寺地はるなのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ小説家が、消息を絶った同期の小説家・谷川の行方を辿っていくお話。
谷川の書いた私小説や、彼の妻が町内会の会報に書いた文章を読みながら、行方の手がかりを掴もうとする。
作中作が5作入っているので、短編集みたいな読み心地だった。
彼らの行方の結末は、拍子抜けするような形で解決するのだけれど、現実はそんなものだよね。と納得。
小説家が作品を書くことの責任や影響、それに対する評価とどう向き合うかが、リアルに描かれている。
これも「小説」という体をとっているので、全てが寺地さんの考えではないのかもしれないけれど、寺地さんが持っている、小説を書くことへの想いが滲み出ているように感じた。 -
Posted by ブクログ
スナック「真実一路」。スナックらしからぬ名前だ。その「真実一路」が突然閉店し、ママが出ていき、夫である絶賛スランプ中の小説家との連絡も途絶えた。その二人の行方は…
友人である人気作家が聞き込みをして真相を探る。現実と小説になっている話がごちゃまぜになり、混乱しながらも、楽しく読んだ。
『あたしね、本ってドアなんだと思ったの。自分が今いる場所と違う世界に繋がってるドア。本の数だけ世界があって、誰かが開けてくれるのを何日だって、何十年だって待っていてくれるのよ。』本はどこでもドアだ。動かずして、どこへでも運んでくれ、体験させてくれる。なんて素晴らしいのだろう。