寺地はるなのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
急死した母の後を継いで、ワインづくりに奮闘する双子の姉弟の成長と自立を描くお仕事ヒューマンドラマ。
* * * * *
大阪南部の山間にあるワイナリー。そこで醸造家を目指して修業中の姉弟には、双子ならではの苦悩があります。
何かと比較されることの多いのがきょうだいというもの。ましてやそれが双子ならなおさらでしょう。出来の良し悪しに関わらず、周りの評価が本人たちの縛りとなるのはよくあることです。
その葛藤と呪縛からの脱却を、寺地さんらしい丁寧なタッチで描かれていました。
何でもソツなくこなす姉の弱さ。
逃げ癖のある弟の強さ。
表裏一体の双子の自覚と覚悟。クライ -
Posted by ブクログ
スカイツリーを見上げる下町の片隅にある商店街の物語、第4弾。
戦後の焼跡に24軒集まって始まった商店街ということだったけれど、今では80軒近くの店があるという。
毎回、冒頭に地図が載っているけれど、その本に載っている短編のタイトルのお店だけなので、これは・・・あの物語のお店の場所なのだが・・・と迷ってしまう。
今回の桜さんのように、お店を出て歩きながら紹介してくれると、ふむふむ、川平金物店は、水沢文具店の向かって左隣なのだな?とわかって嬉しい。
今までに登場した、全部のお店が載った大きな地図が見たいなあ〜
老朽化した二階建てで、一階がお店で二階が住居という作りが多い。
看板も古い言葉で、若い -
Posted by ブクログ
真面目だけれど不器用な女性、万智子の精神的な成長と自立を描くヒューマンドラマ。
* * * * *
主人公の万智子は、物事について感じたことをじっくり考えてからしか言葉にできないという、内省的なところのある女性です。
また、女性であることを前面に出す生き方に否定的な点で『水を縫う』の水青にも通ずるところのある女性でもあります。
そして、自分というものに誠実に向き合って生きてきただけにこだわりが強く、いわゆる「面倒くさい」ところもあります。
そんな万智子が、3人の高齢女性と出会うことによって少しずつ柔軟性を身につけ、自身のスタンスを確立していく過程が描かれます。
-
Posted by ブクログ
題名イイですね。 爽やかな勇気をもらえます。
それは、読後によく分かります。
夫と別居中の弓子とアパートの隣人・楓の「宏基(夫)をとっちめるツアー(仮)」という名の二人旅。
笑いもあり、考えさせられるディープな部分もあり、素敵な物語でした。
『夫婦だって、友だちだって、一緒にいるだけで「ふたり」という新たななにかになるわけではなくて、ただのひとりとひとりなのだ。』
『普通の幸せな人生。そんなもの、どこにもない。手にしているように見える人でさえ、きっと違うのだ。内情はさまざまなのだ。』
「普通」というフレーズもよく登場しました。考えさせられますね。
弓子が夫・宏基(頼りなくてずるい男、私 -
-
Posted by ブクログ
ワインてこうやって作るんですね!奥が深い…
自分を嫌ってる人にそんなに好かれたいのか?ここ個人的に刺さりましたね。よく考えれば現実でもそんなことはあって、何でわざわざ好かれようとしてんだろって目が覚めた感じがしました(⌒‐⌒) 自分を嫌いな人は何したって嫌いなんです。そんな人にわざわざ好かれようとしなくていいんだなと。
あと、日野さんいい味だしてますね(^^)/日野さんが上手い具合に物語を支えてるような気もします。
最後のお祖父さんからの手紙で涙ぐみました。
まさに結婚ってそうですよね。お祖父さん好きです。笑 歩も三実もこの一冊ですごく成長したと思います(⌒‐⌒) 頑張りすぎる人に読んでほしい -
-
-
-