寺地はるなのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
劇的でも誇張されたわけでもなく、リアルな人間関係が丁寧に描かれていたのがとても印象的でした。
当事者の気持ちに寄り添わず、生い立ちや立場だけを見て一方的に「かわいそう」と声をかけるような人間にはなりたくないと強く思いました。
また、その人の一部分だけを見て「良い人」「悪い人」のように決めつけることはしたくないなと。
誰しもがさまざまな側面を持っているからこそ、誰かを理解しようとする時には、その人が抱えている背景や思い、日々の言動の奥にあるものなど、いろんな点に目を向けていたいです。
簡単な言葉や印象だけで人を判断せず、丁寧に関わっていける人間でありたいと改めて思わせてくれました。 -
Posted by ブクログ
昔にタイムスリップしたような感覚を味わう、それぞれのストーリー。おじさんと知り合って、自分の何かを知っていくタイムマシンの話。現実に生きていることと、苦しくて現実から逃れたい。そういう世界を持っているものだ。
殺し屋を妄想しながら生きる女の子もまた、今を避けながら、生きる術を学んでいく。それぞれのストーリーが、心にじんわりと訴えかけてくれる。昔悪かった人が、今まともに働いていると、もとからまじめな人が、真面目なまま大人になって、まじめに働いているよりもずっと素晴らしいことでもあるように語られていた。そういう風に世の中を切っていく。
なにしろ、子供の頃に、ふと通り過ぎていった時のように、なんだか自分の記憶と混じり合って、不思議な世界に引き込まれていくのは読書という体験としても本当に久しぶりだった。いろいろなことを、理性と共に理解して、固めてしまった今の思考体系を、子供の頃に戻していく。会話がトントン進むだけでなく、途切れてしまう会話、その微妙な間みたいなものを、すれ違っているかもしれないことを確かめ合うような、ぎゅっと心を掴まれるような瞬間を切り出している。素晴らしいと思います。 -
Posted by ブクログ
寺地さんはなぜもこう生きにくい人を優しく描くんだろう。現実逃避のさせ方が絶妙。
・コードネーム保留
わかるわ~働いてる今でも私、人の変な噂話とかになると、自分は今宇宙人だからと殻をかぶってみる
・タイムマシンに乗れない僕たち
「だいじな人ってたまにやっかいだよね」だから大事なんだな
・灯台
だだっぽいところにひとり立つのは心もとない。だから灯台のような誰かが。「まあ、休んじゃっても大丈夫なんですけどね」がいい。
・夢の女
亡き夫は、妻と娘を守る男のロマンのために夢の女を、作り上げたんだな。
だからこそ残されたものは辛いけど、その想いで妻は生きていけるだろう
・深く息を吸って
は、題名のままだ。吐く息が大きくなると吸う息も大きくなる
いつも息をひそめてなくていいんだよ
・口笛
誰にもそれぞれの苦しみや悲しみや喜びや願いがある。だから「どうして」も、あふれるよ
上手く吹けなくても口笛吹いてみた
・対岸の叔父
「逃げて」そう、逃げて(笑)
対岸の逃げる人に一緒にエールを。
・解説 衝撃の解説(笑)
人の話を聞かない島に行ってみたいけど怖いわ
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Posted by ブクログ
寺地はるなさん、10冊目。
今回の舞台は佐賀県の田舎村。お住いの大阪が舞台になることも多いので珍しいと思ったら、佐賀はご出身地だったみたい。私も九州育ちで関西住まいなので、どちらにせよ馴染みがある場所ではある。
早く田舎の村を出て自分が思う人生を生きたいと思う天、彼女に思いを寄せる幼馴染の藤生、その藤生に好意を抱く東京からの転校生のミナ。閉塞感のある田舎での中学生の3人の生活と心の内が描かれる。
三人それぞれの、「人が思っている自分」と「自分が思う自分」の、二つの異なる自分の間で、他の二人を羨んだり妬んだり憧れたりする心の揺れが描かれる、そのお話はそれなりに面白く読めたのだが、そこから言わんとするところにはあまり刺さるところがなかったのだった。 -
Posted by ブクログ
スカイツリーを見上げる 下町の片隅に、ひっそりと 息づく商店街『 明日町こんぺいとう商店街』。シリーズの4作目です。金平糖の角は24個。24軒のお店が集まっていて、今回はその中から7軒のお店のハートフルなエピソードが収められています。
お店ごとに作家が交代するのがこのアンソロジーの特徴で、私は前川ほまれさんの描いた 5軒目の『インドカレー ママレード』が心に残りました。
2軒目の蛭田亜紗子さんの『ツルマキ履物店』の回はちょっとテイストが違い「あら?」と思いましたが、色々な作家さんを読めるのがこのシリーズの良さなので、こんなテイストもありだな、と思いました。
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寺地さんの小説は難しい
難しいのにすごく気になる
捉え所がないのに自分の気持ちの深い所がザワザワする…なんとも言えないこの気持ちを表現するのも難しく「ザワザワ」が的確なのかもよくわからない(^^;
生きづらい…そんな思いを抱えた人達が生きていく術、そしてその未来に少しでも光を見つける…紛れもなく誠実も希望も手探りで自分の人生を生きているのだろう。
傷付いたり居場所を無くしたり放浪したり迷いながら生きていく2人から寺地さんが何を描こうとしたのかどこに着地点を持っていこうとしたのか…その答えは分からない。
寺地さんの小説はいつもそんな気がする!
答えは「あなたの解釈です」と言わんばかり。
そして自分ではいつもコレ!って言葉で表現出来るような答えは出ないけど、自分が日頃感じてる思いや上手く表現出来ない心の中のモヤモヤを描いてくれている…だから惹かれる。
なんとなく気になって手に取る作家さん!
また他の小説も読んでみよう