寺地はるなのレビュー一覧
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今どきの本ですね。簡単に言えば、色々な人がいるし、正解はひとつじゃない、的なことが綺麗な文章でまとまっている内容。
普通におもしろかったです。
が、最近この手の本を読んでも、新しい発見がなくなってきました。結局この話ってイタチごっこで、バイアスを指摘している人にもバイアスがあって、それを見ている人にもバイアスはあるのです。何かの認知をする上で、バイアスを外すことはできません。
作中でいえば、道に対して差別的扱いをする人を悪者として扱うことは簡単ですが、それってあんまり意味がないことです。
差別的扱いが生まれてしまう構造が悪いと捉えないと、社会は良くなってないですから。
いつも考えすぎて、無力感を覚えます。
最後に、死と骨壷に関連するエピソードはとても印象的でした。亡くなった後にも尊重される方はとても素敵な人柄だったのだろうなと想像しました。 -
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ネタバレ【あらすじ】
あなたは人生の最後に何を味わいますか?
当代の人気作家7名が究極のテーマに挑んだ、自由でぜいたくで幸福な「食」小説アンソロジー
弥生子は「最後の晩餐」について語り合う若い夫婦の会話を盗み聞きして……江國香織「コインランドリーの夜」
失恋したクズハの家に、女友だち三人は最期に食べたいものを持ち寄って……金原ひとみ「ラストサパーフォーエバー」
最後のごはんは、鰻がいいっておとうさん、言っていたのに、このままだと……角田光代「最後の鰻」
経理の小曾根さんが退職することになり、送別会を開いたが……寺地はるな「小曾根幸子の送別会」
ライターの明日香は、今は亡き遠縁の作家の「最後の晩餐」について執筆することに……原田ひ香「最後に、何を食べたの?」
還暦のゆかり、9つ上のチロルねえちゃんと62歳の笹子の最近の話題は……藤野千夜「もうひとりのねえちゃん」
〝最後の晩餐〟という店が長野にあるという。夫を亡くしたばかりの桜子は娘たちとそのお店を探すが……井上荒野「本当の話」
【個人的な感想】
・江國香織「コインランドリーの夜」
・角田光代「最後の鰻」
・寺地はるな「小曾根幸子の送別会」
の3作が個人的に好きだった。 -
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善意の皮をかぶった支配と、無意識的な女性蔑視
主人公の祐希は、施設「のばらのいえ」を運営する実奈子の親族の娘であり、志道と実奈子の夫婦の養子だ。
祐希が幼い頃に施設にやってきた、親のいない同い年の紘果と、その兄の保。
祐希と紘果はとても仲が良かったが、18歳のときに祐希は施設から逃げ出し、紘果は残った。
そして10年が経ち、今は28歳。
祐希のアパートが火事で焼けてしまったところに、かつての支配者である志道が迎えにやってきて、施設に戻ることになるところから物語は始まる。
とにかく胸糞の悪い物語である。
本作は「のばらのいえ」の運営側の子どもである祐希の視点から語られる。
読み始めると、まず「のばらのいえ」がまともな施設ではないことがすぐにわかる。
養親である志道と実奈子は、全くもって不快な人物だ。
わかりやすい暴力などはほとんどないものの、高圧的だったり、人の気持ちを汲まなかったり、利用したりする人物として描かれている。
養子の祐希は、幼い頃から施設を手伝わされており、進路の自由が与えられないなどの束縛を受けている。
紘果は、志道に「お前は何もできない」と言われ続けて育った結果、志道に依存してしまっている。これはガスライティングと呼ばれる心理的虐待の手法だ。
そして徐々に「のばらのいえ」の不都合な真実が明かされていく。
本作において、明確な悪意を持った人物はほとんどいない。みな、自分の信念や善意によって行動している。そして人を傷つけている。
これが恐ろしいところである。
また、本作では男性の登場人物が少ない。しかし、名無しの人も含めて、ほとんどの男性が自覚なき女性蔑視的な発言や行動をする。祐希視点だから、というのもあるかもしれないが、これまた大変不快である。
とはいえ救いはあり、読み味は悪くないと思う。
僅かな本当の善意によって、祐希たちが救われる場面もあるので。 -
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前読んだかなあ
ういこちゃんの気持ちはよくわかる
私も同じような経験したから
でも道くんはういこちゃんが羨ましいだろうし、
お互いないものねだりなのよね
分かり合えない人とは距離を置くのが
お互いのために大事なときもあれば
話すことで分かり合えることがあるかもしれないから
すぐに距離を置くという選択肢を選ばない方がいい場合もある
兄妹となるとまたちょっと違ってくるんだろうけど
自分は本の外の人だから、
道くんのことばになるほど、って素直に思えるけど、
身近に道くんがいて、
あれがいつものやりとりと思うと、
ちょっとしんどくて、いらっとしてしまいそう
でも
元気出してください、泣かないでください
は、よく考えて言おう、
と思った
今日もいい読書ができた -
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ネタバレ発達障害を持つ道と共感力が高く何でもそつなくこなす羽衣子が祖父の死をきっかけにガラス工房を一緒に切盛りする。
道の真っすぐな言葉が刺さった。
「前を向かなければいけないけど、前を向けないなら無理に前を向かなくていい」
「伝わっていないと思うなら言い方を変えたらいい。何の工夫もしてないくせに「私の気持ちをわかってくれない」なんてただのわがままだ。何でいつも僕側が譲歩するのが当たり前みたいな言い方なんだ」
という言葉が印象的だった。
譲歩できる人が譲歩させられたり、見てる側が辛いから元気を出せと言われたり、世の中にはズルい言葉がたくさんある。
するといいこと、しなくていいことを教えてくれる本。