寺地はるなのレビュー一覧
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ネタバレワイン農園で働く双子の姉弟。母の意思を守ろうとする姉と特にワインに興味があるわけでもない弟。この2人の違いがいい。自然を相手にし、うまくいくこと。いかないこと。どうしようもできない出来事。そういうことを繰り返しながらワインを作り、自分の立ち位置を見つめる2人。1人で背負いこむ姉と1人ではまだまだな弟。でも近くに誰かがいるという救い。苦しくなる時、逃げ出したくなる時にそういう存在がいることの心強さ。たくさんの工程を経て熟成して作られるワインのように、たくさんの人と出逢い、感情を知ってその人の味が作られ年々深くなっていく。新しいことを始めるワクワクと恐怖。でもその先にあると信じるもの。さまざまな想
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波風を立てず目立たないように暮らす希和。夫とも息子の小学校のLINE仲間ともぶつからないように過ごしている。違和感や怒りを感じていても、声を上げることはしない。思いを言葉にすることはなく、ただモヤモヤするだけ。夫に反撃する言葉が出てくるまでに3日もかかってしまうくらいだ。それは彼女が気持ちを言語化することを避け続けてきたから。形にしなければ思いは言葉にならず、声にならない。彼女はあちらにもこちらにも沈黙を続けている。ただ彼女には正義感が強いところがあり、追従することもしていない。
同級生の弟である要の始めた学童で働くことになる希和。大人には何も言わないことにしている彼女だが、子供は放っておくこ -
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前半までは、独特の謎のテンションについていけず、変わった人だなと思っていたが、徐々に慣れてきたのか、共感できるところも増えて、読みやすくなった。
特に、郷里の佐賀県に対する思い。
作家になって佐賀県に凱旋するにあたって、自分が嫌いだった頃の、惨めでオドオドした自分を知っている人々に会うのは、とても勇気がいったが、新たに幸福の記憶を描き足すことができたそうだ。
多くの人が、過去に対して、同じような思いを抱いているのではないだろうか。
ところで、取材される時、写真を撮られる際に、笑顔を要求されるのは女性作家が多いとあったので、ちょっとググると、なるほどそうかもしれない。
男性作家は笑顔ではない