ユヴァル・ノア・ハラリのレビュー一覧
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なぜ歴史を学ぶのか?それは、固定観念や先入観を覆し、新しい視点で物事を眺める力を養うため。歴史を学べば未来を知れるというのは違う。多くの、未来があり、多くの可能性があることを理解することが歴史を学ぶということ。学校の授業では、なぜ学ぶのか?を教えてくれない。ここに、問題があるのではないか?
取るに足らない存在であったホモサピエンスが、認知革命、農業革命、科学革命、産業革命を経て、現代に至る。集団生活が可能になったのは、ホモサピエンスだけが、遺伝子に頼らない虚構、集団的主観を持てるようになったからであり、故にどの種よりも、繁栄し、危険な存在となった。農業革命により、狩猟採集社会から決別した。帝国主義、資本主義と結びついた科学革命を経て、歴史のスピードは早まり、産業革命を経て、マルサス主義からの脱却を成し遂げた。次に、遺伝工学やサイボーグ工学が、DNA改変を成し遂げ、これまでの自然選択による進化すら、超越しようとしている。特異点に到達するのは時間の問題である。
そんな中で、幸福度という尺度で考えた時、これらの革命は人類を幸福にしたのか?生化学は、ホルモンこそが幸福度を決定するという。仏教は、内なる自分を知り、絶えず波のようにくる感情との戦いから脱却することが幸福という。ニーチェ等の哲学は、意義ある人生こそが幸福度という。外部刺激と内部理解。現代人は、過去の人々と比較して本当に幸福なのだろうか?歴史学は、歴史の変遷、事実、仮説を示すが、幸福度については、何も回答してくれない。
今後50年のうちに何が起こるのか?おそらく、ほぼ全てのことは達成できるようになると筆者は述べる。故に、何になりたいか?ではなく、我々は何を望むか?が至上命題となる。歴史の選択は、人類の利益追求による結果ではない。歴史が進むことで人類の境遇が改善させるという根拠はどこにもない。だとすると、今の我々が考えるべきことは何か? -
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今回は歴史の覇者はだれか、という話。
まず人類の歴史は果てしなく続く文明同士の対立だというクラッシュウーマン。しかし文明の対立は出会いでもある。こうして世の中はグローバルに発展してきた。
次はサイクル。しかし地球全体から見れば、1万年前には地球上に一万を超える別々の世界があったが、現在はほぼ1個になってしまった。サイクル説は視野が狭い。
そして帝国レディエンパイヤ。帝国主義は民族の一体化や壮大な文明の成立にも大きく関与し、現代の国家観を形成するうえで大きな効果を与えたことは否めない。史上大きな成功を収めた帝国は、多数の異なる文化を混ぜ合わせ、新しい文明を作ってきた。さらに民主主義・市場経済・人権ですら、たとえ軍事力を使っても全世界に広めることが、道義的義務だと考えられている。
それでももっと強大な力を持つのはキャプテンドルであろう。いかに対立する経済体制、宗教、思想であろうと$を手に入れたい。なぜなら貨幣は精神の革命で、全人類の共有された想像の中にしか存在しない。現在でも誰もが信頼している魔法だ。お金を信じることが出来る、この能力が人類の歴史の覇者。素晴らしい。そして最後には市場が世界を支配する不安もあるが、そうはならない。市場自体も道徳的価値観が頼りだからだ。
では宗教のスカイマン。日本では宗教はさほど重要視されていないと思う。これは神道が原始宗教のまま来ていることが大きいと考えるが、一時期はそうでなかった。日本は近代化を進めるにあたり、神道も作り替えた。国家主義的で人種主義的な思想と結びつけ、さらに仏教・儒教と武士の伝統的考え方を少しづつ放り込み、仕上げとして太陽神女神の直系子孫である天皇を採り入れた。これは魔法のように上手くいき、日本人は恐ろしいスピードで近代化を進めながらも、他の近代国家とは全く異なる独自性を保ち、しかも国家への狂信的忠誠心を持つことに成功した。そして近代的科学技術と猛烈な信仰心を組み合わせれば並外れて強力なカクテルが出来ることを世界に広めた。ロシア・ポーランド・イラン・サウジ・イスラエルそして北朝鮮など日本の例に倣ってきた政府が続出してしまったと書かれている。
世界では宗教というものが、かなり重要な位置を占めることは明らかだ。宗教とは人間を超えた秩序を信じることに基づく、人間の規則・規範・価値観の体系だ。
スカイマンもかなり強力だったが、次回科学革命のサイエンティフィック。この話に度肝を抜かれない人はいないと豪語する。何万年も続いてきた人類が、わずか500年で原子力・遺伝子工学・AIを進歩させたのか。
私たちは次にどこに向かうのか、次号期待大! -
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ネタバレ自分を価値ある何かに帰属させ、その中で役割と意味を与える物語。人はこれを信じてしまいがちらしい。
物語を疑うのが恐ろしいのは、その物語を前提に個人のアイデンティティや社会制度が築かれているから、とのこと。物語を否定すれば、今ある個人や社会も否定することになる。
たしかに、人権も物語に根拠をもつ、と言われると、物語を否定する恐ろしさがわかる。ここまでは同感。だけど著者のようにそれを受け入れ、瞑想によって心の真実を探ろうとは思えなかった。
僕なんかは、嘘でも人生に意味が欲しい、と思ってしまう。我ながら典型的なホモ・サピエンスなんだと思った。(笑) -
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ネタバレ人類がこれまで戦ってきた飢餓・病気・戦争は良くも悪くも危機がさっていき、新しい時代に突入しようとしている。
人間はどこはゆくのか、著者の答えは神になること=デウスになることだと言う。あらゆる他の生き物を従えるどころか、生命を生み出し、操ることのできる能力はもはや神と呼ぶに相応しい…
単なる歴史解説に留まらず、宗教や科学の話もとっても面白い。自分は生命についてアルゴリズムの集合体というイメージに肩入れしてしまい、神の存在など考えたこともなかったが、言われてみると自己意識ってなんだろう…とか、なるほど宗教ってこういうことなんだなぁ…と前書に続いて気付かされることが多い。 -
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ホモサピエンスがどのように我々に変化していったのかを、描くサピエンス全史の漫画バージョン。今回は「歴史の覇者」編です。
歴史の方向性はどのように決まったのか?なぜ対立がずーとあるのか?誰かが言うように陰謀があるのか?裏で誰かが糸をひいいているのか。
なぜ、ホモサピエンスがその他の動物と違って今の隆盛を誇るようになったのかを色々な観点から考察していきます。なんか、堅苦しい感じがするが、漫画なので楽しいです。
歴史上バラバラだったホモサピエンスがどのように統一されてきたのか?
その有力な原動力として 帝国 貨幣 宗教 をあげて検証していきます。
はたして、どの要素が世界をわりと一つにしたのでしょうか?かんがえてみてください。 -
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この本を、すでに世を去った人々、今を生きている人々、そしてこれから生まれてくる人々、すべてに捧げる。
私たちの祖先が、今ある世界を作りあげてきた。未来の世界がどんなものになるかを決めることができるのは私たちだ。
もくじ
時間のながれ
献辞
はじめに そんなの不公平だ
そしてそれは、ほんとうにあった物語だ
第1章 すべてを支配する
・世界を変えた植物、穀類、コムギ
・かわいそうな動物の金メダル、銀メダル、銅メダルを決めるを分け合うのは、ウシ、ブタ、ニワトリではないだろうか。
・農耕民は動物を、人間の役に立つ間だけ生かしておく。何年かは長生きさせてもらえる。でもそのために動物たちが払う代償は大きく、待ちうける過酷な毎日は、けっして長く生きていたくなるようなものではない。
・乳がもつ悲しい側面
肉と乳のために育てられるヒツジ
・だれが農耕民になりたい?
動物と植物を支配する、つまり自分たちの思い通りにすることによって、農耕民は以前よりずっと大きい力を手にした。
でもやがて農耕民もは、自分自身もだれかほかの人に言われた通りのことをしているのに気づいていくー農耕民はどんどんん、聖職者と首長(村や町や都市の上に立って率いる人)に支配されていった。
・農業の勝利
農業民は、採集民をどんどん追い払うようになった。そしてこれが世界中の至る所で起きて、採集民はほとんどいなくなってしまった。
第2章 しまった、こんなはずじゃなかったのに
・骸骨が語った物語
ふつうは採集民の骸骨のほうが背が高く、残った歯が多く、飢えたり病気をしたりした跡が少ない。農耕民の骸骨のほうが背が低く、残った歯が少なく、飢えたり病気をしたりした跡が多い。そしてたいていは、背骨が曲がり、膝の骨がすり減り、首の骨がいたんでいる。
・ものが多くなるほど、争いも多くなる
古代の採集民の間におきた戦争の痕跡は多くはない。ところが、農業の形跡の見える場所では、戦争の痕跡をたくさん見つけることが多い。
乱暴なほうが勝つか、穏やかなほうが戦いを覚えるか、どちらかだ。そうやって、穏やかな人たちも乱暴になった。こうして時がたつにつれて、どこでも農耕民は乱暴になっていった。
こうした悪いことのすべてはー農業革命の「意図せざる結果」だった。望んだ者も、計画した者も一人もいなかった。人々はただ、そうなることを知らなかっただけ。
人々の体も、人々の心も変えていった。
採集民はいつでも、ときには計画を立てたけれども、いまこの時起きていることに焦点をあわせていた。木の実や魚を自分たちの思いどおりにすることはできなかったからだ。だからあまり計画を立てなかったし、「計画を立てすぎてはいけない」と、採集民は子どもたちによく言い聞かせていたのではないだろうか。「今このときに起きていることに注目し、あとで何が起きるかを、あまり心配しすぎないように」
採集民は、じっさいは少しもあくせくしなかった。今という瞬間に起きていることが原因に不安になることは、めったにない。たいていは、未来に起きていることを考えて不安になる。今このときに起きていることだけに焦点をあわせれば、あまり不安を感じることはなくなるだろう。
それに対して、農耕民はいつも来月のこと、そして来年のことを心配していた。
・農業のはじまり・10の不運
干ばつ 洪水 動物の病気 人間の病気 かたよった食べもの 重労働 害虫や小動物 植物の病気 戦争 奴隷制
世界を征服した植物
第3章 おとながこわがるもの
・幽霊より悪いもの
・所有する権利と、納める義務
・骸骨はめったに嘘をつかない
・墓地の中の骸骨が私たちにほんとうのことを語ってくれる
第4章 死んだ人々の夢
・どうすれば人はルールを信じるようになるのだろうか?その答えは物語だ
すぐれた物語を持つ人類の集団は、世界で最も大きな力を持った
さまざまな王国の聖職者たちは、あらゆる種類の大きな物語を思いついた
影のない物語はない
けれどもその人々には、また別の物語があった
たくさんの不公平なルールを正しく見せてしまう物語を信じてしまった。
体のそれぞれの部分にはそれぞれ異なる仕事があるように、異なる種類の人々も生きるうえで異なる仕事をもっている。➖️ルールは公平で、従うべきものだと信じた。
・魔法のにおい
大きな物語の中には、不公平なルールを正しく見せるだけではすまないものもあったーそれは、人間の「むかむかする」感情を引き起こすものだ。
だれが「清くて」誰が「けがれている」のは、偉大なる神々自身がそう考えているからだと、恐ろしい物語が他にも数多く残されている。
こうした物語はどれも本当のことではなかった。 神にはわかって、人間にはわからない魔法の匂いなどあるはずがない。でも効き目はあったんだ。それを聞いたたくさんの人々が、ただルールに従おうと思うしさえすればよかったからね。
物語を1回だけ話しても、それはただの物語にすぎない。でも同じ物語を1000回繰り返して話せば、人々はそれを本当のことに違いないと思う。
大人たちが物語をいつも信じていたのはそれを何度も聞いていたからだ。
・儀式は私たちが地域社会をまとめていくための大きな物語を信じるのにひと役買い、それは古代と同じように現代でもなお重要なものだ。
ほとんどの人には、ごく個人的な儀式もある。
・3種類のもの
古代エジプト、近代国家も物語だ。信じている物語。
・世界には3種類のものがある。
1番目は、だれでも見て、聞いて、さわれるもの。王国と国家はここには入らない。
2番目は、自分だけが感じられるもの
3番目は、共通の夢。国家はたくさんの人々が一緒に見ている夢。
例えばお金の物語は世界中で一番大切な物語の一つに数えられる。
・とっても長い夢
私たちはみんな、死んだ人々の夢の中で暮らしているともいえるだろう。
歴史上の多くの戦争は、物語をめぐる争いだった。ほとんどの人々はただ言われたことを信じ
・魔法を解く
人々がとても長い間信じてきた物語でも、ほんの数年で変えることができる。
物語は人類が生み出した最も偉大な作品だ。 私たちは物語のおかげで世界を統治できている。だが物語は私たちの最大の敵にもなる。 もしも自分で物語を作り出したことを忘れれば自らにとらわれてしまうだろう。 何百万人もの人々が悪い物語を信じるとき、悪夢で身動きが取れないように逃れられなくなる。だから人類は大きな問題を抱えている。もし私たちが耳にした物語を何も考えずに信じるなら、恐ろしい行動をとりはじめることになる。一方、もし私たちがすべての物語を信じるのをやめたら、世界は完璧なものになるのではなく無秩序な混乱に陥る。
この問題に簡単な答えはない。
大人になる過程のとても大切な部分は、どの物語を残し、どの物語を変え、どの物語を捨てるかを学ぶことだ。
物語によってたくさんの苦しみが生まれるなら その物語には気をつけてほしい。その物語のせいで苦しんでいる人に話しかけ、その人自身の物語を聞かせてほしいと頼むのが何よりの方法だ。自分の心を開き、耳を傾け・・・よく聞こう。
感謝のことば
この本について
歴史の世界地図 -
Posted by ブクログ
人間が「想像力」を駆使することで他の動物たちを支配し、環境を激変させるようになったことを描いた前作に続き、今回は「格差」がなぜ生まれてきたのかを解説しています。
それは、人間の「スーパーパワー」である想像力と、それによって作り出された「物語」を共同体のメンバーが信じてきたこと、その物語に基づいて農耕を始めたことで「意図せざる結果」が生まれそれによって格差が広がっていったことなど、人類の歴史の根本的な流れが平易な文章で書かれています。
現代社会で、多くの人々が信じている「共通の物語」がどのように広まったのか、その点についての解説は「別の物語」とのことで、次巻も期待したいと思います。 -
Posted by ブクログ
私たちが歴史を学ぶ意味を改めて考えさせてくれる一冊です。1人では大した力を持っていない(野生動物と一対一で向かい合えば、たいていの場合は勝つことができないくらいひ弱な)「人間」という生物が、地球を文字通り「支配」し、多くの動物を絶滅に追いやり、地球環境を破壊するほどのパワーを持つことができたのはなぜなのか。
人間だけがもつ、そのパワーの正体と、それがどのように他の生物を圧倒して地球環境を激変させてきたのか、人類の「発展」の歴史(と、それによってもたらされた悲劇)を、小学生高学年くらいから中学生の子どもでも分かるように丁寧に説かれています。
考古学の発見から想像できること、たぶん「確かだろう」とかんがえられること、あり得るけれども本当のところは「わからない」こと、これらをきちんと書きわけているところも、筆者の誠実さを感じます。
筆者を有名にした『サイエンス全史』はまだ読んでいませんが、本書を読んで是非読んでみたいと思うようになりました。 -
Posted by ブクログ
ホモサピエンス全史が多くの人の心を打つのが分かる。児童図書のこの作品で十分なくらい楽しい。
Audibleで拝聴後、子どもに読み語りしたくて即ポチ。
しかし、届いてみて絶望。
人間がちょっとやそっとで音読できる量ではない。そりゃそうだ。Audibleでも5時間分。2時間弱だと思っていたのは3.3倍速で聞いてるから。(プチ承認欲求)
ガチで読んでも向こう3ヶ月はかかるぞ。毎日くちびるをカサカサにしながらだ。唯一の利点は、読んでる最中に子どもが全員撃沈することくらい(笑)
人類を地球の支配者たらしめたスーパーパワーとは一体何だったのか。私からしたら、その絶滅の量産にどんな悪意があったのかと思う。なんでみんな消えちゃったの。なんで人類はこんなに強いの。
私一人は、こんなにも弱いのに。
その答えを、親が考えなくて良くなった。良著。 -
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単行本が出版された時に読んだのだが、途中で放り出したままになっていたのだが、サピエンス全史が文庫本化されたのを契機に、サピエンス全史、ホモデウス、21Lessonsと全て文庫で読み直しました。
21Lessonsはあまりにも取り扱う分野が広くてどれだけ理解したのかわからないのですが、サピエンス全史から通読したのでやっと征服した感を得ることができました。この21Lessonsの中で最後のLessonは「瞑想」なのですが、ユヴァル・ノア・ハラリは2000年にヴィパッサナー瞑想のレッスンを受けて、それ以降まいにち2時間の瞑想と毎年1か月から2か月の瞑想修行を続けているそうです。この瞑想の実践が提供してくれる集中力と明晰さがなければ「サピエンス全史」も「ホモ・デウス」も書けなかっただろうと振り返っています。
確かに情報をいくら与えられても、自分が考えていると思っていることの多くが虚構でありそれと現実を区別することがますます困難となっている現在、自分の集中力を研ぎ澄ます訓練なしには何事も明確な発言はできない。ハラリの主張はまさに明確であるのは、ユダヤ人だからではなく、瞑想の訓練をしているからなのだというのは驚きました。
いずれにしてもバイオテクノロジーと情報テクノロジーが進歩するにつれ、私たちの周りに様々なアルゴリズムが私たちをじっと見ているようになり、アルゴリズムが私たち以上に私たちを知るようになるのは時間の問題だと言えます。そのアルゴリズムに支配されずに自分自身を知るためには、努力が必要だということがわかりました。