寺地はるなのレビュー一覧

  • 声の在りか

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    自分が育った小さな町で小学四年の息子を育てる主人公希和。
    息子の学校の保護者達とはあまり上手く付き合えない。
    夫にも不満はあるのに声に出せない。
    自分の言いたい事が言えない。
    そんな中で民間の託児所で働くことになり、少し浮世離れした感じのオーナーの要と出会う。


    希和の真面目で正直な感じに好感が持てた。
    生きづらいだろうな、とも、
    潔くてカッコいいな、とも、思った。
    長いものに巻かれがちな保護者同士の関係に、巻かれることなく1人でいることは容易なことではないと思うから。
    思えば、子供達が小学生の時が1番大変だったような気がする。
    物理的な時間は全然ないし、子供達の変化も激しい、子供同士のいざ

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    2024年09月08日
  • いつか月夜

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    決して波瀾万丈でない大変静かな展開の中で登場人物達の心情が機微描かれ、善く生きるって何だろうねと問いかける賽成の様子が大変身近に感じられて好印象でした。
    印刷会社に勤める賽成冬至(みなりとうじ)。夜中の散歩中に、同じ会社に勤める塩田有希子(うきこ)さんが女の子と歩いているのに出会い、三人は一緒に散歩するようになります。さらに別れた彼女やマンション管理人さんなども巻き込みながら、その関係性の中で賽成が悩み考える物語りでした。
    星4つです。

    #美文

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    2026年01月21日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    9月初日の朝、今回もべそかきながら読み終えた。
    寺地さんの小説は読むタイプのサプリ。いつも読み終わって本を閉じると少しだけ心が軽くなっている。

    「けむり」「はこぶね」「グラニュー糖はきらきらひかる」「生きる私たちのためのスープ」が好き。
    「はこぶね」の千みたいな女性に私はずっと憧れている。

    登場人物が多くて「誰やっけ…!」となりつつ、前のお話との繋がりを見つける度に嬉しくなった。
    めちゃくちゃ嫌な奴だなこいつと思った人物が、次のお話で実は色々葛藤していたり、良い所もあったり。
    みんな色々ある。見えているのなんてほんの一部なんだよな。

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    2024年09月01日
  • 月のぶどう

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    ネタバレ

    優秀な光実と「出来の悪い方」な歩の双子の姉弟が亡くなった母の跡を継いでワイナリーで働くお話。
    私も「出来の悪い」側の人間だと思い込んで生きてきたので、自分を卑下してはふてくされながら大人になった。だから歩の気持ちがよく分かったし、歩に対する周りの言葉がグサグサと刺さる。
    ページをめくるハッとする言葉に出会う。歩以外にも光実やワイナリーで働く人々、友達…周りの人たち皆それぞれに共感できる部分があって、ぐんぐんと物語に惹き込まれ一気に読み切った。
    1歩ずつ前に進む皆を見て、私も今から変われるかなぁなんて思った。


    ●ちょっとだけ期待をしていた、というようなことを歩は言った。新しいことをはじめるた

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    2024年08月28日
  • 雨夜の星たち

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    生きづらさをもつ主人公の考え方、何故か親近感がわいたけど、親の立場で見れば心配でもあり。誰の視点で読むかで感情が揺さぶられる場面が変わるが、ここまで正直に人間の有り様を書いてもらえると自分の異常性も当たり前に感じられた。

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    2024年08月20日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    冠婚葬祭をテーマにしたオムニバス。冠が成人式を、祭が先祖の霊をまつる祭事を指すとは分かってなかった。
    飛鳥井千砂、寺地はるな、雪舟えま、嶋津輝、畠山羽根子、町田そのこのうち3人は初読み。飛鳥井千砂と町田そのこの作品が良かった。

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    2024年08月12日
  • ガラスの海を渡る舟

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    不可ではないけど、もう少し深いものが欲しいかな ものすごい揺さぶられるものはないけど、そこまで悪い訳でもない。となると、わざわざ人に勧めるまでいかない。

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    2026年03月14日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    寺地はるなさんと町田そのこさんの短編が読みたくて。
    お二人の短編は安定の面白さ。特に町田そのこさんのお話は号泣。登場人物の二人と一緒に、ゆっくり時間をかけながらいろんな感情を落とし込んで読み終えた感じ。ラストは切な過ぎる。

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    2024年07月03日
  • ビオレタ

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    前半は主人公のことも菫さんのことも、よくわからず、感情移入もできず、何を読まされているんだろうと思っていたけれど、
    中盤に主人公が「誰かに必要とされたかった」と、気づいたところから、いろいろなことに気づき、前向きになっていくところが良かった。

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    2024年06月16日
  • 希望のゆくえ(新潮文庫)

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    自分は空っぽの箱。他人の気持ちに沿うように生きている。
    自分って何だろう。他人が自分に求める姿、それに応えようとする自分、でも本当の自分は違うかも知れない。自分って、周りから見える自分も、自分自身での評価も合わせて自分のはず。だから一言で、どんな人なんて片付けられない。
    空箱に何かを詰めるのは自分であり、周りの人でもあるのでは。

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    2024年06月14日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    生きていたら必ずしも感じるだろう感情が綺麗にえがかれてる一冊、すてき
    人にはそれぞれ、言葉にしてることの裏にいーっぱい考えていることがあって、表面的にでてきているのはその一部なんだろうなあ

    「よく気づくけど行動力がない人はつかれる」ってささったな、行動力

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    2024年06月11日
  • 月のぶどう

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     なんかこう、逃げてばかりいてなかなか向き合わない歩に最初はイライラさせられるけど、着実に成長して、それを周りが認めていくのがいいなあ。でもそれを和葉さんが悲しむのはよくわかる。

     あとは、冨美雄さんの「うまくいかないことがあったらやり方が悪かったと考えてやり方を変える、自分を嫌いな人に好かれようと頑張らないっていう考え方は、正にそのとおり!!

     それから、光実の結婚式でのおじいちゃんの言葉にもやっぱりそのとおり!!

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    2024年06月07日
  • 月のぶどう

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    ネタバレ

    双子の関係がよかった。
    じいちゃんの存在感もよかった。
    読んでいて心地よい成長譚でもあった。

    最後の手紙の喩えにはっとした。
    最近、手紙について考えることがよくあった。
    手紙のように、時間をかけて熟成する関係を大切にしたい。

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    2024年05月23日
  • やわらかい砂のうえ

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    万智子のややこしさが可愛いと思える自分がいて、これって歳を重ねてきたってことかなと思ったりした。
    悩んだり迷ったりした時に、歳の離れた色々なタイプの友達がいるっていいなと思う。
    20代でそんな友達を持てた万智子が羨ましい。
    自分の価値観で冬さんを裁こうとする万智子に「許すとか許さないとか、赤の他人のあんたが言うことではないよな」と言った美華の言葉が刺さった。
    そっか、友達も他人なんだよなぁ。
    無意識に心の中で人の善悪の判断をしてしまう時があるから、しっかり覚えておこう。

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    2024年05月18日
  • 正しい愛と理想の息子

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    ネタバレ

    寺地さんの小説で、初めて暴力的なシーンや詐欺という反社会的な描写に出会った。暗くて救いようのない主人公かと思いきや、最後は大切なことに気づかせてくれる、やっぱり寺地さんの小説だと思った。

    幼い頃から貧困にあえぎ、10代で詐欺に手を染め、お金のためなら他者への共感力や思いやりとは無縁になってしまえた青年が、相棒やその認知書の母を通して、慈しみの情が芽生えていたことに気づいてゆく。

    こどもをないがしろにして他者へ貢献してしまう母親、理想を押し付けてしまう母親。こどもは親の関心が得られない寂しさや、呪縛から逃れられず大人になってから苦しむ。

    誰かに見守られながら泣きたい日もある。解説の原田ひか

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    2024年05月07日
  • こまどりたちが歌うなら

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     ブラックほどではない会社でも、当たり前のようにある好ましくない暗黙の了解事項。なくならないパワハラ・セクハラ。おかしいと声を上げても無視されたり報復されたりするダークな空気漂う職場。

     それでも声を上げようと決めて臨んだ転職先の小さな製菓会社を舞台に、孤軍奮闘する1人の女性を描くヒューマンドラマ。
              ◇
     小松茉子は、目の前に座る男を見た。
     男は名を吉成伸吾といい、茉子のはとこに当たる。現在27歳の茉子より5つか6つ年上だが、幼い頃からよく知る相手だけに、今日から「社長」と呼ぶことに違和感がある。

     ついそんなことを考えつつぼんやりしていると、「話聞いてる?」と伸吾か

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    2026年03月08日
  • やわらかい砂のうえ

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    寺地さん作品ですー
    定期的に読み進めてます!


    税理士事務所で働く万智子が
    ウェディングドレスのサロンの手伝いもすることになり、
    そこでの出会いで少しずつ成長していく話


    この主人公の万智子、
    なかなか面倒くさい人物で、、、
    どことなく自分に似ているところがありまして。笑


    会話の瞬発力が圧倒的にないところ、
    あとから脳内反省会してわーってなるところなど、ちょっと私?ってなりました。


    前はポンポン、なんなら何も考えずに話してたのに
    大人になって友達と会う機会が減ってきたからか
    会話の瞬発力の低下がすごくて、、
    後からああ言えばよかったのか、とかよく考えるんですよね。。


    でもこ

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    2024年04月19日
  • みちづれはいても、ひとり

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    島に着いてから急激にサスペンスめいてきたからドキドキしていたけど、ちゃんと救いのあるラストでよかった。
    みんな結局は1人きりだということが救いとして描かれていることに、本当に慰められる。
    特に人間関係に疲弊してる時とか、自己犠牲に酔ってる時とかに。今だ。

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    2024年04月17日
  • 月のぶどう

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    ネタバレ

    寺地はるなさんらしい、一人ひとりの人生が伝わってくる内容だった

    ・光実の由来が素敵
    ・おじいちゃんもちゃんと光実のことを認めてた
    ・母に憧れながらも、自分らしく

    最後歩が受け取った手紙の内容が気になるけど、きっと生き生きと仕事をしてる歓びを綴ったものではないのかな

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    2024年03月30日
  • やわらかい砂のうえ

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    序盤で、一歩踏み出せない万智子を見ていると歯痒くてしょうがなかった。そんな万智子に対し、どストレートに言えるあつまりの女性たちがカッコいい。
    終盤になるにつれ万智子が変わっていったのは、見ていて嬉しい気持ちになった。

    本多先生の言葉にグッときた。
    「役に立つとか、立たないとか、人間は道具ではありませんからね」
    役立てるよう頑張ります!とか言うけど、こんな優しい心の角度があるんだな、と新しい角度を知れた。

    「孫もいる爺さんが何を言うかと笑うかもしれまんが、もう誰の子どもでもなくなってしまったのだと思うと、心もとないですね」
    どんな大人も高齢の方も、みんなみんな親がいて、誰かの子どもなんだよな

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    2024年03月28日