寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ裏表紙のあらすじに『あなたのための物語』と書いてあったが、想像以上に『わたしのための物語』だった。
家庭環境や生育環境はそこまで似ていないけれど、
希和の感じる鬱屈や不安にとても共感できた。「そうそう!こういうことあるある!!」と、読みながら何度頷いたことか。
会話していて楽しいと感じた相手が、別の人に対して無自覚のマウントや無理解な言動を屈託なく行なっていたり。自分を(少なくとも自分から見たら)理由なく嫌い低俗なイジワルをしてくる相手が、子どもに対しては素敵で心に残る言葉をかけていたり。
『いいひと/いやなひと』という二元論では表せない、『ふつうのひと』のグラデーションをとても繊細に書き表 -
Posted by ブクログ
なぜ本を読むのかの問いに
「器を増やすため」
とこたえが示されていて、
すごく印象に残った。
大きすぎる感情を小さな器に注げば溢れる。
知っている言葉が増えると、
いままでただ「むかつく」で処理していた感情を「こんなふうに言われて恥ずかしかった」「傷ついた」「みじめだった」「でもみじめだと認めたくなかった」「だから強い態度をとった」と細分化できる。
それぞれの器に注げば、溢れ出さない。
小さな器をたくさん増やすために本を読むのだ、と。
私は本を読むのが好きだったから、好き以外の理由を考えたことがなかったけど、ほんとにその通りだなとすごく感銘を受けてしまった。
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Posted by ブクログ
寺地さんお得意の(?)、少し不器用な人たちの“つながり”と再生を描いた物語。
本書は、中学時代の卒業制作で繋がった男女4人(永瀬珠、高峰能見、森侑、木下しずく)の30年間を、2025年から1995年へと時間を遡りながら紐解いていく構成となっております。
時間を戻るたびに今の彼らを作っている記憶の断片が繋がり、輪郭が鮮明になっていき、最終章で改めて2025年に戻ることでこれまでの出来事が繋がってくるという流れが秀逸でしたね。
物語に大きなハプニングが起きるわけではありません。
ですが、珠をはじめ、登場人物それぞれが抱える「生きづらさ」の描写が絶妙で、じんわりと心に沁み入ってくるのですよね・・