あらすじ
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何種ものヒトのなかで唯一生き延びたホモ・サピエンスは、世界各地に進出し、壮大な文明を築いた。その意外な影響とは? 世界的ベストセラーの公式漫画化、待望の続編! 全頁フルカラー。
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Posted by ブクログ
漫画を読みなれていないので、けっこう読むのに時間がかかったけど、「サピエンス全史」のおさらいをするのにはとても良いです。「文明の正体」編では、最初の方は、人間が麦の奴隷になっていく過程が描かれる。
これは、原作を読んで衝撃を受ける人が多い部分で、非常におもしろい。狩猟・採集をして暮らす人々から見れば、朝から晩まで畑で働いて、農耕をする人々は、全く自由がなく、不幸そうに見えるが、麦を手なずけた人々は「我々は素晴らしいことを成し遂げた!これからは豊かになる!」と信じている。中盤から後半にかけては、人類が築いてきた虚構(フィクション)は、人類が作ったものであって、決して生物学的に決定されたものではない、ということが語られる。
インドのカーストや、白人が黒人を劣った存在とみなすこと、男性が女性を劣っているとみなすことは、「文化」として創られたものであり、決して決定事項ではない。遺伝的に優劣が決まっているわけではない。
うーん、とうならされるのは、世界中のあらゆる人間社会で、男性優位になっている理由が「わからない」とされていること。男性が肉体的に強いからというわけでも、社交性があり統率力があるからというわけでもない。子宮があり、子どもを産み育てる能力がある代わりに、妊娠・産後・子育て中に男に頼らざるを得なかったから…という説もあるけど、サルやゾウの社会では同じ状況でもメスが優位に立つ。
しかし、この100年で人間の社会にも革命がおき、女性の地位は劇的に変わってきた。
これから、新しい虚構を生み出して、社会が変わる可能性はある。ただし、いくつか考えられる虚構があるが、どれか一つが絶対に正しいということはなく、出来上がった虚構を大勢の人がまた信じなければならない。
とりあえず、これまで当然とされていた虚構のことを「これは虚構であって絶対的な真実ではない!」ということを多くの人が知ることだ!
Posted by ブクログ
社会通念というものの一部は、集団秩序をつくるただのツールであり、一部の人たちが利益を獲得・保持するために在るもの。人類の歴史を概観しながら、解説してくれる。
「良い秩序」をもつ社会集団とはどんな状態なんだろう?
そのためにどんな「想像上の虚構」が必要になるのだろう?
との課題に誘う。
Posted by ブクログ
イラストがオシャレで可愛い。いかにして人種差別/男女差別が作られてきたか、社会的な構造に影響してきたかという部分を理論的に説明している。なんとなく学校や本でのざっくりとした歴史的人種差別(ジム・クロウ法やアパルトヘイト撤廃のくだり)については学んできたつもり、だった。実際は何十年ものの時間と共に偏見、経済的な負の連鎖、そしてそれを正当化する人々と文言が奴隷解放後も何百年も尾を引く結果を形作っていたのだ。
人種差別はいけない。多くの人がこれに賛同するはずだが、その"中身"をしっかり学ぶかそうでないかでその重みはずっしりとのしかかってくる。
Posted by ブクログ
『文明』とは?!
農業革命からヒエラルキーの成立、そして人種差別やジェンダー問題まで。
本で読んだ時よりもやはり、こういった媒体になると読みやすく理解しやすい。とは言え理解できないのが人間。
また繰り返し読むし、次回作も読むし、前の巻からも読みたいし。
知的好奇心を満たしてくれるだけではなく考える事を指し示してくれる。
Posted by ブクログ
農業革命が良し悪しを明確に正しく判断することはできないが、サピエンスの生活様式を現代にまで大きく影響していることが理解できた。
IFの世界で、もし農業革命が起こらなかったら国・社会などからくる対立は起こらなかったのか。それともいずれか来るもので避けることはできなかったのか、という想像を辞められずにはいられない。
Posted by ブクログ
漠然と農業革命について、文明の起源みたいな捉え方をしていたので、今につづく支配と統治の一種病的とでもいえそうな関係、つまり、神話や宗教が物的限界を見誤らせつづけ、そればかりか偏見やトートロジーの跋扈を許し(説明のつかない都合のよさは神由来のものとなる、それはたぶん支配の構造に結びつくのだろう)、本当に必要な手当てを妨げさえしそうな状況を作り出していることについて、危うく見誤るかも知れなかった。
さすがに現代社会では都合よく、神が降り立つこともないわけだが、それでも、過去そのように形成されてきた社会だということなのだろうか。いまだに国家や民族のようなものに幽霊の影のようにはりついて克服できない。
少なくとも好んで目隠しを自らかけたがる。
本を読んでいてそんなことを思う。
さて、この本漫画のシリーズは続くのだろうか。
原本を読んでみようか。
Posted by ブクログ
サピエンス全史はおもしろい。(コミックでしか呼んでないけど)
ブルシットジョブの起源農業革命にあった!
ナラティブのとんでもない力!ネット上のフィクションなんて屁でもないくらいの、逃げられないパワー。恐ろしいドクターフィクションの力。
LGBTや女性差別の問題も生物学的な視点、人類学的な視点、歴史的な視点とあらゆる角度から説明してくれて、面白かった。
わからないことはわからないと言うことが大切という考えにも同意。
Posted by ブクログ
文字の発明の背景、理由は単体で意味を持たない数字などを記録するため。一方で物語は記憶する事が出来るため文字の発明の前から語り継がれてきた。歴史を通じて人間の脳の仕様を学んだ。
Posted by ブクログ
ホモサピエンスは素晴らしいから生き残れたと思ってるでしょ?
全てを征服して、色んな力つけて、開発して、生活が豊かになったと思う。
で、幸せになれたの?
違いますよ、
さほど誇れるような成果もなく、ただただ環境と自然動物などまわりに被害を与えてるだけですよ。
狩猟生活の方が楽だし幸せだったのにね。
というざっくり内容あってるんだろうか。
難しいお話。
アメコミなのも入り込みにくい
Posted by ブクログ
『漫画サピエンス全史』の第2弾。1万2000年前に農業革命が起こって以降の人類の歩み。
まず穀物(特に小麦)の栽培化をするようになり、狩猟採集をやめて定住が始まった。それにより集団で密集して暮らすようになり、食糧の貯蔵ができるようになった。それにより人口が増えたが増えた人口を養うためにさらに食べ物が必要に。貯蔵は財産の私有という考え方を生み、ヒエラルキーができる。下層の人間は常に過酷な農作業に明け暮れる。土地や財産をめぐり、集団どうしでの戦争も拡大していく。密集して生活することにより疫病も蔓延する。動物の家畜化も進む。
農業の成果を記録するために文字が発明され、そのデータを管理するために官僚制度ができた。
集団を統制し支配するために、物語を超えた共同主観(共同幻想)たる虚構が作られた。国家、法律、制度、宗教、お金、そういった皆が価値を認めるから存在するフィクションである。支配のためのフィクションによりヒエラルキーも固定化され強力になっていく。
作者の主張は「人々の統制のために物語、虚構を作る力(認知革命)」「定住し農耕すること(農業革命)」が人類を良くない方向に進めた、というもののようだ。
思想的に左寄りで偏りはあるものの、作品としての完成度は高く(本は大きくて読みづらいが……)、読んでよかった。
Posted by ブクログ
贅沢の罠のところにゾッとした、まさしく自分がいまはまっている!足るを知ることが大事なのに!
想像上の秩序の話もすごく深い、怖くなった。刷り込まれている常識、自分が自分でないようだ。
差別の章、男性がなぜ優位かという内容の話はとても興味深い。
信じるって難しい!
今まであまり考えてないことに言及している内容だったので難しかったが、漫画なので最後まで読めた。
Posted by ブクログ
少年ジャンプで育った世代なので漫画はとても分かりやすいです。ただ、日本人は人種差別、宗教に対する知識も経験も少ないので、訳者の簡単な解説がもう少しあっても良いかなと思いました
Posted by ブクログ
文章の方の書籍は、分厚さに圧倒された為、漫画のこちらを購入。。。
だけど、漫画の方にしても、ページ数とサイズに圧倒され、正直、半年近く積読になってましたorz
読みだすと…一気に読み進めることができます。
農業革命により、人は幸せになったのか?
小麦に支配される人類、人類は他の動物たちも支配する。
小説の「モモ」を思い出す。
狩猟民族時代が幸せだったのか?
…ただ、私はもう「自然に還る」ことは不可能、システムや歯車に組み込まれた一生を送るしかないのか…とちょっと冷静になった。
(どれだけ頑張っても…という感じ?)
Posted by ブクログ
⭐︎は3.5くらい(四捨五入して4)
私はマンガ版しかまだ読んでいませんが、難しい内容をわかりやすくマンガにしてあり、話も理解しやすく書いてあると思います。
ただ、量がすごい(笑)マンガだからと気安く読もうとするとなかなか読み終わりませんでした(笑)
内容は大人にも子供にもわかりやすく買いてあると思うので、子供へのプレゼントとかにはいいと思います。
大人が読んでも楽しかったので、読み物として手元にあってもいいかな、と思います。
字でズラーーーーっと書かれるよりも、マンガだから入りやすいかもしれません。
Posted by ブクログ
前巻より字数が多く内容も難しくなってきました。自分の中では一番衝撃的な「小麦に飼われているのは誰?」が、文章に比較してスッと入ってこなかったのは既に知っていたからかな?漫画に邪魔されたか?
人種差別、ジェンダー問題も生物的な原因では無く、社会文化的なフィクションであると作者は言います。
(未だに)男と女は違うのだから、当然役割も違うのだという考えは自分も含めて人々の中には根強く残っています。
問題はその違いが偏見に繋がり、社会的地位が低く留め置かれ、選挙権が与えられなかったり、ガラスの天井のような状況が続くということなのです。
2021年現在では、それはおかしいと思う人も増えているように思います。まだ、拮抗していますが戦争も革命も起こさずに社会は変わってきたのです。それこそ女性の特性を活かした変革でしょう。
(未だに)としたのは、後50年したら、この考え方も古くなってしまうのと、揺り戻しだってあるかも知れないからです。
漫画になっても、古代からの歴史や地理などを網羅しているため、前提となる知識が無いと読み進めるのに苦労する本ですが、フィクションを疑うきっかけになると思います。
Posted by ブクログ
漫画でも内容は濃いので、必要最低限の基礎知識を備えてよむべし。いろんなキャラクターが登場し、ビジュアルに訴えながら、わかりやすくしようとする努力がよく伝わる。
Posted by ブクログ
原作を読んでいたのでこれもスラスラ読めたけど、初見でいきなりこれを読んでも内容が入ってこないと思う
展開とかセリフが海外のテンポ感だし
自分はハラリセンセの文章自体が好きなんだなと再認識した
Posted by ブクログ
漫画アプローチでハードルを下げてくれている本。
文明の中で様々な仕組みが発明されていく中、影になってしまう部分にも光が当たる。⚫︎⚫︎で▪️が生まれた、みたいな一言で済まないのでリアル感とともに理解できる。
一方、日本のよく練られた漫画スタイルに馴染んでいると、視点や登場人物がコロコロ変わるのに少し戸惑う。