ユヴァル・ノア・ハラリのレビュー一覧
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前作に引き続き、ホモサピエンス特有の強みである「集団で見えないなにかを信じる力」の解説から始まったので、ああそうだったと思い出しながら楽しくすんなり読めた。
アニミズムから神の存在、ルネサンスと人権主義までどんどん人間の歴史の歩みが解き明かされていく。そして、現代のすべての秩序を宗教と言い切ってしまう。これは自分にとって新しい視座だった。
たしかに資本主義ですら、信者が圧倒的に多いから現状上手く回っているだけの宗教なのかも。
科学と宗教のライバル関係?奇妙な均衡?は、これからの時代どうなるのか。とんでもなく力を増していく科学に対して、新たな宗教が対抗してくるのか。
下巻が楽しみ。
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上巻よりも読みやすかった気がする。
科学研究と産業化、市場経済の発達と幸福について。無知を認めることによって、飛躍的に進歩したというのは面白かった。これまでは役に立たないことは意味がないとされてきたが、純粋に好奇心からくる知的探究も進歩につながることに気づいたことによって、人類にブレイクスルーが起こった。エネルギーに対する考え方には、少し疑問を感じた。確かにこれまで新たなエネルギーの生み出し方、使い方を開発してきたが、そのようなブレイクスルーが今後起こるという確証はないと思う。だからこそ、資源との向き合い方は慎重になるべきだと思う。この本の中で一番面白かったのは、幸福に対する考え方。自分の考 -
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3.6 (5)
Posted by ブクログ
本書は大統領選挙前に書かれたものだが、概ね予測どうりが恐ろしい。
トランプ政権の主たる政策の中で「プロジェクト2025」にある「ディープ・ステート」(闇の政府)を崩壊させる事はバイデン政権でも続いた民主党下での腐敗した組織を壊滅し、従来の自由主義を復活させると言う意思がある。だが、司法省内の裁判権含めた法的免責問題などは、悪用される懸念があると言う。元トランプ大統領補佐であるボルトン氏はトランプ氏が独裁者的存在を持つかについて「それほど利口ではない」し「アメリカの憲法も制度も強靭」であるとも言っている事には期待したい。だが、現実多くの大統領令による世界を恐怖・脅威を発進していることが今後どんな -
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ネタバレ上巻を読み終えるのにかなり苦労したのですが、下巻は文庫を買って肌身離さず携帯していたので意外に早く読み終えることができました。
やはりかなり難しかったですが、一応、著者の主張を理解しながら結論に到達することができました。
以下ネタバレなので注意して下さい↓
上巻のレビューにも書いたとおり、下巻では「人間至上主義」にとって変わるものは何かを予想する、ってことになってたので、何が出てくるん!?と期待して読みました。な、な、な、なんと、本書での説によると・・・
科学が進歩すると、人間も他の生き物も、ただの「アルゴリズム」にすぎないことが分かってしまう。最終的には一部の人間が力を手に入れて、多くの人 -
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今回は歴史の覇者はだれか、という話。
まず人類の歴史は果てしなく続く文明同士の対立だというクラッシュウーマン。しかし文明の対立は出会いでもある。こうして世の中はグローバルに発展してきた。
次はサイクル。しかし地球全体から見れば、1万年前には地球上に一万を超える別々の世界があったが、現在はほぼ1個になってしまった。サイクル説は視野が狭い。
そして帝国レディエンパイヤ。帝国主義は民族の一体化や壮大な文明の成立にも大きく関与し、現代の国家観を形成するうえで大きな効果を与えたことは否めない。史上大きな成功を収めた帝国は、多数の異なる文化を混ぜ合わせ、新しい文明を作ってきた。さらに民主主義・市場経済・人 -
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ネタバレ自分を価値ある何かに帰属させ、その中で役割と意味を与える物語。人はこれを信じてしまいがちらしい。
物語を疑うのが恐ろしいのは、その物語を前提に個人のアイデンティティや社会制度が築かれているから、とのこと。物語を否定すれば、今ある個人や社会も否定することになる。
たしかに、人権も物語に根拠をもつ、と言われると、物語を否定する恐ろしさがわかる。ここまでは同感。だけど著者のようにそれを受け入れ、瞑想によって心の真実を探ろうとは思えなかった。
僕なんかは、嘘でも人生に意味が欲しい、と思ってしまう。我ながら典型的なホモ・サピエンスなんだと思った。(笑) -
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Posted by ブクログ
ネタバレ人類がこれまで戦ってきた飢餓・病気・戦争は良くも悪くも危機がさっていき、新しい時代に突入しようとしている。
人間はどこはゆくのか、著者の答えは神になること=デウスになることだと言う。あらゆる他の生き物を従えるどころか、生命を生み出し、操ることのできる能力はもはや神と呼ぶに相応しい…
単なる歴史解説に留まらず、宗教や科学の話もとっても面白い。自分は生命についてアルゴリズムの集合体というイメージに肩入れしてしまい、神の存在など考えたこともなかったが、言われてみると自己意識ってなんだろう…とか、なるほど宗教っねこういうことなんだなぁ…と前書に続いて気付かされることが多い。 -
Posted by ブクログ
ホモサピエンスがどのように我々に変化していったのかを、描くサピエンス全史の漫画バージョン。今回は「歴史の覇者」編です。
歴史の方向性はどのように決まったのか?なぜ対立がずーとあるのか?誰かが言うように陰謀があるのか?裏で誰かが糸をひいいているのか。
なぜ、ホモサピエンスがその他の動物と違って今の隆盛を誇るようになったのかを色々な観点から考察していきます。なんか、堅苦しい感じがするが、漫画なので楽しいです。
歴史上バラバラだったホモサピエンスがどのように統一されてきたのか?
その有力な原動力として 帝国 貨幣 宗教 をあげて検証していきます。
はたして、どの要素が世界をわりと一つにしたのでしょう