久々に迫力のある本を読んだな、と思う。ページをめくるたびに「そうなのか」と驚いたり感心したりしながら読んだ。
前半は、いつ人類が豊かになったのかを述べ、後半は格差がなぜ生じたのかを述べている。
人類が豊かになったのはジャガイモやアンモニア合成、産業革命(そのもの)だと思っていたが、まったく違った。
...続きを読むそれぞれの時代の各世代の生活や人々の考え・判断まで考慮しないといけなかった。そんなに単純なものではない。
格差の起源については、現代から理由を探っていき、どんどん遡っていく。圧倒的な時間の流れを受けながら要因検討を追体験する。自分が何億年も生きてきたような錯覚を抱いた。
地理、文化、政治、様々なものが俎上に載せられる。それぞれ勉強になった。
とくに専制政治の利点と欠点について、歴史的な事実の話は面白かった。「言われてみればたしかにそうなるよなあ」と思う。
表向きは専制政治でない現在の日本だが、その欠点ばかりが目立つ。
よくわからなかったのは多様性の影響度。大きいのかそうでないのかよくわからず(他要素を足していくと、およそわかる気はするが)、言葉を濁しているように感じた。