寺地はるなのレビュー一覧
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「びろうどの布のようにしっとりと黒い空から銀色の針に似た雨が降ってくる。」夜に振る雨をこんな風に美しい情景として表現できるなんて…。
この瞬間に入り込んでその情景を味わいたいとしばらく目を閉じ味わってしまった。
物語の序盤に出てきた、碧にとって心の支えとなっていた、自分が言われた言葉が浸透し、生きた言葉として自らから発せられたのを目にし、その裏にあった様々な出来事があってこそ言葉に命が宿るんだなぁという感覚になった。
誰かに委ねるのではなく、自らが動く。育てて関わりを育む中で自らが自分の居場所を自分で作っていく。
こんな風に作り上げていくっていいなぁと思うし、受け身で文句ばかり言うだけでなく、 -
Posted by ブクログ
ネタバレある出来事がきっかけで他人が作った料理を受け付けなくなってしまった高校生の冬真は、同級生の時枝くんに「難病を抱えた美少女」の妹がいるという噂をきく。友達にそそのかされ、時枝くんの家まで行ったことがきっかけで、冬真は時枝くんと仲良くなっていくが――。
一方、国際交流プラザで働く紗里は、「きれいなものが好き」なあまり、太ることへの嫌悪感を抱えていた。自分が撮影した写真が原因で時枝くんを傷つけたことを知った紗里は、“罰”としてマッチングアプリを始めて……。
それぞれの理由で世界への信頼が薄くなった彼らが、大切な人と歩いていくために一歩を踏み出す感動作。(紹介文より)
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Posted by ブクログ
寺地はるなさんの本を読むのはこれで10作目です。表紙絵が魅力的で、まず手に取りました。作中に描かれているのは、和菓子の製菓会社にて、改善されない労働環境や職場で感じるモヤモヤなどだった。現代になっても残る理不尽さに胸が苦しくなった。
『でも、私がだいじょうぶって言ったら小松さんみたいな人はだいじょうぶって安心しちゃいますよね。そういう人ですもん。そこを察して、踏み込んで助けにきてよ、なんて無茶ですよね。でもあの頃は、それに気づきませんでした。…だいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答える時は、ほんまにだいじょうぶな時だけにせなあかん。-第六章 空と羽 -
Posted by ブクログ
寺地はるなさんは、人間の心の機微の表現がうまいといつも思う。ひとつの思いのあとの細かい表現や、自然描写もとてもすてきだった。
タイトルの「希望」を“きぼう„と読むか“のぞむ„と読むかで、タイトルから受ける印象がかなり違うと思う。どちらとも取れる読み方に、この小説のすべてが表現されているように感じた。
あらすじは、突然失踪した「律儀で几帳面」な弟の希望(のぞむ)を探すことになった兄の誠実(まさみ)が、弟の知り合いを訪ね歩くうちに弟の様々な顔を知っていく。そして誠実自身も自分の感情と向き合っていく。また過去に希望(のぞむ)と関わった人たちも過去に想いを馳せ、今の自分と向きあう······。とい -
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一つの家族、それぞれの視点から描かれるストーリーが上手く繋がり、それが心地良く
するすると読めてしまいました。
ただ論点が家族のあり方についてなのか
自分を大切にすることなのか
ジェンダーについてなのか…
この作品を通して何を伝えたいのかを汲み取るまでに
時間がかかるというのが多少難点かなと思います。
子に対する愛情のかけ方や考え方は
人それぞれなんだと思わされました。
私の母も、未だに私のやる事なす事を否定する。
それは自分の経験から
私の失敗を恐れているのでしょうか?
一応アレも母なりの愛情表現なんでしょうか?
私は私を信じ、強い意志があったからこそ
それを跳ね除けて今自分の正解を歩ん