ユヴァル・ノア・ハラリのレビュー一覧
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ネタバレジャレッド・ダイヤモンド、ユヴァル・ノア・ハラリ、リンダ・グラッドストンなど2010年代20年代のスーパー著作家達を取り揃えたインタビュー記事。
特に気になった箇所のみ
ダイヤモンド氏
国家間格差‥貧しい国から裕福な国に人が動く。野心に満ちた移民でイノベーションが生まれる場合もあれば、テロや感染症につながる場合もある。貧しい国への資金援助は格差を平準化するのでお互いに利益がある。
ハラリ氏
お金や国家など虚構を信じる力によってサピエンスは今の地位にいる。戦争など虚構のために起きる悲劇も多いため、現実と虚構の区別をつけて虚構を利用すべき。対象とするものが苦痛を味わうものは現実。国家や貨幣はそれ自体が苦しむことはない。
将来何が起きるか誰にもわからないと、民主主義のシステムが機能しなくなる。今のインターネットの広がりのように、民主的なプロセスを経ず、数人のエンジニアが決めたことがその他の人の理解や同意がないままに世界に拡散する。政治家も有権者も将来のビジョンが描けないまま、テクノロジーだけが世界を劇的に変えている。
気候変動やAI普及による大量の「役立たず階級」の出現など、今の問題はグローバルだが、個々の国単位でこれらの問題を解決することは不可能。対処できないからこうした問題を矮小化するトランプ氏のような政治家が増えている。
経済がモノベースから知識ベースに変化した。こうした無形資産は戦争で獲得することができないため、現代は大国間同士では戦争が起こりにくくなっている。今、戦争が広がっている地域はまだモノベースの経済が強い地域。中東の石油など。
核兵器はテロリストにとっては意味がないが、テロで死ぬよりマックの食べ過ぎで死ぬ確率の方が高い。気候変動の方がテロよりもはるかに大きな脅威。テロに金を使うなら気候変動対策に投資すべき。
AIやロボットよりも優れた成果を出すことができない階級が大半となり、ごく少数のプロフェッショナル以外は社会、経済、政治、軍事システムから見ると「役立たず」となってしまう。 -
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<目次>
はじめに
第1章デジタル独裁主義の悪夢を阻むにはユヴァル・ノア・ハラリ
第2章mRNAワクチンが切り開く可能性カタリン・カリコ
第3章生命とはなにか?ワイルスとは何か?ポール・ナイス
第4章コロナ後の働き方はハイブリットワークリンダ・グラットン
第5章未来の都市は債3の場所を求めるリチャード・フロリダ
第6章GAFAの勝者アマゾンは医療を目指すスコット・ギャロウェイ
第7章コロナ後のGゼロの世界イアン・ブレマー
おありに
2020/7発行の”コロナ後の世界”の続編のインタビュー本。
2022/3発行。
リンダ・グラットン
P125 ~その人の人生が幸せであるか否かを左右する
最も大きな要素とは、(お金ではなく)温かい人間関係
だったのです。
リチャード・フロリダ
P134 ~都市は人と人がつながるための場所として機能
している~
P140 ~日本の工場は肉体労働だけでなく、一人ひとり
の知識や能力をフルに活用すること、~単に働く場所
ではなく、労働者を一人の人間として扱う新しい工場
だった。
P147 ~第3の場所とは、人と人がつながる場所
(以前はバーは教会、いまは再定義されつつある)
イアン・ブレマー
P185 ~中国はオミクロン株に勝てない
(その通りだった)
P197 米中冷戦になれば、~日本は米中の板挟みになり
日本経済は中国への依存度が高いので、身動きが
とれなくなる~日本はアメリカにつくしかない。
歴史的、民族的~日本と中国はお互いに信用できない。
P209 力の空白が生じた地域で紛争が多発する。
P214 日本こそが米中協調を促していく役割を担う
べきではないでしょうか。 -
Posted by ブクログ
人類が気を付けるべきことや将来の可能性について考察した本。私たちの生活は、技術の進歩によってすぐに変わるかけではない。しかし。気づいた時には昔よりも進歩した社会になっているかもしれないことを思い知らされた。ホモ・デウスに比べると現実問題に焦点を当てているので、読みやすいものとなっていると感じた。
第5部に分かれているが、テクノロジーと政治面の課題は将来に繋がる問題、残り(欲望、真実、レジリエンス)はとりわけ現在解決できそうな具体的な問題について述べられている。
まず、目覚ましい発展を遂げているテクノロジーが生み出すアルゴリズムは、私たちの意思決定の判断をするかもしれない。すると、大量のデータ処理に長けたAIは私たちの雇用を奪っていく可能性がある。しかし、知能がアルゴリズムに取って変わられても、意識の所在についてはそうもいかない。未だ解明されてないことが多いからだ。データが生活を担うのならば、人類は五感を活かして、感覚を養うことが人生の目的になるのではないか。例えば、ユダヤ教正統派男性のように儀式や活動に深い意味を見出すことにあたる。
自由主義によって最も良い選択を求めるあまりにAIの決定に従う世界は、はたして自由と言えるのだろうか。少なくとも、データのありどころを掴む人が人を制すると思われる。
世界は様々なものが統一されようとしている。AIは私たちの生活と融合しようそしているし、文明は絶えず変化している。その文明もナショナリズムによって定着し、融合することでグローバル化が進歩する。
人類には、宗教や神が絶対とされる文化が存在する。現代では、それを振りかざすのではなく謙虚さを兼ね備えることが求められる。
情報が蔓延いている現代は、思っているよりも無知で正義が定まっておらず、嘘が入り混じる社会である。
このような世界で自分意思の支配権を維持したければ、自分のことを良く知るようにしておかなければならない。個人的な意見として、データが蔓延る時代はAIの処理の方が能力が高い。だから、柔軟性や誰にも譲れない価値基準を見つけることが大事なのだろう。
人間は行動に意味を持たせたいがために、矛盾した行動をとったり、不合理な決断をすることがある。本当の自分を理解するためには、瞑想によって自己を見つめることが必要である。
現代の重要テーマとして、テクノロジーの発展と倫理観をどのように扱うかについて自分の答えを持っておくべきである。そして、自分の謙虚さと真実を探せるようにしておくのだ。数ある情報を精査するために役立つのが瞑想である。 -
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読書会で読むことにした本でなければ、途中で挫折していたかも(笑)
苦労しただけに読み終わった後のクリア感は半端ない。作者が結論を明確に(敢えて)しないので、それぞれの具体例が最終的にどこに帰結するのか忍耐力が必要。
読み終わった後に「虚構」=物語の位置付けを咀嚼し直して、メタ認知。ようやく視界が広がってこの本の全体像を把握した。
ホモ・サピエンスは物語(虚構)を作ることで力を得てきた。(これは「サピエンス全史で著者が解き明かしてきたことだ。いわゆる「認知革命」である)国家、宗教、イデオロギー、貨幣経済等を作ることで集団の力を発揮し、人々はその物語に陶酔すらした。大きい物語であればあるほど、それは力を持ち魅力的だ。
ハラリはその物語=「虚構」を否定しているわけではない。「虚構」を神話ではなく、「虚構」として捉える視点を持つことの重要性を説く。しかし、それは、難しいことでもある。
そのためには、時間と労力とお金をかけること。タダの情報より、お金を出して自分の欲しい情報を買うこと。(Yahooニュースより、新聞だ、と解釈した)私たちの情報はどんどん吸い上げられ、人間を凌駕するアルゴリズムが作り上げられる。アルゴリズムは進化するからだ。シンギュラリティは予想より早くもうまもなく到来するだろう。
テクノロジーの奴隷になるな、とハラリは警告する。アルゴリズムのままに誘導され、ベイシックインカムを与えられ「快適」な生活を送るのも下層に位置付けされたホモサピエンスの最終的な一つの生き方かもしれない。しかし、それは「人間」を捨てることと同義でもある。
「人間」とは何か。どれだけアルゴリズムが完璧な人間性に近づこうとも、人間とAIの違いは「意識」の有無だ。
かつてデカルトが言った。「我思う故に我あり」さすがデカルト!
私たちにはもう時間がない。ここでひと踏ん張りしなければならない。それが個人レベルであろうとも。
ハラリはそういう読者を求めている。
せめて読書会くらいで踏ん張ろうと思う。 -
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『サピエンス全史』の著者による、人類のこれまでが描かれた児童書です。
人類とは何なのか、ホモ属のみんなはどこへ消えたのか、サピエンスは他と何が違うのか、動物消失の理由が児童向けに解説されていますが、年齢を問わずに役立つこと請け合いです。
サピエンスが手にした不思議なパワーは幾つかありますが、無いものを有ると仮定できることや集団で行動できる点が大きいのだろうと感じました。
ネアンデルタールなどの他人類や様々な大型生物を絶滅させるまでその力をフル活用してしまったことについては、サピエンスの一個体として残念に思います。
ネアンデルタール人やデニソワ人や小型人類がもし現代でも共に生きていたとしたら楽しそうであるとも思えるし、サピエンスの行き過ぎた行動を戒めてくれそうな気もします。
しかし彼らはもういないので、我々は同じ轍を踏むことのないよう慎重に本当の意味でホモ・サピエンス(賢い人類)になるしかないのです。 -
Posted by ブクログ
一貫して読みやすく言いたいこともかなりクリアーになっていたと思います。つまり人類はようやく最近になって(大規模な)飢饉、疾病、戦争をなくすことに成功した。さて次は何を求めるのか、ということで著者があげているのが不死、幸福、神性の3つです。この3つのキーワードは多少誇張されているとは言え、方向性としては同意できました。つまり寿命をいかに伸ばすか、幸福度をいかに高めるか、そしてその2つを達成できればできるほど人類は神に近づく、という論調ですが、これが全世界に当てはまるかといわれるとNOという印象は持ちました。つまりここで書かれていることの多くは一神教の宗教が浸透している地域の未来予想図であり(キリスト教、ユダヤ教、イスラム教等)、日本のようにいまだにやおよろずの神の影響が少なからず残っている国においては、正直あてはまらないでしょう。ハラリ氏は、アニミズムは原始的な部族の間にしか残っていないと思っているのかもしれませんが、日本のような先進国でもその痕跡は色濃く残っている事を学ぶべきでしょう。
しかしそれは除いたとしても、書かれていることや著者の問題意識は非常に鋭いと思いましたし、学ぶことも多かったとは思います。世の中には主観と客観の2つだけではなく、第3の領域として「共同主観」がある、という記述は興味深かったです。貨幣を例にとっていますが、皆が「その貨幣は有効である」と信じているから実際にその貨幣が機能する、しかしその幻想が崩壊した瞬間に貨幣は機能しなくなる、ということで岩井克人さんの貨幣論を思い出しました。岩井さんは言語や法律も同じカテゴリーに属すると述べていますが、ハラリ氏も同様の見解を示していました。下巻も楽しみです。 -
Posted by ブクログ
現在2023年4月末。先日、まもなく新型コロナが5類になることが正式決定されたとニュースで流れた。
この本に掲載されているインタビューや手記は2020年。コロナ禍がいよいよ始まり、おそらく世界中の誰もが、今まで非日常と思ってきたことを日常的なものとしなくてはならないという不安に覆われはじめてきた、そんな時期の発言だ。そのような意味では、更に数年後、コロナ禍を振り返るための格好の史料となりうると思った。
この本の中で多くの識者たちが言及していたと思うが、人間にとって一番厄介なのは、人間の心の中に生じる差別、偏見、批判なのだ。どのような状況下にあっても生じるこの心の動きに、私たちはどのように打ち勝っていけばいいのだろうか? -
Posted by ブクログ
まず、ものすごく読みやすかった。
こういった類に知見がない私でも何の抵抗感もなく読み進めていくことができたし、とても興味深く面白く感じることができた。
世界は本当に複雑だなぁ、そして、その世界のトップ達はよくもまあそんなに争えるなぁとも思い、
自分がいかに思考停止しながら平和を享受しているのかがよく分かる。
(これを悪いことだとは思わない)
民主主義の衰退なんかは無知な私でもなんとなく感じるところではあるけど、日本が民主主義国家じゃなくなることなんて想像もできない。
しかし、人類によってこの世界はいかようにも変化してきた歴史は紛れもないものであり、他人事ではないなとちょっぴりですが思います。
おもしろかった!!