寺地はるなのレビュー一覧

  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    昔にタイムスリップしたような感覚を味わう、それぞれのストーリー。おじさんと知り合って、自分の何かを知っていくタイムマシンの話。現実に生きていることと、苦しくて現実から逃れたい。そういう世界を持っているものだ。
    殺し屋を妄想しながら生きる女の子もまた、今を避けながら、生きる術を学んでいく。それぞれのストーリーが、心にじんわりと訴えかけてくれる。昔悪かった人が、今まともに働いていると、もとからまじめな人が、真面目なまま大人になって、まじめに働いているよりもずっと素晴らしいことでもあるように語られていた。そういう風に世の中を切っていく。
    なにしろ、子供の頃に、ふと通り過ぎていった時のように、なんだか

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    2025年04月01日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    現実においても言える事だけど、自分が嫌いだなぁと思って敬遠していた人や物事と勇気を出していざ向かい合ってみると、存外知らなかった部分が見えてきたり、実際はそんなに苦手じゃなかったりする事って人生において往々にあるよね。知らない事を苦手に思うのは人間の性とはいえ、知る事で得ることは大いにあると思う。

    “知らない事を知る”って行為は凄く労力のかかる事だけど、対人関係や仕事面においても、人生を円滑に生きる上で必要不可欠な事だなぁと改めて身に染みた。

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    2025年03月31日
  • わたしたちに翼はいらない

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    難しかった。学校でも働いても結婚してもどんな環境に行っても人間関係はついてまわって悩みの種になるけど、人と本気で関わった時代は思い返して1番あのころはよかったなと思うんじゃないかと思った。
    結婚して専業主婦になるのも幸せなだけじゃないかもね、逃げみたいになる。
    手に職は大事だと思った。でも子供が出来たら専業主婦がいいね。
    いい旦那を捕まえようと思った。

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    2025年03月25日
  • 雫

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    時を重ねる4人 30年は長い、でもずっと自分を続けている。怖くても楽しくても、ずっと自分だった。もちろん、友人もずっと自分だ。飽きることを許されず、一生を自分として終える。怖くないよとサインを残して友人のそばから私は離れていくことは出来ない。

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    2025年12月03日
  • 声の在りか

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    自分の本当の考えや気持ち(社会や所属する集団の影響を受けていない、周囲に忖度していない)を誤魔化す必要なく、素直に気付いて、言語化し、声に出すことのできる世の中になれば、皆生きやすくなるのかなと思った。

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    2025年03月19日
  • 大人は泣かないと思っていた

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    後半に行くに連れ、だんだん女性の強さが際立っていく感じがとても好きだった。
    人生において誰と出会うかは、本当に重要な事だなって思った。

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    2025年03月17日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    寺地さんはなぜもこう生きにくい人を優しく描くんだろう。現実逃避のさせ方が絶妙。
    ・コードネーム保留
    わかるわ~働いてる今でも私、人の変な噂話とかになると、自分は今宇宙人だからと殻をかぶってみる
    ・タイムマシンに乗れない僕たち
    「だいじな人ってたまにやっかいだよね」だから大事なんだな
    ・灯台
    だだっぽいところにひとり立つのは心もとない。だから灯台のような誰かが。「まあ、休んじゃっても大丈夫なんですけどね」がいい。
    ・夢の女
    亡き夫は、妻と娘を守る男のロマンのために夢の女を、作り上げたんだな。
    だからこそ残されたものは辛いけど、その想いで妻は生きていけるだろう
    ・深く息を吸って
    は、題名のままだ。

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    2025年03月16日
  • ほたるいしマジカルランド

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    遊園地という明るい場にいる人たちのリアルな表情を描いた作品。
    大きく心が動くことはなかったけど、知人の話を順番に聞いているような気分になった。

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    2025年03月15日
  • やわらかい砂のうえ

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    個人税理士事務所に勤務する万智子(24)はひょんなことから顧問先のオーダードレス作成クチュリエール・セルクルでアルバイトを始めることに。様々な出会いの中で少し面倒な自分に向き合い成長していく物語りだったと思います。何気ない日常を捉えて上手く表現した作品で面白いと思いました。私としてはリアル感があり過ぎるのか「面倒な主人公だ」と感想。星3つとしました。

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    2025年03月10日
  • ほたるいしマジカルランド

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    遊園地ほたるいしマジカルランドで働く人々の短編ストーリー
    少しずつそれぞれのキャラクターが繋がっています。
    サクサク読めて、ストーリーもほんわかとして読みやすかったです

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    2025年03月08日
  • 架空の犬と嘘をつく猫

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    破綻した嘘が解かれるとはどんなものなのかという期待から手に取り読んでいき、それぞれの家族の表裏が描かれ、人々の会話のほのぼのとしたやり取りやその中で急に訪れる問題との落差に惹きいったが、大きい落差はなく、ふわっとした部分が温かみがありそこは良いのだが、思ったのとは違うかなという点で星3にしました。

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    2025年03月03日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    ネタバレ

    学生時代幾度も頭をよぎっていたどうしようもない想いを代弁したタイトルにチリチリと胸を抉られる。答えのない悶々としたその問いを手放すこともできず抱えるしかないのは苦しかったな。
    天、ミナ、藤生の三人の青春時代も互いの一方通行の恋や村の閉塞感がそれに重なり生きづらさがダイレクトに伝わってきて落ち着かない。
    環境が変わっても、どこにいても三島天は三島天なんだと悟るラストに深い安堵感。天がいる限り、ミナも藤生も自分を見失わずに歩いていける気がする。

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    2025年02月27日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    短編集7編
    普通と言われる人から少し外れた人たちが主人公.でもそれぞれがその人らしく生きている様子がすごく真っ当なように思えてきて,がんばってねと応援したくなるような主人公たち.

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    2025年02月26日
  • ほたるいしマジカルランド

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    ほたるいしマジカルランドという遊園地と関わる人たちの連作。切ない話が多くて、読後感が明るい話が少なかった。何度か読み直すとまた違った感想が生まれるような気がする。

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    2025年02月22日
  • ほたるいしマジカルランド

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    社長が入院したこともきっかけの一つだったかもしれないけれど、ここで働く人達が各々自分自身と向き合い、肯定していき、自分を受け入れる。
    そして気持ちが自分自身から相手へ、内側から外側に広がる瞬間がどの章でも感じられた。
    少し考え方や見方を変えるだけで、印象が180°変わり物事が良い方向へ進むことがある。
    遊園地のお話だから楽しく明るい話ばかりかなと読む前は思ったけれど、読んでみたらここで働く人達のリアルな私生活が含んでいてそれも良かった。

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    2025年02月16日
  • 架空の犬と嘘をつく猫

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    んー実に寺地はるなさんらしいとゆうか。
    起承転結がハッキリあるわけではなく、ただ淡々と物語が進んでいく。その中でフィクション感無く、他人事でもありそうな、すぐ近くで起きていそうな話しの中で、読者の感想もただ「そう、そうなんだよ」と喜怒哀楽がハッキリ出ることもなく終わっている。でも、内容が軽いとか無いとかではなく、ただ自然に馴染むように読後感を味わうからそう感じるのかな、と思った。
    作品の感想って本当に難しい時があるが、最後の解説を書いている方はホントに凄いとつくづく思う。

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    2025年02月15日
  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    寺地はるなさん、10冊目。
    今回の舞台は佐賀県の田舎村。お住いの大阪が舞台になることも多いので珍しいと思ったら、佐賀はご出身地だったみたい。私も九州育ちで関西住まいなので、どちらにせよ馴染みがある場所ではある。

    早く田舎の村を出て自分が思う人生を生きたいと思う天、彼女に思いを寄せる幼馴染の藤生、その藤生に好意を抱く東京からの転校生のミナ。閉塞感のある田舎での中学生の3人の生活と心の内が描かれる。
    三人それぞれの、「人が思っている自分」と「自分が思う自分」の、二つの異なる自分の間で、他の二人を羨んだり妬んだり憧れたりする心の揺れが描かれる、そのお話はそれなりに面白く読めたのだが、そこから言わん

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    2025年02月16日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    若干、尻切れトンボ感があり消化不良というか勿体ない印象を抱きました。
    7つの短編がありますが、どれももっとこの世界に浸りたい、その登場人物たちを見守りたいと思えるくらい魅力があります。

    終わりをあえて書かない、という構成がうまく作用する場合もありますが、この本ではちょっとそこまで到達していないような物足りなさがあったのが正直な感想です。
    寺地はるなさんの本はたくさん読んできて、書き切って良いなと思えた本があるからこそ、本作に物足りなさを感じています。

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    2025年02月12日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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    スカイツリーを見上げる 下町の片隅に、ひっそりと 息づく商店街『 明日町こんぺいとう商店街』。シリーズの4作目です。金平糖の角は24個。24軒のお店が集まっていて、今回はその中から7軒のお店のハートフルなエピソードが収められています。
    お店ごとに作家が交代するのがこのアンソロジーの特徴で、私は前川ほまれさんの描いた 5軒目の『インドカレー ママレード』が心に残りました。
    2軒目の蛭田亜紗子さんの『ツルマキ履物店』の回はちょっとテイストが違い「あら?」と思いましたが、色々な作家さんを読めるのがこのシリーズの良さなので、こんなテイストもありだな、と思いました。

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    2025年02月10日
  • やわらかい砂のうえ

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    高校生の初恋愛のように、お互いの良いところしか見ない恋愛をする万智子。
    潔癖で頑固で、それ故にトラブルもあるが、周りの大人や親友に怒られ、教えられ、愛する事は何かを学んでいく。
    自分に自信を持つ事。自分の中に芯をもつ事は大切だけど、その正義や潔癖で、他人を殴ってはいけない。悪いとこもあるけど、いいところもあるのが人間だと教えられた、ほんのり暖かくなる良い本。

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    2025年02月08日