あらすじ
ついに待望の文庫版登場! 世界的ベストセラー『サピエンス全史』に続いて著者が放つ「衝撃の未来」。カズオ・イシグロ、ビル・ゲイツ、ダニエル・カーネマンが絶賛する面白さと深い考察。
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Posted by ブクログ
人類がこれまで戦ってきた飢餓・病気・戦争は良くも悪くも危機がさっていき、新しい時代に突入しようとしている。
人間はどこはゆくのか、著者の答えは神になること=デウスになることだと言う。あらゆる他の生き物を従えるどころか、生命を生み出し、操ることのできる能力はもはや神と呼ぶに相応しい…
単なる歴史解説に留まらず、宗教や科学の話もとっても面白い。自分は生命についてアルゴリズムの集合体というイメージに肩入れしてしまい、神の存在など考えたこともなかったが、言われてみると自己意識ってなんだろう…とか、なるほど宗教っねこういうことなんだなぁ…と前書に続いて気付かされることが多い。
Posted by ブクログ
人類はこれからどこへ向かっていくのであろうか。私たちが生きていく時に思う人類全体としての未来。テクノロジーの発展により不死と幸福を追求することが目的となり、神聖さも獲得しかけている人類。ただし、そのために生きている意義、といった内面的なものは無くなっていってしまう。新たな観念的な考え方であるデータ至上主義により、人類の個人としての経験はたいした意味を持たず、人類としての経験が今を有するようになるといった悲しい未来になる可能性があると筆者は主張している。
示唆に富んでいるだけでなく、歴史からの学びを重視しておる歴史学者ならではの視点で語られており、とっても勉強になる一冊だった。
また、文庫版の序文では、Covid-19は、テクノロジーにより疫病は対処可能な課題になったのにも関わらず、大人としての振る舞いができない人類しかいないため、人災となってしまったというところが、とっても共感できる一説であった。
また、ロシアのプーチンによるウクライナ侵攻も、せっかく克服したと思われていた戦争と貧困と病気の時代への逆戻りになってしまうというのも、確かに頷けるものであろう。
この序文だけでもこの本を読む価値があると思う。
Posted by ブクログ
サピエンス全史が非常に良かったので、こちらも今更ながら読んだ。
個人的にはサピエンス全史ほどの衝撃はないかなと。
ホモサピエンスが世界を征服してきた歴史を振り返り、人間権威主義について考えさせ、人間はどこに向かうのかを問う。テクノロジーが発展する中で、我々は新たな人類の下等生物に成り変わり、我々が動物を支配してきたのと同様に支配されるようになるのか。我々はどこへ向かうのか、人間を人間たらしめているものは何かを考えさせる内容
Posted by ブクログ
読書メモ
人類のこの先の課題
人類は飢饉、疫病、戦争の問題を解決してきた。
死を克服し、神になるのがその先の課題である。
また幸福の追求も課題。
幸福の度合を測るのは難しい。古代人が得る幸福と現代人が得る幸福は脳内物質程度の点では同じ。
人新世
地質年代における完新世の中の最近7万年。サピエンス登場。地質的、生物的影響が地球レベルである。世界の動物の質量分布は人類とその家畜で90%におよぶ。
アミニズム→他の動物たちの中の人間
一神教→動物と話すことをやめ神と人が支配する世
人が特別である理由
やはり宗教でしか説明つなかい。
意識は他の動物にもある。科学の進歩が人類の偽りの輝きを剥ぎ取る。
古代の王や神はブランド
ファラオは現代のアップル
客観的という場合2つの種類ある
科学的追証可能な観測的事実
共同的主観もまた客観的と扱われることがある。
互いに語り合う物語の意味のネットワークがおりあがって共同的主観が形成される。時代とともに意味のネットワークがかわり何百年後にはまったく共感できない行動基盤になることもある。
結果、人間は3種類の世界で生きている。
自身の内面世界である主観世界
自分以外の他者や自然の観察から得られる客観世界
人類どうしの意味のネットワークに存在する共同主観世界
時に3つ目が最重視され、個人や世界が歪められる。物語がなによりも重要。
宗教なしには人は集団的にまとまりえない。
個人は自身が属する組織が信じる虚構を信じるしかない。それが最上のものである保証や比較は難しい。
科学と宗教は奇妙な夫婦。完全に互いを否定するものでもない。
宗教は秩序、科学は力をもとめる。
真理を求める点に話が及ぶと衝突する。
人類至上主義という宗教と科学はこの500年非常にうまく共存してきた。現代はその流れの先端である。
人類至上主義の到達点が神への到達であり、古代の人が信じた神を現実につくれる科学が目の前にきている。。
人類至上主義のがその座を譲るつぎの宗教があるのか?下巻に続く。
Posted by ブクログ
難しい!
「サピエンス全史」を勧めてくれた職場の同僚が、この次「ホモデウス」っていうのがあって、更にすごいことになるんですよ~笑、って言いつつ貸してくれたので読みました。そういう彼も、ホモデウス難しすぎて、上巻だけ買って読んだあと、下巻はまだ買ってないとか。しかし、やっとのことで読み終わって、最後にこの後の章の予告が書いてあったので、私はやはり続きも頑張って読もうと思いました。
著者は「サピエンス全史」でも、「宗教」というのは我々が一般的に認識する「キリスト教」「イスラム教」といった神をあがめるものではなく、人類が創り上げた虚構のことを言うのであって、「資本主義」とか「人権」とか「共産主義」も我々が信じさせられている宗教である、と述べていた。で、今、地球上の人類がほぼ全員信じている宗教は「人類至上主義」。地球上で、ホモサピエンスの命が、他の動植物よりも尊いことが大前提である。だから、家畜の牛や豚は、雌に子どもを産ませたあとすぐに親子を引き離し、体の向きを変えることもできない狭いゲージに閉じ込めたまま太らせ、乳を絞ったり次々に子を産ませたりする。
人間に情動があるのと同じように、家畜にも、他の動物にも情動があるとは考えない。そもそも「心」とは何か?「心」の存在は、どんなに科学が進歩しても証明できない。しかし人々は、人間には「心」があると信じる。証明できないものが人間に「ある」とするならば、家畜にだって「ある」と言えるかもしれないのに?これは不都合な真実だ・・・。
このあたりを真剣に読むと、もう二度と肉も卵も食べられなくなりそうなので嫌ですね。そういえば私の本棚の「読みたい」のリストには「牛を屠る」っていうやつもあるんだけど・・・現実を直視するのは怖い・・・。
で、下巻は、科学と「人間至上主義」との契約について述べたあと、「人間至上主義」にとって変わる新しい教義があるのか?という話になるらしい。すでに、科学と人間至上主義との契約は崩れ去りつつある。このあとどうなるか・・・楽しみ楽しみ。