【感想・ネタバレ】NEXUS 情報の人類史 上 人間のネットワークのレビュー

あらすじ

『サピエンス全史』を超える衝撃――
知の巨人、6年ぶりの書き下ろし超大作


「ネクサス」(NEXUS)とは?
――「つながり」「結びつき」「絆」「中心」「中枢」などの意


石器時代からシリコン時代まで、
「組織」(ネットワーク)が力をもたらす
私たち「賢いヒト」(ホモ・サピエンス)は、10万年に及ぶ発明や発見や偉業を経て、途方もない力を身につけた。
それにもかかわらず、生態系の崩壊や世界戦争など、存亡にかかわる数々の危機に直面している。

サピエンスが真に賢いのなら、なぜこれほど自滅的なことをするのか?
その答えは、制御しきれないほどの力を生み出す、大規模な協力のネットワーク――「情報ネットワーク」――の歴史にある。

印刷術やマスメディアは文明に何をもたらしたのか?
そして、まったく新しい情報テクノロジーであるAIは、何を変えるのか?――
石器時代からシリコン時代まで、『サピエンス全史』の著者が、人類の歴史をいま再び新たに語りなおす!


情報により発展を遂げた人類は、情報により没落する宿命なのか。本書のAI論は、混迷する世界で民主主義を守るための羅針盤になるだろう。
――斎藤幸平氏(経済思想家・『人新世の「資本論」』著者)

その深い洞察は、私たちが著書『PLURALITY』で提唱する多元的な共創の原理とも響き合い、進化するデジタル時代で人々を導く羅針盤となる。
――オードリー・タン氏(台湾・初代デジタル発展相)

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Posted by ブクログ

情報と真実
例 NILI 学問の厳密さについて(地図) 占星術
情報とは物事を表示することでなく結びつけること
物語 共同主観的現実
例 スターリン シェールアミ  イエス 過越の食事 合衆国憲法 ナチス 
文書 官僚制 生物学ドラマ
例 虐殺の町にて ウル楔形文字 アッシリア貸付契約殺された 下水 コレラと井戸 ラーマーヤナ カフカ審判 
誤り 自己修正メカニズム 不可謬の聖典
例 ラビのキュレーション 死海文書 ミシュナー タルムード 新約聖書 司教と神学者のキューレーション 教会 印刷と魔女狩り 魔女への鉄槌 科学革命 キュレーションの機関科学アカデミー=自己修正メカニズム ルイセンコ再教育理論
決定
民主社会 独裁社会 ポピュリズム 全体主義 チェーカー セクリターテ コルホーズ クラーク

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2026年03月20日

Posted by ブクログ

サピエンス全史が面白すぎて、ハラリの最新刊である本書も購入。

共同主観的現実、不可謬性、自己修正メカニズムがキーワードになるのかな。

ちょっとハラリさんの本おもしろすぎてサピエンス全史から再読したすぎるぞ。

とりあえず下巻へ進むぞ。わくわく。

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2026年02月23日

Posted by ブクログ

●情報革命
情報革命の根源は「コンピュータ」であり、従来のツールと異なり「自ら決定を下す」「自ら新しい考えを生み出す」可能性を持つ。

●情報の見方
情報の素朴な見方では、情報量が多ければ真実の発見に繋がり、それが知恵と力に繋がるとされる。しかし、印刷技術による拡散力を利用した魔女狩りの嵐は、必ずしも情報量が真実に繋がらないことを示している。
情報の複雑な見方では、情報は秩序にも真実にも繋がり、双方が綱引きしている。秩序は力に繋がり、真実は知恵と力に繋がる。
情報ネットワークは使い方次第であり、民主主義と全体主義の両方に、実現の機会を与えた。

●民主主義
民主主義は、多数決で決めるための社会ではない。少数派にも自由があり、中央政府による介入は最小限とする。民主制には「基本的人権」と「公民権」という、多数派の支配が及ばない二つの権利がある。後者は、自己修正プログラムであり、選ばれた多数派に無制限に力を与えるものではない。
ただし選挙が真実を発見するための方法ではないことには留意すべきである。人々の相反する「願望」を裁定することで、秩序を維持する方法である。
真実の発見には、政府以外の機関を使い、特に内部で自己修正メカニズムを持つ「司法制度、メディア、学術機関」という複数機関を活用する。かつ相互牽制でメカニズムをより有効に働かせる。

●ポピュリズム
極端なポピュリズムは、客観的真実はなく、誰もが独自の真実を持つ。自分たちだけが真に人民を代表し、他の機関の情報は全て不正と主張する。力こそが唯一の現実で、それぞれの真実を使って敵を倒そうとする。
ただし、この時人民はなぜか単一の意思を持つものと考えられ、不支持層はもはや人民ではないとの扱いをし、排除対象となる。真実を求める機関は、エリートの不正権力の源とみなす。
選挙で勝てば、自分が唯一人民に選ばれた存在となり、民主主義の仕組み上で独裁者となりうる。
独裁政権は情報を中央集権的ネットワークで集め、全て中央のみが決定する。独裁者は通常、まず上記の機関に介入し、自己修正メカニズムを一つずつ破壊する。

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

昨年の参院選でポピュリズムや陰謀論が話題になったが、そのあたりの歴史や解説もあり面白かった。
民主制は複雑でわかりにくいが、だからこそ成り立っていることを忘れず、簡単なわかりやすい答えを提示するような陰謀論やポピュリズムに流されないように気をつけなければならない。

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2026年01月25日

Posted by ブクログ

歴史的観点からAIを限りなく抽象化して眺めた深い洞察に感銘を受けた。作者の生物的なストーリーに捕らわれていたって良いから、人類がAIを巡る賢い選択を行い、人間、人間以外の全てのものとの協力のストーリーを眺めていきたい。

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

情報とは何かを人類の歴史に沿って定義。「物語」としての伝達(主に口承)から「文章」主義、そして聖書やコーランの様な聖典による真実の伝達・伝承。これらが編纂される事で神の教えが人や時代の変化により変えられてしまうことのない様にする事(しかし、これは不可能)。また、情報手段の進化を軸に、民主主義と全体主義の歴史展開の中で情報はどの様な役割を果たし、社会秩序の維持にどの様に影響を与えてきたのか。
西欧における「魔女狩り」の歴史と情報との関わり(情報技術が進化した事により、「魔女狩り」が本格化した)や同じ全体主義でもファシズムのナチスドイツと共産主義のスターリニズムでは全く違う展開や結構をもたらした事など、興味深い話が満載である。
上巻は前置き的な内容であり、ハラリ氏が展開したかった本旨は下巻で展開されるか。

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2026年01月06日

Posted by ブクログ

人間がネットワークを構成するにあたり、情報が果たしてきた役割が解説されています。情報の影響力は、情報が正しいかではなく、より多くの人が信じるかによって決まるのだそうです。確かにそうですね。

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2025年12月28日

Posted by ブクログ

人類史を情報史の観点から、再構築した本書。これからのAI時代についても大きく触れ、今までの歴史を踏まえ、今後はどのような懸念が考えられるかを展開している。
上巻では、主に今までの歴史を情報や情報ネットワークの観点から振り返る。
情報と言っても、今のイメージされる情報(コンピュータやデジタル技術)ではなく、文書や書物、口承や物語なども含めて情報としている。
その情報を人類はどのように扱い、歴史を構築していったのかを明らかにしている。
情報の扱い次第では、魔女狩りやソ連のスターリンの粛正など大惨事を起こしてきており、その要因を情報の伝達や技術の部分に焦点を当てて、違う観点から歴史を考察できて面白い。

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2025年12月26日

Posted by ブクログ

「物語」という学術用語の定義が非常に明確。情報の歴史書なだけではなく未来を生き残るための指南書になりうる

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

2026.02.13
「文字を持つ、記録をする術を持つ」このことの重要さはふだんワタシたちが空気を吸っていてありがたみを感じないのといっしよ。重要であり、あまりに当たり前に存在している。今のわたしたちの周りには

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2026年02月13日

Posted by ブクログ

「情報の人類史」。
「情報技術の人類史」ではない。

本書での「情報」とは何か。
人々が「真実」を表していると思うそれを共有することで、人々を結び付けるもの、とまとめらるだろうか。
この結びつきが、タイトルでもある「ネクサス」。

この意味での「情報」を扱うテクノロジーの一つが「物語」。
これは何となくイメージしやすい。
神話がある社会を結束させることを思えば。
負の事例も含め、大小規模のいろんな例が思い浮かぶ。
面白いのは、この技術の中に、真実の探求という方向性と、社会秩序の維持(のために真実追究に制限をかける)のせめぎあいが生まれてくるということ。

しかし、共同体を維持するには、現実的な問題として税を徴収してサービスを提供することも必要になる。
例えばルールを共有・浸透させたり、財物の流れを記録したりする技術も必要で、そのための「官僚制」を発達させることになる。
ただ、ここでの「官僚制」には、古代王朝や近現代の政府だけではなく、宗教組織なども含まれる。
こうして、「物語」を補う、情報を扱うテクノロジーが生まれてくる。

本書後半は誤情報とそれを修正するメカニズムが取り上げられる。
この辺りは、たぶん下巻でコンピュータ・ネットワークが作り出すつながりを分析するにあたっての対比的モデルを作る作業なのかなあ、と思われる。

修正メカニズムがうまく働かなかった一つのモデルとして提示されるのが宗教。
宗教は人間を誤りを犯すものとして捉える一方で宗教が無可謬なものとされる。
規範として「聖典」が作られるのだが、写本づくりから誤りを排除することも難しい。
また、完全な写本ができたとしても解釈の違いが広がっていくのはどうしようもない。
安息日にエレベーターのボタンを押していいかという問題で、宗派により解釈が異なるなどというすごい話まで紹介されていた。
こういう事例をどうやって探してきたのかと本当に感心してしまう。

この議論の中で興味深かったのは、印刷術に対する評価。
一般に印刷術は、中世的な教会の権威を打ち破るのに力を与えた技術とされる。
しかし本書によれば、印刷術はある一人の常軌を逸した宗教裁判官が出した魔女狩りを激烈に主張する文書(クラーマー『魔女への鉄槌』)の忠実なコピーを社会に流通させ、魔女狩りをヨーロッパ全体に広げる結果となった。
残酷な事実だ。

自己修正メカニズムを内部化している例として挙げられているのは、近代科学。
ただこれもスターリン政権下のソ連科学アカデミーのように、真実の追究よりイデオロギーを優先することも現に起きている。
賢い人たちでさえ、こんな風なのだ。
なかなか人類の世の中はうまくいかないようにできているらしい。

本書の最後は、民主制と独裁制・全体主義の社会での情報の流れ方の違いとそれを支える技術についての考察。
民主制=分散型の情報ネットワークと独裁制=中央集中型の情報ネットワークという図式にまとまりそう。
そして前者は人間の可謬性を認めるために、自己修正メカニズムを持っている(が、強権的な指導者が出て、自己修正メカニズムを無効化していくことは起こりうる)。

民主制であれ、独裁制であれ、大規模化していくのに大きな役割を果たしたのはマスメディア。
たしかに、民主制の社会では情報の流れがマスメディアにより複数化し、調整や修正することにつながる。
一方、全体主義社会では情報の流れを中央に集中させるために、チェック機能は働かない。
しかし、著者は技術決定論を退け、マスメディアが全体主義の政体にも寄与することをきっちり指摘している。
そして、一見、全体主義的なネットワークが機能不全になり、民主制のネットワークが勝利したと思われているが、AIの登場によってまた新たな局面が出てくるということが示唆され、上巻が終わる。
何か読むのが怖いような気がしてきたが…

*このレビューを間違えて下巻の方に登録してしまいました。上巻の方にアップし直して、下巻の方は一度削除します。(2026.2.8追記)

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

難しくて何度も寝落ちしてしまった…宗教の話は避けては通れないのだろうけど、なかなかなじみがなく理解が難しいところもあった。どちらかといえば下巻の方がAIなどの話があって読み進めやすかったかもしれないが、情報を語る上で理解が必要な事柄ばかりであったので、もう少し勉強して挑みたい書だなと思った。

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

ソ連とナチスドイツの全体主義を例に取り上げていたので、あまり馴染みのなかった地球上の組織についてもイメージすることができた。
重要なのは宗教と科学。それらはどちらが正解ではなく、互いに作用し合いながら歴史を紡いでいる。
そこに関与するネットワークの効用に触れつつ、過去について、考察する本である。

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2026年01月02日

Posted by ブクログ

我々人類にとって、情報とは何なのか。
確かに改めて考えてみると、様々な解釈があって面白い。
情報には実態が無いし、それを何かと説明することは意外と難しい。
上巻はまさに情報の歴史について。
下巻は現在から未来に向けた、AIについての内容となっている。
出だしから予想もしない方向に話を展開させるのは、著者の得意なパターンだ。
「情報の正体は、真実を伝えるものではない」と、堂々と喝破したのには、舌を巻いた。
見たまま、ありのままが真実であり、それが情報として単純に伝わるものだと思っていたが、人類にとっての情報はそうではない。
一歩進んで本来の役割は、「大勢の人を繋ぎ、秩序を創り出すこと」にあると説く。
人類が文明を築けたのは、何千何万人という見知らぬ人同士が「共通の物語」を信じて協力できたからに他ならない。
これは、まさに「サピエンス全史」で出てきた「認知革命」の話でもある。
「物語」は、必ずしも客観的な真実である必要はない。
宗教も国家もお金すらも、実は人々が勝手に妄想しているだけで、実態として存在しているものとは言えない。
たとえそれが虚構であっても、人々を強く結びつけるものになるならば、それだけでその情報は大きな価値を持ってしまう。
そう言ってしまえば、「会社」も虚構のようなものだ。
元々お互いに知り合いでもない他人同士が、会社の中である目的に向かって協力して仕事をする。
その目的が、最近では「ミッション・ビジョン」だったりする訳だが、これこそまさに「物語=ナラティブ」と言われ、いわんや「情報」そのものである。
人は物語という情報を通じて、他人同士繋がることが出来てしまう。
本書のタイトルである「NEXUS」は、まさに「繋がる」という意味なのだが、人類はこの能力のお陰で進化してきたことは間違いない。
他の動物には持ちえない、人間だからこその才能と言える。
口の上手い人(喋り上手)というのは世の中にいるものだが、概してこの「物語」を駆使していると言える。
政治家だって、宗教家だって、落語家だって、会社の社長だって。
物語として語ることで、人々の共感を呼び、さらに信頼を得ることで、とんでもない力を発揮してしまう。
人間が集団になった時のパワーは凄まじい。
巨大建造物を作るのも、空を飛ぶのも、宇宙に行くのも、すべては情報という名の妄想だけで、人を繋げ、大きなことを成し遂げて実現してしまうのだ。
そんな情報の形態も、歴史を重ねることで、進化をしていく。
すべてが口伝だった時代から、文字として記録が出来るようになると、人々の行動を大きく変えてしまった。
情報の記録とは、データ化の第一歩である。
データ化されたことで、「管理」という概念が生まれたという。
この発想はめちゃくちゃ面白い。
確かに口頭で指示をしても、守らない人もいるだろう。
良く聞こえなくて、違う解釈をして、行動する人もいただろう。
それが、情報が文書化されたことで、あらゆることを「管理」できるようになった訳だ。
分かりやすいのはお金の管理、借金の管理だ。
そしてそれは、「人の管理」へと発展していく。
インターネットに繋がっているかどうかは別として、人々は文字が記録されることで、成績表として比べられるのである。
テストや試験は、文字の記録があるからこそ成立するものだ。
そんな当たり前のことに、文字を自由に扱える我々現代人はなかなか気づけない。
会社だって、社員の評価を行って、給与に差をつけている。
我々の不便を解消するために発明した文字によって、自ら人間を管理し、苦しめる道具になっているのは、皮肉としか言いようがない。
今の時代に、会社は「人的資本経営が大事」と言っているが、人の評価を情報管理している以上、ギスギスした部分は解消されない気がする。
これもまた、人類が陥っている大きな矛盾点であると思った。
全てがネットワークにつながる時代に、あらゆる情報はログとしてデータ化され、保管されていく。
下巻ではそれらデータがAIによって超高速に解析され、結果を出される訳であるが、本当に人類はそれで幸せになっているのか。
この流れは不可逆であるのは間違いない。
しかし、今一度立ち止まって考えてみることが大事なのだと思う。
情報を操ることで発展した人類は、今後どうなっていくのか。
キーテクノロジーは「AI」ということで、下巻に続くのである。
(2025/8/15金)

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2025年12月27日

Posted by ブクログ

だいぶ面白い。AI脅威論を聞くたびに、ゆうたってAIはデータ食って統計的判断してるだけで言語理解はできてない、自律的判断なんてもってのほか、まったく別の技術革新でも起きない限りこのままディープラーニングがいくら進んでも質的変化は起きない、そう思っていました。しかし、これ読んで納得しました。AIはヤバいと。人間の知性とは違う種類だからどんな思考をしているかわからないから、特定の目的を与えても予想外の手段をとって目的を達成したりする。人間にはそれをあらかじめ想定することは不可能。
こりゃヤバい。

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2025年12月26日

Posted by ブクログ

情報の人類史。上巻は情報の定義から始まり、魔女狩り、石器時代からの民主主義と全体主義

相変わらず、歴史とその捉える視点が鋭くて興味深い。
情報は真実だけでなく秩序を生み出すという考え方は目から鱗。真実は知恵や力を生み出すが、秩序も力を生み出す。
物語が共同主観的現実を作り出し、文書化が知識の保存と官僚制を生む。

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2025年12月17日

Posted by ブクログ

◯ 人間の情報ネットワークの歴史は、進歩の大行進ではなく、真実と秩序のバランスを取ろうとする綱渡りだ。(80p)

◯ ややこしい現実を限られた数の定められた引き出しに落とし込むと、官僚が秩序を保つ助けにはなるが、真実がないがしろにされてしまう。(94p)

◯聖書には、安息日に労働してはならないと書かれている。だが、何が「労働」に該当するかは明示されていない。(128p)

◯ だが、印刷術は科学革命の根本原因ではなかった。(144p)

★忌まわしき魔女狩りやクラーク狩りの歴史を学ぶのは、胸糞が悪かった。だが、自己修正メカニズムの有無で宗教と科学を比較したり、情報の経路の多さで全体主義と民主主義を比較したりして、情報ネットワークの歴史を学んだことが、下巻の理解にどうつながるのか楽しみだ。

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の手に余る力を生み出すのは我々の種に特有の大勢で協力する方法に由来。神話、宗教など物語のたぐあは、既存の生物学的絆を拡張する手段。偽りの記憶を語り続けると、いずれ人は正真正銘の記憶として受け入れる。大量の人間の間に秩序を生み出す最も効率的な方法は、真実ではなく物語。情報ネットワークは「真実の探究」と「秩序の維持」の双方に効く。官僚制は「整理」、整理の引き出しに押し込める事で真実を反映していない。官僚制は真実を犠牲にするが秩序のためでもある。神話と官僚制は、秩序を維持するのに不可欠な一方、秩序のために真実を犠牲にする。宗教、全体主義の「不可謬性」。聖典は可謬の人間の制度や機関を迂回するテクノロジー。でも、聖典のキュレーションの段階で教会権力強化へ。教会には自己修正メカニズムがない。独裁社会は強力な自己修正メカニズムを欠いた中央集権型の情報ネットワーク。民主制は強力な自己修正メカニズムを持つ分散型の情報ネットワーク。強権指導者は自己修正メカニズムを徐々に攻撃する。民主制とは多数派原理ではなく万人の自由と平等を意味する。ポピュリズムは、人民はあらゆる権限の唯一の正当な源泉であると主張し、自分だけがその人民を代表していると断言する。民主主義は政治の領域の権限が人民に属するが、他の領域における権限が別のものに由来することを否定しない。情報テクノロジーの発達のおかげで、広範な民主主義と全体主義体制が実現可能に。全体主義は自己修正メカニズムを徹底的に否定し、重複した監視メカニズムで秩序維持。宗教は保守的だが、全体主義は社会を急激に変えるという約束を軸にする。民主制は中央だけではなく、多くの独立した経路を情報が流れるのを促し、多数の独立したノードが自ら情報を処理して決定を下す。他方、全体主義は全ての情報が中枢を通過することを望み、独立した機関が独自の決定を下すことを嫌う。全体主義政権は秩序を維持するために、現代の情報テクノロジーを使って情報の流れを中央集権化したり、真実を押さえ込んだりする。

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

歴史を情報と言う観点から見つめ直し、今後のAIの発展の影響について予想する著者得意の壮大な議論。これはその前半。
面白かった点:
・社会は、物語の共有によって成立する。
・文書は、物語の影響力を強化するが、良い方向とは限らない。中世の魔女狩は、魔女を非難する本の出版がきっかけとなった。
・情報の伝達速度と伝達距離の向上が、国家単位での民主主義と全体主義の双方を可能にした。
・近年の歴史では、民主主義が勝利したが、それは必然ではない。

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2025年11月11日

Posted by ブクログ

民主主義と全体主義がこれまで情報面からどう体制を維持してきたか、が主にアメリカとソ連の例から説明される。下巻で直近のAIの状況を踏まえて、中国も含めた考察になると良いな。

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

前半は概念的な解説が続き、ところどころ短い事例が紹介されているが、それでも理解が難しい箇所があり、『サピエンス全史』と比べて、正直読むのに苦労した。ただし78ページの模式図を何度か見返すことで、筆者の主張が少しずつ分かってくる。情報のもたらす「真実」と「秩序」、さらにそこから生み出される「知恵」と「力」の因果関係は、魔女狩り、ヒトラー、スターリンの事例を紹介する中で徐々に頭に入ってきた。特に後半は読むスピードが上がり、引き込まれていった。
読み進める中で、ある程度の世界史の知識は必須であり、時々ウィキペディアでおさらいした。情報ネットワークが無かったことにより、前近代において民主主義が機能しなかった理由、大規模帝国が維持できなくなる理由など、情報ネットワークの発達とその正しい使い方、或いは歪んだ使い方が生み出した「結果」を知らされた。
昨今の不安定な国際情勢においても、我々一市民が情報ネットワークを使いこなす結果次第で、未来がどうなるのか、考えさせられる。下巻も近いうちに読みたい。

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

息子へ

ユラ・ハラリは、父さんが一番好きな作家といってもいい。サピエンス全史から、全作品を読んでいる。最新の作品も、もちろん読む。

サピエンス全史のような衝撃はさすがに得られないが、ハラリの洞察力には感服した。同世代とは思えない。
この本Nexus(上)は、人類が情報を扱えるようになっていくにしたがって、どのようなことが起こってきた、起こるということを考察している本。納得したことは記憶しているが、個々の内容は忘れてしまった。

下巻は、AIがどのようなインパクトを与えるか?を教えてくれそう。楽しみである。

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2026年03月23日

Posted by ブクログ

2026年10冊目。満足度★★★☆☆

情報の歴史に関する本。上下巻のこれは上

下巻を読んで総合評価するが、上巻は格別面白いとは思わず

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2026年03月08日

Posted by ブクログ

情報の人類史について

情報とは
物語の力
文書そして官僚制
自己修正メカミズムが働くかどうか
(基本的人権の尊重、言論の自由)
本当の民主制では働く
全体主義と民主主義の概史
どちらも古くは印刷機、現在はマスメディア(情報が伝わる)によってより発展

AIの発展によってこれらがどのようになっていくかは後編で

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2026年03月02日

Posted by ブクログ

サピエンス全史が高尚過ぎて、歴史、世界史に疎い自分には理解が難しかったが、新作と言うことで改めてトライしてみた。
やっぱり高尚過ぎて難しかった。この手のジャンルを理解できる日が来るのはいつのことやら。

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2026年02月23日

Posted by ブクログ

歴史の大局を踏まえた過去の著作と比べるとやや物足りなさが残った。
誰とは名指ししていないが、下記の記述はトランプ政権を指していることは明白であり、著者が米国の現状に強い危機感を抱いている様子が窺える。

・強権的な指導者が民主制を切り崩すのに使う最もありふれた方法は、自己修正メカニズムを1つまた1つと攻撃するというものであり、手初めに標的とされるのは裁判所とメディアであることが多い。
・ポピュリストは人民の力と言う民主主義の原理を際限なく拡大解釈し、自分だけが人民を代表していると断言し、政治的な権限の唯一の正当な源泉であると主張し、全体主義に転じる。

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2026年01月14日

Posted by ブクログ

情報とは何か
→正しさや量より、どれだけ人や物事に作用するか
 ネットワークを作り出すかが重要
 聖書は間違いもあるけど多くの人に影響を与えている

人間以外の動物は
同じ物語を信じることにより知らない人同士でも繋がることができる
→数に上限がない
物語はデフォルメや嘘を入れることもできる
情報は真実と秩序をつくる→バランスが大事
ナチスは科学(真実)は発展したけど秩序が乱れた

リスト(数字などの情報)は物語より覚えづらい
→文書で記録するようになった


宗教と科学
全体主義と民主主義
→前者は神からの教えを伝える→不可謬
→後者は過去の間違いを認が更新される→可謬→自己修正メカニズム

印刷やマスメディアができたことにより民主主義と全体主義が発展した

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

あらゆる物は間違える可能性があるという可謬性の立場を取り、自己修正メカニズムを仕組みに取り入れた科学技術と、全体主義のイデオロギーや宗教の聖書のように、間違いはないという立場、誤りは訂正する事がない不可謬性システムとの違い、メリット、デメリットについて説明がベースとなっている。
基本的には、前者を推進すべきであるが、社会秩序や効率化という観点からは全てを可謬性システムに委ねるのは、そこからでてくる課題の多さ、難易度が上がっているのも、各国の政治からもその一端が見える気がした。日本の政治もそうでしょうか。

欧米の歴史やベース知識が少ない事もあり、本を読み進め、理解するのに時間が掛かりましたが、結構考えさせされる本でした。下巻へと進みたいです。

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

情報の歴史的役割:人・物事を結びつける、社会的なNEXUS(絆・中心的)
 →情報は現実を表示していない時もある
  →正否よりも、どう上手く人々を結びつけるか、
   どのようなネットワークを新たに作り出すかが重要であることが多い。

人間の情報ネットワークの誤りへの対処
 ・聖典
   →人の誤りを防ぐために聖典として書物で情報から人の介在を排除
    →解釈の違い ex.安息日に労働してはならない
            →紙を引きちぎるのは労働だと判断を下された
            →正統派のユダヤ教徒は安息日用にトイレットペーパーを
             予め引きちぎって重ねて準備する
     →解釈のずれを修正した新しい聖典を編纂
      →外部環境は常に変化するため、新たな解釈の違い、
       聖典の再編纂が繰り返される。
 
 ・科学の機関
   →経験的証拠に基づいて情報のキュレーションを行う
    →人・機関自体も誤りは避けられないことを前提とし、自己懐疑に報いる。
※社会秩序の維持は他の機関に任せていため自己修正メカニズムを持てた

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

上巻は本題に入る前の歴史を述べていく。

情報は必ずしも現実を表さない
フェイクはリアルよりわかりやすくできるため、リアルより広まりやすい

などなど、聖書、魔女狩り、スターリンやヒトラーの全体主義などを例に語られる。

印刷術、ラジオ、テレビなどから進んでいく。そして、コンピュータ、AIがいかに今までの技術と異なるかが、下巻に続いていく。

印象的なのは 不可謬であることの 課題、怖さなどを聖書や全体主義に見ていて、冷戦でアメリカや民主主義陣営が良かったことに可謬、つまり訂正可能性、課題を自己訂正しつづけられたからとしていること。

訂正可能性の哲学にもつながる面白い見方だった。

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2025年09月27日

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