【感想・ネタバレ】ホモ・デウス 上 テクノロジーとサピエンスの未来のレビュー

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Posted by ブクログ

サピエンス全史は全体的に過去から現在までのホモ・サピエンスの歩み、ホモ・デウスは未来にどうなっていくのかが全体のトピックとなっています。「ホモ・デウス」を直訳すると「神の人」という意味なのですが、古代エジプトやメソポタミア、宗教改革時のヨーロッパの状況等、様々な角度からの深い歴史考察に対し、何か自分も頭が良くなったと錯覚しちゃう良書です。㊦巻も楽しみだな~。

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2024年02月04日

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ネタバレ

人類はこれからどこへ向かっていくのであろうか。私たちが生きていく時に思う人類全体としての未来。テクノロジーの発展により不死と幸福を追求することが目的となり、神聖さも獲得しかけている人類。ただし、そのために生きている意義、といった内面的なものは無くなっていってしまう。新たな観念的な考え方であるデータ至上主義により、人類の個人としての経験はたいした意味を持たず、人類としての経験が今を有するようになるといった悲しい未来になる可能性があると筆者は主張している。
示唆に富んでいるだけでなく、歴史からの学びを重視しておる歴史学者ならではの視点で語られており、とっても勉強になる一冊だった。
また、文庫版の序文では、Covid-19は、テクノロジーにより疫病は対処可能な課題になったのにも関わらず、大人としての振る舞いができない人類しかいないため、人災となってしまったというところが、とっても共感できる一説であった。
また、ロシアのプーチンによるウクライナ侵攻も、せっかく克服したと思われていた戦争と貧困と病気の時代への逆戻りになってしまうというのも、確かに頷けるものであろう。
この序文だけでもこの本を読む価値があると思う。

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2023年01月16日

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サピエンス全史と内容のかぶる部分も多い。だが本書の主張に即して最適化されており、既視感はありつつも別角度から眺めている感じだ。
未来のことを考えるために過去のことについて入念に分析・考察している。そう、サピエンス全史は「解説」で、これは「分析」や「考察」と表現するのがふさわしい気がする。その分より抽象的で難しい気もするが、著者の他の作品と同様にとてもわかりやすく書かれている。
下巻も楽しみ

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2024年04月11日

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この作者は物事の芯をとらえるのがうまいのだと思う。一見複雑な事柄が、一つのことに焦点をあてる事で単純明快に浮かび上がり、他の事柄と自然と繋がるように思える。
下巻が楽しみ!

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2023年12月22日

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疫病と飢饉と戦争に脅かされなくなった人類。
このあとの未来でコロナが流行ったけど、抑え込んだもんねー。

行き止まりの道々を潰しながら導かれる論説が大変わかりやすく興味深い。詳しくは下巻を読み終わってから。

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2023年11月23日

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サピエンス全史の続編的な本。人間は3つの革命で地球を支配して、更なる高みを目指す。それは、神となることだ。果たして、それは可能なのか。
科学革命、そして、IT革命。AIも登場して、地球上にある森羅万象を明らかにして、コントロールしてゆく。全人類がそうなるわけではない、一部の人間が神になるだけだ。恐ろしい未来。

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2023年10月08日

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一貫して読みやすく言いたいこともかなりクリアーになっていたと思います。つまり人類はようやく最近になって(大規模な)飢饉、疾病、戦争をなくすことに成功した。さて次は何を求めるのか、ということで著者があげているのが不死、幸福、神性の3つです。この3つのキーワードは多少誇張されているとは言え、方向性としては同意できました。つまり寿命をいかに伸ばすか、幸福度をいかに高めるか、そしてその2つを達成できればできるほど人類は神に近づく、という論調ですが、これが全世界に当てはまるかといわれるとNOという印象は持ちました。つまりここで書かれていることの多くは一神教の宗教が浸透している地域の未来予想図であり(キリスト教、ユダヤ教、イスラム教等)、日本のようにいまだにやおよろずの神の影響が少なからず残っている国においては、正直あてはまらないでしょう。ハラリ氏は、アニミズムは原始的な部族の間にしか残っていないと思っているのかもしれませんが、日本のような先進国でもその痕跡は色濃く残っている事を学ぶべきでしょう。

しかしそれは除いたとしても、書かれていることや著者の問題意識は非常に鋭いと思いましたし、学ぶことも多かったとは思います。世の中には主観と客観の2つだけではなく、第3の領域として「共同主観」がある、という記述は興味深かったです。貨幣を例にとっていますが、皆が「その貨幣は有効である」と信じているから実際にその貨幣が機能する、しかしその幻想が崩壊した瞬間に貨幣は機能しなくなる、ということで岩井克人さんの貨幣論を思い出しました。岩井さんは言語や法律も同じカテゴリーに属すると述べていますが、ハラリ氏も同様の見解を示していました。下巻も楽しみです。

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2023年05月02日

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人類がどこに向かうのか歴史から考察している本。考えさせられることが多く読みごたえがある。
以下、印象的な一文。
人間はつねにより良いもの、大きいもの、美味しいものを探し求める。人類が新たに途方もない力を手に入れ、飢饉と疫病と戦争の脅威がついに取り除かれたとき、私たちはいったいどうしたらいいのか?

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2023年04月21日

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人類が世界の完全なる支配者に進化してきた過程を考察した前著「サピエンス全史」の続編。
まず、本編が著されてから6年後に書かれた冒頭の「文庫版への序文」で新型コロナ拡大とロシアの侵略戦争への危惧と克服を期して始まる。そして第1章で「この予測は予言というよりも現在の選択肢を考察する方便という色合いが濃い。この考察によって私たちの選択が変わりその結果予測が外れたなら考察した甲斐があったというものだ。予測を立ててもそれで何一つ変えられないとしたらどんな意味があるというのか。...歴史を学ぶ目的は私たちを押さえつける過去の手から逃れることにある。...歴史を学んでも何を選ぶべきか分からないだろうが少なくとも選択肢は増える」と言っているが、著者のこの大変に誠実な姿勢に読む者の信頼と期待はいやが上にも増す。
人類を世界の霊長たらしめた最たる能力は、認知革命により宗教や国家のような共同主観的な虚構の物語を作りえたことだと解く。そのことで他の動物が持ち得ない団結や規律、隷属関係さえも可能なったと。しかし、そのことが最大多数にとって幸福だったとは決して言えない。
序盤の明るく楽観的な論調はどんどん消え去り下巻へ続く。

心理学的レベルでは、幸福は客観的な境遇よりもむしろ期待にかかっている。私たちは平和で裕福な生活からは満足感が得られない。それよりも、現実が自分の期待に添うものであるときに満足する。あいにく境遇が改善するつれ期待も膨らむ。...この先何か手を打たない限りこの先どれほどの成果を上げてもやはり私たちの不満は少しも解消されないかもしれない。
ミル「幸福とは快楽と、苦痛からの解放とにほかならず、快楽と苦痛以外には善悪は皆無である」
これはすべて進化のせいだ。私たちの生化学系は無数の世代を経ながら幸福ではなく生存と繁殖の機会を増やすように順応してきた。生化学系は生存と繁殖を促す行動には快感で報いる。だがその快感は束の間しか続かない。
この予測は予言というよりも現在の選択肢を考察する方便という色合いが濃い。この考察によって私たちの選択が変わりその結果予測が外れたなら考察した甲斐があったというものだ。予測を立ててもそれで何一つ変えられないとしたらどんな意味があるというのか。
歴史を学ぶ目的は私たちを押さえつける過去の手から逃れることにある。...歴史を学んでも何を選ぶべきか分からないだろうが少なくとも選択肢は増える。
私たちの知る限りでは無数の見知らぬ相手と非常に柔軟な形で協力できるのは サピエンスだけだ。私たちが地球という惑星を支配しているという事実は不滅の魂や何か独特の意識ではなく この具体的な能力で説明できる。
それでも何十年何百年を経つうちに意味の Web がほどけそれに代わって 新たな Web が貼られる。歴史を学ぶというのはそうしたWebが張られたり 解けたりする様子を眺め ある時代の人々にとって人生で最も重要に思える事柄が子孫には全く無意味になるのを理解することだ。
だが、物語は道具にすぎない。だから物語を目標や基準にするべきではない。私たちは 物語がただの虚構であることを忘れたら現実を見失ってしまう。

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2023年04月06日

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オーディブルで拝聴。歴史を学び、歴史から自由になる。
人間はどんな生き物で、何を克服してきて、どうなっていくのか。
人類は発展しすぎて、民主制も機能しづらくなってきているんだろうな、というのは実感もあったり。この辺をAIで解決していくのかな。

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2023年04月01日

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人類はどう生きてきて、どこへ向かっていくのか。ざっくりそんな話。上巻なので、どう生きてきたかの部分を詳しく語っている。ところどころ難しいが、納得の行く解説も多々あり、歴史や人類の成り立ちについて新たな視点で考えることができる。

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2023年03月26日

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ずっと読まなければと思っていた本書が文庫になったので早速購入。サピエンス全史はならないのかな?
内容についての感想は下巻に記載します。

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2022年10月15日

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サピエンス全史が面白かったので、隣に並んでいたこっちも買ってみました。
サピエンスはどこから来たの?をワクワク読んだけど、こっちはどこへ行くの?をヒンヤリした気持ちで読んでました。
面白いんだけど、とても怖い。

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2024年04月08日

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 人類の未来を語るために重要となる要点をまとめた本。本書を読めば、人類の発展の法則から将来の私たちがどのようような方向性を目指していくのかを予測することが可能である。著者は、「サピエンス全史」の執筆者でもあり、合わせて読むことでより理解が深まるのではないかと思う。

 人類がこれまで克服するために取り組んできた事が飢饉と疫病と戦争である。これらが原因となって、死亡する人数は今日、生活習慣病や犯罪でなくなる方が高い。他にも、過食の方が飢饉よりも多いことや資源が人手から頭脳に変わっていったことが原因である。よって、完全とは言えない物の大幅な目標は達成したと言える。

 そこで、次は”不死”と”幸福”が課題とされる。これらは、アルゴリズムなどの情報およびバイオテクノロジーによって解決されるだろう。
 そもそも、人や動物はアルゴリズムによって行動や感情が左右される。神話や奇跡によって語られるのではなく、単なる化学反応の連続でしかないのである。すなわち、その情報やデータを結集し、個人に最適な解決策を導き出すことができれば、私たちは”幸福”を目指すことができるのではないだろうか。しかし、そこに私たちの意思や心は存在しないかもしれない。いまだに、心はなぜ存在するのか、どのような反応によって意思が決定されるのかは細かく判明しておらず、科学で制御できる事柄なのかは分からないからだ。
 もしかしたら、絶対的な意識は存在せず、他人からの視線のみによって自分の居場所を見つけているのかもしれない。つまり、アルゴリズムとは完全に言い切ることができるわけではないのだ。ただし、気分や健康状態に関しては、私たちの感覚よりもテクノロジーを頼る未来は遠くないと考える。

 また、宗教や契約は虚構であるにも関わらず、私たちの行動基準を左右する。社会的秩序によって大衆を動かく力があるのだ。科学はこの点において、宗教を超えることができない。だけども、宗教が創始者の完全な言い伝えとも限らないことは頭に入れておくべきだろう。すなわち、真理の面については実はあまりこだわっておらず、行動自体を重視している。

 すなわち、宗教は大衆を動かして倫理的判断や価値観を、科学は研究で病気や生産力をそれぞれ高めることになる。この2つを軸とした人間至上主義が私たちの行動を決める。

 内容が壮大かつ未来の出来事につなげようとしているので、どこか内容を捉えきることができなかったように思う。しかし、人間は自由なようで実は宗教などに縛られていて、そうしないと倫理的判断が難しいのだと思った。

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2023年08月18日

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今まで当たり前だと思っていたことがひっくり返された。人類史における宗教の影響力が分かった。一度読んだだけでは全ての内容は理解できなかった。改めて読み直したい。

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2023年08月06日

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企業は神であり宗教である。企業に限らず全ての組織はそうであり、だから、彼らの視線は内向きとなり、保身に走る。

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2023年05月23日

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イスラエルの歴史学者による、人類の歴史の振り返りから未来の可能性の示唆した本。人類は飢饉、疫病、戦争等の大きな問題を克服しつつあり(2018出版のため、現状は少し逸れている感もあるが)、これからは不死、至福、神性の追求にシフトしていく。農業革命、産業革命前後での人間の価値観の変化や、科学と宗教との関連性を解釈し、人間至上主義がどのように生まれ変容してきたかを説明している。人間至上主義から今後のデータ至上主義への変遷については下巻。もちろんあくまで著者視点・著者の解釈によるストーリーではあるが、史実の勉強になったり、自身の日常からはやや距離があるため理解できなかった宗教観 (一個人の中での科学と宗教の内在) というものが、なんとなく見えたような気がした。

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2023年01月16日

Posted by ブクログ


サピエンスが世界を支配しているのは彼らだけが共同主観的な意味のウェブ
彼らに共通の想像の中にしか存在しない「想像上の秩序」を織りなすことができるから。


人間の幸福は客観的な境遇よりもむしろ期待にかかっている。
現実が自分の期待に沿うものであるときに満足する。
過去数十年間に人間が経験したような境遇の劇的な向上は、満足感ではなく期待の増大につながる。

人間には不滅の魂があるが、動物はただの儚い肉体に過ぎないという信念が、私たちの法律制度や政治制度や経済制度の大黒柱である。
この信念のために、人間が食物のために動物を殺したりしても差し支えない。

宗教とは社会秩序を維持して大規模な協力体制を組織するための手段である

科学は事実を研究し、宗教は価値観について語る。

聖書は記述されたとされる出来事が起こってから何世紀も後に、それぞれ異なる書き手によって書かれた。

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2023年01月14日

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