ユヴァル・ノア・ハラリのレビュー一覧
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イスラエルの歴史学者による、人類の歴史の振り返りから未来の可能性の示唆した本。人類は飢饉、疫病、戦争等の大きな問題を克服しつつあり(2018出版のため、現状は少し逸れている感もあるが)、これからは不死、至福、神性の追求にシフトしていく。農業革命、産業革命前後での人間の価値観の変化や、科学と宗教との関連性を解釈し、人間至上主義がどのように生まれ変容してきたかを説明している。人間至上主義から今後のデータ至上主義への変遷については下巻。もちろんあくまで著者視点・著者の解釈によるストーリーではあるが、史実の勉強になったり、自身の日常からはやや距離があるため理解できなかった宗教観 (一個人の中での科学と
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サピエンスが世界を支配しているのは彼らだけが共同主観的な意味のウェブ
彼らに共通の想像の中にしか存在しない「想像上の秩序」を織りなすことができるから。
人間の幸福は客観的な境遇よりもむしろ期待にかかっている。
現実が自分の期待に沿うものであるときに満足する。
過去数十年間に人間が経験したような境遇の劇的な向上は、満足感ではなく期待の増大につながる。
人間には不滅の魂があるが、動物はただの儚い肉体に過ぎないという信念が、私たちの法律制度や政治制度や経済制度の大黒柱である。
この信念のために、人間が食物のために動物を殺したりしても差し支えない。
宗教とは社会秩序を維持して大規模な協力体制 -
3.4 (5)
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ネタバレ『サピエンス全史』の焼き直しではあるが、漫画本『サピエンス全史』よりは、ちゃんと対象を想定して分かりやすくまとめられている気はする(漫画本のほうは、「人類誕生編」で頓挫したかと思ったが続編がまだ1冊あるようだ。内容が難しいまま漫画で説明しようとすると、だんだん内容と漫画テイストが乖離していくように思うが・・・)。
原本で使用していた「認知革命」という言葉は使わず、ホモ・サピエンスのなにがスーパー・パワーだったのかを説明し、それを用いることで地球上の覇者となりえたという経緯を辿る。そして、そのパワーゆえに、責任ある行動を - 特に地球環境に対し - 小中学生に分かりやすく説いたものだ。
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クリーン・ミート全押しすぎて、途中からだんだん懐疑的になって読み飛ばす。
日本人には魚肉の培養肉版があれば非常に助かると思う。寿司ネタとか需要は急務だろう。そして養殖産業に農耕民族は非常に向いていると思う。生簀養殖してきた海産物や、海苔などの海藻に準ずる循環型漁業は成立しないのか?もう誰か考えているのか?日本型クリーンミートに期待したい。大豆製品とともに。
途中インド人医師の幼少期の体験談を読んで、宗教的禁忌が食糧危機を回避する可能性について考えてみた。仏教が殺生を禁止して四つ足を食べないとか、かつてはそのような宗教的教義が食糧生産や生態系の維持に関係していたのではないかと。食べ物と宗教云々 -
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p75 〜私たちがどれほど努力したとしても、人類のかなりの割合が雇用市場から排除されるのなら、ポスト・ワーク社会やポスト・ワーク経済やポスト・ワーク政治のための新しいモデルを探求せざるをえないだろう。
p78 「仕事」と見なされる人間の活動の幅を拡げる〜。私たちは発想を変え、子供の養育はこの世でおそらく最も重要で大変な仕事であることに気づく必要があるのかもしれない。〜これらの仕事を誰が評価し、お金を払うか〜。けっきょくそれは最低所得保障と大差はなくなる。
p85 人間の幸せは客観的な境遇よりも期待にかかっている。ところが、期待は境遇に適応しがちで〜。
最低所得保障が本当に目標を達成するためには -
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大野和基 / ジャレド・ダイアモンド / ユヴァル・ノア・ハラリ / リンダ・グラットン / ニック・ボストロム / ダニエル・コーエン / ウィリアム・J・ペリー / ジョーン・C・ウィリアムズ / ネル・アーヴィン・ペインター3.9 (30)
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2020年夏に刊行された本。コロナ後の社会の変化について。 人間、生命、歴史、国家、くらしと文化をテーマに21人の知性が語る。
インタビューと寄稿された文で構成されている。コロナが蔓延し拡大していた頃の見解なので、現在の視点で読むとやや違和感がある意見もあるけれど、総じてコロナをきっかけに、今後社会が大きく変化すること、先が見通せない不安がつきまとうことで一致している。コロナ発生から1年が経って、ワクチン接種が進んでいるが、なかなか終息しないのが心配。 経済活動は悪化しているが、でもマクロレベルでの指標と実態の乖離は、それほど危機的ではないように思う。 影響が出てくるとすれば社会構造の変化、人