似鳥鶏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレプリエールという喫茶を営む父子家庭で育った兄弟。弟は元警察官で、捜査のエリート。兄はそういったこととはかけ離れた世界で育ちプリエールの店主
その兄弟のもとに、弟の警察官時代の関係者が、難事件の捜査を弟目当てでやってるくことが基本コンセプト。
といっても話を展開するのは、あくまで兄のほうで、弟は安楽椅子探偵よろしく、プリエールで話を聞いて解決するのがメイン。後半二章では弟も事件に巻き込まれるため、捜査に出るのだが。
ミステリーとしてみると、ちょっとトリックとか真相が弱いかな。(単純につっこみどころが多い)
ミステリーそのものとして楽しむより、キャラクター間の関連性を楽しむほうがよいかも。
この点ミステリーを求めるかどうかでだいぶ印象が変わる。
毎回解決時に、スイーツが重要なキワードとなり、そのレシピが掲載される。
このレシピがよいのだが、本文の中で展開されるため、ちとエピローグとかを読みたい場合にじゃまになる。巻末でまとめてでもよかったのでは?
なお、タイトルの通り、基本的に容疑者からプリエールの品を召し上がっているが、これのせいで、最後の章はちと、ハッピーエンドにならない。 -
Posted by ブクログ
市立高校シリーズがとても面白かったので、未読の似鳥作品を読んでいくことにして、これを。表紙を見て(この方の表紙、結構見るけど何となく苦手)、市立高校シリーズとは違う雰囲気だろうとは思ったが、ここまでとは…。
読み出してすぐ不穏な雰囲気に腰がひけた。でも似鳥鶏さんだからね、いやな気になるだけってことはないはずと読んでいったら、どんどん生々しくつらい展開になってくる。うわあ、参ったなあと思いつつ、それでも夢中になって一気読みしてしまった。この感じ、そう、宮部みゆき作品を読んでる時に似てるような。
何が苦しいといって、軍隊のような学校に入れられた生徒たちが、理不尽な暴力を受ける中で、弱肉強食そのものの社会を作っていってしまうありさまが、とことんリアルに描かれていることだ。こういう場に放り込まれたら、おそらく誰もがこうなる。あの市立高校で(いろいろ事件は起こるにしろ)生き生きと高校生活をすごす葉山君たちだって、こうなる。恐ろしい。
ここまで酷くはないにしても(と思いたい)、弱い立場の者に力を行使することに快感を覚え、しかもそれを理屈で正当化するような人間や組織は、現実にも間違いなくある。他の作品にも垣間見える、そうしたことへの憤りが、ここでは噴出しているのだと思った。
蛇足。ここで描かれる男子たちの寮生活がおぞましいことといったら強烈だが、女子たちのについては、いやこんなもんじゃないでしょ!と思ってしまった。ここはやっぱり男性の想像力の及ばないところかなと、僭越ながら感じたのでした。 -
Posted by ブクログ
そのうち読もうと思っていた市立高校シリーズ。第一作「理由あって冬に出る」は、まあこんなもんかなという感じだったのだけど、続く本作は、断然良かった。この作者の味わい、好きだなあ。
正直に言うと、前作同様「トリック」にはあんまり感心しない。そんなことだったの…という肩すかし感があるし、何でまたそこまで大げさなことをせにゃならん?という違和感もある。でも、それを補ってあまりあるのが、登場人物の魅力だ。
主人公の葉山君はじめ、みな実に個性的。結構突飛なキャラもあるけど、基本的にほほえましくて、うーん、高校生っていいよなあとオバサンはうらやましくなるのだった。主要な人物がみなモテるタイプっていうのがちょっとアレだが、ま、その自覚のない葉山君に免じてOKということにしよう。
似鳥鶏さんって、いつもあとがきではふざけちらしてて、真面目な話とかしないんだけど、作品から伝わってくるのは人への柔らかなまなざしだ。少し前から読むようになって、そう感じていたのだけど、これはデビュー時から変わらないんだなとわかった。