寺地はるなのレビュー一覧

  • 月のぶどう

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    最初は頼りなかった歩が、いつの間にか「できる方」だった光実を追い越して、芯のある青年になっていくのが、眩しかった。
    「うさぎとかめ」の童話を思い浮かべたが、負けたうさぎにだって挽回の余地はある。歩を応援しながら読んでいたはずが、途中から「光実、がんばれ」と思いながら読んでいた。
    いつだって頑張る人は、キラキラと眩しい。

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    2020年11月26日
  • 夜更けのおつまみ

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    ポプラ社のPR誌「Astra」掲載の‘おつまみ’をテーマにしたアンソロジー。大作家の随筆をワンテーマであちこちから抜いて集めたシリーズもバラバラぶりがよいけど、お題のために書かれた、わりと若めの作家さんのエッセイはブレてなくて、おいしそうでいいなあ。おつまみ作って飲みたくなるなあ。夜中にw

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    2020年05月25日
  • 月のぶどう

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    『夜が暗いとはかぎらない』で寺地はるなさんにすっかりハマって、著作を少しずつ全部読もうとしている最中です。
    『ぶどうのなみだ』という映画が何年か前に公開されたのは知っていましたが、その原作が寺地はるなさんのこの小説とは知りませんでした。
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    出来の良い頑なな姉と出来の悪い柔軟な弟、祖父や父、姉弟の友人達、伯父、など、個性的かつ魅力的なキャラクターがたくさん出てきます。
    双子の出来の悪い方と言われ続け、どんな仕事も続かなかった弟が、段々と家業のワイナリーの仕事に本気になっていく様子もいいし、出来のいい方と言われ続け、他人に弱みを見せられなかった姉が少しずつ変わっていく様子もいい。
    寺地はるなさん

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    2020年05月13日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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    ネタバレ

    スカイツリーを見上げる下町のかたすみに、
    ひっそりと息づく商店街がありました。
    それがー『明日町こんぺいとう商店街』
    こんべいとうの角は、24個って知っていましたか?
    戦後の焼跡に、24軒のお店が集まって歩きだしたこの小胆がは、
    だから明日町こんぺいとう商店街。いつまでも味が変わらない。
    ひとつとして同じ形がないこのお菓子には。
    「商店街の永年の繁盛、お客様の健康長寿」を祈り、
    「個性のある商店街づくり、店づくり、そして人づくり」という
    願いが込められています。
    さあ、今日も店がひらきます。


    明日町商店街シリーズもこの本で第4弾です。
    それぞれのお店の話を、違う作家さんが書かれているアンソ

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    2020年04月13日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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    前半はとてもとても良かったのに、四軒目からダメだった。
    がっかり。
    彩瀬まる、久しぶりにとても良かったなぁ。
    蛭田さんも、寺地さんもとても好みだった。
    でもやっぱり彩瀬まるの川平金物店が、1番良かった。

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    2020年03月16日
  • 夜更けのおつまみ

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    お酒もおつまみも、好みがそれぞれなのが面白い。
    酒ではなくつまみがテーマなのに、つまみを美味しく食べるために飲むのではなく、酒を美味しく飲むために食べているのですよ!と開き直っている執筆者がチラホラ混じっているのが微笑ましくてよい。
    オイルサーディンは美味しい。

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    2020年03月14日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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    シリーズ4冊め。
    気になるお店のみお邪魔する。

    寺地はるなさんの『サクマ手芸店』が良かった。
    どんなに仲良くてもどこか相手が妬ましかったり、隣の芝生は青い…あるよね…と頷く。

    大島真寿美さんの『カフェスイス』。
    話が思わぬ方向に。店貸し切りで好きなように厨房まで使えるのか?現実的にありえるのか?とちょっと疑問。

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    2020年03月09日
  • 月のぶどう

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    知識なし、経験なし、興味なし、そしてやる気もない『できがよくない方』とされる弟・歩、対照的に、知識あり、経験あり、興味津々、やる気の塊りのような『できがよい方』として育った姉・光実。そんな二人を結びつけるキーワードが双子。家族の、そしてワイナリーの大黒柱だった母親の急死によってそんな二人の位置づけ、関係にも変化が訪れます。それを淡々と描いた静かな物語。

    『世の中にある華やかなものは、すべて誰かの地味な作業によって生み出されているのだ』、ワインというと華やかで洗練されたイメージがまず浮かびますが、それが作り出される舞台裏の極めて地味で地道なワイナリーの人々の一年が描かれていきます。寺地さんの丁

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    2020年02月20日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    寺地はるな作品 初読み
    大阪の片隅にある あかつきマーケットのゆるキャラ「あかつきん」
    閉店もうわさされるマーケットのキャラクターが突如 失踪。
    でも SNSでは街のあちこちに出没しているらしい。

    同じ街に住んで、「あかつきん」に関わる街の人達 ひとりずつは知っているようで
    それぞれが自分の想いがあり、生活があり、事件があり・・・・
    何気ない日常だけど みんな悩んで、考えて・・・・・いきている
    沢山の人のエピソードが ビーズのネックレスのようにつながっていく。
    オムニバス小説

    私は「昼の月」のバビルサの船出・・・・好きです。
    自転車屋のおじいちゃんとその孫の話

    ひと世界の中で生きていくの

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    2024年07月25日
  • 月のぶどう

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    初読みの作家さん。

    母亡き後、ワイナリーを引き継ぐ双子の姉弟。
    いっけん、よくできて、ハキハキとしていて すぐに会得するタイプと
    ぐずぐずしていて要領が悪くてなかなか会得できないタイプ。
    二つのタイプを絵に描いたような双子。

    意外と、前者は頭打ちしてしまうのが早くて、
    後者のタイプは伸びたときの伸び方が大きかったりする。

    どっちがいいということでなくて、
    どっちにもいいところがあるってこと。

    二人で美味しいワインを作ってほしいなぁ。

    希望のある優しい読後感でした。感謝。

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    2017年09月16日