寺地はるなのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
希望はどこに行ってしまったのだろう
製菓会社に勤めている誠実は弟の希望が突然失踪したと母から伝えられる
希望を知ってる人たちから少しずつ話を聞いて弟は、希望はどういう人物だったのか少しずつ紐解いていこうとする物語
大体、この人はこんな人だなんてはっきり断定出来る人の方が少ないんじゃないかと思う
どんな嫌な人にも柔らかい部分はあるだろうし、優しい人にも意地悪な部分もある
人の中にはグラデーションみたいに色んな部分が折り重なってその人を作っているんだと思う
だから、希望についてそれぞれ語られる希望の一部分はさまざまだ
ラストの光の章で、希望がこれからの人生を健やかに生きるために自分を持とうと -
Posted by ブクログ
う~ん、はっきり言って微妙…。
作家の匙小路ルイは、同期作家の谷川治夫婦のことを題材にして執筆できないかと考えていたが、当の谷川夫婦はルイに自身の原稿を預け失踪してしまう…。その原稿をたよりに、ふたりの生活に迫ることで真相に近づいていくというもの…。
スナック「真実一路」の文学スナックの路線は目新しいので好き♪というか、行ってみたい!!どこまでが創作でどこからが現実なのか、見えにくい感じ…ようは、わかりにくい…。寺地はるなさんの小説なのに??散りばめられている作中の短編も、なんか不思議な話ばかり…。
あ…でも一つだけいいなって、というかだいぶ好きな文章を見つけたので、評価は甘めの -
Posted by ブクログ
寺地はるなさん5作目。
子どもがいないときに、育児中の人に「子どもはいいよ〜かわいいよ!幸せだよ!」と何度か言われたことがある。その時は「それはあなたの考えであって、こちらには押し付けないでほしい」と思った…し、今でも思ってる。けれど、その人も育児していて可愛い・幸せ以外にも、きっとたくさんの思いを抱いていたのだろうな…と、本作を読んで改めて思った。
P.207 「親になってみないとわからないという言葉、わたしは嫌いです。わからないからなんなんですか。わかったらどうなるんって言うんですか。親の気持ちを知ってるあなたやわたしの父だっていうその人は、わたしと違う素晴らしい境地に達しているんです -
Posted by ブクログ
ネタバレ本屋さんで平置きしてあった絵柄と
タイトルでなんとなく手に取ってみました。
以前「カレーの時間」を読んだことがある
作者だったので読みやすいかと思ったら・・・
あれっ?ちょっと読みにくい?本編と
本編内の小説があるからなのか理由はよく
わからないけどなんとなく読み辛さがあった。
そして気になったのは他人が言う
「そういえば最近」って何なんだろうな?
聞いてほしいのか伝えなければならない事
なのかただ雑談の中の話のきっかけの
冒頭なのかはわからないんですが、作中で
他人からあんな風に切り出されたら
わたしだったらすごく気になっちゃいます。
なのであとで言った人との温度差に
瑠依が拍子抜けする -
Posted by ブクログ
うーん、今までの寺地さんの作品で一番読みにくかった。小説家の話で、現実と小説の話が混じってるので、あれ?これは現実?となることが何度かあった。通勤時間に読んでるから、少しずつ読むと余計訳がわからなくなっちゃって、結局最後まで頭の片隅に『?』が残るまま読み終えた。
小説家の匙小路ルイとしてデビューした瑠依は編集担当の利根川から結婚をテーマにした話を書いてはどうかと提案される。瑠依に浮かんだのは同じ小説家の谷川夫婦だった。彼らをモデルに小説を書こうと考える瑠依に、利根川が『そういえば最近、谷川さんと連絡がとれないんですよね』という。
そのあとは瑠依が書いた小説やら現実、谷川の書いた小説、現実… -
Posted by ブクログ
ネタバレ小説家が、消息を絶った同期の小説家・谷川の行方を辿っていくお話。
谷川の書いた私小説や、彼の妻が町内会の会報に書いた文章を読みながら、行方の手がかりを掴もうとする。
作中作が5作入っているので、短編集みたいな読み心地だった。
彼らの行方の結末は、拍子抜けするような形で解決するのだけれど、現実はそんなものだよね。と納得。
小説家が作品を書くことの責任や影響、それに対する評価とどう向き合うかが、リアルに描かれている。
これも「小説」という体をとっているので、全てが寺地さんの考えではないのかもしれないけれど、寺地さんが持っている、小説を書くことへの想いが滲み出ているように感じた。 -
Posted by ブクログ
スナック「真実一路」。スナックらしからぬ名前だ。その「真実一路」が突然閉店し、ママが出ていき、夫である絶賛スランプ中の小説家との連絡も途絶えた。その二人の行方は…
友人である人気作家が聞き込みをして真相を探る。現実と小説になっている話がごちゃまぜになり、混乱しながらも、楽しく読んだ。
『あたしね、本ってドアなんだと思ったの。自分が今いる場所と違う世界に繋がってるドア。本の数だけ世界があって、誰かが開けてくれるのを何日だって、何十年だって待っていてくれるのよ。』本はどこでもドアだ。動かずして、どこへでも運んでくれ、体験させてくれる。なんて素晴らしいのだろう。