【感想・ネタバレ】漫画 サピエンス全史 文明の正体編のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月10日

社会通念というものの一部は、集団秩序をつくるただのツールであり、一部の人たちが利益を獲得・保持するために在るもの。人類の歴史を概観しながら、解説してくれる。

「良い秩序」をもつ社会集団とはどんな状態なんだろう?
そのためにどんな「想像上の虚構」が必要になるのだろう?
との課題に誘う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月01日

『漫画サピエンス全史』の第2弾。1万2000年前に農業革命が起こって以降の人類の歩み。

まず穀物(特に小麦)の栽培化をするようになり、狩猟採集をやめて定住が始まった。それにより集団で密集して暮らすようになり、食糧の貯蔵ができるようになった。それにより人口が増えたが増えた人口を養うためにさらに食べ物...続きを読むが必要に。貯蔵は財産の私有という考え方を生み、ヒエラルキーができる。下層の人間は常に過酷な農作業に明け暮れる。土地や財産をめぐり、集団どうしでの戦争も拡大していく。密集して生活することにより疫病も蔓延する。動物の家畜化も進む。

農業の成果を記録するために文字が発明され、そのデータを管理するために官僚制度ができた。

集団を統制し支配するために、物語を超えた共同主観(共同幻想)たる虚構が作られた。国家、法律、制度、宗教、お金、そういった皆が価値を認めるから存在するフィクションである。支配のためのフィクションによりヒエラルキーも固定化され強力になっていく。

作者の主張は「人々の統制のために物語、虚構を作る力(認知革命)」「定住し農耕すること(農業革命)」が人類を良くない方向に進めた、というもののようだ。

思想的に左寄りで偏りはあるものの、作品としての完成度は高く(本は大きくて読みづらいが……)、読んでよかった。

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