寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
しずくさんは出てくるけど、しずくさんは主人公じゃない。
ちょっと不思議な雰囲気を纏ったしずくさんと主人公とあと友達が2人の4人で物語は進んで?過去に遡っていく。
でも主人公はずっと同じ人。
しずくさんのことを思って色んな人が色んなことを言うのよ。
もっとこうした方がいいって。
でもそれは現在の相手を否定することでもあった。
言っている本人たちは良かれと思って言っているんだけども。
ちょっとドキッとしたよね。
昨日読んだ絵本のことも思い出したよね。
そうか、あなたはそのままで良いって言ってくれる人がいるだけで人は柔らかく強くなれるんだ。
ついつい、ああしたら、こうしたら、って言ってしまうけど、そのままを受け入れてあげるのが第一前提で大事だよねって思った。 -
Posted by ブクログ
急いで読んだせいか内容理解に正直及んでいない。
ティアドロップ(雫型)には永遠の意味がある。
永遠とは過去や現在から未来に至るまで、時間を超越して無限に続くこと。
話の終盤には永瀬としずくが卒業式でこっくり会わなくなってしまうシーンがあるが、その直後の章では同じポーズでおそれなくていいというサインを送る。
今考えてみると、これは別れを、途絶えるのをおそれなくていい、心配するなという意味なのかもしれない。
途切れ途切れ、たまに関わりあう四人の関係はすごく心地よさそうだなと思った。
寺地さんの小説は二作目だが、前に読んだもの同様、いい意味でぬるい感じがして、穏やかに読み進められた。 -
Posted by ブクログ
読んでよかった。まずそう思った。いなくなってしまった誠実の弟、希望。誠実は弟の消息をたどるため、関係者たちに話を聞いて回る。そのうち、本当の弟がどんな人間だったのかわからなくなってしまう。そして、誠実自身も自分がわからなくなっていることに気づく。空っぽな人間なのではないかと、私自身がたまに不安になるから、空っぽということはこれからいくらでも好きなものを詰め込めるということ、という言葉に救われた。それにしても話に出てくる希望や誠実な親を含めクソ親ばっかだな。そりゃあ二人みたいに自分がなくなったり、わからなくなってしまうよね。寺地さん、苦手意識があったけど興味が出てきました。心の余裕があるときにまた新しいものも読みたいです。積読に川のほとりに立つものは、もあることだし!!
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白い面白くないはわからない。ただ一気に読めたし、読んだ後しばらく考えた。読んだ後に考えることを残してくれる本は良い本だと思う。だからこの本も良い本なんだと思う。
色んな人の感想が聞きたくなる本だった。
「発達障害は人の気持ちが分からない」とよく言われるしこの話にもあったけど、じゃあ発達障害の気持ちが分かる定型発達は何人出てきただろう?
定型発達が発達障害の気持ちが分からないことは「人の気持ちがわからない」に入らないのなら定型発達以外は人ではないってこと?
という言い方は意地悪だろうか。
感情を制御しない妹
診断を受けさせない、離婚しない、頑なな母親
穏やかに話し合いのできない伯父
そのフォローをしなかったくせに罵るいとこ
浮気男とその相手
息子を受け入れられない父親
自分が苦しければ平気で嘘をつく連れ子
相続の解決もせずに死んだ祖父
この人たちは真っ当で普通で正常なんだろうか?
みんな同じ方が不自然だ、という言葉は発達障害者だけに向けられる慰めや希望ではないはずだし、それをこの話は書いていると思う。特にバイトのくだりは分かりやすく、よく使われる手法だ。発達障害の人に合わせたら定型発達も生きやすくなるんだよ理論。
別の工房の人の言葉も優しかった。
そうだね、みんなが自然に生きられたらいいね、なんの才能もなくても、あっても、失敗しても、成功しても、噛み合わなくても、そうでなくても、ただ生まれた、生きている、という事実だけで承認できたらいいね、と思う。
でも発達障害は定型発達のための炭鉱のカナリアではないし、道徳や倫理の教材でもなく、悲劇や感動の娯楽でもない。障害という現実でしかない。そして、この障害を障害たらしめているのはなんだと思う?という冷たい気持ちがスッと差し込む。
そういう風の吹く海を、この本を読む前も読んだあともずっと渡っている。