あらすじ
文明はなぜ爆発的な進歩を遂げ、近代ヨーロッパは世界の覇権を握ったのか? 帝国・科学・資本を中心に未来への幻想が生まれる歴史を解く。文明は人類を幸福にしたのか? ついに文庫化!
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Posted by ブクログ
すごく面白かった。
一見するととても難しそうなテーマだけれど、読み進めるのにそこまで苦にならないのは、内容を論理的に噛み砕いて説明してあるからかなと。
変に強い思想が入りすぎることなく、自然科学も宗教も全てフラットに評価し解説している点がとても好きでした。
これまでの歴史で判明している事柄や予測される事象、これからの人類に考えられる可能性まで、本当に一貫してひたすらフラットに話しているような印象でした。私が理解しきれていないだけかもしれませんが。
特に宗教や神話について、一般的にそれに対して求められる事を踏まえつつも、ひとつの文化やあくまで物事を捉えるひとつのアプローチとして説明してあるのが個人的には好きでした。私は特定の宗教に傾倒はしませんが、文化として宗教を学ぶことに非常に興味があるので、人類という大きな共同体において宗教の位置づけがとても俯瞰的に解説されていて面白かったです。
Posted by ブクログ
幸福について「期待とそれに対する満足」「快感という生理的な反応」「内外の感情を追求しないこと」など様々書かれていましたが、私は物事に対する前向きな解釈が幸福であると思っていますし、その解釈を固めるために外部を変える必要もあると思っています。仏教はちょっと実用的ではないかな…特に快感を知った今となっては
絶対的な共同体がなく、個人主義の加速する今、自由を手にした私たちはどう幸福を考えるべきか…日々考えることの整理に良い作品でした。
Posted by ブクログ
読み始めて下巻の初めで挫折してまた再開して読み終えるまでに一年かかった!!
・世界を席巻するのがホモサピエンスじゃなくなる日も近いのかもと思った。
・幸せとはなんなのか?わたしは仏教的な考えが好きなので少しは悟りに近づけるようにいろいろインプットしていきたいと思った。
・直訳感?があって読みにくいと正直思った。。けど原作をリスペクトした訳し方なのかな?とも思った。
Posted by ブクログ
「一動物」から「神になった動物」になるまでの過程が農業革命・法制度・科学と資本主義との結びつきなどから描かれる。我々は何を求めているのか?で結ばれる本作は、さまざまな領域で人の能力を凌駕するAIの台頭により、人類が物語を語り続ける時間は僅かしか残されていないと警鐘する。末尾の訳者あとがきに本作の特徴と全体像が端的にわかりやすくまとめられていて、サピエンス全史のまとめにふさわしい内容だった。
Posted by ブクログ
上巻は世界史寄りの話だったが、下巻の、特に後半は、現代やこれからの未来に対しての問題提起。
フランケンシュタインを例に、当然ながら人間は決して自らの上位互換の存在を認めないこと、もし現れたらどうなるか、という考え方が平和ボケした自分には印象的だった。
子供の養育にまつわる労働を例に取ろう。カーネマンの研究から、喜びを感じるときと単調な苦役だと感じるときを数え上げてみると、子育ては相当に不快な仕事であることが判明した。労働の大半は、おむつを替えたり、食器を洗ったり、癇癪を宥めたりすることが占めており、そのようなことを好んでやる人などいない。だが大多数の親は、子供こそ自分の幸福の一番の源泉であると断言する。これはつまり、人間には自分にとって何が良いのかがよくわかっていないことを意味するのだろうか?
そういう見方もできるだろう。だがこの発見は、幸福とは不快な時間を使い時間が上回ることではないのを立証しているとも考えられる。幸せかどうかはむしろ、ある人の人生全体が有意義で価値あるものと見なせるかどうかにかかっているというのだ。
幸福には、重要な認知的・倫理的側面がある。p307
スプートニクとアポロー一号が世界中の想像力を掻き立てたときには、世紀末までには火星や冥王星の宇宙植民地に人々が暮らしているだろうと、誰もが予想し始めた。こうした予測のうち、実現したものはほとんどない。その一方、インターネット時代の到来を予見した人は誰もいなかった。p346
もし本当にサピエンスの歴史に幕が下りようとしているのだとしたら、その終末期の一世代に属する私たちは、最後にもう一つだけ疑問に答えるために時間を割くべきだろう。その疑問とは、私たちは何になりたいのか、だ。「人間強化問題」p347