寺地はるなのレビュー一覧

  • みちづれはいても、ひとり

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    実際にこの物語の登場人物が近くにいたとしたらまず、皆好きにはなれない。
    だけど、皆寂しい人達で何かがそれぞれ異なる部分が欠けている。だからひとりなのかもね。
    けど、人間ってそんなもん。そんな気がする。

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    2024年03月20日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    登場人物が多くて混乱した部分はあるけど、見えないところで頑張っていると見てくれている人は必ずいいる!というのが、この作者の作品の共通するところかなと思う。

    『生きる私たちのためのスープ』が一番好きだった。

    しんどいと感じる相手への心情を「卒業」すると表現したり、「めんどくさくない距離」を保つことはとても大切。

    「わたしの人生はわたしのもの。それ以外のことはたぶんあとからついてくるから、大丈夫。」

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    2024年03月08日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    「あかつきマーケット」という市場が閉店することをきっかけに、マスコットキャラのあかつきんが町の各所に現れるようになる。そんな町で暮らす人々、その家族等の老若男女の悩みや変化を描いた短編が15篇ほど収録されている。

    タイトルがとても素敵だと思った。第一章のタイトルが「朝が明るいとはかぎらない」でプロローグでもそれに触れており、個人にとって明るくない朝もあるし暗くない夜もあるよ、という優しいメッセージを感じた。
    各短編からも様々な感情や人生を肯定してくれるような優しさを感じられ、好みの短編もたくさんあった。
    しかし各短編が20ページ程で、もう少し読みたかったという気持ちに度々なった。
    物語の中で

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    2024年02月25日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    登場人物がたくさんなので、全部覚えてないかも…ごめんなさい…

    だけど、最後の方の、同級生が亡くなった自転車屋さんのお孫さんの話は、なんだか切なかったな。

    いろんな人がいろんな生活を送っていて。
    いろんな過去があって、いろんな出会いがあって別れもあって。

    それでも、明るい朝と暗い夜が繰り返してる。
    良いことがあっても悪いことがあっても、それは死ぬまで繰り返されて行く。

    ってことよね。

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    2024年02月25日
  • みちづれはいても、ひとり

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    主人公の女性2人、39歳と41歳。
    年齢ほどには、達観した大人でもない、だがしかし、高校生や20歳そこそこの頃のような考え方ももう出来ない。しないんじゃなくて、できなくなるんだよな。
    主人公の弓子が幼い尚太君に言った、大人はいつも正しい事を言うわけじゃない、大人になったって何にでもなれるわけじゃないし、何でもできる様になれるわけじゃない。
    だけど、少なくとも、自分の食べる物を自分で用意できる。
    自分で、ひとりでだって、生きていける、歩いて行ける。
    依存体質の人や搾取しようと近寄ってくる人や、色んな人がいますが、取り込まれない様自分の足で立って歩いて、生きていきましょう。

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    2024年02月23日
  • 夜更けのおつまみ

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    酒とつまみ、酒と肴。
    色々な著名人の酒と、その次に来る品物は美味しそうで、美味しそうで、想像しただけでも、頭を酒が駆け巡ったよ。

    豆腐のあれこれ、居酒屋のあれこれ、どれをとっても大人の味だなぁ。

    数年前に弟がくれた本、ありがとう!

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    2024年02月11日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    あかつきマーケットと着ぐるみマスコットのあかつきんを中心とした短編をたくさん繋ぎ合わせた話になっている。
    正直、話が細切れで登場人物が多すぎて、相関図を書きながら読んでいったが、頭を切り替えていくのが大変でスムーズに読めなかった。
    結局ぼやっとした話で、読んだらすぐ忘れてしまいそうな話だ。

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    2024年02月06日
  • ビオレタ

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    デビュー作ということで、最近の著作に比べるとやはり若い感じがするなと思った。ちょっと「ランチのアッコちゃん」を思い出した。

    「あんまり、自分は駄目だ、なんて言わないほうが良いよ。そういう奴らは委縮してる相手を見て満足するんだ。人を見下して喜ぶようなくだらない奴にサービスしてやる必要はないよ。相手を貶めたら自分が良くなるってわけでもなかろうに」(81頁)
    この考え方、すごく共感する。他人を落として相対的に自分を上げることでマウンティング取ろうとする人って結構多いけど、虚しくないのかな?

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    2024年02月05日
  • 白ゆき紅ばら

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    うーん、ほんと読んでいて辛くなってくる話。
    メンタルやられる話は、正直最近は辛いな。
    でも最後は少し希望の見える終わり方でよかった。

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    2024年01月30日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    大阪の暁町を舞台にした短編連作集。
    ままならない日常が13の物語となっており、なんとなく自分や、知人と似ているなと当てはめながら読んだ。
    自転車やのおじさんの生き方が、さらっと格好よくていいなと思った。

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    2024年01月29日
  • 月のぶどう

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    ネタバレ

    ワイン好きなので、ワイナリーが舞台というだけでとても楽しく、興味深く読んだ。葡萄の棚が続く丘を思い浮かべるとそれだけで気持ちが清々する。
    親子や兄弟間の思いやり合い・葛藤などは、どこの家庭でもあるような問題ではあるけれど、家族経営の会社などはそういう問題がより濃く出るのかもしれない。
    とにかく、できることや、やらなければならないことをひたすら続けること。進むこと。そういうことが大切なのかなと思う。

    「嫌なことからも面倒なことからも、逃げ続けることはできません。受け止めるしかない。怖がって目逸らしたらあかん。逸らしてたら身体のどこにぶつかってくるかわからん。大怪我するからな。しっかり目開けてみ

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    2024年01月26日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    町田その子さんの作品が頭ひとつ飛び抜けて良かった。ほんとこの方が書く話はなんでこんなに心に残り響くのだろう

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    2024年01月17日
  • 月のぶどう

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    出来のいい光実と出来の悪い歩。二卵性双生児の二人が母の死をきっかけに家業のワイナリーで一緒に働くことに。
    周りの双子を思い出しても、なぜだか対照的な性格なことが多い気がする。この二人も相手を羨ましく感じたりコンプレックスを抱えているのだけど、ワイン作りを通して徐々に解き放たれていく様が心地よかった。
    そして、祖父がいい味を出している!結婚式の言葉がよかった。

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    2023年12月26日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    冠婚葬祭に際する人々の生活を描いたアンソロジー。個人的にあまり刺さった作品はなかったけど、町田そのこの『六年目の弔い』、飛鳥井千紗『もうすぐ18歳』、寺地はるな『ありふれた特別』はよかったな。子供を産むということをテーマにしているのかな?とも思ったラインナップだった。

    p.82 幼さは、他人への興味の浅さと紙一重だ。ちょっとでも自分と違うと「仲良くなれない」と決めつけ、それ以上のことを知ろうとしない。

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    2023年12月24日
  • 白ゆき紅ばら

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    幸も不幸も救済も、どれも中途半端で曖昧に感じた。どこか振り切れるくらいぶっ飛んだ人物、設定だったら、良くも悪くも心の琴線に触れるけどさらりと読み流せる。

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    2023年12月01日
  • 白ゆき紅ばら

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    英輔がいてくれてよかった。
    英輔の”背負い方”が格好よかった。

    じとっとした嫌な感じ。
    グリム童話の嫌な感じと同じだと思った。
    しらゆきべにばらのような結末にならなくてよかった。

    Good girls go to heaven, bad girls go everywhere.
    アメリカの女優、メイ・ウエストの名言。

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    2023年11月27日
  • 白ゆき紅ばら

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    主人公盛山祐希(慈善団体を経営する遠縁の親戚のうちで家政婦的扱いを受け、能力に見合った高校にも行かせてもらえなかった女子)の家出を幇助する春日先生がカッコよかった。

    慈善と偽善の境目なんてあってないようなものだろうが、『のばらのいえ』オーナーの志道のような、コンプレックスの反動でボランティアに嵌り、内心では、支援対象者のことを侮蔑している、というのは、最悪のパターンだろう。ましてや、施設の子を性的搾取の対象として利用し、とっておきの子を自分のものにするなんて、外道そのもの。

    ラストで、祐希と紘果が新しい生活を始められるのが救い。

    P187-188 (春日先生による家出幇助シーン)
    「もし

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    2023年11月26日
  • 白ゆき紅ばら

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    満たされない不満や不安、劣等感を、他人から何かを搾取して充足しようとする人。
    搾取され続けることでパワーレスになっていく人。
    それぞれ描かれる人が、あまりにも直接的というか想像の余地が無くて、私的には分かりやすすぎた感じ。

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    2023年11月22日
  • やわらかい砂のうえ

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    ネタバレ

    ⚫化粧をしても、服を替えても、わたしは別人のように美しくはなれなかった。でもいつだっ たか美華さんが言った「自分に自信を持つ」ということは「わたしは美しい」と思えるという 意味ではなかったと気づく。
    わたしがわたしのまま世界と対峙する力を持つ、ということなのだ。不躾な他人の視線を、毅然とはね返せるということ。

    この一文が心にストン、と落ちた。
    日々、「自分を好きになりたい」「自信を持ちたい」と悶々と考え、でも自信持をつ方法すら分からず、他人と自分を比べては自己嫌悪な自分。わたしがわたしのままで歩いていくこと。自分に自信を持って生きていくことってそういうことだよなぁ。

    万智子や了さん達、早田

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    2023年11月15日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    ネタバレ

    感想
    昨日と変わらず太陽が昇っている。心臓の動きもいつもと同じ。でも今日は特別な日。生を、死を、まざまざと感じさせる。自分は社会の一員。

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    2023年11月10日