寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
もうすでに2回読みました…
この短期間でも、1回目と2回目で感じることが少し違っていて、なんだか不思議。
それだけ、読む側の状態によってさまざまな受け取り方ができる物語なんだと思う。
寺地はるなさんが描く女性は、いつもどこか物事から一歩引いて、俯瞰しているところがある気がする。
この物語の主人公・鳴海も、どんな出来事にも冷静に向き合える女性。だからこそ、誰もが手を焼いていた少年・栄輝の子守が務まったんだと思う。
けれど、そんな彼女が栄輝の母・彌栄子に対してだけは見せる、普段とは違う一面――。その心の動きの描き方が、またすごく良くて…!
そして、この物語の核は、タイトルと装丁に込められ -
Posted by ブクログ
傷ついた人たちの人生を描いているのに、全体としてやさしい光がある本だった。
人と人との関係は立場ではなく、その人自身の魅力や相性によって作られていく。それを体感させてくれた。
鳴海と彌栄子は、雇われ人と雇い主という関係ではあるけれど、それだけでは言い表せない特別なつながりがあったように感じた。お互いが、立場ではなく相手の人となりそのものに惹かれているところが印象的だった。
私はもともと、人との関わりの中で
立場や役割よりも、その人自身とのつながりを大切にしたいと思うタイプなのだと思う。
だからこそ、現実の中で「ここから先は踏み込まない」という線引きを感じると、少し寂しくなることがある。
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Posted by ブクログ
北澤平祐さんのイラストの表紙がとてもかわいい。
ですが、内容はなかなかヘビーでした。
主人公の羽猫山吹は、頭の中で飼っている架空の犬を撫でることで辛い現実をやり過ごしています。
羽猫家には山吹の姉の紅曰く「まともな大人がひとりもいない」状況です。
祖父は色々な事業に手を出しては失敗し、父親は家業の工務店の仕事を放り出してフラフラしているし、祖母は骨董品屋を経営し家事はほとんどしない(でも、家族の中では一番マシ)、母親は次男の死を受け入れられず心を病み家族への関心を失っています。
子どもって、本当に不自由で無力な存在だなぁと思います。生活の全てを親に依存しているので親に従わざるを得ない…。
今 -
Posted by ブクログ
読みやすくて、すぐに読み終わりました。
主人公の万智子と自分の性格が重なることが多く、共感もあり、自分も魅力的な登場人物から学ぶことが多かったです。
万智子は正しい、正しくないという自分のものさしで他人を判断して、許す許さないと他人の問題に首を突っ込んでしまいがちな点も、自分に突き刺さりました。
人と関係を持つと言うことは、良い面も悪い面も受けとめ、自分がその相手にしてあげたい行動や、かけたい言葉をかけていくことなのかなと考えました。
私も了さんたちのように、年齢も職業も異なって自分のよくない点を指摘してくれるような友達がほしいし、私も自分のこと好きなまま、そんな自分のこと好きになってくれる人 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最近はお見舞いに行きたくても距離や仕事など様々な事情で行けない家族が増えている。お見舞い代行とは面白い着想だと感じた。病床にあって、医療者が提供しがたいもの。そして、患者さんが希求するもの。それは人間的ななんでもない、温かい交流である。
少数派、個性派の雨音の感性から紡がれる等身大の心情の数々は、言い得て妙である。寺地さんは、みんなが当たり前にできることができない、その代わりにみんなができないことを難なくできてしまう、などという登場人物の世界線を描くのが、ピカイチ上手だと感じる作家さんである。
少数派だからこそ得た葛藤と、その中に散りばめられた愛しい要素を拾い上げた小説だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレハセと沖は女を騙してお金を稼ぐ詐欺師だ。悪いヤツに違いないけど憎めない。騙されても仕方ない女たちなら許せるくらいだ。応援したくなってしまう。後半の老人を騙すのはさすがに賛成できないけれど。極悪人でない二人は結局いい人を騙すことはできないだろう、、
ハセの生い立ち、境遇には同情するけどハセが思ってるようにどうしたらよかったのかと問われると答えられない。確かに生きていくだけで精一杯だったと思う。
沖の生い立ちにも複雑な心境となる。両親が教師、よくあるかもしれないけど勉強が嫌い、こちらも辛い幼少時代だったと想像できる。長い間絶縁状態だった母親と再会するも認知症となっていた、、感情が揺れるのは当たり前 -
Posted by ブクログ
もやもやを遠ざけるため、ひたすら歩きたくなる気持ちわかります。
夜になんとなく集って歩くことになった5人。
それぞれが譲れないこと、日常には抱えるものがあり、歩いて話して心通わせ、人に話せば心が軽くなるのだと伝わります。語らいのなかで、現状に向かっていきます。相手に踏み込んでいかない関係性が良かった。
言葉のやり取りが、優しいのに、ずきっと胸にきます。みけねこ洋菓子店が出てきたところでほっとしました。
塩田さんの存在は貴重で、ありがたい出会いです。
どうかしてもらおうとかでなく、自分をみつけてくれる、それだけでよかった、すごくわかる。
もっちゃんのエピソードもう少しほしかった。
大きな出来事で -
Posted by ブクログ
子どもの気持ち
子どもを思う大人の気持ち
どちらも大袈裟じゃなく、愛情深い。
親子の関係性、愛情や友情を描くとなると、寺地はるな先生は1番なんじゃないかと思ってます。
先生の作品はいつも適度な距離で子供と向き合う大人が描かれ、自分もこうありたいと思わせてくれます。
ストーリーは明るく楽しい内容ではありません。厳しい現実、恵まれない家族環境、それぞれに抱え悩みながらも最後は糸口を見つけ希望が見える。
主人公鳴海の芯のある性格や、彌栄子さんのやわらかさ、栄輝のやんちゃぶりが、本当によくわかり共感しました。最後のほうは…涙が堪えきれません。
(唯一、暖…格好良すぎるのでは…)
とても素敵な