ユヴァル・ノア・ハラリのレビュー一覧
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ネタバレクリーンミートは代替肉ではなく、本物の肉である。現代のバイオテクノロジーを使って細胞を培養し、動物を殺すことなく、必要な本物の肉を生産していく。そのスタートアップ企業で夢と理想を追う人々を追う。
クリーンミートがこの地球に及ぼす影響は甚大である。それは道徳から環境問題、公衆衛生まで「正」の革命を引き起こす。工業的畜産によって生産=殺される動物がなくなる。現在の畜産による温室効果ガスの放出は車、バス、電車、飛行機、船・・・など運輸部門全部合わせたものより多いが、それが大きく削減される。畜産物の糞便による食中毒がなくなるばかりでなく、家畜- ヒトへの新たの感染症が発生するリスクが極小化される。
2013年にはクリーンミートハンバーグはすでに作られ、すでに人の口に入っている。そして今、「細胞農業」によって様々な畜産品が生産可能になってきており、一部ではスーパーにも供給され始めているという。
あと10年もすれば、世界は変わっているかもしれない。ワクワクする本。 -
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<目次>
プロローグ
1ジャレド・ダイアモンド(銃・病原菌・鉄)
資源を巡り、文明の崩壊が起きる
2ユヴァル・ノア・ハリ(サピエンス全史)
近い将来、役立たず階級が大量発生する
3リンダ・グラットン(ライフシフト)
人生100年時代、生き方は3つのステージからマルチステージへ
4ニック・ボストロム(スーパーインテリジェンス、AI学者)
AI万能時代が訪れ、働き方は根本的に変革する
5ダニエル・コーエン(フランスの経済学者)
テクノロジーは中流階級を豊かにしない
6ウイリアム・J・ペリー(クリントン時代国防長官)
北朝鮮は核開発をあきらめない
7ジョーン・C・ウリアムス(労働問題)
民主主義を揺るがすホワイトワーキングクラスという人々
8ネル・アービン・ペインター(労働問題)
アメリカは分極化の波にさらされている
エピローグ
「VOICE]などに掲載されたインタビューのまとめ本。
おなじような本の「世界の未来」より、圧倒的にいい。
各人の著名な著書を読まなくても、その内容くらいは
分かるのか?というげすな考えはだめでした。
語っていることが、本当に起る未来、とは思わないが、
近いことではあろうと思う。 -
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最初の2人、ジャレド・ダイアモンド氏とユヴァル・ノア・ハラリ氏のインタビューが最も印象的だった。特にハラリ氏の論は、ほぼ同年代の自分にとって斬新な切り口ながらながら納得できる内容と感じられた。
・われわれはこの世にリアルに起きていることと、想像の中で作り出したストーリーを区別する能力を失いつつあります。
・われわれはパワーを獲得することには長けていますが、パワーを幸福に転換する方法はわかっていません。
・今は、三十年後の社会がまるっきりわからないのです。
・歴史から学べることは、油断してはならない、ということ。愚かさへの油断を防ぎつつ、叡智を信じる態度が戻られる。
・人生を生き抜く上では、絶えず新しいテクノロジーを学び続け、新しい経済状況・社会状況に対応しなければならない時代に入っています。しかしこれは、非常に難しい。なぜなら、人は本質的に変化を好まないからです。
・今日われわれが直面している重要な問題を扱うには、学問横断的なアプローチが不可欠となっているのです。
全体として、インタビュー形式で論者からうまく言葉を引き出していると感心させられた。それぞれの著書を読む上でも要約として、言換えの表現として、あるいは背景を知ることで理解が深まる。
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人工知能と格差を主題にインタビューしたもの。ダイアモンド、ハラリ、コーエンがよかった。
民主主義は、人類が直面している難題を処理する能力を失いつつある。テクノロジーの進展によって経済や社会が変化するスピードが加速しているため、有権者も政治家も、世界で何が起きているのか、将来どうなるのかを理解することができなくなっているため(ハラリ)。
テクノロジーが多くの格差をもたらし、多くの人が取り残された。テクノロジーの直接の恩恵を受けている人の生産性は向上したが、その範囲は限られている(ダニエル・コーエン)。
ベーシックインカムは、何が不可欠でいくら必要なのかを決めるのが難しく、コンセンサスを得ることができない。また、すべての国は貿易でつながっており、発展途上国は単純労働に依存しているが、他国の労働者に払うべきかという問題もある(ハラリ)。 -
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この本は2018年に出版されており、ここで読むとされた近未来に到達している。
で、世界はどうなるとみられていたのか。
資源を巡り、文明の崩壊が起きる。
近い将来、役立たず階級が大量発生する。
AI万能時代が訪れ、働き方は根本的に変革する。
テクノロジーは中流階級を豊かにしない。
北朝鮮は核開発をあきらめない。
社会的階級が民主主義を変える。
アメリカは分極化の波にさらされる。
知の巨人たちにはこの程度のことはお見通しだったか。インタビュー本なので難しい論理的説明や豊富な情報に基づく分析、深い洞察といった話はない。軽い口調で話されている感じで読みやすいが、とても恐ろしいことの数々をこともなげに述べられている。
サブタイトルは、AIと格差は世界を滅ぼすか。トップが総取りする構図がどんどん進む世の中において、平民の我々はなすすべもないのか。 -
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ネタバレ上巻は世界史寄りの話だったが、下巻の、特に後半は、現代やこれからの未来に対しての問題提起。
フランケンシュタインを例に、当然ながら人間は決して自らの上位互換の存在を認めないこと、もし現れたらどうなるか、という考え方が平和ボケした自分には印象的だった。
子供の養育にまつわる労働を例に取ろう。カーネマンの研究から、喜びを感じるときと単調な苦役だと感じるときを数え上げてみると、子育ては相当に不快な仕事であることが判明した。労働の大半は、おむつを替えたり、食器を洗ったり、癇癪を宥めたりすることが占めており、そのようなことを好んでやる人などいない。だが大多数の親は、子供こそ自分の幸福の一番の源泉であると断言する。これはつまり、人間には自分にとって何が良いのかがよくわかっていないことを意味するのだろうか?
そういう見方もできるだろう。だがこの発見は、幸福とは不快な時間を使い時間が上回ることではないのを立証しているとも考えられる。幸せかどうかはむしろ、ある人の人生全体が有意義で価値あるものと見なせるかどうかにかかっているというのだ。
幸福には、重要な認知的・倫理的側面がある。p307
スプートニクとアポロー一号が世界中の想像力を掻き立てたときには、世紀末までには火星や冥王星の宇宙植民地に人々が暮らしているだろうと、誰もが予想し始めた。こうした予測のうち、実現したものはほとんどない。その一方、インターネット時代の到来を予見した人は誰もいなかった。p346
もし本当にサピエンスの歴史に幕が下りようとしているのだとしたら、その終末期の一世代に属する私たちは、最後にもう一つだけ疑問に答えるために時間を割くべきだろう。その疑問とは、私たちは何になりたいのか、だ。「人間強化問題」p347 -
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世界中全てに分布する、僕たちホモ・サピエンスの全史。
一言で言うと面白い。
取るに足らない、特別でもない、そんなご先祖さまがいかにして生物の頂点とも言える今に至ったかの話。
もう関心しきりだった、自分が知らなすぎた部分が多いだけかもしれないが...知恵がまわるし、数多いし、残虐だし、人類は地球の特異点。それらの理由についても語ってあり納得。これは著者の論考?
前半部分はスルスル読めたけど、後半は睡眠導入剤みたいになった。取りこぼしがないように、著者が色んな例を用いて、細かく説明してくれたからだと思う。
よく言えば読者を置いていかない本かな。
下巻も読む。そのうち。 -
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情報は武器ではなく、人々を繋ぐネットワークの構築手段です。しかし、秩序維持や権力を優先すると、官僚制や宗教組織のように「誤りを認めない不謬性」が生まれ、現実との乖離が始まります。以前は情報を単なるツールと捉えていましたが、印刷機が魔女狩りを広めた歴史や、AIが分断を招く現状を知り、技術をどう制御するかの重要性を痛感しました。
大切なのは、人間もAIも完璧ではないと認め、誤りを正し続ける「自己修正メカニズム」を機能させることです。組織のKPIや目先の秩序に固執しすぎると、本来の目的を見失いかねません。常に現場の声に耳を傾け、自発的な違和感を拾い上げる。既存のルールを疑い、柔軟に軌道修正を図る姿勢こそが、複雑な時代を生き抜く知恵となります。 -
Posted by ブクログ
上巻では、「人類がいかにして地球の覇者になったか」をテーマにサピエンスの歴史に迫っている。
下巻では、「ヨーロッパ人(白人・アリーア人)がいかにして世界を征服するに至ったか」をテーマにしている。
前提として、歴史というのは決定論では説明できないし、混沌としているから予想できるものではない。
歴史はいわゆる二次カオスである。一次カオスは、たとえば天気である。天気は無数の要因に左右はされるものの、その構造は複雑ではなく予想することは可能。
それに対して二次のカオスとは、複雑であり過ぎるため予想することは決してできない(バタフライ効果ともいう)。歴史に加え株式市場も二次カオスである。
それでは、私たちはなぜ歴史を学び研究するのか。
歴史を知ることは正確な未来を予想をするための手段ではない。歴史を研究するのは、未来を知るためではなく、視野を広げ、現在の私たちの状況は自然でも必然なものでもなく、私たちの前には想像しているよりずっと多くの可能性があることを理解するためである。
歴史の中で輝かしい成功を収めた文明がどれも人類にとって最善のものだったと考える根拠はない。進化と同じく歴史は個々の生き物の幸福度には無関係である。
本書のテーマである「ヨーロッパ人(白人・アリーア人)はいかにして世界を征服するに至ったか」についての答えは、西洋では何世紀もかけて近代科学と近代資本主義に合致する価値観で考えたり行動していたため、社会構造、司法制度がそれに適合する仕組みになっていた。
そのため、科学やテクノロジーが大きく飛躍したとき、ヨーロッパ人は、いち早くそれを活用することができたのである。
具体的には、ヨーロッパ以外の地域では、まだ君主制が主だったころ、ヨーロッパではコロンブスをはじめとする大航海時代の始まり、それによりオランダで株式会社制度が始まるなど、近代科学と近代資本主義に合致する土台が着々と築かれていった。
そして、1776年イギリスでアダム・スミスによる『国富論』が発表された。
自分の利益を増やしたいと願う人間の利己的な衝動が全体の豊かさの基本になるという主張は、人類史上画期的な発想である。経済的な視点よりも道徳と政治的に見て従来の思想を根本的に覆すものであった。
なぜなら、富と道徳は矛盾するというのが従来の価値観であったからだ。人類史上初めて金持ちに対して天国の門を開いたのが本書であった。
スミスの描いた物語の中では、人は隣人の財産を奪い取るのではなくパイ全体を大きくすることによって豊かになる。パイが大きくなれば誰もがその恩恵を享受できる。したがって社会の中で最も慈悲深い人間は金持ちだということになる。
本書の最後に著者は、ホモ・サピエンスは新たな生き物に生まれ変わろうとしていると予言する。
それは、ネアンデルタール人がホモ・サピエンスに進化し、やがてネアンデルタール人が絶滅したような変化が起こると予想するから驚愕する。
では、ホモ・サピエンスはどんな生き物に進化するのかというと、テクノロジーとの融合によりアンドロイドに近いものになるのではないかと予想する。
もはや現段階で私たちはスマホとほぼ融合しているような切っても切れない存在に誰もが成り果てている。
医療の発達により病気の根絶、不老不死、永遠の若さなど、人類の長年の夢が叶うのはもうすぐそこまできている。しかし、これらが技術的に可能になったとしたら、それはもはや人類ホモ・サピエンスといえないのではないか、というのが著者の主張である。