ユヴァル・ノア・ハラリのレビュー一覧
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ネタバレユヴァル・ノア・ハラリ
かつての富の主な源泉は金鉱、小麦畑、油田などの有形資産だったが、今は知識や技術となった。油田は力ずくで手に入れられても、知識は奪えない、他国を征服して得られるものは、小さくなっている!
教育費の代わりに、軍事費が増やされるようになり、国家間の信用度も下落。。懸念は大きい!
ジャック・アタリ
プーチンは2021年7月に「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」という論文を発表。ロシア専門家が、今回のウクライナ侵攻を予測できなかったのは、非常に問題。
EUの成功と繁栄は、プーチンにとって極めて耐え難い。プーチン独裁国家は「民主主義には、人々の幸福を守る力がない」と証明しなければならないため、侵攻に至った。
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8人の知の巨人が、怒涛の変化を続ける21世紀について未来を推測する
前段は、高齢化、AI 後段は、技術、格差、そして現在のUSA
気になったのは、次です。
①ジャレット・ダイアモンド
・日本は最高齢社会なのに、定年退職制がのこっているのはおかしい
・経済性多様性、人間の多様性ともに少ない日本にはイノベーションが起きにくい
②ユヴァル・ノア・ハラリ
・社会の急激な変化のため、21世紀にあった政治システムは現れていない
・AIが生み出す「役立たず階級」が多量に発生する
③リンダ・グラットン
・人生100年時代は、労働問題の解決(定年の廃止)と、生涯学習が必要
⑦ジョーン・C・ウィリアムズ
・米白人で親の代より稼いでいる人は半分以下で、アメリカンドリームから乖離
・アメリカのエリートは、生まれたときには、すでに三塁にいた
・トランプは、つよい白人の象徴
⑧ネル・アーヴィン・ペインター
・米白人は、自分たちを犠牲者としてみている
・トランプが勝てたのは、白人の怒りの結果
・新世代のフェミニストは、ヒラリーに我慢できない。なぜなら母を思い出すから -
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前巻より字数が多く内容も難しくなってきました。自分の中では一番衝撃的な「小麦に飼われているのは誰?」が、文章に比較してスッと入ってこなかったのは既に知っていたからかな?漫画に邪魔されたか?
人種差別、ジェンダー問題も生物的な原因では無く、社会文化的なフィクションであると作者は言います。
(未だに)男と女は違うのだから、当然役割も違うのだという考えは自分も含めて人々の中には根強く残っています。
問題はその違いが偏見に繋がり、社会的地位が低く留め置かれ、選挙権が与えられなかったり、ガラスの天井のような状況が続くということなのです。
2021年現在では、それはおかしいと思う人も増えているように思います。まだ、拮抗していますが戦争も革命も起こさずに社会は変わってきたのです。それこそ女性の特性を活かした変革でしょう。
(未だに)としたのは、後50年したら、この考え方も古くなってしまうのと、揺り戻しだってあるかも知れないからです。
漫画になっても、古代からの歴史や地理などを網羅しているため、前提となる知識が無いと読み進めるのに苦労する本ですが、フィクションを疑うきっかけになると思います。 -
Posted by ブクログ
著者のユヴァル・ノア・ハラリは名著にしてベストセラー『サピエンス全史』、『ホモ・デウス』を書いたイスラエルの歴史学者である。本書は新型コロナによる感染症が世界に拡大し始めた2020年3月から4月に書かれた3「タイム」「FT」「ガーディアン」に寄せられた3つの寄稿記事とインタビューから成る。
この本を読んだのは、2020年秋のだったが、このレビューを書いているのはそれから約1年ほども経った21年9月である。
ハラリは、コロナについておそらくは何かを書く必然性があった。なぜなら、『ホモ・デウス』において人類の歴史において長きに渡って苦しんできた飢餓・疫病・戦争を克服したとして人類の未来についてその論を進めたからだ。おそらくは執筆当時この危機が克服可能であり、影響は大きいが、そこまで長く続くものではないという前提であったはずだ。
ハラリは冒頭、 「医学的な助言はできない」と断りながら、歴史学者としての観点からの「助言」ならできるかもしれないとする。そのひとつは「私たちが直面している最大の危機はウイルスではなく、人類が内に抱えた魔物たち、すなわち、憎悪と強欲と無知」だというものである。その危機を乗り越えるために人類は互いに協力し、叡智を集めこの危機に対応すべきではないかと願う。今なら「憎悪と強欲と無知」は問題であり続けたと言うと思うが、決して「危機はウイルスではない」とは言わないだろう。とは言うものの、ここで書かれた内容が価値がないというものではない。むしろウイルス自体の危機に目を取られていない分、ますます本質を突いている部分も多くなっているかもしれない。
■ 人類は新型コロナウイルスといかに闘うべきか ―― いまこそグローバルな信頼と団結を (タイム)
歴史学者らしく、これまで人類に降りかかった感染症 ― ペストや天然痘、エイズ、エボラ出血熱 ― と人類との闘いの歴史を辿る。
新型コロナウイルスの特徴は、グローバル化された現代において発生したというものである。対策はひとつの国に閉じることはなく、全人類を危機に陥れることがわかった。これが全人類の協力が進展することをハラリは期待し、切望する。そして、この時期に生じているアメリカが残した空白を嘆く。
ここにはワクチンのことはまだ書かれていないが、全人類における協力は一部では実現した。それでも、この危機を抑え込んだというにはまだまだであるし、ハラリが懸念をしたアメリカではその政治的にも多くの要因を挙げることができるであろう対応のまずさによって大きな犠牲を払うこととなった。
■ コロナ後の世界 ―― 今行う選択が今後長く続く変化を私たちにもたらす (フィナンシャル・タイムズ)
コロナの嵐はいずれ収まる。われわれはコロナ後の世界のことを考えて今行動する必要があるという指摘である。
「緊急事態は歴史のプロセスを早送りする」とハラリは言う。そして、今迫られている重要な選択として、①全体主義的監視か、国民の権利拡大かという選択と、②ナショナリズムに基づく孤立か、グローバルな団結かという選択の二つを挙げる。
①についてはハラリは皮下モニタによる生体監視システムまで想像する。しかし、われわれはプライバシーと健康の二者択一ではなく両方を目指すべきで、その鍵は知識と信頼であるという指摘する。この危機によって、その意識が高まることを望む。②については、もはやアメリカへの批判と捉えるべきだろう。トランプが大統領選に敗れ、バイデンが勝利したことはハラリにとってはひとつの懸念がなくなったことになるのかもしれないが、もしかしたら大統領選挙を越えてここまでコロナ危機が長引くとも思っていなかったのかもしれない。
■ 死に対する私たちの態度はかわるか? ―― 私たちは正しく考えるだろう (ザ・ガーディアン)
死の問題はハラリが『ホモ・デウス』で提起したわれわれの世代の課題である。コロナが蔓延したことで、われわれは唯々諾々と死を受け入れることになるだろうか。当然、その反対で必死の体で死に抗おうとするだろう。少なくとも今の世代の人間はいずれにしても死すべき運命であるにも関わらず。ハラリは次のように言う。
「医師は私たちのために、人間の存在にまつわる哲学的な謎を解き明かすことはできない。だが彼らは、私たちがそれに取り組むための時間を、あと少しばかり稼ぐことはできる。その時間で何をするかは、私たち次第なのだ」
コロナの重症化から医療のおかげで回復することができた個人的な体験からは、もちろんあと少しばかり稼いでいただいた時間をどのように使うか考えたい。一方で、死を受け入れるための準備もまた同時に必要と感じるのだ。
■ 緊急インタビュー「パンデミックが変える世界」 (NHK Eテレ インタビュアー 道傅愛子)
インタビューでは、従前の三つの寄稿での考察と主張が繰り返されることになる。パンデミックの後、雇用市場や働き方・学び方には新たな秩序が確立している。経済や教育のシステムのルールが書き換わるとき、政治はそれを絶好の機会と捉えるべきなのだ。
監視体制への影響にも改めて憂慮を表明する。それはイチかゼロではない。また、相互協力とそのための情報共有の透明性にも言及する。集団的リーダーシップについて言及し、パオロ・ジョルダーノが指摘したように新型コロナ対策を戦争のメタファーで語るべきではないと伝える。そして、科学的合理性への信頼を表明するのだ。
ハラリもここまで危機が長引くとはこのとき思っていなかったのかもしれない。そのため、コロナ後の世界について拙速に語りすぎていたかもしれない。もし何か修正が必要であるとすれば、もう少し長くこのコロナ危機の状況と変化に付き合っていく必要がどうやらありそうだということと、コロナ後の世界はより大きな変容が待っているかもしれないというところだろうか。そして、科学への信頼は一層重要になることだろう。
『ホモ・デウス』の自己正当化のモティベーションがあったとはいえ、2020年4月という早い時点で、コロナに対して知識人としてまとまった見解の表明をする勇気にも感謝。