して、踏み込んで助けにきてよ、なんて無茶ですよね。でもあの頃は、それに気づきませんでした。…だいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答える時は、ほんまにだいじょうぶな時だけにせなあかん。-第六章 空と羽

    0
    2026年08月07日
  • ナモナキ生活はつづく

    Posted by ブクログ

    軽快な文章で綴られたエッセイ。
    はじめに、家事のやり方に正解はなく「私には私のやり方がある」という力強い言葉。そうだよねと思う。

    読めば読むほど寺地はるなさんにとても親しみを感じてきた。

    「読書は自由だ。肩の力を抜いて、楽しめばいい」この言葉のとおりだと私も思っている。

    寺地はるなさんもどうぞお元気で。

    0
    2026年08月06日