寺地はるなのレビュー一覧
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人の気持ちは言葉がないとわからないと思う一方で、言葉がなくても心を交わす、というより、人を想うことができる、と改めて思った。
鳴海がプールの清掃のときにエミリに似た人を見て、想いを馳せていたシーン、で特にそう感じた。
個人的に好きなのは、家政婦の三枝さん。ちょっと冷たいと感じるところもあるけど、一番にみんなのことを想ってくれてる感じがする!
ここも好き。
「おれはね、知ってる言葉が増えるのって、器が増えることだと思う」大きすぎる感情を小さな器に注げば
溢れる。...よく器が大きいとか小さいとかいうけれども、おれは自分はきっと器の小さい人間なんだろうと思ってる、でも小さい器をたくさん持つ -
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今どきの本ですね。簡単に言えば、色々な人がいるし、正解はひとつじゃない、的なことが綺麗な文章でまとまっている内容。
普通におもしろかったです。
が、最近この手の本を読んでも、新しい発見がなくなってきました。結局この話ってイタチごっこで、バイアスを指摘している人にもバイアスがあって、それを見ている人にもバイアスはあるのです。何かの認知をする上で、バイアスを外すことはできません。
作中でいえば、道に対して差別的扱いをする人を悪者として扱うことは簡単ですが、それってあんまり意味がないことです。
差別的扱いが生まれてしまう構造が悪いと捉えないと、社会は良くなってないですから。
いつも考えすぎて、無力感 -
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11冊目の寺地はるなさん。寺地さんは新刊の刊行ペースが早くて全然追いつけなくなってしまい、『川のほとりに立つ者は』以来、読むのは約4年ぶりになります。
「わかば洋傘店」のとある日の朝昼晩を描く掌編3編と、様々な境遇にある40代の女性を主人公とした5編からなる連作短編集です。
それぞれの主人公の、誰もが持つちょっとした悩みや生きづらさに、雨の日にそっと傘を差しかけてくれるような、さりげなく寄り添ってくれるお話たちでした。
1話分のお話が短めで、読みやすいんですがちょっと物足りなさも。
今使っている私の傘は無難な紺色なんですが、差すだけでわくわくするような傘を買いに行きたくなりました。 -
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ネタバレ【あらすじ】
あなたは人生の最後に何を味わいますか?
当代の人気作家7名が究極のテーマに挑んだ、自由でぜいたくで幸福な「食」小説アンソロジー
弥生子は「最後の晩餐」について語り合う若い夫婦の会話を盗み聞きして……江國香織「コインランドリーの夜」
失恋したクズハの家に、女友だち三人は最期に食べたいものを持ち寄って……金原ひとみ「ラストサパーフォーエバー」
最後のごはんは、鰻がいいっておとうさん、言っていたのに、このままだと……角田光代「最後の鰻」
経理の小曾根さんが退職することになり、送別会を開いたが……寺地はるな「小曾根幸子の送別会」
ライターの明日香は、今は亡き遠縁の作家の「最後 -
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父親の不倫が原因で世界を信頼できなくなってしまったと思っていたけど、世界じゃなくて、ただ父親が信頼に値しない相手だった。それだけの話だった。
と、父に言い放つところが印象的で何度も読み直した。高1の男の子がそのことに気付けることの重大さよ。これからの人生がぐんと広がっていくことが爽快だ。
菜子さんが高下駄を履いていた理由も素敵で。誰がなんと言おうと好きな格好をするという姿勢を、綱くんに見せたかったというのが。
3ヶ月に一度の面会の時だけ父親然として「離婚はしてもずっと冬真の父親であることに変わりはないよ」だなんて言ってくる不倫男とはまさに正反対。かっこいい。
言葉じゃなくて、態度で証明する。