寺地はるなのレビュー一覧

  • こまどりたちが歌うなら

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    和菓子が出てくるのでほっこりするところもあったが、けっこう考えさせられる重い内容だった。
    「大丈夫?」って声かけ、わりと日常で使ってしまっていて、違う言葉を使った方がいいのかなぁと思ってしまった。どんな言葉がいいんだろう…難しい
    茉子の母が、なんかいいなと思った。

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    2025年09月23日
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)

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    ⭐️希望のゆくえ
     今回は寺地さんに人の心の奥底を見せつけられた。読んでいて自分が希望や誠望のようで苦しかった。希望がお菓子の箱を満たしていくことで、自分をも満たしていくように思えて救われる気がした。希望のゆくえは分からぬが、光があると思いたい。

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    2025年09月23日
  • 水を縫う

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    各章に、日常のちょっとしたところでそっと背中を押してくれるようなメッセージの多い作品でした。
    偏った見方を受け続けることで諦めて、最初から相手はこう思っているだろうという態度で人と接するよりも、決めつけなく相手と話す方が、自分に向けられる見方も広がる。
    自分の好きなことと仕事が結びつくことがだけ必ずしも大事なのではなく、仕事とは別に好きなことというのも持っていたい。

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    2025年09月22日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    ネタバレ

    最初の始まりは、いじめられてて、明日が来なければ良いと思ってて、家族ともうまく行っていない、かなり暗い雰囲気で、大人になってもそれを引きずってるのかなと思った。でも、そうではなくて、小さいときの蜂蜜をめぐる出来事を糧に、強くしなやかな女性になっていて、大人のエピソードは、蜂蜜のせいかもしれないけど、黄色とかオレンジとか温かい空気があった。碧の考え方がすごく素敵で、色んなことを真剣に考えるのに、軽やかさもあるなぁと思ってときめいた。
    ご飯が大事、とか、色んな大切なことが含まれてる素敵なお話。

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    2025年09月20日
  • こまどりたちが歌うなら

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    タイトルがかわいいので読んでみた。
    読んだら季節ごとに相応しい和菓子を食べたくなった。

    実は比較的強い人目線からのお話だなと思った
    困ってる人に気をかけて、ズバズバものを言える茉子の気持ちもわかるし、伸吾や満智花みたいに自分だけ我慢してやり過ごしたり、何かを選べなかったりする気持ちも共感できた。茉子自身は自分が強いなんて思ってないし、迷いながら意思決定をしていた。強い人もたくさん悩むんだなと思った。
    人は場面や場所によって強い人にも弱い人にもなれるんだと思う。

    茉子が「私は人を一側面だけで見るのが得意だ…」みたいなことを考えてて、私もそうだなって思う。粗暴な態度な人、時間にルーズな人を見る

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    2025年09月20日
  • やわらかい砂のうえ

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    ネタバレ

    面倒くさい主人公と、カッコ良いけど、ダサい早田にイライラしたけど、
    まあ、ラストにほっこり。
    これ、ネタバレ?…一応、そうしとこう。

    菊ちゃんにも、むかっとした時あるけど、

    あとの登場人物は、好きな人たちばかりで、幸せな寺地はるなワールドだと思った‼️

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    2025年09月18日
  • いつか月夜

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    ネタバレ

    初めて寺地はるなさんの作品を読みました。書店で、表紙と帯のコメントに惹かれて手に取った一冊です。

    タイトルが、「いつか月夜」ですが、「いつか」月夜であって良いけど、「いつも」月夜であってはいけないという意味が込められていると感じました。
    月夜のように、何かに照らされて、その明かりを頼りに生きるときがたまにはあっても良いかもしれないけれど、その心地良さに甘んじてはいけない。何に照らされなくても、自分の意思で歩かなければいけないときもあるということです。

    話の内容としては、様々な事情を抱えた登場人物が、主人公と共に散歩会をするのですが、その抱えている事情や複雑な人間関係がだんだんと分かってきて

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    2025年09月15日
  • カレーの時間

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    ネタバレ

    お祖父ちゃん、生きたまま終わって、桐矢の人生をもう少し見ていて欲しかった。けど、本の通りの方が現実的なんだろなと思いました。
    ご都合主義な展開にならず、どれもそうだよなという受け止め方や流れになって、けど登場人物たちの考えや受け止め方は、どれもピリリと刺激されるものになっていて、最終盤のセリフは誰のどのものでも印象に残りました。
    新谷さんの、やりがいに関する話。桐矢の傷つく権利の話。守りたい、弱いから守るべきものと思うこと。みんな自分の芯があって、そこから必然に感じること、ちょっと危うくても変えることは出来なくて、でもそれがあるから何とか生きてけるんだよな、と思いました。

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    2025年09月14日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    ネタバレ

    読み始めた時は、なんだかよく分からない話だなと正直思った。それが読み進めるうちにどんどん引き込まれていった。
    私も思春期の頃は都会に憧れて、早く地元を離れたいと思っていた。だから天の気持ちも分かるし、特有のイタさにも共感できる。

    「他人の必死さを笑ったり、心配するふりして気持ちよくなったりする側より、笑われる側にいるほうがいい。」
    この言葉に背中を押された。

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    2025年09月14日
  • カレーの時間

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    ネタバレ

    年齢が離れれば生きてきた時代も違い考え方を理解するのも難しいものですが、人を大切に思う気持ちは年代を超えて同じなんだと思いました。
    この小説みたいな、食べ物と家族のあたたかさを描いた物語はとても好きです!

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    2025年09月14日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    ネタバレ

    SNSで紹介されてたのをきっかけに読んだんだけど,紹介してたのが,社会正義に基づいて,理詰めでバッサバッサと官僚や政治家を斬っていく,あの鋭い舌鋒の政治家.
    しかも,YouTubeではちょっとコミカルな顔も見せるギャップの持ち主で,日本の“政治界の頭脳三傑”の一人だと思ってるような人.
    …が!このタイトル?この表紙?この作風??
    えっ,本当に!?と思いながら読み始めたけど,読後にはしっかり納得していた.
    というか,むしろこの人がこの作品を勧めていたことが,自分にとっては強く印象に残った.

    物語は静かで,日常の細やかな場面が中心.
    でも,そこにさりげなく差し込まれる言葉たちが,じわじわと心に沁

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    2025年09月13日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    「水を縫う」を読んでその雰囲気が好きだったので、寺地さんの2冊目を読みました。
    碧はとても真面目で不器用だけど、強さも持っていると感じました。蜂蜜をもうひと匙足せば、あなたの明日は今日より良くなる、自分の力で明日を良くすることはできるということに支えられていたのだと思います。
    黒江と出会い、自分を変えた蜂蜜と関わることで新たな居場所を飄々と切り開いていく。
    考え方、取り組み方次第で変わるんだということを改めて考えさせられました。

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    2025年09月14日
  • カレーの時間

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    偏屈な祖父、なんだろうめっちゃこういう人知ってる。
    知ってるというかウチの父親だな。
    娘や孫たちのいたたまれなさや腹立たしさが分かる。わかりみしか無い。

    こういう小説だと頑固爺さんも最後は心を入れ替えたり、実は良い人だったんだね。的な話になりがちだと思うのだが、
    「悪い人じゃ無いんだけど…」止まりである。
    そして爺さんの過去話を知ったところで、「そんな事があったら仕方ないのかもしれない」とは全くならない。
    まあ、身内に近いのが居るので、そんなことぐらいでは誤魔化されんぞ。という思いもあるといえばある。

    でも面白い。
    主人公の言い回しというのか言葉のチョイスも面白い。
    「さびしさの紛らわしか

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    2025年09月12日
  • こまどりたちが歌うなら

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    皆が皆、強い訳じゃないんだな。。。
    誰しも弱い部分を持っていて、それを堂々と表に出せる人もいれば、出したくない人もいる。
    私はよく『だいじょうぶ!』って言ってしまうけど、本当に大丈夫でなければ言わない方がいいにグサッときた。
    『だいじょうぶ!』で本当に大丈夫だと思われて、誰も手を貸してくれなくても恨んではいけない。。。だって『だいじょうぶ!』って言ってしまってるのだから。心配をかけたくはないけど、少し手を貸してほしいって素直に甘えられたら楽なのだけど、なかなか性格ってものは変えられないよなー。

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    2025年09月11日
  • カレーの時間

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    3世代にわたる話が、祖父と孫の視点から語られている。3姉妹の世代の私は、1970年の大阪万博も親世代の祖父を看取った描写はありありと現実感をもって世代交代なんだなぁと感じられた。
    大阪に滞在中に読み終わったのもタイムリー。

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    2025年09月09日
  • いつか月夜

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    月夜に食べる米の飯。
    善き人。
    言葉の表現がよかった。
    勉強になりました。
    みんなで協力したり共感したり。
    私にもこんな友達が欲しいと思わせる
    作品でした。

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    2025年09月07日
  • いつか月夜

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    2024年出版。とても地味で普通、のようでいて、ジンワリ自分とは違う人々・関係性を間接体験する作品だった。非日常を強調するような部分は見当たらず。下手をすれば退屈と感じる読者も多いかも知れないな、と思いつつ、意外と興味深く読み切ってしまった。とても丁寧に、人の気持ちや心を大切にする・したい人達が中心的に出て来る。反するタイプの人達が対比的に描かれる。妙に文学的だったり、小難しく押し付けがましく含意の描写は無い、ように読んだ。なんか、ほの暖かい気持ちで読み終えられました。

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    2025年09月07日
  • ほたるいしマジカルランド

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     隣の芝は青く見える。
     他者と自分を比べて自己嫌悪に陥る。はたまた、自分と違うところに目をつけて受け入れられないと拒絶する。
     憧れや嫉妬の対象である相手にも悩みや嫉妬心があることを忘れて、「自分だけが」と悲観的になるのは苦しいことだ。しかし、いつもポジティブでいることは難しい。
     少し視点を変えるだけで、見える世界は大きく変わる。道端の石ころが宝石に勝る輝きを有するときがあるように。

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    2025年09月07日
  • カレーの時間

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    身内だったらちょっと恥ずかしいと思ってしまうような横暴な言動態度を取りがちな祖父。
    でも毛嫌いするだけじゃ無く、一緒に住んだり食事をしたりするうちに違う部分も見つけて行く孫。

    自分が傷つくなら、嫌な人とはなるべく関わらないでいましょう…もありだけど、近づいて初めてわかることもあるよね…。

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    2025年09月07日
  • 雫

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    お互いを本当の意味で理解し合い、支え合っている関係性が素敵だと思った。
    友人関係にはさまざまな形があるけれど、すべてを語らなくてもいい。すべてを知っていなくても、深い部分で繋がっている。そんな関係はとても羨ましい。

    自分の人間関係も、表面だけでは分からなくても、もしかしたら同じように深いところで繋がっている人がいるのかもしれない。
    繋がっていたらいいな。

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    2025年09月06日