寺地はるなのレビュー一覧
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繊細で触れてほしくない部分をピンポイント爆撃することが上手い作者さんだと思っていたのですが、見事に私の黒歴史の琴線に触れてこられました。
市街地を避けて軍事施設に的を絞って無力化させる戦略なんですが、学校や病院の地下に拠点をおいていると民間の犠牲者は増え憎しみを増すばかりで価値観までは破壊できない。この3人の価値観バラバラで極端すぎて自分勝手で好きになれない。
シングルマザーの朱音に、専業主婦の莉子、それに影の薄い独身の園田。フラッシュバックする中学時代。
どれもこれも忌々しくって吐き出したくなってしまう。
人と関わることが恐ろしく思えるそんなコンプレックス全開にさせてくれました。
人と比べてどのポジションにいるかって大事なことだと思うんですよね。協力しあうことも、許しあうことも、最適解かどうかわからなくても立ち止まれないし、
朱音と莉子には同じ年の女の子がいるのですがどう育っていくのだろうか気になる -
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ネタバレ【収録作品】
「もうすぐ十八歳」 飛鳥井千砂
「ありふれた特別」 寺地はるな
「二人という旅」 雪舟えま
「漂泊の道」 嶋津輝
「祀りの生きもの」 高山羽根子
「六年目の弔い」 町田そのこ
冠婚葬祭アンソロジー。
「もうすぐ十八歳」 「成人」を巡る話。沖縄出身で、十八で子どもを産み、結婚した智佳。娘が十八になることで感慨を抱く。
「ありふれた特別」 取り立てて仲がいいわけでもなかった幼なじみたちの関係が変化した、出産騒ぎ。
「二人という旅」 結婚。旅をしている家読みのシガと助手のクローン・ナガノとの関係の変化。
「漂泊の道」 弔事のときだけ会う親戚のカナに漠然と惹かれる希和子の生き方。
「祀りの生きもの」 「私」は、子どものころ、縁日で買った「南洋の妖精」を思い出す。
「六年目の弔い」 交通事故で亡くなった夫の七回忌。夫の娘が訪ねてくる。
長い時間が流れていて、年を経ることの意味を思う。 -
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妙ちくりんなキャラクターの表紙が目を引く本書。
大阪某所にある〈暁町〉を舞台にした、リレー形式の群像劇、13話が収録されております。
暁町にある市場・〈あかつきマーケット〉のマスコット・「あかつきん」の失踪を皮切りに、その界隈の人々が悩みや葛藤を抱えながらも、“それでも生きていく”様が描かれております。
寺地さんは心の機微の描写がお上手なので、登場人物達のモヤモヤが実にリアルに伝わってくるんですよね。
なので、読んでいてちょっと心がヒリつくような部分もありましたが、それでも、
“皆、何かしら事情を抱えながらも日々をおくっているのだな・・”
と、出てくる人々が愛おしく思えてきます。
それぞれの物語のリンク具合も絶妙で、“次は誰が出てくるのかな?”という群像劇ならではの楽しみもあり、ちょいちょい出没する“あかつきん”も、滑稽なんだけど妙に可愛くて、ラストの“中の人”の話もじんわりきます。
個人的には「グラニュー糖はきらきらひかる」と「バビルサの船出」が好きでした。
颯真くん、優しい子・・。
〈トキワサイクル〉のおじいちゃんも、味のあるキャラで“なんか良くて(by恵吾)”。特におじいちゃんの、
「・・今までの人生でかかわった人ぜんぶが、自分の一部だ」
という台詞は心に刺さるものがありました。
全体的に展開は地味ですし、ドラマチックな奇跡などは起きないのですが、じんわり胸に染み入る作品でした。
そんな訳で(?)読み終わった後、“あかつきん”グッズが欲しくなった私です~。 -
Posted by ブクログ
大阪市近郊の暁町。
閉店近い創業60年を超えるあかつきマーケット。
人気のゆるキャラ“あかつきん”が突然失踪のあと、町のあちこちに出没。なんだか人助けをしているようだが。
マーケットを中心に その町に住む母親・父親・娘に息子。13の連作ショートで多くの物語を連ねていきます。
「ただの朝と夜」を過ごしている住人達の 心がざわつく悩みや葛藤。一つの町を俯瞰しているようです。
奇跡は起きないけれど、それでも明日のために。
優しすぎない、踏み込みすぎない、そんな住民達の現実的な距離感。
みーんな何かしら心配事があるんだなって、なんだか安心したりした。