寺地はるなのレビュー一覧
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⭐︎3.8
寺地はるなさんの今回の作品は、とある町の自治会とそれに属する子ども会の話。主人公の千緒は主婦で娘が1人いる。お人よしだが、冷静でもある。人の前に出るタイプではないが自分の意見をきちんと持っているタイプである。
人の話を見たり聞いたりするうちに、ちょっと厄介なことに巻き込まれがちで、その物事に奮闘している。
『ほんとうの自分は、たくさんのセロファンが重なったすえに生み出された色のようではないか』というセリフが印象に残っている。
いろんなコミュニティがあってそれぞれに見せる顔がある。その全てに自分を全て曝け出す必要はない。どの顔が本当ということもないのだろう。生きるのが少し楽になるような、人生のヒントになるような物語。 -
Posted by ブクログ
ネタバレはん借り本 2026年9月は長雨、豪雨、降り過ぎ。「雨が降ったら傘をさせ、生きていたら雨の日だってある」 かっこつきこのまま何回か出てくる、深い意味を探りたくなるけど、当たり前のこと、そのままのことって切り返される
47歳女性3人と42歳男性とその母のあり得る風景を物語として短編でつないだ人たちは、どこか大阪下町や昭和風景。
生きづらさや喪失を抱かえた人が身近にふとできる誰かとの出会いから、笑顔が増えて生きていける、生きていかなきゃって言えるようになる世界は、傘屋さんもこの物語で感じた「しとしとと降る雨」が見られなくなっていくように
遠い世界のことにならないことを祈りたい -
Posted by ブクログ
星3つ以上はつけたくないけれど、
3つ以下にもしたくない。
寺地さんの本はサラッと読めて、そこが好きなんですが、今回はサラリとし過ぎていて少し物足りなさがありました。
全体の人物を達を駒のように配置し、的確に動かすところは流石ですが、それぞれが駒過ぎて人物として感情移入がしにくかったです。
それぞれみなさんすごく良いキャラクター性をされているのに(なんならそれぞれで一本ずつお話書けるのでは?ってくらい)、もうこれで終わり?
と、あっけなさが残りました。
めっちゃ酷評してるようなことばかり書いてますが、それでもこれだけ引き込まれて読んでしまうのだから、そこがすごいなと思うんです。
面白い!ともちょっといわないですけど、苦なく読めますよ! -
Posted by ブクログ
ビルの取り壊しに伴うリフォームジュエリー会社の廃業を起点に時間をさかのぼりながら、物から物へ、人から人へと、30年の月日のなかで巡る想いと“つながり”、そして新たなはじまりを描く。
現代から過去に遡り、現代に続くパターンはあるが、どんどん時代が遡って行くのが新しいパターンだと思った。
今日が、雨でよかった――
と思う主人公の一人・永瀬。
以前、美術の先生の言葉、
「古代、雨は神々が流す涙であると考えられていました。雨の雫はあつまって川となり、海へと流れ込み、やがて空にのぼっていく。その繰り返しが『永遠』を意味する、という説があります」
をずっと胸にしまって、大人になった。
永遠を信じる永瀬、そして中学からの友人のしずく、森くん、高峰。
不器用な4人が不器用ながら、お互いを支えて、30年を過ごす様子には、正直羨ましい気持ちが大きい。
4人のそれぞれの永遠を探す物語にラストはほっこりするが、読んだ時期が悪かった。
今は雨がとても神様の涙とは思えないぐらい、人間を苦しめてる… -
Posted by ブクログ
表紙を見た時は日本昔ばなしでも書いてあるのかと思ったけど(笑)、読み終わったら意外に考えさせられたのと、少し笑えました。あと、タイトルの秀逸さに感心しますね。ホンット、タイトル通りでした。
寺地さんらしい、人らしさ?人間臭さ?みたいな、そうゆうのがちゃんと書かれてて、いつも感情をいい方にも悪い方にも動かされて、良かったですね。
私の勝手な印象ですが、寺地さんの作品に出てくる人達は100%悪い人も、100%良い人も居ない、本当の意味での生きてる人間が書かれてて好きですね。
個人的には第一幕のたぬきの夢が好きでした。人間臭くて、カッコ悪くて、でもカッコイイ女性が出てて良かったです!