寺地はるなのレビュー一覧

  • 世界はきみが思うより

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    世代や性別に関係なく、知り合いを通して繋がったコミュニティの中で何気なく言葉を交わすうちに、それぞれの悩みが少しずつ小さくなっていくのが良かった。
    自分1人では解決できない問題でも、他人の力を借りることにより、やはり色んな人の話を聞いて解決策のヒントになるようなものを複数持っておくことが心の安定に繋がると思った。

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    2026年08月28日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    みんながそれぞれ人生の主役なので、それぞれの物語の中で生きてるし人生同士が交差して生かされていく。
    誰かの人生のなかで私はどんな脇役なのか、寄り添えているのか幸せなのか、想い想われているのだろうか、そんなことを考えながら登場人物の人生の一部分を覗いて楽しめたな。

    朝は当たり前に明るくないし、夜は当たり前に暗くない。
    生きてる間だけは誰かをじゅうぶんに大事にしよう。

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    2026年08月27日
  • ぬすびと

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    みんな根がいい人すぎる。
    環境によっていろんな人生になるが、気持ちの持ちよう、行動で人生って変わるんだなと思える話。
    年齢や境遇が違っても分かり合える、語り合える人に出会える幸せってあるんだろうな。
    なかなか境遇があまりに違う人には出会う機会がないからこそ、本当に時々リアルでも話に聞くそんな関係は羨ましい。
    そんな出会いを引き寄せるのも人徳や行動からだったりするしなあ。


    そして、子どもの問題行動とも取れることにも引いたり起こりすぎず、呆れて笑えるくらいの余裕がある方がちょうどいいのかもと思う。

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    2026年08月25日
  • 架空の犬と嘘をつく猫

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    ネタバレ

    ‪装丁買いした本、内容はかなり重いバラバラな家族のお話‬
    ‪4歳で亡くなった弟の死を直視せずに生存する空想に住んでる母に向けて弟のふりをして手紙を出し続けた主人公の、母目線の心情が特に印象に残った‬
    ‪最後に主人公の子供の頃に自分を慰める為についていた囁かな嘘が本当になって良かった‬

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    2026年08月24日
  • ほたるいしマジカルランド

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    八重子さんのストーリーが良かった。

    かつて「自分の人生はクソだった」と吐き捨てそうになった彼女が、誰かからの不当な評価や奪われたものに縛られ続けるのではなく、「目の前のことをやるしかない」「そうすることでしか自信はつかへんらしい」という言葉を受け取り、自らの手で自分を労い直す。その姿勢が、今の私自身のリアルな葛藤と強く響き合っている。

    世間では完璧な母親でも、期待通りの会社員でもないかもしれない。
    産前に思い描いていたキャリアからは離れ、仕事は思うようにいかず中途半端に思えてしまう。
    子育ても、もっと時間も手もかけてあげたいのに理想には遠く、日々の暮らしをもっと丁寧に味わう余裕すらない。

    理不尽な環境で傷つき、多くを奪われながらも、真面目に今日という日を投げ出さずに生きる彼女の姿。そして、月一度のご褒美とともに自分へかける「ようやってる」という言葉。

    間や誰かの基準で見れば、自分は「全部に全力投球できていない」ように見えるかもしれない。
    けれど、私は毎日生きている。仕事をし、子どもを生かしている。今日を必死に回している。
    自己啓発本に書いてあるような綺麗な自愛ではなく、目の前の現実と格闘しながら「私はやってる」と自分自身で認めてあげること。それだけが、明日を踏み出す確かな足場になるのだと気づかされた。

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    2026年08月23日
  • きよくしぶとくやかましく

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    田舎町の狭い世界の中で起こる様々な出来事。
    閉鎖的ですぐ噂が広まるところなんかはぞっとしたけど、それぞれ登場人物のの個性があってよかった。
    美鈴さんが一番好感持てたなあ。

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    2026年08月20日
  • 世界はきみが思うより

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    主人公の冬真とその友達の時枝くん、2人の家族は複雑で理解し難い人達で、そのせいで世界を信じられなくなる。
    でも自分にとって大切な人を見つけて、まっすぐに向き合う事で少しずつ世界への信頼を取り戻していく。

    そんな中、冬真のお母さんはめちゃくちゃかっこよかった。近所に住む女の子の心の中にある影を見落とさず、その子の父親を諭したり。冬真の事も見てないようで、ちゃんと見てたり。
    最後の言葉にじーんときた。

    「なんでも食べれるようになった。親よりも大切な人見つけた」それがうれしくて、すこしだけさびしくて、でもやっぱりうれしい。

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    2026年08月20日
  • きよくしぶとくやかましく

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    物語の舞台は九州の片隅にある田舎町・白日町。

    いまだに男尊女卑の気風が残るこの土地で繰り広げられる悲喜こもごもを、眉間に皺を寄せたり、笑ったりしながら読み進めた。

    登場人物は皆、クセが強くキャラが立っている。
    そのぶん一挙手一投足が脳内で鮮やかに立ち上がる。

    老若男女それぞれが、ささやかな秘密から殺人事件を想像させるものまで抱え込んでいて、頁を捲る手が止まらない。

    この町に限らず、どこで暮らそうとも、人がいる限り日々の悶々は無くならない。

    それでも『きよくしぶとくやかましく』という精神に背中を押され読後は爽快だった。

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    2026年08月18日
  • ガラスの海を渡る舟

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    あたたかいかんじ。うちが好きなセンチメンタルな感じってわけではない。でも、あたたかくて、きれいでやさしくなる本。言葉ひとつひとつが良い。

    登場人物一人一人の気持ち、考えが押し寄せてくる。どれの気持ちも理解できるから難しい。

    今までずっと感じてる劣等感とか、焦燥感とか、そういうもの全て含めてそのままでいいんだよって言ってくれているような気がする。最後の方に自分のことを認めてあげようともがく羽衣子の気持ちが痛いほど良くわかる。私もいつか自分のことを認めてあげられるようになりたい。いつかその日まで、努力し続けようと思う。

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    2026年08月17日
  • ぬすびと

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    タイトルから、主人公が犯罪者なのかな?と想像したけど、こういう意味だったのね。老舗菓子創業家の彌栄子と、息子のベビーシッターの鳴海との、一緒にいた期間は短くても深い繋がりを描いた作品。ページ数は少ないので、さらっと読める。

    生まれや立場の違いはあるけど、お互いの無い部分を補完し合い、二人の心の交流が広がっていく。彌栄子が、古い男尊女卑の世界から新しい一歩を踏み出し、自分の足で歩き始める危なっかしい姿が微笑ましい。しかし周囲はその変化を受け入れられず、シッターの鳴海は追い出されてしまう。

    なによりも、鳴海の夫、暖の存在感。いつもそっと寄り添って、影でサポートしてくれる。読書するのは自分の器を大きくするため、というのもかっこいい。鳴海が人生に悲観的になっていたときも、弟が荒れてしまったときも、暖がいたから乗り越えられたのだと思う。

    その後、長い時間を経て再会した彌栄子と鳴海は、過去に解決できなかった問題に挑む。晴々しいラストのダンスシーンが素敵だった。

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    2026年08月16日
  • 正しい愛と理想の息子

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    ハセ、何も持ってないように見えて、本人も気づいてないけどありのままの自分を受け入れてもらえてる人が周りにいる。コンビの相方である沖は、ハセが持ってなかった教育熱心な両親を持ちながら、勉強や習い事が身につかず、ハセと同じゾーニングの人たちと働く。

    その方の登場人物たちも、人が羨むものを持ってるのに、持ってないものを他人と比較して羨んでいる。ある物に目を向けるって大切だと思う。ただ、最後に民生委員会?の同級生が、ハセに努力すれば学歴も手に入ったじゃないと言い放ったのは無責任で、エゴだなと思った。

    ハセ達が、老人との関わりあいで真っ当な道を進もうと方向転換をして良かったと思った。

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    2026年08月12日
  • きよくしぶとくやかましく

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    白日(シラヒ)町に暮らす夫婦江南(エナ)とマキオと、それ取り巻く青年団や婦人部の人々の物語でした。
    世の根底に残る男性役割・女性役割というものをこき下ろしている様子がコミカルに描かれていて痛快で、またとても読みやすい内容と思いました。より本質的には、多様性といえばなんでも許容しなければならなくなっている昨今の風潮に対して、その安易さにこそ辟易している人々のシニカルな意見を表現した内容なのではないかとも思いました。星3つの評価です。

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    2026年08月10日
  • 架空の犬と嘘をつく猫

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    2017年出版、文庫で264ページ。巻末に解説が有る。つまりは、解説が必要な作品という事かなと思う。特別な何かを持った人々では無く、概ね普通、の中でも「割り切ることを適度に捨てる」事の難しさが描かれていのかな。文学作品的な、業界人同士に受けやすい?何を描きたいのかな?と「??」が頭の中にに多数溢れた。特に前半は、正直言って退屈で辛かった。半ばを過ぎて、段々と面白いのかな?と思えてきたけれど、途中迄は「2」位かなと感じていた。著者の作品は割と好きで読んできたのだが、本作とは余り相性が良くなかったようだ。

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    2026年08月10日
  • ぬすびと

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    心の結び目が
    ひとつずつ丁寧に解かれていくような感覚になり
    最後にはふ〜っと深く息をつくことができました

    寺地さんの紡ぐ言葉に いつも救われます



    物語ではどこか不器用で
    生きづらさや小さな痛みを
    抱えた人々の姿があり…

    彼らが心の奥にそっと隠している感情や心の揺れを決して見捨てずにすくい上げてくれます

    作中で語られる言葉のひとつひとつが
    まるで自分の心に優しく絆創膏を
    貼ってくれるかのように
    「そのままでいいんだよ」と肯定されているような心地よさに満ちていきました♡



    人の寂しさや切なさ…
    そして誰かと繋がりたいと願うひたむきな想いを
    物語を通して愛おしさをもって描き出す描写に
    何度も胸がじんわりと熱くなりました…

    このあたたかく優しい佇まいの装丁も素敵♡

    トゲトゲした現実のなかで
    傷ついた心をそっと包み込み…
    明日へ歩き出す小さな勇気をくれる
    そんな宝物のような作品に出会えました

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    2026年08月08日
  • カレーの時間

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    寺地さんの作品はとても好きなんだけどこちらはあまりハマらず、、おじいちゃんのことがあまり好きになれなかった。

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    2026年08月06日
  • 最後の晩餐

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    「最後の晩餐」をテーマにした、女性作家たちのアンソロジー。
    どの作品も面白く、すぐに読み終わった。
    自分の「最後の晩餐」は何がいいかな?
    何を食べるかより、誰と食べるか、なのか?
    いや、やっぱり一人がいいな。
    …と、いろいろ考えさせられるのも面白い。

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    2026年08月04日
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)

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    少し困った両親に育てられた兄弟のどちらが幸せだったのか

    姿を隠すことで弟は何か救われたのか
    失踪した弟を探すことで兄は何か救われたのか

    終始澱んでいる感じですっきりしなかった

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    2026年08月02日
  • 水を縫う

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    初めての寺地はるなさん作品。
    タイトルが綺麗で、章ごとに語り手が異なるが、全体を通して、男子高校生の清澄が姉の水青のウェディングドレスを仕上げるまでの一つの物語になっている。

    様々な語り手の立場から各章が描かれるが、祖母が数十年の時を経て新しい一歩を踏み出すシーンや、黒田の愛情深さには思わずうるっときた。一方で、姉の水青にはあまり共感できず、彼女の心境の変化も唐突に感じられた。

    作品全体ではジェンダーロールや社会から求められる役割による「自分らしさ」の抑圧が大きなテーマとなっていると思われるが、その枠にとらわれなくとも、祖母のエピソードは「長年、自分より家族や周囲を優先してきた一人の人間が、最後に自分の望みを取り戻す物語」でもあり、黒田のエピソードは、家族・他人という役割を超えて一人の人間として他者に静かに愛情を注ぎ続ける姿が描かれていたと感じた。また、その黒田の愛情深さに清澄がしっかりと気づいていたのも良かった。

    タイトルについては最後まで読むと理解でき、随所随所に水の存在感が大きいこの作品にピッタリの、美しいタイトルだと感じた。
    家族や他人との関わりを通して葛藤しながらも、「流れる水」であるかのように淀まず自分自身や他者と向き合う姿は尊く、暖かい気持ちになれる一冊だった。

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    2026年08月02日
  • ぬすびと

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    表紙は可愛らしいのにタイトルが物騒で一体どんな話なのかとビクビクしながら読みはじめたが読んでみると過剰に構えすぎていたことに気付く。
    どこかなげやりな主人公の女の子とお金持ちな一家と過ごす日々がギャップがあって面白くて、でもうっすら危うさも感じる。
    どんなふうに物語が進んでいくのか最後までハラハラしながら読んだ。

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    2026年07月31日
  • ぬすびと

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    鳴海は、かつて喫茶店で働いていた頃に、友人が行くことになっていた菓子メーカーの創業一家・南雲家の子守り役を自ら受けて働き出す。
    やんちゃで誰もがお手上げになるほどの気難しい少年・栄輝の世話もこなして、奥様の彌栄子とも心通わせていくのだが、社長の忠雄や親戚たちは鳴海に冷たかった。
    やがて…忠雄が倒れた後、二度と彌栄子とも会えなくなり、20年が経った頃、栄輝から電話が掛かってくる。

    たった1年の付き合いだったとしても、それは思いの外、心に深く刻み込まれている数々の思い出があって、彌栄子と鳴海の関係は友情よりも尊いものに感じた。
    きっとそれは、真珠のネックレスを首にかけたときから…彌栄子さんから「あげたんです」と言われたときからだったのだろう。
    返せないまま時が過ぎたのは、いつか再会できることを待っていたのかもしれない。
    そして、そのときには真珠が似合う年齢になっていたことも。



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    2026年07月29日