ユヴァル・ノア・ハラリのレビュー一覧
-
大野和基 / ジャレド・ダイアモンド / ユヴァル・ノア・ハラリ / リンダ・グラットン / ニック・ボストロム / ダニエル・コーエン / ウィリアム・J・ペリー / ジョーン・C・ウィリアムズ / ネル・アーヴィン・ペインター3.9 (30)
-
Posted by ブクログ
食肉、乳製品、皮革など、本来は動物由来で作られる畜産物を、特定の細胞を人工的に培養することにより、科学的に全く同じものを作り出す「細胞農業」の最前線と、商用化に向けた課題をまとめた一冊。
今日の多くの工業的畜産は、大量の飼料を消費する非効率性、それら飼料作物の栽培に伴う資源の浪費、「牛のげっぷ」などによる環境汚染、食肉加工における細菌汚染、家畜が強いられる劣悪な飼育環境といった深刻な問題を抱えている。世界人口が爆発的の増加する中、これらの問題に対して植物由来のフェイクミートとともに有力な解決策となり得るのが細胞農業であり、動物を飼育するのに比べて、必要な部分(肉や乳など)のみを培養して作れる -
大野和基 / ジャレド・ダイアモンド / ユヴァル・ノア・ハラリ / リンダ・グラットン / ニック・ボストロム / ダニエル・コーエン / ウィリアム・J・ペリー / ジョーン・C・ウィリアムズ / ネル・アーヴィン・ペインター3.9 (30)
Posted by ブクログ
私が考える理想の研究者とは、人類がこれまで歩んできた歴史とともに、現在の社会を見つめ、少し先の未来までをも見ようとする「優しい研究者」です。
「持続可能な開発(SDGs)」という概念が近年注目されていますが、「持続可能な開発」とは、おそらく「次世代を見ようとする努力そのもの」なのではないかと考えています。持続可能な開発とは、言い換えれば、次世代まで継続して豊かな社会を築くことです。そのため、これまでの歴史を振り返りながら、今起こる現象を読み解き、次世代まで豊かな社会を築くには何が必要かを問う姿勢が重要なのです。
しかし、これから起こりうる未来を想像することはそう簡単なことではありません。 -
大野和基 / ジャレド・ダイアモンド / ユヴァル・ノア・ハラリ / リンダ・グラットン / ニック・ボストロム / ダニエル・コーエン / ウィリアム・J・ペリー / ジョーン・C・ウィリアムズ / ネル・アーヴィン・ペインター3.9 (30)
-
-
Posted by ブクログ
下巻では、これまでの情報の人類史とは決定的に異なり、「AI」についての話となる。
ハラリ氏は、AIを単なる「道具」とは考えていない。
今世間を騒がせているAIは、情報を自ら消費し、分析し、人間が理解できない論理で自ら決定を下す「独立したエージェント(行為主体)」であると定義しているのだ。
AIの「A」はArtificial(人工)ではなく、Alien(異質な、エイリアン)だと説いたのは、なるほどと思った。
AIと人間は、動く目的が全く異なっている。
人間には当然感情があるし、そもそも意思がある。
AIには、まったくそれらがない。
その代わりに、AIが備える、人間には全く理解できない動きがあるの -
-
Posted by ブクログ
我々人類にとって、情報とは何なのか。
確かに改めて考えてみると、様々な解釈があって面白い。
情報には実態が無いし、それを何かと説明することは意外と難しい。
上巻はまさに情報の歴史について。
下巻は現在から未来に向けた、AIについての内容となっている。
出だしから予想もしない方向に話を展開させるのは、著者の得意なパターンだ。
「情報の正体は、真実を伝えるものではない」と、堂々と喝破したのには、舌を巻いた。
見たまま、ありのままが真実であり、それが情報として単純に伝わるものだと思っていたが、人類にとっての情報はそうではない。
一歩進んで本来の役割は、「大勢の人を繋ぎ、秩序を創り出すこと」にあると説 -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
(上巻のレビューから続く)
下巻のポイントは概ね以下である。
◆近代に入るまで、人間は、全能の神或いは自然の永遠の摂理により、何らかの宇宙の構想の中で役割を与えられている、即ち、(力を制限されるのと引き換えに)人生に意味を与えられていると信じていた。しかし、現代においては、人間はどんなドラマの役割も与えられておらず、人生に意味はないことが明らかになり、代わりに制限のない力を持つようになった。いわば「人間は力と引き換えに意味を放棄することに同意する」という「現代の契約」を結んだ。また、この契約では、何らかの宇宙の構想を基盤とせずに人生の意味を見つけた場合、契約違反にはならず、人間は、人間の知識( -
Posted by ブクログ
ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、1976年イスラエル生まれの歴史学者。オックスフォード大学で博士号を取得(中世史・軍事史を専攻)し、現在はエルサレムのヘブライ大学歴史学部教授。代表作の『サピエンス全史』(2011年ヘブライ語版、2014年英語版、2016年日本語版、それぞれ刊行)は世界的ベストセラーとなり、60以上の言語に翻訳され、累計販売部数は2,500万部を超えている。ダボス会議など国際舞台でも講演を行う。
本書は、人類の誕生から文明発展までの歴史を俯瞰的に描いた『サピエンス全史』に続き、科学技術とAIの進歩を背景に、人類が向かう未来とそれに対する警鐘について書かれたもので、2015年ヘブライ -
Posted by ブクログ
◯ 人間の情報ネットワークの歴史は、進歩の大行進ではなく、真実と秩序のバランスを取ろうとする綱渡りだ。(80p)
◯ ややこしい現実を限られた数の定められた引き出しに落とし込むと、官僚が秩序を保つ助けにはなるが、真実がないがしろにされてしまう。(94p)
◯聖書には、安息日に労働してはならないと書かれている。だが、何が「労働」に該当するかは明示されていない。(128p)
◯ だが、印刷術は科学革命の根本原因ではなかった。(144p)
★忌まわしき魔女狩りやクラーク狩りの歴史を学ぶのは、胸糞が悪かった。だが、自己修正メカニズムの有無で宗教と科学を比較したり、情報の経路の多さで全体主義と民 -
Posted by ブクログ
AIがアルゴリズムに基づいて情報をコントロールするようになると、信じられないスピードで大量の情報を操作するようになる。我々人間が状況を理解し判断できるスピードを超えているので、AIが予測不能な動きをし、場合によっては倫理観を無視した暴力的な手段に走る恐れもある。著者はこの事態を危険視している。
AIを活用して問題を解決しようと試みた結果、表面的にはタスクが達成されていても、本来の問題解決にはならない可能性も指摘している。
そして、AIと比べて、人間はコロコロと考え方が変わったり、時には矛盾した行動をするもの。その不安定な一面は、言い方を変えれば自己修正が出来るということで、筆者が注目している。 -
Posted by ブクログ
普段本を読まない人たちが本書だけを読み、感銘された!とか言って随所に『サピエンス全史では〜』の枕詞と共に講釈を垂れる感じが嫌いで、この本を読まず嫌いしていた。何のきっかけか分からないけど、読んでみた所、なるほど!?の連続で未知を色々開拓してくれた。
内容では、ゴーギャンの「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」の絵を思い出す。この作画の意味する所、というかタイトルは抽象的かつキャッチーなため、様々な文脈で自由に引用される。サピエンス全史についても、様々な文脈で自由に引用されている。それも、この本が包括的でキャッチーだからだと思う。ただ違うのは、サピエンス全史はとにかく具 -
Posted by ブクログ
あれ〜?昔途中まで読んだ事があり、その時は星1個の最低評価だったのに、読み返してみるとおもしろい。何を毛嫌いしていたのか、私は。
読書なんて数年に1回しかしない人達が一斉にこの本を読み、口を揃えて人類の哲学を語っている感じを忌避していたのかもしれない。そう考えると、本書は悪くなく、申し訳ない。
とは言え、書いてある内容は分断されて各媒体で細々と紹介されているためどこか聞いた事があるような内容に富んでいた。逆に言えば、今世各所で聞く、人類とはこういうものだ的な言説はかなりこの本の影響を受けてできたものなのではなかろうか。
人類を生物学的に見た時に、そういうものと決めつけられるものは少ない。 -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の手に余る力を生み出すのは我々の種に特有の大勢で協力する方法に由来。神話、宗教など物語のたぐあは、既存の生物学的絆を拡張する手段。偽りの記憶を語り続けると、いずれ人は正真正銘の記憶として受け入れる。大量の人間の間に秩序を生み出す最も効率的な方法は、真実ではなく物語。情報ネットワークは「真実の探究」と「秩序の維持」の双方に効く。官僚制は「整理」、整理の引き出しに押し込める事で真実を反映していない。官僚制は真実を犠牲にするが秩序のためでもある。神話と官僚制は、秩序を維持するのに不可欠な一方、秩序のために真実を犠牲にする。宗教、全体主義の「不可謬性」。聖典は可謬の人間の制度や機関を迂回するテクノ