寺地はるなのレビュー一覧

  • ガラスの海を渡る舟

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    今どきの本ですね。簡単に言えば、色々な人がいるし、正解はひとつじゃない、的なことが綺麗な文章でまとまっている内容。
    普通におもしろかったです。
    が、最近この手の本を読んでも、新しい発見がなくなってきました。結局この話ってイタチごっこで、バイアスを指摘している人にもバイアスがあって、それを見ている人にもバイアスはあるのです。何かの認知をする上で、バイアスを外すことはできません。
    作中でいえば、道に対して差別的扱いをする人を悪者として扱うことは簡単ですが、それってあんまり意味がないことです。
    差別的扱いが生まれてしまう構造が悪いと捉えないと、社会は良くなってないですから。
    いつも考えすぎて、無力感を覚えます。
    最後に、死と骨壷に関連するエピソードはとても印象的でした。亡くなった後にも尊重される方はとても素敵な人柄だったのだろうなと想像しました。

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    2026年07月25日
  • ほたるいしマジカルランド

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    大阪の遊園地、ほたるいしマジカルランドで働く人々の境遇や気持ちが綴られた連作短編集。ひらパーがモデルになっているらしい。
    寺地はるなさんの作品は日常の延長線上にあるところがいいな、と思う。
    「わたしたちは自分の人生に意味や価値を持たせるために生まれてきたわけではないはずだ。なんのためにもならないものが、ごくあたりまえに存在する。存在することを許される。だから素敵なんじゃないか、この世界は。」

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    2026年07月24日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    序盤はよかったのですが、中盤〜後半にかけて「うーん、だよね」という展開でした。面白くなくはないんだけど、もうひと展開欲しかったのが正直なところです。

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    2026年07月23日
  • こまどりたちが歌うなら

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    会社の方針や人間関係って永遠の課題だと思う。
    主人公が少しずつでも変えて行こうと努力していました。和菓子が食べたくなります

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    2026年07月20日
  • 最後の晩餐

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    文字通りの晩餐について書くだけじゃないのはさすが一流作家たち。むしろ食べられなかった一品を描写するパターンが印象に残った。1番好きだったのは病室での鰻弁当。

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    2026年07月19日
  • 最後の晩餐

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    「最後の晩餐」という
    イメージがばちこん固まっているテーマでも
    捉え方、筆致、筆者によってここまで変わるかあ、という。

    寺司さんが好み。
    原田さんはもう少し長めの物語として
    この話を読みたかった。
    そして安定の金原節。

    アンソロジーはテーマの広がりに感服するし
    自分の好みも浮き彫りになるなー。

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    2026年07月19日
  • 最後の晩餐

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    ネタバレ

    【あらすじ】

    あなたは人生の最後に何を味わいますか?
    当代の人気作家7名が究極のテーマに挑んだ、自由でぜいたくで幸福な「食」小説アンソロジー

    弥生子は「最後の晩餐」について語り合う若い夫婦の会話を盗み聞きして……江國香織「コインランドリーの夜」

    失恋したクズハの家に、女友だち三人は最期に食べたいものを持ち寄って……金原ひとみ「ラストサパーフォーエバー」

    最後のごはんは、鰻がいいっておとうさん、言っていたのに、このままだと……角田光代「最後の鰻」

    経理の小曾根さんが退職することになり、送別会を開いたが……寺地はるな「小曾根幸子の送別会」

    ライターの明日香は、今は亡き遠縁の作家の「最後の晩餐」について執筆することに……原田ひ香「最後に、何を食べたの?」

    還暦のゆかり、9つ上のチロルねえちゃんと62歳の笹子の最近の話題は……藤野千夜「もうひとりのねえちゃん」

    〝最後の晩餐〟という店が長野にあるという。夫を亡くしたばかりの桜子は娘たちとそのお店を探すが……井上荒野「本当の話」

    【個人的な感想】
    ・江國香織「コインランドリーの夜」
    ・角田光代「最後の鰻」
    ・寺地はるな「小曾根幸子の送別会」
    の3作が個人的に好きだった。

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    2026年07月19日
  • 白ゆき紅ばら

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    最初から何も出来ない事柄はないと思うが、環境や言葉によって呪いのように動けなくなってしまう。
    どんな環境でどんな人と過ごしてどんな言葉をかけられたかで、人生が変わってしまう。
    自分も誰かに呪いのような言葉をかけていないかこわくなりました…

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    2026年07月16日
  • 最後の晩餐

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    「最後の晩餐」をテーマにしたアンソロジー
    とにかく豪華な顔触れ
    しかも好きな作家さんばっかり
    角田さん寺地さん井上さん 良かったです

    なんだか重いテーマだけど 内容はそんな事は無くちょっと ぼのぼのした感じになれました

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    2026年07月12日
  • 今日のハチミツ、あしたの私

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    仕事や恋人のことで思い悩む主人公・碧。
    ひょんなことから知らない土地で養蜂に挑戦し、人間関係を深めながら成長していく。

    恋人の安西は頼りのない人間だけど、彼の弱さもわかってしまった。
    弱い人は回りの人が輝いていると嫉妬してしまうのだろう。
    そんな気持ち、きっと誰にでもあるに違いない。

    碧の、どんなに悲しい時でも美味しく食事をとる姿勢に感動した。
    碧の考案した料理はどれも美味しそう。
    ハチミツも食べてみたくなる!
    料理に砂糖代わりに使ってみようかしら。

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    2026年07月11日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    寺地はるなの作品は毎度読んでいて過去の嫌な気分を思い出させられる。男らしさ、女らしさ、古い価値観、田舎の閉塞感、理不尽な慣習などなど。自分も知らず知らずに無神経なことを言って傷つけてきたこともあるかもしれないとも思う。
    作中では他者と関わる事でこうあるべきだと囚われていたものから解き放たれる人々がでてくるけど、いざ自分もとなったら歳をとるにつれて価値観をアップデートしていけるだろうか?なるべく時代と共に変化していきたい、そんなことを感じた。

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    2026年07月08日
  • ほたるいしマジカルランド

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    山田さんの回で出てくる、照代さんの「鯖豆腐」が美味しそうだなーと思った。レシピをグーグルで検索してみたけど、ドンズバリ!なものは、ヒットせず…メジャーな料理では無いのか!と思うとますます食べてみたくなった。

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    2026年06月29日
  • ガラスの海を渡る舟

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    自分の輪郭をはっきりさせたい、それが人の言葉を歪曲して受け取ったり、比べたりさせる。いろんな経験をしながら、自分自身を認められるようになる。
    そんなことが2人と周辺の話から描かれている。

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    2026年06月28日
  • 雫

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    実体のない「世間の当たり前」に自分から雁字搦めになっていないか、良かれと思って誰かを縛りつけていないか。形を変えながらも続いてゆくものを自分で選び、自分なりに大切にすればいいのだ。過去へ遡るなかでルーツが明らかになり現代へ戻る構成にも舌を巻く。

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    2026年06月21日
  • 架空の犬と嘘をつく猫

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    ネタバレ

    夕暮れの盆地。どこにも行けないと思っていた拗れた家族の物語。
    現実を見つめるおばあちゃんと紅、目を逸らし続ける母と男たち。
    不覚にも涙しました。

    それにしてもこの表紙と中身の差!表紙に惹かれて手に取ったので裏切られた感あり。
    でも読んでよかったです。

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    2026年06月21日
  • 白ゆき紅ばら

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    善意の皮をかぶった支配と、無意識的な女性蔑視

    主人公の祐希は、施設「のばらのいえ」を運営する実奈子の親族の娘であり、志道と実奈子の夫婦の養子だ。
    祐希が幼い頃に施設にやってきた、親のいない同い年の紘果と、その兄の保。
    祐希と紘果はとても仲が良かったが、18歳のときに祐希は施設から逃げ出し、紘果は残った。

    そして10年が経ち、今は28歳。
    祐希のアパートが火事で焼けてしまったところに、かつての支配者である志道が迎えにやってきて、施設に戻ることになるところから物語は始まる。

    とにかく胸糞の悪い物語である。

    本作は「のばらのいえ」の運営側の子どもである祐希の視点から語られる。
    読み始めると、まず「のばらのいえ」がまともな施設ではないことがすぐにわかる。
    養親である志道と実奈子は、全くもって不快な人物だ。
    わかりやすい暴力などはほとんどないものの、高圧的だったり、人の気持ちを汲まなかったり、利用したりする人物として描かれている。
    養子の祐希は、幼い頃から施設を手伝わされており、進路の自由が与えられないなどの束縛を受けている。
    紘果は、志道に「お前は何もできない」と言われ続けて育った結果、志道に依存してしまっている。これはガスライティングと呼ばれる心理的虐待の手法だ。
    そして徐々に「のばらのいえ」の不都合な真実が明かされていく。

    本作において、明確な悪意を持った人物はほとんどいない。みな、自分の信念や善意によって行動している。そして人を傷つけている。
    これが恐ろしいところである。

    また、本作では男性の登場人物が少ない。しかし、名無しの人も含めて、ほとんどの男性が自覚なき女性蔑視的な発言や行動をする。祐希視点だから、というのもあるかもしれないが、これまた大変不快である。

    とはいえ救いはあり、読み味は悪くないと思う。
    僅かな本当の善意によって、祐希たちが救われる場面もあるので。

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    2026年06月20日
  • 川のほとりに立つ者は

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    ネタバレ

    途中まで天音さん好きになれないなと思って読んでいたけれど、環境が違えば、出会うタイミングが違えば変わっていたという言葉に気付かされた。
    それに気づいて手を差し伸べようと理解したいと思った清瀬は偉いし見習いたいなと思った。

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    2026年06月19日
  • そういえば最近

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    実を言うと、あまり惹きこまれず、最初の数編は流し読みになってしまったが、「スカートの乱」以降はきっちり読めた。
    特に「焼き上がるまで」という作品が好き。小説のはずなのにレシピ、レシピのはずなのに自己紹介、という独特な雰囲気のものだった。個人的には、隣にいる誰かに料理を教えてもらっている気持ちになれて、あったかいような泣きそうな気持ちになった。
    本筋で惹かれたかどうかは微妙だが、要所要所で出てくる寺地春奈さんらしい表現はやはり好きだなぁと思った。

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    2026年06月17日
  • ガラスの海を渡る舟

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    前読んだかなあ

    ういこちゃんの気持ちはよくわかる
    私も同じような経験したから

    でも道くんはういこちゃんが羨ましいだろうし、
    お互いないものねだりなのよね

    分かり合えない人とは距離を置くのが
    お互いのために大事なときもあれば
    話すことで分かり合えることがあるかもしれないから
    すぐに距離を置くという選択肢を選ばない方がいい場合もある
    兄妹となるとまたちょっと違ってくるんだろうけど

    自分は本の外の人だから、
    道くんのことばになるほど、って素直に思えるけど、
    身近に道くんがいて、
    あれがいつものやりとりと思うと、
    ちょっとしんどくて、いらっとしてしまいそう

    でも
    元気出してください、泣かないでください
    は、よく考えて言おう、
    と思った

    今日もいい読書ができた

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    2026年06月14日
  • ガラスの海を渡る舟

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    ネタバレ

    発達障害を持つ道と共感力が高く何でもそつなくこなす羽衣子が祖父の死をきっかけにガラス工房を一緒に切盛りする。

    道の真っすぐな言葉が刺さった。
    「前を向かなければいけないけど、前を向けないなら無理に前を向かなくていい」

    「伝わっていないと思うなら言い方を変えたらいい。何の工夫もしてないくせに「私の気持ちをわかってくれない」なんてただのわがままだ。何でいつも僕側が譲歩するのが当たり前みたいな言い方なんだ」
    という言葉が印象的だった。

    譲歩できる人が譲歩させられたり、見てる側が辛いから元気を出せと言われたり、世の中にはズルい言葉がたくさんある。

    するといいこと、しなくていいことを教えてくれる本。

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    2026年06月13日