あらすじ
文明はなぜ爆発的な進歩を遂げ、近代ヨーロッパは世界の覇権を握ったのか? 帝国・科学・資本を中心に未来への幻想が生まれる歴史を解く。文明は人類を幸福にしたのか? ついに文庫化!
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Posted by ブクログ
•科学革命はこれまで、知識の革命ではなかった。何よりも、無知の革命だった。科学革命の発端は、人類は自らにとって最も重要な疑問の数々の答えを「知らない」という、重大な発見だった。↔︎イスラムやキリスト、仏教といった近代以前の知識の伝統は、この世界について知るのが重要である事柄は偉大な神によってすでに全部知られていると主張した。
•資本主義は、資本と富を区別する。ただ手元に置かれる富とは違って、資本は生産に再投資されるものだ。
•従来、独身者の間を取り持つのは家族だったが、今日では、市場が私たちの恋愛面での嗜好をしたて結婚を促す。アパレルやジム、美容師や美容整形の銀行口は、市場の示す理想的な美にできる限り近い形で私たちを送り出す様手伝う人だ。
•同じ消費行動や関心を持つ人たちは、その一つの消費者部族の中で自分達が何者であるかを定義する。
•核の登場で戦争による代償が大きくなり、もはや単独で国家を維持することが不可能となった現代では、戦争によるメリットはない。
•子育てとはそもそも、とてつもなく不快な行為だ。それでも人々がそれを自分のいちばんの幸せだと判断するのは、子育てによって自分の人生が有意義で価値あるものだと見做せるからである。
あなたに生きる理由があるのであれば、どの様な生き方にも大抵耐えられるだろう。
•人間は、儚い感情を経験した時だけでなく、自分の感情は全て束の間のものであることを理解し、そうした感情を渇望することを辞めたときに初めて心の苦しみから解放される。
→一生喜びの感情を追求するということは、何十年も浜辺に立ち、いい波を腕に抱えて崩れない様にするのと同じ、無謀な試みである。
•不幸にも、サピエンスによる地球支配はこれまで、誇れる様なものをほとんど生み出してはいない。私たちの行いは、世の中の苦しみの量を減らしただろうか?人間の力は増大したが、ここのサピエンスの幸福は必ずしも増進しなかったし、他の動物たちには甚大な被害をもたらした。自分が何を望んでいるかわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?
Posted by ブクログ
上巻が、認知革命から農業革命と来て科学革命に至る貨幣・帝国・宗教のうち、どうして宗教だけを下巻にしたのか?と疑問に思っていましたが、下巻は科学と言うよりも宗教に似たイデオロギーと言うテーマが多く占める事から納得しました。
ヨーロッパ人やキリスト教徒が野蛮だから、つまり悪い事を悪いと思わなかったから、帝国主義や資本主義が拡がり、科学革命が起きたんですね。そしてもう引き返せないって言われても迷惑なんですが、と言う感想もありますが、19章の幸福の定義の部分が特に印象的でした。
今の日本は多くの人が日々の仕事はつまらない、通勤は苦痛、家族も負担、と感じるような世の中になってしまっているように思えますが、それもこれも自由主義的な個人の幸せの追求と言う、もしかしたら間違っている幸せの追求をしているからでは?と思いました。
キリスト教徒やイスラム教徒のように何でも神様の基準に従います。と言えたり、仏教の教えをもう少し踏み込んで学んでいたりしたら、幸せは自分の中から沸き起こるんだ。なんて妄想のような事を思わないのかな?と思いつつ、社会に貢献できるような仕事とか、家族を大事にとか、と言う本来は幸福の追求にプラスになるような事すら、間違った幸せの追求の中で本心からそれを望んでいないから実現しても幸せになれないのでは?と、堂々巡りのような想いに囚われてしまいました。
Posted by ブクログ
サピエンスは技術と文化を手に入れて幸せになったのだろうか…
同じ歴史をなぞるのでと、見方を変えればこれだけ意味が変わる。
進歩によって私たちの生活は向上したかもしれないけど、実は何も変わってないのかもしれない。
そして後半、未来を考えると私たちサピエンスはどこに行き着くのかひたすら怖くなった。
筆者が言うように、持て余すような技術を手に入れた私たちはこの先「どうなりたいのか」を考えて力を行使しないと、どうなってしまうのかもわからない。そしてそれはすぐこの先に起きてしまうこと、今もう起きているのかもしれない。
Posted by ブクログ
◾️サピエンス全史は大きく4部構成。認知革命、農業革命、人類の統一の前半分が上巻。人類の統一の後ろ半分と科学革命が下巻。
◾️科学革命は人類が意図せず始めたものであり、現代では科学を意図的に活用して何かを成し遂げようとしている。でも、誰も答えを持っていないということだった。
◾️科学革命が起き始めた1500年頃から、現代までの歴史を巨視的に見る本書は、内容が濃密過ぎて消化しきれない。何度も読み返してみたい1冊だ。
Posted by ブクログ
非常に大きな視野で歴史を解説している。
資本主義について考えさせられる。
幸福とは何か、哲学的な問いについても記述されている。
人とは何か、クローンをどう考えるか、など根源的な問いを考える機会を本書は与える。
単なる歴史を振り返るだけでなく、深く人について、考えさせる一冊。
Posted by ブクログ
主にマクロな視点でサピエンスの隆盛を考察した上巻とは毛色が異なるがこちらも面白い。
下巻ではサピエンス自身が自ら生み出した虚構(帝国や資本主義、AI)に呑み込まれていく様が現在を通過点として描かれている。
遅かれ早かれ科学は暴走すると立場には残念ながら説得力がある。
私達は何を望みたいのか、との問いは、何を望むべきなのかに置き換えることはできないのだろうか。
長生きして100年ごとに再読したらきっと面白い。
そんな本に出会えた幸運を嬉しく思う。
Posted by ブクログ
ずっとサピエンスの歴史を追ってきて、おしまいのところで幸福論と将来の人類が扱われる構成が巧み。特に最後に問われる「私たちは何を望みたいのか?」という問いが深い。「そんなの腹いっぱい食べることじゃないか」「お金持ちになりたいに決まってる」「健康と不老長寿でしょ」といった定番の回答が、これまでの議論ですべて先回りされているのだ。
Posted by ブクログ
人類の成長と未来についてマクロ視点で語る本。
人類がホモ・サピエンスだけではないところから始まって、近未来の予想までを順を追って説明してくれる。
あまりにも明快に、そして言いにくいこともバッサリと述べている。
モヤっとしていた歴史というか人間というものが非常にクリアにくっきりと見えてくる。
孔子がこの本を読んだら死んでしまうのではないかと思うくらい人間の本質を掴んでいるように思える。
外国の本に良くある言い回しで読みにくい部分はあるけれど、全ての人にオススメです。
Posted by ブクログ
1年越し二週目の感想です。
下巻も非常に面白い内容ばかりでした。個人的には科学史に興味があったので、特に帝国主義や資本主義が絡む本巻はとても読み応えがありました。「無知が信用を生む」という考えが非常に面白いです。
一方、19章以降の幸せ、未来については、現代人にとって少し耳の痛い話だなぁと思いました。「そもそも科学と幸せがどう結びつくか」という問いは、確かにこれらか非常に重要になる問いだと感じました。以前科学哲学の本を読んだのですが、今の時代は、科学から「創造主の計画を明らかにする」という目的が抜け落ち、技術的な科学に向かっている、という知見が述べられていました。
この抜け落ちたものこそ、ハラリさんのいう問いの答えなのかもしれないと個人的に思いました。
また素人並みの意見ですが、幸せが恒久に続かないものならば、なるべく不安に対処できるような、余裕のある生活ができるようになればいいなぁと感じました。
Posted by ブクログ
科学革命についての内容が主になる。科学の進歩がサピエンスを変化させるのか、あるいは別の人類になるのか。これからAIなど進歩していくので、科学と文化人類がどこまで共存し融合し、また人類としてどのように認知したらよいのかという目線で、技術進歩に目を向けていきたい
Posted by ブクログ
非常に面白かった。
人類史の書籍を初めて読んだが、これまでにない切り口で、人間とはなにか、どこへ向かうのかを考えさせられる内容だった。
狩猟から農耕へのシフトが、これほどまでにインパクトを与えたというのは印象的だった。
人間のもつ特性について、これまでの長いスパンでの進化という視点で考えると納得感のあるものも多々あり、その点も興味深かった。
Posted by ブクログ
名著読み終えた!
学びも多かったが、達成感が強い。
上下を読みながら、気になる分野の歴史に関する本を買ったり、都度調べてみたりした。
難しかったですが、ずっと気になっていたから読めてよかったです。
Posted by ブクログ
歴史を踏まえながら、現在の経済について書かれている本
現在の資本主義経済は明日の生活の安全があるからこそ成り立つことがわかった。
また、将来の安全が確保されているから他人を信用できる余裕を持つことができることがわかった。
経済を支えてるのはホモサピエンスが得た見てないものを信用する力が根本にあると感じた。
最後の「私たちは何を望んでいるのか」は自分が何をしたいのか考える良い言葉だと感じた。
Posted by ブクログ
下巻は宗教、資本主義、科学革命、そして未来の話。
拡大するパイという資本主義のマジック。資本主義の出現まではパイの大きさは変わらず、誰かが富んだ分、誰かが貧しくなる。キリスト教の教えとしても、金持ちが神の国に入ることは難しいとしていて、余った富は慈善事業に回すような文化だった。信用とは今日と明日のパイの大きさの差。パイが拡大することで信用が生まれ、経済が回りだす。貨幣や資本主義経済というサピエンスが造り出したシステムのすごさを感じる。
そしてコロンブスの話も印象的。歴史の教科書ではコロンブスがスペイン女王の援助を得て西回り航路を開拓したと記載されているが、その時代のことを考えると、援助を得るのにどんな苦労があったのか推して知るべしという感じだ。
家族というコミュニティの変化についても触れられていた。以前は家族というコミュニティが年金や医療、介護、福祉、教育などの役割を担っていた。それが今では家族というコミュニティに縛られずに生きられるようになっている。家族の絆が資本主義、産業革命によって弱められたと表現されていた。過去と比べて家族の在り方は変化し続けていて、それは今でもそうなんだろうと思った。平成から令和でも親戚の人たちとの関わりは変わってきている気がする。変わってきていることを悲しむこともあるけど、現状を受け入れつつ自分の接したいように接していくのがいいと思った。
最後には文明の進歩と幸福について話が及んでいる。昔と比べてサピエンスは幸せになったのか。上巻では農業革命によってサピエンスはより労働が必要になり、幸福になったかはわからないという話があった。そしてここでは生化学的な考え方として、物質的に現代人は豊かになっているが、体内で分泌されるセロトニンの到達濃度は変わらない。つまり幸福感は微塵も上回らない。そしてそのセロトニンの分泌量は人によっても異なる。会社の研修でこれまでの人生の各点で幸福度をパーセント表示するものがあって、他の人と全然水準が異なることがあった。これはこの時のようなことを言っていたのかと思った。
他にも認識を改めさせられるような事柄がたくさん記載されていた本書。1回読んだだけでは沁みない内容もあったに違いないので、読み返す必要もあるだろうと思う。
Posted by ブクログ
欧米人が作った資本主義社会が経済の基本になっているが、いつまでも成長するとは限らない。ルールを守らないやり方が出てくれば、何か新しい社会の仕組みの考え方が出てくるのか。
Posted by ブクログ
サピエンス前史
第一部
安静時、脳は25%のエネルギーを消費する
250万年前 東アフリカにてホモ属が出現
200万年前 アフリカを出る
30万年前 火の利用。調理。チンパンジーが一日五時間の咀嚼。人間は一時間。長を短くしてそのコストで脳を大きく。
7万年前 中東に到達。
五万年前 デニソワ人、ネアンデルタール人との交雑の証拠となるDNA
3万年前 ネアンデルタール人絶滅。
7-3万年前 認知革命→言語の柔軟性、噂話説。150人の親密な集団の壁を虚構によって突破。想像を語り、虚構を共有する力。
4.5万年前 オーストラリアへ。大量絶滅。
1.8万年前 最終氷期が終わる。気温上昇、降雨増加。
1.5万年前 犬を飼いならす
1万年前 南北アメリカ大陸への進出
人は出産が早期。直立二足歩行の代償。女性は腰回りを細める必要があり産道が狭くなった。早い段階で出産を行う必要があった。さもなくば命の危険が。早期の出産を行う遺伝子が生き残る自然選択。他の哺乳類と比較してヒトの赤子は未熟。
9500-8500年前 トルコ南東部からイラン西部にかけて 農耕の開始。 農業革命。
AD 0-1000 二億五千万の農耕民。
農耕民は人間による、人工的な「島」に棲んでいた、
未来に対する不安が生じる。農耕民はミライのために働いていた。
農耕を始めて、後戻りができなくなった。気が付いた時には狩猟採集民に戻れない。
人口が増えすぎた、荷物が大きくなりすぎた。狩猟採集の時代を忘れた。
片手間で始めた農耕だが、気が付いたらそれに頼り切っていた。
農業革命は詐欺だったのかもしれないが、もう後戻りはできない。
BC1776ごろ ハンムラビ法典
古代バビロニア人の協力マニュアル、法律と裁判の判例集(300の判例の定型)。@メソポタミア文明
ハンムラビ王が公正な王であるとするよりどころにもなった。
上層自由人、一般自由人、奴隷✖男or女、三つの階級と二つの性
AD1776 アメリカ合衆国の独立宣言
想像上の秩序。人間が創出して勝手に信じているだけ。
二つとも、この宇宙に普遍の原理であるわけはない。
進化的な成功と個々の苦しみ。
第二部 農業革命
単位面積あたりから得られるカロリーは安定して多い。→人口が増加してしまう
子どもが多くなり、離乳が早まる。母乳による免疫の強化が不十分となり、乳児は死ぬ。
定住により、女性はいつでも妊娠可能に。子供が移動の邪魔にならなくなった。そもそも移動しないから
後戻りはできなかった。人口が増えたし、狩猟採集の時代は何世代も前のことだから。
BC3500-3000 書記体型の発明。 シュメール人 不完全な書記形体
6つの数。 1,10,60,3600,36000 と名詞。 大麦、クシム→個人名なのか、役職なのか。
「29086 大麦 37カ月 クシム」
BC3000-2500 アラビア数字の開発。 0-9までの10個の記号、記述の効率性が上がった
第三部 貨幣・帝国・宗教による人類の統一
貨幣
100種の品物が市場にある時、交換レートは4950通り。
1000だと499500通りにもなる。貨幣が役に立つ
共同種間的現実。
他の物の価値を体系的に表すために人々が進んで使うもの
貨幣は、私が、隣人が、聖職者が、王がそれを信じているから。
はじめは、「本質的価値」があるものを貨幣とせざるを得なかった。大麦とか@シュメール塩とかもおそらくそう
本質的価値を欠くが、保存・運搬が容易な貨幣を信じるようになったことに貨幣の真の力がある。
これにより飛躍的発展を遂げた。BC3000古代メソポタミアの貨幣。銀のシュケル 1シュケルは8.3g
ローマのデナリウス硬貨。
貨幣の普遍的原理。ふたつ
普遍的交換性→もの、ことと交換可能
普遍的信頼性→仲介者として、異なる立場の者を協力させる。
帝国
帝国とは? 他の民族を支配していること、変更可能な境界と無限の欲
宗教
規範と価値観のシステムの総体。
超自然的な法に基づく。
二元論と一神教
悪の説明に重きを置くか、秩序の説明に重きを置くか
二元論といえばゾロアスター教。善:アフラ・マズダと、悪:アングラ・マイニュ
仏教
渇愛が苦しみの元となる
渇愛の火を消せば幸せになれる 「涅槃」とは消火の意味
第四部 科学革命
15章
1945/07/16 AM5:29:45 世界初の原子爆弾。
過去500年間で、人類は、お金を払って自分の力を高められることに気づいた。
近代科学は無理を認める。仏教やコーランは違う。過去の偉大な人物の悟りを学び、正しく解釈することで幸せになれる。
最初の麻酔(クロロホルム、モルヒネ)は19世紀。
史の克服が夢物語ではなくなってきている。
16章 拡大するパイ、資本主義
経済は「成長」する!!これがなにより重要
かつて、経済の成長は期待されていなかった。ゼロサムゲームであり、誰かが設けるとき、誰かが割を食うと考えられていた。
→信用に基づく融資はほぼなく、経済は成長しづらかった。
科学革命によって、「進歩」、生活は改善し、力は強くなることが徐々に分かってきた、→経済が成長することが経験的に理解された
資本主義では、稼ぐことが善とされた。いままでの宗教とは異なる。 「国富論」アダムスミス
ただし、利益を再生産にまわす、という条件つきで。
コロンブスもスペインの融資を受けた。スペインはこれで大成功!植民地で荒稼ぎ。
17世紀末、オランダの失脚。
イギリスがロンドン証券取引所を基盤とする経済で帝国主義のトップに躍り出た。
オランダは戦争。フランスはミシシッピバブルの崩壊で力を弱めた。
ミシシッピバブル→
ワニと沼地しかないミシシッピ(米)の開拓に乗り出す。前評判がよすぎて
ミシシッピ社の株がとんでもなく高騰。資本家たちはミシシッピ社に投資。かしこい誰かが、ミシシッピ開拓の実体と、株の価値の解離に気づく。一斉に売りの注文が殺到。フランス政府は国庫をはたいて、株を買い支えようとしたが失敗。資本家たちだけが売り逃げた。
資本家たちは国にすら影響するようになった。
イギリスは、イギリス東インド会社で、インドの植民地支配。
1840-42 アヘン戦争
イギリスの議員、閣僚は製薬会社の株を所有。30s後半に、中国がアヘンの禁止を宣言。議員らは国に圧力をかけた。
自由貿易の名のもとにイギリスは中国と戦争。大勝利。自由貿易を妨げないこと。香港の割譲を要求。(~1990)
ギリシア独立も資本主義の影響がある。 ギリシア独立債をロンドン証券取引所で発行することを持ちかけた。
金儲けをたくらむ、もしくはギリシア独立に賛同する資本家が独立債を購入。
ギリシアの戦況が芳しくないとき、イギリスの軍隊が参戦した。ギリシアは独立したが、莫大な独立債の返済に苦しめられた。
投資家たちは、エリザベス女王が必ず、我々の富を守ってくれることを知った。→戦争への投資はすすむ。
17章 産業の推進力
1700年ごろ 石炭をもやしてピストンを動かした。@炭鉱 非常に悪い効率だったが水をくみ上げていた。
1825 改良された蒸気機関により、炭鉱と港を結ぶ25km区間で初の蒸気機関車が開通
1830.09.15 リヴァプール=マンチェスター間で初の営利鉄道の開通
産業革命は第二次農業革命でもあった。
トラクター、化学肥料、殺虫剤、輸送手段、冷蔵庫→様々な面で生産性が上がった
資本主義とともにある消費主義も発達。
資本主義の成長のためには消費が不可欠。不要な消費も促進された。
現在、富裕層は「投資せよ!!」、それ以外は「消費せよ!」というスローガンが善とされる。
18章
時間、時刻の統一も産業革命の影響。
鉄道会社はそれぞれの街の時刻が異なることに悩んだ。リヴァプール、マンチェスター、グラスゴーの時刻をグリニッジ天文台のものと統一
さらに、ラジオの発達で時刻の統一される範囲は広がった。
個人とは、国民国家の作り上げたもの。それまで、人間は、家族や地域コミュニティで生きていた。
しかし、行政サービス(警察、裁判所etc...)の有効性を高めるために、個人の概念は広められた。
家族や地域のつながりが非常につよく、これらが有効に機能しにくかったために、弱めようとした。
家族に代わって、現代人は、国民・消費グループをよりどころにしている。 ある球団のファンとか
核による平和
1945-2014 大きな戦争は起きていない。核兵器の開発によって、それは集団自殺となったから。
戦争の代償は大きくなり、利益は減少した。
冨の変化が根底にある。かつての富は、土地や資源。今は知能や技術。戦争で容易に奪えるものではない
カリフォルニア。かつては金(ゴールドラッシュ)で栄えたが、今となってはシリコンバレーで働く人々の知能に価値がある。
19章
物質的豊かさはコミュニティの参加度低下によって相殺された?
心の空調システム
各人のある一定の設定温度に自動的に戻される。一時的な所得の増加、事故によるケガで上昇下降するものの、そのうち一定となる。
現代人は、ホルモンや生理作用による快感で、生化学的特性を満足させることに重きを置けば幸せになれると知っている。
「すばらしい新世界」オルダス・ヘックスリー 無害な薬物で幸福になれるSF 不穏で不快感を覚える新世界が描かれる
20章 超サピエンスの時代へ
知的設計。 生物工学・サイボーグ工学・非有機的生命工学
サピエンスはサピエンスの枠から外れようとしている。
欲望すらコントロールできるようになるかもしれない。
「何を望みたいのか?」という問いの答えを探すとき。
Posted by ブクログ
7万年前の認識革命、約1万年前に始まったとされる農業革命、約500万年前の科学革命。
宗教、帝国主義や資本主義、人々は何かを軸に共通幻想に基づく相互信頼をベースとして突き進み、地球に影響力を及ぼす迄に至った。
そして、いずれ想像もできない新たなタイプの存在が出現してくるのも必然であり、AIなどここ10年の加速度的な変化が気になる動きとのこと。
壮大な俯瞰視点でサピエンスを捉えた思考力がすごい。
Posted by ブクログ
上巻よりも読みやすかった気がする。
科学研究と産業化、市場経済の発達と幸福について。無知を認めることによって、飛躍的に進歩したというのは面白かった。これまでは役に立たないことは意味がないとされてきたが、純粋に好奇心からくる知的探究も進歩につながることに気づいたことによって、人類にブレイクスルーが起こった。エネルギーに対する考え方には、少し疑問を感じた。確かにこれまで新たなエネルギーの生み出し方、使い方を開発してきたが、そのようなブレイクスルーが今後起こるという確証はないと思う。だからこそ、資源との向き合い方は慎重になるべきだと思う。この本の中で一番面白かったのは、幸福に対する考え方。自分の考え方と近いところはあった。物質的な豊かさが幸福につながるのかというところは疑問を感じていたところ。相関はあるかもしれないが、一次の線形の関係ではないと思う。いずれ飽和するだろうし、不便さに対する耐性がないと不幸に対するハードルが下がってしまう気がする。幸せについて、もっと書いてあった気がするけど、忘れちった。
Posted by ブクログ
普段本を読まない人たちが本書だけを読み、感銘された!とか言って随所に『サピエンス全史では〜』の枕詞と共に講釈を垂れる感じが嫌いで、この本を読まず嫌いしていた。何のきっかけか分からないけど、読んでみた所、なるほど!?の連続で未知を色々開拓してくれた。
内容では、ゴーギャンの「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」の絵を思い出す。この作画の意味する所、というかタイトルは抽象的かつキャッチーなため、様々な文脈で自由に引用される。サピエンス全史についても、様々な文脈で自由に引用されている。それも、この本が包括的でキャッチーだからだと思う。ただ違うのは、サピエンス全史はとにかく具体的である点。
宗教、帝国、貨幣の観点から歴史を顧みて、我々を我々たらしめている不変則を解き明かしている。それぞれのパワーに対して歴史の観点から注意深く検証し、更に不確かな事(未来や幸せ)な事については断言しない慎重な立場を取っている。丁寧な本だと感じた。
扱っている内容が人間とは、に対してあまりにも包括的なので、引用できる部分が多いし、読み終えたらなんかひとつの真理に辿り着いたような気持ちにもなる。
読み応えもあり、中身も納得させるような本でした。読まず嫌いは良くないね!
Posted by ブクログ
人間の知能が発展することで世界がどう変わってきたのかと、その進化のストーリーが壮大!
宗教や通貨などの共通認識がどうやって生まれて、人間社会を形作ってきたのかがこの二冊で描かれていて、歴史を一気に俯瞰できる感覚!
Posted by ブクログ
宗教観的な話の時には、文化の違いなのか理解しきれない時もありましたが、人類の歴史をダイジェストで見る、といった感じで興味深いことがたくさんありました。
Posted by ブクログ
知性の塊のハラリ氏の頭の中をのぞいている様で、刺激的な読書体験でした。
読書後、改めて宇多田ヒカルさんとの対談を見返すと、モヤモヤが霧が晴れてクリアになって、そういう意味で2度3度楽しめる著書でした。
Posted by ブクログ
下巻を読んでいて既視感を覚えた。ああ、これって唯幻論と同じだ、と。岸田秀氏が唱えた唯幻論~社会で起きていることは全ては共同幻想(オリジナルは吉本隆明氏)で説明できる~と若い頃の自分に世の中を分かったような気にさせてもらった。その頃は時代性もあって、○○主義はどうなのか、というような議論でしか見ていなかった気がするけれど、それでも、良いも悪いも幸せも不幸せも幻想だよって言われて突き放された感があった。で、いま、何が正しいんだか今日より明日の方が良いかどうかわからないこの時代に、こうして人類史として見せられると、歴史の必然は必然として理解はできる。
じゃあどうしたい? 筆者も述べているこの言葉を心に刻んでおこう。
Posted by ブクログ
前半部分のサピエンスの足跡について、学校でフワッと用語だけ習っていたことに重要な意味があったのかと驚かされた。
後半部分については全サピエンスが共有していた方がいいのでは?
Posted by ブクログ
テーマは面白いし、ユーモアある表現も多い。が、良くも悪くも教科書的(※個人の印象)で、連続で読む事に苦戦。こういう本さらっと読めるようになりたいものです。新しい刺激は良いですね。
Posted by ブクログ
ハーロウのサルによる発達の研究
児童虐待における子どもの発達への影響を説明する際使われるが
う〜ん誰しも冷たい鉄よりタオルケットに触れている方が心地よい。それが(タオルケット)母親の愛情につながるのか
サピエンスの幸福論について
パレスチナとイスラエルが和平しても
喜べない人がいると比喩していて
それかなぁ〜と思っていたら著者がイスラエル人
世界的ベストセラーの裏には・・・
なんちゃって
Posted by ブクログ
●2025年5月30日、チャットGPTに質問「優秀なトップ層の男性から慕われて頼られる女性になりたい。ホステス的なのでなく、女王様」と話しかけてたら、「あなたにおすすめの書籍(知の主 導権を持つ「女王」タイプ向け)」という項目で、これらの本をおすすめされた。
「マキャベリズム」
権力を持つ者の心理と支配の技術。知的戦略思考の基礎に。
「影響力の武器/ロバート・チャルディーニ」
支配・操作を受けないための心理戦の仕組みを学ベます。
「サピエンス全史」
人類史の大局から、思想と構造を見る。言葉に深みが出ます。
「メディチ・インパクト」
異分野をつなげることで唯一無二になるための戦 略的発想法。
→ 以前から知ってる本で、何件もの本屋で見てるけど「手を出さない方がいい」というクチコミをどこかで見たのでスルーしていた。
Posted by ブクログ
科学革命、資本主義、幸福論、未来予測。
人類の歴史だけでなく、将来の予測も試みている。
「なぜ私たちは歴史を研究するのか?……歴史を研究するのは、未来を知るためではなく、視野を拡げ、現在の私たちの状況は自然なものでも必然的なものでもなく、したがって私たちの前には、想像しているよりもずっと多くの可能性があることを理解するためなのだ。」(48頁)
「幸福はむしろ、客観的条件と主観的な期待との相関関係によって決まる。」(222頁)
「人間の期待が決定的に重要であることは、幸福の歴史を理解するうえで広範な意味合いを持つ。……私たち現代人は、鎮静剤や鎮痛剤を必要に応じて自由に使えるものの、苦痛の軽減や快楽に対する期待があまりに膨らみ、不便さや不快感に対する堪え性がはなはだ弱まったために、おそらくいつの時代の祖先よりも強い苦痛を感じていると思われる。」(223頁)
「幸せかどうかが期待によって決まるのなら、私たちの社会の二本柱、すなわちマスメディアと広告産業は、世界中の満足の蓄えを図らずも枯渇させつつあるのかもしれない。」(224頁)