寺地はるなのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「わたしはなんにでもなれる」は前進させるコトバであり、心を引っ張る呪いのコトバでもあった。
寺地はるなさんの紡ぐ物語がわたしはやっぱり好きだなぁと、読み終えてすぐにそう思う。
自分も含めて上手くスマートに生きたいと思いながら、もがいている不器用な登場人物達が、劇的に何かが変わることがなく少しずつ勇気を出して前に進んでいる姿を感じることが出来るから。
この作品は、「発達障害と才能がセットに考えられているのがおかしい」ことにも触れられている。
何かが出来ないから、何かの才能はあるハズだ。物語風にしたらこれは定石であるが、現実的には違う。いや、そうであってはならない。
自分はこの世で自分だけ。
自 -
Posted by ブクログ
自由に生きるとか、多様性とか、「個」を重んじる時代になったからこそ、それは本当に幸せなことなのか?と考える機会を与えてもらったような気がした。
不自由よりも、もちろん自由に生きたいけれど、自由とか多様性という言葉だけが一人歩きして、それすらも価値観を押し付けられている感じがしてしまうことがあった。
言葉にするほどではないけれど、感じていたことを言語化してもらい、背中を押してもらえた気がする。
世の中の空気に流されず、自分が感じたことを本当の意味で大事にできたらいいな。
印象に残ったセリフ
誰もが自分らしく生きたいわけじゃないんですよ。
〜進化ってよりよいほうに進むとは限らないらしくて。わ -
Posted by ブクログ
いろいろと厄介な父を、娘たちは持て余している。
83歳で一人暮らししているのも気になり、唯一男である孫の桐矢に、実家を出て祖父との同居を提案する。
穏やかでおしゃれな祖父とカレー屋さんでもやる、ほのぼのしたお話かと思ったらまるで違いますよ、そこのあなた。
とっても素晴らしい、昭和の家族のお話だった。
一気に読まされた。
約半年ぶりの読書再開、何か感想を・・・と思っても、言葉が出てこない。
他の人たちの素晴らしい感性と、言葉に感動してしまったので、それを読むことにします。
ただね・・・、義景、私の亡くなった父と、よく似てた。
声が大きくて、短気で怒りっぽくて、自分に男が生まれないことを残念が -
Posted by ブクログ
久しぶりの寺地はるなの小説。登場する人物も等身大のどこにでもいそうな人たちで、いろんなことを抱えて他人を思いやりながら生きている。相手から求められることと、自分が与えられることのギャップに思い悩みながらも、自分自身であることをやめられない悩ましさ。煮詰まった関係に嫌気が差して、離れたいと望みながらも、求められることの安寧から抜け出ることができないもどかしさ。自分の気持ちを理解してもらおうとどんなに言葉を尽くしても、受け止めてもらえない絶望。特に大きな事件が起きるわけではない日常を淡々と描くなかで、複雑で難しい人間関係の機微を言語化して気づかせてくれる、最初から最後まで、なめらかで味わい深い日本
-
Posted by ブクログ
ネタバレこの本は私の生き方を豊かにしてくれる、そんな1冊でした。
悲しい現実に対して、『前を向く』ことが一番大切だと生きてきたし他人に対してもそう思っていました。しかしこの本を読んで、準備が整っていない状態で前を向くことは間違っている、それを受け止める力が無いから『前を向こう』と言ってしまう。そう書かれてあって、今までの私は弱かったんだなと反省しました。これからは、前を向けない私も、周りの人も全力で受け止めようってすごく思った。
信じるって難しいですよね。彼氏のことを信じるって良く口にしちゃうけど、それは私のただの期待なのであって本当の信じるでは無いってこと。信じるというのはその人に傷つけられてもい