寺地はるなのレビュー一覧

  • どうしてわたしはあの子じゃないの

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    九州の田舎村をいつか出ていくことを夢見る天。
    天に特別な感情を抱いている藤生。
    そんな藤生に恋心を抱く東京生まれのミナ。

    閉鎖的な村で思春期を過ごした3人が、30歳になりふたたび再会する。あのとき、30歳になったそれぞれに宛てて書いた手紙を開封するために。

    「どうしてわたしはあの子じゃないの」というタイトルの通り、何者かになりたくてなれなくて、身近な人たちを羨む中学生たち。
    でも結局自分は自分にしかなれなくて、ほかの誰も自分にはなれない。
    ずるくても悪くても、そうやって生きていくしかない。

    〝神さまはちゃんと見とらすよ。俺たちがすることを、ぜんぶ。でもただ見とらすだけ〟
    〝というわけで、

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    2025年10月19日
  • カレーの時間

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    カレーライフ竹内真以来のお題で食いつく文庫本。カレーがめちゃくちゃ食べたいとならないか〜孫の日常とおじいちゃんの回想と、最後どうなるかと思ったらおじいちゃんが弱って行く 根がとてもいい人で娘と孫思い、と全然無鉄砲とちゃう。孫とおじいちゃんと同居して何かが生まれた筈だけど自分は辿り着けず寺地はるなさんの伝えたいことが見つけられないよう。情け無いってこと

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    2025年10月18日
  • いつか月夜

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    納得できないなら誰かの親切をありがたく受け取る必要はない、違和感を感じているなら距離をとってもいい、皆に合わせようとして無理する自分を嫌いになることなんてない。時には誰かの手を借りつつ、誰より一番近くにいる自分の声を聞いてあげようと思います。

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    2025年10月18日
  • カレーの時間

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    いわゆるジャケ買いした1冊。
    完全にだまされた。題名と表紙の柔らかさに勝手にほのぼのとした物語だと思い込んだ。
    でもこんな騙されかたなら、また騙されたいかもと思える位、テンポも中身も心地よい1冊だった。

    三姉妹の母を持つ「桐矢」はいとこも女性だらけという完全な女系家族に生まれる。

    男だからと古い固定観念を持つ祖父「義景」は
    みんなから嫌われていた。
    桐矢自身も、がさつで何にでもすぐに悪口を言う祖父が苦手だった。

    祖父も高齢となり、1人で暮らし続けていくことを心配する娘たちに祖父「義景」はこう言い放つ。
    「桐矢とだったら暮らしてもいい」

    そんなこんなで始まった、祖父と孫の同居生活。

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    2025年10月18日
  • いつか月夜

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    人は誰もが不安(モヤヤン)を持っている。
    それに流されたり、流されてそれに合わせることが居場所に思えたり、気づかないフリをしたり、人に押し付けたり、人のそれに土足で踏み込んだり‥

    それを振り払う手はあるし、差し伸べてくれる手もあるけど、最後に踏み出すのは自分。踏み出せば変わっていく。そして差し伸べるよりも、側にいて存在や生き方を認めることこそが、周りの人の役目かもしれない‥

    ほんわり暖かい登場人物の、ほんわかな話だけど、ゆるく優しい中に、ものすごく強い芯が胸に残る話でした。

    「いつも月夜に米の飯」深いなぁ。

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    2025年10月13日
  • 雫

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    過去を遡っていく物語が珍しく、あっという間に読んでしまった。水が浸透するかのように、言葉がするする入ってきて、とても読みやすい物語のように思う。
    その人の苦しみや痛みに対して、近くにいても自分の考えを押し付けたり、定義づけてしまわない登場人物の優しさを感じた。だからこそ、読んでいて苦しく感じないのだと思う。その時何があったのかは断片的にしか語られないけれど、他者から見た、その人の人生とはそういうものだろう。その時関わって、また離れて、機会があればまた関わる。そんなことを思った。

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    2025年10月12日
  • こまどりたちが歌うなら

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    ネタバレ

    主人公が転職した先の小さな会社は、問題だらけ。読んでいて思わずイライラし、モヤモヤ。サービス残業やパワハラなど、今どき信じられないような職場環境に驚いた。
    でも、和菓子のシーンはどれも美味しそうで、そこだけは癒やされた。

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    2025年10月08日
  • ガラスの海を渡る舟

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    祖父のガラス工房を継いだ羽衣子と道の兄弟。適応障害気味の道の真っ直ぐな言葉がいちいち刺さる。物語が進むにつれ面白い。

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    2025年10月05日
  • こまどりたちが歌うなら

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    親戚が経営する和菓子屋さんに再就職した主人公。会社にはその規模に関わらず、いろんな人がいて当然いろんな人間模様がある。取り扱う商品が和菓子なんて夢を感じなくもないが、登場人物がそれぞれよく描かれている。そう、どこで働いても大変なのだ、身内が経営者だったとしても。いや、だからこそなのか。

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    2025年09月30日
  • こまどりたちが歌うなら

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    前職場で 上司からパワハラをうける後輩のことを“見て見ぬふりをした”という負い目をもつ茉子は親戚の伸吾が社長を務める小さな製菓会社『吉成製菓』に転職する。 もう二度と同じ失敗はしない、という決意だったのだが
    この会社ではそれは難しいという結論が出た。

    人それぞれ 育ってきた環境も 性格も能力も 背負っているものも 当然ちがう。 そんなものが集まってできている会社という組織に問題がまったくおきないわけがない。

    「職場ではできる人が、力のある人が、ルールになる」などということを社長自ら言っているような会社は話にならない。
    この先 バイトの千葉のような女性がどんどん出世していけるような『吉成製菓

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    2025年09月30日
  • ビオレタ

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    婚約破棄された主人公が拾われた雑貨店で心のわだかまりと向き合っていく話、なのかな。

    寺地はるな節とでもいうか、妙に皮肉っぽくユーモラスな言い回しが散りばめらるていて微笑ましい。
    一方、主人公をはじめ登場人物たちがややエキセントリックすぎるというか、あまりにも普通のやりとりがなさすぎて、全員変じゃね?という違和感がついて回りました。絵空事だからそれでいいのですが、絵空事なんだよな、現実にこんな会話繰り広げるとかありえないもんなと思いながら読んでもあんまり楽しめないとこかあり。

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    2025年09月27日
  • タイムマシンに乗れないぼくたち

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    この作家さんの本は文章は面白い。時々いいこと書いてある。
    でも、おばちゃんの世間話みたいだったり、児童文学みたいになったりする変な作品が多い。

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    2025年09月25日
  • やわらかい砂のうえ

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    相手の気持ちを考えるって小学校の時に道徳の授業で教えられたけど、人生経験が豊かになっていくとその分深みや思いの表現の仕方が何通りにもなっていって相手の気持ちを読み解くのが難しい。そこに自分の固定概念も相まってわけがわかんなくなっていく。そんな自分のグルグルする思考に重なる物語で考えさせられた。

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    2025年09月23日
  • 声の在りか

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    ママ友特有のじとりした感じが現実でもよくある。子どもが人質にとられてるような感覚には特に共感した。
    解説も含めて読めて良かった。励みになる。
    私も自分の言葉を使えるようになりたい。

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    2025年09月21日
  • カレーの時間

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    老若男女、それぞれの価値観があるし、口下手なら尚更伝わらないし…。大事なのは“橋“、いや“カレー“か。

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    2025年09月21日
  • ガラスの海を渡る舟

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    大阪の心斎橋からほど近いエリアにある空堀商店街にソノガラス工房があり、祖父が亡くなった後にそこを継いだ兄妹二人(兄:里中道、妹:里中羽衣子)がいた。道は幼い頃から落ち着きがなく、コミュニケーションが苦手で、協調や共感したりすることができない。羽衣子は、道とは対照的に、コミュニケーションが得意で何事もそつなくこなせるが、突出した「何か」がなく、自分の個性を見つけられずにいる。正反対の性格である二人は互いに苦手意識を抱いていて、祖父の遺言で共に工房を引き継ぐことになってからも、衝突が絶えなかった。両親は道が13歳、羽衣子が8歳の時に別居し、後に父親は再婚する。母親はレシピ本をだす料理

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    2025年09月21日
  • 雫

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    ゆるく繋がりながら、時には形を変えつつ続く関係を永遠というのも一説。
    恋愛からむと別れが来るのに、友情だと続くのは何故だろう。最近の本の風潮として、ロマンティックラブイデオロギーからの脱却が多いことに肩の荷が降りる。みんなと同じで普通がいいのは疲れる。

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    2025年09月20日
  • カレーの時間

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    激動の昭和時代を生き抜いた不器用で頑固な祖父と平和主義で穏やかな令和男子の孫息子の同居生活の物語。

    他人の価値観や人生をいかに自分のそれと同じように尊重できるか。祖父の想いを知ったとき、きっと涙する―。

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    2025年09月16日
  • 雫

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    永遠て。。
    遡る時。読んでいて中盤以降、自分のなかで訳分からなくなるのがもどかしかったことは否めない。情けないのは読み手の私。
    改めて、こう言う物語の進行って、新鮮だなと、思った。
    でも、最後一気に未来に戻ったなら、やっぱり4人が今はばらばらでも、同じ雨を感じて欲しかった。
    いや、1人だから成立するんだと言うのはわかっているのだけど。

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    2025年09月13日
  • 雫

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    逆順構成の効果があったのかもしれないが私にはわからなかった。通常の時系列のほう方が登場人物それぞれの事情や成長が理解できたり応援できたのではないかと思ってしまった。

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    2025年09月12日