オデッド・ガローのレビュー一覧

  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    前半では、なぜ19世紀以降に劇的な経済成長が生じたかを、後半では、なぜ国家間に格差が生じたかを解く。

    産業革命によってマルサスの罠から解き放たれたのは、工場化によって労働者への教育の必要性が高まり、子供を増やすよりも教育に金をかけることになり、人口増加率が低下したため。工業が成長した産業革命の後半になると、技能を持つ労働者の需要が大幅に高まり、労働者の生産性に影響する教育、訓練、技能、健康などの改善が意識され、実施されるようになった。

    土地が少数の地主に集中している地域では、地主たちは労働者が近隣の都市へ集団移動するのを食い止めるために、公的な普通教育制度の確立に反対した。

    ヨーロッパの

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    2025年02月12日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    ■人類史における「成長の謎」と「格差の謎」を解明
    ■人類はいかにして「マルサスの罠」から脱却したか
    ■そして成長し格差ができたのか。良書。
    ■2つの謎と人類進化論との強い関連性
    ■P177の朝鮮半島の衛生画像は衝撃的

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    2024年02月13日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    久々に迫力のある本を読んだな、と思う。ページをめくるたびに「そうなのか」と驚いたり感心したりしながら読んだ。

    前半は、いつ人類が豊かになったのかを述べ、後半は格差がなぜ生じたのかを述べている。
    人類が豊かになったのはジャガイモやアンモニア合成、産業革命(そのもの)だと思っていたが、まったく違った。それぞれの時代の各世代の生活や人々の考え・判断まで考慮しないといけなかった。そんなに単純なものではない。

    格差の起源については、現代から理由を探っていき、どんどん遡っていく。圧倒的な時間の流れを受けながら要因検討を追体験する。自分が何億年も生きてきたような錯覚を抱いた。

    地理、文化、政治、様々な

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    2023年06月16日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    タイトルは「格差の起源」だが、むしろ、「なぜ人類は、ここ200年程度で急速に繁栄したのか」が真髄だと思う。格差(繁栄度の違い)については、「重・病原菌・鉄」などでも分析が試みられているが、本書はそれらの議論を網羅的に踏まえ、一つの完成品と言って良いと思う。大まかに言って格差とは、より生産性の高い技術いち早くを導入し(そのためには既得権益を手放さなければならない)、それを使いことなすこと(そのためには広く教育を行わなければならない)で、付加価値を生み出し続ける(営業や認知向上を行わなければならない)ことができたものが繁栄し、できなかったり留まったものが置き去りにされるということ。これを、文化や制

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    2023年02月11日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    現在の社会は21世紀になっても未だに国家間・地域間の経済格差が生じている。
    この大きな格差を生み出した要因とは何か?

    という問いに答える本書。
    テーマとしてはダイアモンド博士の鉄、銃、病原菌と重複する部分は多い(実際引用も多い)が、それよりも近代の産業革命以降に多くのページを割いているのが特徴的。

    子どもがよく言う「なぜ勉強しなくちゃいけないの?」
    というという問いに一番納得できたのが本書だった。

    本書を通じて面白いのは「生活水準」に重きを置いていた点である。
    人類全体の所得に着目するのでなく、人口一人当たりの所得に着目すると、19世紀以前の世界では、世界のどこでも生存ギリギリの生存水運

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    2023年02月11日
  • 「常識」が通じない世界で日本人はどう生きるか

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    ネタバレ

    イノベーションを促する為には考え形の異種混淆が必用らしいです。

    日本人は年配者へ敬意を持つ道徳を持ちつつ高い均質性を持った民族であり、既存のパラダイムへ批判をしないが故にイノベーションが起きにくいようです。

    解決案としては、多様性のある環境下での若者の教育を実施すべきとの事です。

    私自身、海外への留学経験も無く同調圧力が働く会社で働いてますので、先ずは私自身が社内の若者へ少しでも意見や改善案を発せられる環境作りを目指していきたいと思いました。

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    2023年01月09日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    ネタバレ

    格差の起源_オデッド・ガロー著_柴田裕之訳

    そもそも格差とは?

    健康格差、教育格差、経済格差、世代間格差、地域格差など、世の中にはさまざまな格差と呼ばれる言葉がある。

    Wikipediaによると、"格差(かくさ)とは、同類のものの間における、程度(水準・資格・等級・価格・格付け、レベル)などの差や違いである。また、社会問題の一つとしての意味合いを込めても用いられる語であり、貧富の差(経済格差)などを意味しても用いられる。"とある。

    そもそも、違いがあるのは当たり前なので、格差があること自体は当然。その一方で、後者の部分を指した言葉が、〇〇格差なのだと、改めて認識した

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    2022年12月27日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    そもそもの経済成長がどのように行われてきたかの話が始まり、そこから歴史を現代から過去にさかのぼりながら格差がなぜ起きたかを解明しようと話が進む。
    様々な要因があるのではないかと疑問を投げかけつつ、その要因を深彫りしていって、最終的に多様性というところに着地している。そしてアフリカからの距離と多様性の相関について話しており、その点に面白さを感じた。
    完全に納得してはいないものの、私の思いつかない色々な観点での洞察があり、非常に感心した。

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    2025年05月18日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    比較するから、格差が可視化される。
    当たり前のトートロジーだが、文明が思い思いに発展する過程で「格差がない」方が難しい。交じり合う事により差が見えて、その差を互いに利用し合う動機が生まれる事で比較優位、国同士の強弱の関係性が用いられる。本書は、その強弱の関係性が何に起因するのかを探る。

    本書は、強い方の理由に着目する所から始まる。前段としてマルサスの人口論における生産性の成長速度に対する人口増大の限界を引き、それを突破する事が強者の条件を満たす事を説明する。技術の発展が人口増加を持続させ、人口増加が技術を発展させるという好サイクルが必要だった。しかし、技術の進歩と土地の生産性の高さはたいてい

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    2024年12月31日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    ー 人類の旅は、魅惑的なエピソードに富んでいる。ディテールの大海原に漂い、波にもまれていると、水面下の強力な流れはつい見過ごしてしまう。本書の第1部では、これらの底流、つまり技術の進歩と人口の規模や構成との相互作用に焦点を当ててきた。こうした力が人類の発展―脳の進化、農業革命と産業革命という二つの重大な革命、人的資本への投資の増加と人口転換など、私たちを地球上でもっとも有力な種にした主な出来事にどんな貢献をしたかを把握せずに人類の歴史を理解するのは、事実上不可能だ。

    これらの底流はすべてを統合する概念の枠組みを提供し、人類の旅を理解する明確な軸を与えてくれる。それがなければ、人類の発展の歴史

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    2024年10月01日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    【感想】
    世界には途方もない格差が存在している。アメリカの一人あたりGDP(2020年)は63,028ドルである一方で、アフリカ諸国の一人あたりGDPは、サハラ以南の国家全体を足しても、1,502ドルしかない。一方、国家間だけでなく一国内でも格差は深刻であり、アメリカでは上位1%の超富裕層が総資産の30%を握り、上位10%が全体の70%を握っている。
    格差は年を追うごとにどんどん拡大していっているのだが、しかしそもそも、格差が出現する発端となったのはどういう事象だったのか?欧米とアフリカの間に格差があるのは今に始まった話ではないが、何故数世紀も昔から経済状況に優劣があったのか?そうした疑問を紐

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    2024年09月17日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    マルサスは社会を貧困の罠に閉じ込めてきたメカニズムを解明し説明した。人類がいかにマルサスの罠を抜け出し,現在の劇的な成長を成し遂げてきたか。今なお国家間に貧富の差があるのかを解説。未来志向、教育、技術革新を促し、男女平等や多元主義、差異の尊重を進める方策こそが、普遍的な繁栄のカギであるとしている。

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    2023年05月07日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    初期の農耕社会は狩猟採集民より生活水準は低下した。
    狩猟技術の向上で、獲物が減少し農耕に移行せざるを得なかった。
    イースター文明は魚の取りすぎで人口が80%近く減少した。
    統一成長理論=現代の経済成長とマルサスの時代の停滞を統合する理論。
    産業革命のころは4歳から働かされた。小さな手は繊維工場の機械の詰まりを取り除くのに好都合。
    工業化の進展で子供に可能だった単純作業が自動化され、児童労働の恩恵が減った。同時に教育を受けさせる価値が高まった。工場法で1833年に9歳未満のこどもの労働は禁止された。

    人口転換=1870~1920年ごろに出生率が30~40%低下した。
    食糧難の時代に平均結婚年齢

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    2023年02月07日
  • 「常識」が通じない世界で日本人はどう生きるか

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    著名な10人が現在の経済について語った本。
    貨幣理論、民族、地政学、歴史などあらゆる切り口が網羅されているので読むならこの1か月間がおすすめです。

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    2023年01月18日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    人類の「発展」にこれだけの格差がついた理由を解き明かす一冊。まずは素直にそうだろうなと読める。気候、それがもたらす害虫などの生態系も人類の発展に大きな影響をもたらした。また、人類の誕生の地であるアフリカから遠くなればなるほど、集団の多様性が薄れていくという指摘には驚いた。漫然と逆だと思っていた。すると、日本人の均一性、移民を忌避する気質にも、人類誕生の日からの必然性がともなっているのだろうなというのが感想。

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    2022年12月08日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    本書は、「多様性」推奨の根拠として薦められていたので、読んでみた。
    うん、そうなのかな?
    正直、なるほどと理屈が通っているような、いややっぱりムリヤリ辻褄合わせてしているように思えるところもあるような、、、(苦笑)

    第一部 何が「成長」をもたらしたのか
     マルサスの「貧困の罠」から抜け出せた理由

    第二部 なぜ「格差」が生じたのか
     一部地域(欧州)が特別に成長の恩恵を受けたのは、人類発祥の地アフリカから近く「多様性」があったため。

    (成長の基準が「所得」というのも、個人的にはピンとこないのだけど、それ以外に基準にできるものがないので、そこは目をつぶります。)

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    2025年11月24日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    難しかったけど、おもしろかった。
    世界史でこんな人いたな〜こんなことあったな〜とうろ覚えの中読んだ。

    個人的に印象的だったのは、10章で書かれている内容で

    ・中国は2000年にわたって中央集権体制で過ごしたのに対し、ヨーロッパは政治的な分裂を長きにわたって過ごしている
    ・中世までは地理上の連結の影響により、中国の方が経済的、技術的に進歩する
    ・産業革命時代では技術を活用するには、競争や文化の流動性が役に立つため、ヨーロッパの方が経済的、技術的に進歩する
    ・つまり人類史の巨大な歯車が加速し、技術の進歩が速まってたときには、地理上の連結性が低い方が成長に適しており、逆転劇が起こる

    ということ

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    2024年01月29日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    ユヴァル・ノア・ハラリよりも、ジャレド・ダイアモンドよりもさらに慎重で穏当な表現によるホモ・サピエンス30万年の歴史。

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    2023年12月01日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    筆者の主張する世界的な経済格差の原因について、概ね納得できる。
    ただ、多様性の多寡と繁栄の度合いの関係について、その因果関係が明確には理解できなかった。
    ワシントン コンセンサスによる途上国への対応は明らかに間違っており、個々の国の状況を見極めて、長いスパンの支援による自律的な取り組みにするとこが必要である。出来上がった枠組みを押し付けても根付かせることは出来ない。

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    2023年05月09日
  • 格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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    我々人間は、産業革命により、人間の力とは別の機械の力を得て生まれた余裕を、子作りでなく子孫の教育に投資した結果、マルサスの貧困の罠を脱し、現在の繁栄を謳歌することができた。他方で、頭数が絞られた子孫側から見れば、現状の生活水準を維持するための社会的コストを負担にあえぐ結果となった。やはり、そこでもマルサスの貧困の罠を脱し切れていないのではなかろうか。

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    2023年04月30日