寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画化されて来年上映されるとのこと。
こうなると気になります。
と言うことで手に取った作品です。
家族の話でした。
それも少し暗い影のある家族。
家の中で一番年下の人が死に、家族経営していた店も傾きかけている。
そして、皆が現実から逃げたいと思っていて、それぞれが苦しみもがいていた。
決して明るい内容の物語ではないけれど、深刻にならずに読めました。
そして、崩れてバラバラになりそうな家族が持ち堪えて一歩前に進めたのは、読んでいてこちらも安心して心が温かくなりました。
作品名の「架空の犬と嘘をつく猫」
どういうことだろうと疑問に思っていましたが、作品を読み進めていくとわかりました。
ちょっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ「水を縫う」を読んで
寺地はるな氏のジェンダー視点を
持った作品をまた読みたいと思った
チェックの赤いリボンが
可愛い表紙、どんな内容?とワクワク
気になった箇所を以下抜粋
・でも男ってさ、ほんとバカだよね。
女の下着は男の気をひくための衣装かなんかで、目的はそれしかないとでも思ってんのかね
・男も女もやりたい人はおおいに
やればいい。やりたい人は、だ。
・外野が『そうに決まってる』
『それしかない』と勝手に決めつけて、
「いい歳』だからその資格はないとかなんとか判定したり、自分こそがその判定員で
あると思いこむのは、愚か
(P35)
・ああいう会議って、おじさんとおじいさんばっか -
Posted by ブクログ
仕事がメインの寺地はるなさん作品読んだの、初めて。寺地さんの目線で書くと、こうなるよね。
やさしい文章だし、お話もやさしいんだけど、かなり重ためのテーマもガッツリ差し込んでくる。寺地さんのそういうところが、現実っぽい。
主人公が自分かと思ったという人、意外といて安心した。
「傷ついたり迷ったりするのは弱い人間だけだとでも思っているのか」って、別の寺地作品のセリフを思い出すシーンが度々あった。
自分の意見をはっきり言うの、少なくとも私は「自分の意見を聞いてくれる環境があったから」ではない。「その言葉に従っていたら自分が壊される」という確信があって、そんなことされない権利が自分にあると信じるため -
Posted by ブクログ
妹の子である朔と2人で暮らす椿とその周りの人たちの物語。
椿は空気を読めなかったり読まなかったりして、一見、確かに実際にいたら個性的に見えそう。でも色んな人とのやりとりの中で椿の考えることや迷いに共感できるところがたくさんあった。
寺地さんのお話で好きなところは、人と違ったり当たり前のように言われている価値観だったり無意識のモノサシに疑問を持つこと、勝手に判断しないというか判断してしまったとしてそれを流さないところ、それっていいの?と主人公や登場人物が考えて考えさせてくれる。
穂積や高雄、真弓さんもみんなそれぞれの魅力があって、椿との関係性もとてもよかった。
同期の杉尾に椿が言った言葉 -
Posted by ブクログ
寺地はるなさんの本を読むのは2冊目。
前回の「水を縫う」でも感じだけど、本作でも登場人物たちが誰も“善悪”で描かれていないことに感心した。
誰かの生き方を絶賛するでもなく、誰かの価値観を否定するでもなく、「その人はそう生きている」という事実として丁寧に描かれている。
最初は「嫌な人だな」と思う登場人物でも、読み進めるうちに「ああ、私の中にもこういう感情があるな」と気づかされる。
そして、そんな自分の中の不器用で複雑な部分までやさしく掬い上げて、「それも人間らしさだよ」と受け止めてくれるような温かさがある。
「違いがあるまま、そこにいる」ことの尊さを感じさせてくれる物語だった。
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Posted by ブクログ
『「明日、降水確率が五十パーセントとするで。あんたはキヨが心配やから、傘を持っていきなさいって言う。そこから先は、あの子の問題。無視して雨に濡れて、風邪ひいてもそれは、あの子の人生。今後風邪をひかないためにどうしたらいいか考えるかもしれんし、もしかしたら雨に濡れるのも、けっこう気持ちええかもよ。あんたの言うとおり傘を持っていっても晴れる可能性もあるし。あの子には失敗する権利がある。雨に濡れる自由がある。⋯⋯ところで」
ところで。下を向いていたから、その言葉を母がどんな顔で言ったのかは知らない。
「あんた自身の人生は、失敗やったのかしら?」』