寺地はるなのレビュー一覧

  • 月のぶどう

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    ネタバレ

    双子の関係がよかった。
    じいちゃんの存在感もよかった。
    読んでいて心地よい成長譚でもあった。

    最後の手紙の喩えにはっとした。
    最近、手紙について考えることがよくあった。
    手紙のように、時間をかけて熟成する関係を大切にしたい。

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    2024年05月23日
  • やわらかい砂のうえ

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    万智子のややこしさが可愛いと思える自分がいて、これって歳を重ねてきたってことかなと思ったりした。
    悩んだり迷ったりした時に、歳の離れた色々なタイプの友達がいるっていいなと思う。
    20代でそんな友達を持てた万智子が羨ましい。
    自分の価値観で冬さんを裁こうとする万智子に「許すとか許さないとか、赤の他人のあんたが言うことではないよな」と言った美華の言葉が刺さった。
    そっか、友達も他人なんだよなぁ。
    無意識に心の中で人の善悪の判断をしてしまう時があるから、しっかり覚えておこう。

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    2024年05月18日
  • 正しい愛と理想の息子

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    ネタバレ

    寺地さんの小説で、初めて暴力的なシーンや詐欺という反社会的な描写に出会った。暗くて救いようのない主人公かと思いきや、最後は大切なことに気づかせてくれる、やっぱり寺地さんの小説だと思った。

    幼い頃から貧困にあえぎ、10代で詐欺に手を染め、お金のためなら他者への共感力や思いやりとは無縁になってしまえた青年が、相棒やその認知書の母を通して、慈しみの情が芽生えていたことに気づいてゆく。

    こどもをないがしろにして他者へ貢献してしまう母親、理想を押し付けてしまう母親。こどもは親の関心が得られない寂しさや、呪縛から逃れられず大人になってから苦しむ。

    誰かに見守られながら泣きたい日もある。解説の原田ひか

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    2024年05月07日
  • こまどりたちが歌うなら

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     ブラックほどではない会社でも、当たり前のようにある好ましくない暗黙の了解事項。なくならないパワハラ・セクハラ。おかしいと声を上げても無視されたり報復されたりするダークな空気漂う職場。

     それでも声を上げようと決めて臨んだ転職先の小さな製菓会社を舞台に、孤軍奮闘する1人の女性を描くヒューマンドラマ。
              ◇
     小松茉子は、目の前に座る男を見た。
     男は名を吉成伸吾といい、茉子のはとこに当たる。現在27歳の茉子より5つか6つ年上だが、幼い頃からよく知る相手だけに、今日から「社長」と呼ぶことに違和感がある。

     ついそんなことを考えつつぼんやりしていると、「話聞いてる?」と伸吾か

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    2026年03月08日
  • やわらかい砂のうえ

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    寺地さん作品ですー
    定期的に読み進めてます!


    税理士事務所で働く万智子が
    ウェディングドレスのサロンの手伝いもすることになり、
    そこでの出会いで少しずつ成長していく話


    この主人公の万智子、
    なかなか面倒くさい人物で、、、
    どことなく自分に似ているところがありまして。笑


    会話の瞬発力が圧倒的にないところ、
    あとから脳内反省会してわーってなるところなど、ちょっと私?ってなりました。


    前はポンポン、なんなら何も考えずに話してたのに
    大人になって友達と会う機会が減ってきたからか
    会話の瞬発力の低下がすごくて、、
    後からああ言えばよかったのか、とかよく考えるんですよね。。


    でもこ

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    2024年04月19日
  • みちづれはいても、ひとり

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    島に着いてから急激にサスペンスめいてきたからドキドキしていたけど、ちゃんと救いのあるラストでよかった。
    みんな結局は1人きりだということが救いとして描かれていることに、本当に慰められる。
    特に人間関係に疲弊してる時とか、自己犠牲に酔ってる時とかに。今だ。

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    2024年04月17日
  • 月のぶどう

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    ネタバレ

    寺地はるなさんらしい、一人ひとりの人生が伝わってくる内容だった

    ・光実の由来が素敵
    ・おじいちゃんもちゃんと光実のことを認めてた
    ・母に憧れながらも、自分らしく

    最後歩が受け取った手紙の内容が気になるけど、きっと生き生きと仕事をしてる歓びを綴ったものではないのかな

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    2024年03月30日
  • やわらかい砂のうえ

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    序盤で、一歩踏み出せない万智子を見ていると歯痒くてしょうがなかった。そんな万智子に対し、どストレートに言えるあつまりの女性たちがカッコいい。
    終盤になるにつれ万智子が変わっていったのは、見ていて嬉しい気持ちになった。

    本多先生の言葉にグッときた。
    「役に立つとか、立たないとか、人間は道具ではありませんからね」
    役立てるよう頑張ります!とか言うけど、こんな優しい心の角度があるんだな、と新しい角度を知れた。

    「孫もいる爺さんが何を言うかと笑うかもしれまんが、もう誰の子どもでもなくなってしまったのだと思うと、心もとないですね」
    どんな大人も高齢の方も、みんなみんな親がいて、誰かの子どもなんだよな

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    2024年03月28日
  • 彼女が天使でなくなる日

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    ネタバレ

    連作短編集のタイトルでもある「彼女が天使でなくなる日」。
    彼女というのが宿泊客だったのが違和感だったけど、ラストで「神は絶対であり、その神に仕える天使は善であり、対抗しうる力を持つものは悪とされる」ということを踏まえて「天使になどならせてはいけない。誰ひとり」になるんだな。すごい仕掛けだ。
    理津子が民宿えとうみたいな場所を作る話も読みたいな。

    途中で出てきた蜂蜜は「今日のハチミツ、あしたの私」の蜂蜜かな?他は気付けなかったけど、こんな仕掛けがあるなら理津子さんの話もある気がしてしまう。

    「倦怠期真っ最中の恋人に抱かれながら昔の恋人を想う女のように、からあげを咀嚼しながら寿司と刺身のことを考

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    2024年02月25日
  • ビオレタ

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    ネタバレ

    『いつも心に棺桶を』が社訓のビオレタ。
    店主の菫さんの名前をイタリア語にして、
    ビオレタ。

    なかったことにはしたくないけれど、ひっそりと埋葬したいなにかを、手作りの棺桶に入れようとする人たち。そうやって心にけじめをつけて、また新たな一歩を踏み出す人たち。
    ビオレタのようなお店がある、という存在だけでも心の支えになりそうな気がした。

    「誰かの庭になる」という発想は面白いと思った。私は誰かの庭になれているだろうか。誰にでも開かれた、陽の光が燦々と差し込み、植物が生き生きと育まれている、風通しの良い庭。わたしも誰かのそんな庭になりたい。

    少しファンタジーも入るのかな。紆余曲折ありながら年上の彼

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    2024年02月22日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    6人の作家からなる冠婚葬祭の短編集です。
    他の作品も読んだことがある作家さんの短編は流石だなと。
    普段短編集、それも作家さんが違うと話についていくのに少し戸惑いますがすぐにその世界に入る事が出来ます。
    そしてやっぱりその先も読んでみたくなります。
    人の弱さ、憎しみ、罪悪感、どうしようもないものを描くのが上手く伝わってきます。
    短編集なので時間をかけてゆっくりと読み終えられました。

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    2024年02月20日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    閉鎖が決まっている商店街のキャラクターの着ぐるみを中心にそれぞれの暮らしが綴られたヒューマンドラマ

    楽器店に勤める旦那さんの話が良かった
    その頑張りはどこかで誰かが見てくれてるのかもしれない

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    2024年02月11日
  • 彼女が天使でなくなる日

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    ネタバレ

    寺地はるなさん3作目。
    その中で1番良かった。 

    ずけずけ常識や普通に異を唱える千尋の心に刺さる言葉や、見事だなと思う表現がいくつもあった。
    特に心に残ったのは
    「多くの人は友達を良いものだと思い過ぎなんじゃないでしょうか。そうでもないことをあなたが身をもって証明してくれています。」
    私も破綻したけど、ずっと引っかかる友達関係があって、麻奈のようにその子を親友と思い続けてきた長い期間が過去にあったからすごくモヤモヤしていたが、それを客観的な視点で見れてなんだか少しスッキリした。
    もう一つは、
    「願うだけなら誰でもできる。願いは全ての種子だ。種子がなければそこから芽を伸ばし、葉を広げることもで

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    2024年02月13日
  • ほたるいしマジカルランド

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    家を出て道路の向こうを眺めれば、少し先の丘の上には大きな観覧車(スカイウォーカー)が見える。丘の手前には2種類のコースター(レッドファルコン/エルフ)の雄大なコースに、風向きによっては乗っている人の絶叫が聞こえるドロップタワー(メテオ)の姿も。
    そこは「ひらかたパーク」(通称:ひらパー)。一度も取り壊されずに現存するものでは日本最古の遊園地(by Wikipedia)。

    そんなひらパーをモデルにした遊園地が舞台のこの本、そこに働く人たちの日々の屈託が描かれる。
    ありがちなところから少しずらした登場人物の造形で、美点も欠点もそれぞれに描き分けられているところが良い。
    好きな職場でなくても好きな

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    2026年01月12日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    ネタバレ

    飛鳥井千砂さんの作品が読める!ということでご本を見つけて即買いしました。
    飛鳥井千砂さんのお話もちろんサイコーだった!そしてほかの作家さんのお話も面白かった。

    飛鳥井千砂さんの書く主人公の女性がとっても好きで、今回のもうすぐ十八歳も夢中になりながら読んだ。
    後半の展開に、主人公の気持ちになってえ!?え!?となった。主人公に起こったことを知っているから、締め方に納得した。ぜひ読んでほしい!

    お話が進むにつれてページを捲る手が止まらなくなったのは雪舟えまさんの二人という旅。
    最初は設定の読み込みに苦戦したんだけれど、読み込めた後には、どうなるんだろう??どこにお話しが着くのだろう??と興味津々

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    2024年01月26日
  • 私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー

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    ネタバレ

    飛鳥井千砂さんのもうすぐ十八歳【冠】
    18歳で子供を持つという事

    寺地はるなさんのありふれた特別【冠】
    幼馴染のこどもと自らの成人式。予想外。

    雪舟えまさんの二人という旅【婚】
    宇宙ものはそもそも苦手なので、読み始めは理解できなかったが、途中から、どうなるのかなに変わった。読まず嫌いはいけない。
    二人とはシガとナガノの『旅』についてだと思っていたが、シガの発した一言で『二人』が別のものだと気付いた。
    「結婚生活も、人生そのものもー向き合うべきものを直視せずに時間だけ過ぎていくんじゃ、本質的には何も始まらないまま終わるってことさえ、あるのかもしれないね」

    嶋津輝さんの漂泊の道【葬】
    希和子

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    2024年01月25日
  • 夜が暗いとはかぎらない

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    ちょっとずつ繋がってる連作短編集。
    どの話もそれぞれ良かった。登場人物が多いからじっくり考えながら読んだ方がより楽しめそう。
    「グラニュー糖はきらきらひかる」が一番好き。

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    2024年01月21日
  • 彼女が天使でなくなる日

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    忙しさを理由に伝えないことか積み重ならないように。
    相手の感情は相手のもの、私の感情は私のもの。
    それぞれの感情をどのように受け止めるのかはそれぞれのもの。
    それぞれに伝えるしかない。

    辛い時、心を遠くに飛ばす…など、傷つかないように蓋をしている感情やもやもやして表せなかったことを言葉にして寄り添ってもらえてる感覚にしてくれる作家さん。

    下記は心に響いた箇所。

    『自分の都合の良い素敵な人生の物語の展開を夢見るのは自由だけど、感情も事情もある他人に都合の良い役柄を押しつける人は、僕は大嫌いだな』

    『多くの人は「友達」を良いものだと思いすぎなんじゃないでしょうか』

    『励ましのつもりでそう

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    2023年12月29日
  • ほたるいしマジカルランド

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    ネタバレ

    ほっこりしながら読んでたらラストで日曜日のみんなの姿にグッときてしまった。
    社長のクセが強くて愛に溢れた人なのに一部の従業員にしかそれが伝わってないものの、その愛が自然と周りに広がっているのが素敵な職場につながってて良い。

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    2026年04月10日
  • 月のぶどう

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    偉大な存在だった母が亡くなった。
    母の跡を継ぐよくできる姉、そして姉よりできないという思いがありつつ、戻ってきてワイン作りを手伝う弟。2人のそれぞれのありそうな生きづらさや、その中で重ねていく日々に思いを重ねながら読んだ。

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    2023年12月18日