似鳥鶏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
家賃が払えなくなり、大学の伝説の富穰寮に引っ越すことになった小磯。そこには池のフナを捕まえ、いつまでも卵を生むニワトリなどと、家庭農園や雑草を食べて自活する、日中ベナンの謎の学生たちと、母子家庭が住んでいた。部屋の中に生えるエメラルドグリーンのキノコと消毒用アルコールの酒を飲んでつぶれた小磯は、夜中に天井に張り付く血まみれの幽霊「依子さん」を見る。依子さんは特に害がないが、寮の関係者にのみ見えるように思えるが…。
この作家好きだわ。作中でも触れられているが、筒井康隆の影響を多大に受け、本作ではネタとして脚注でワルノリするなど、やりたい放題である。依子さん以外の話もメチャクチャなので、一体どこに焦点を当てるんだろうと不安になるが、中盤でテーマが絞られていく。
幽霊という超常現象を、幽霊のままにせず、メカニズムを突き詰めていく(途中はデタラメ)ことで、きちんとストーリーに落とし込んでいる。
終盤は前に読んだ作品でもそうだったような記憶があるが、グチャグチャがグチャグチャのまま描かれていくので、何が何やらになっていくので、そこで☆一個減点。さて、事件は解決するんでしょうか? -
Posted by ブクログ
ネタバレ今まで印象が薄く、パッとしない感じだったあの人がメインというか犯人。普通って何?あの人とは世界が違う?どんな人も特別な存在、特殊なスキルがなくても同じ人間なんていないのだから。
そんな世界でも自分だけの特別な誰かがいてくれるだけで幸せなんだろう。
今回は、別次元の世界と交互に展開される話で、かなり特殊。不思議な感覚で共通する人物を追っていく。
また伊神さんの今までの行動の理由も説明される。確かに不自然で違和感を覚えていたが、その感覚さえもリードされていたとは。
あとがきにも記されていたが完結編ではないとのことだったので、続きも楽しみ。
このあとがきも、誰のあとがきであったのか不自然な感覚に恐われた。 -
Posted by ブクログ
育休中の刑事が何故か事件を解決するお仕事ミステリー。
「育休刑事」二冊目ですね。
四話の連作短篇です。
主人公の県警秋月春風巡査部長は、男性としておそらく初めてであろう、育休中である。にもかかわらず、係長から捜査の協力依頼の電話がかかって来る。仕事復帰を目指す春風は、刑事としての使命感に意味を感じている。
息子の蓮くんを抱えて、捜査に乗り出す。
係長から捜査の依頼が無くとも、何故か、事件に関わって仕舞うのも、似鳥小説の毎度の物語の旨味かな。
成長する蓮くん共々に、これまた何故か、毎度、登場する姉(法医学医者)の最強の?助っ人と、妻の沙樹さん(捜査課長代理のキャリア)が入り乱れての事件解明となります。
とにかく、面白い。
もともと、似鳥ファンなので、独特の文章の名調子と、なんと言っても、「赤ちゃん」の情報満載がたまりません。
いつもの「あとがき」で、蓮くんの成長と平行して、続篇がシリーズで出そうなので期待が膨らみます。つい、口が、もとい、筆が滑ったとは言わせません。
さしずめ、次回は「時短育児刑事」ですね。 -
Posted by ブクログ
育休中のはずの主人公(警察官)が何やかんやでトラブルに巻き込まれてそれを何やかんやで解決していく話。
とにかくトラブルメーカーのお姉さんのキャラが濃い。濃すぎる。
シリアスな場面でも一瞬でコミカルな雰囲気に変えてしまうし物騒な言葉を平気で口にするしとにかく意味が分からないくらい悪運が強い。
そんな人すらも虜にしてしまう蓮くんは作中で最強の登場人物なのかもしれない。
コミカルな中にしっかりと育児の大変さや辛さが盛り込まれていて、エンタメでありながら現実に繋がる問題提起なんかもしっかり含まれている。
続編があるみたいだけど、今度は蓮くんどんな風に成長しているのだろう?