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動物園シリーズ第四弾
シリーズ初の短編集!(連作短編集)
一見関係のないお話に思えても根底の部分では繋がっていて、それが一気に解決された時は一種の長編作品を読んでるみたいだった。
シリーズを通して色々と謎が深かった鴇先生と服部君。
この2人の正体が分かったと言うのも胸熱(。'-039;)
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ワニ日和、ダチョウ、迷いアルパカに続く4冊目
娯楽ミステリ本としてもものすごく面白かった。が、これは啓発タイプミステリだと言える。全ての生体を展示型ペットショップで衝動買いしようとしている人に、まず読んで欲しい。
まず事件が3つ、柴犬の新奇恐怖症(ネオフォビア)で発覚した誘拐事件、近親交配で量産され、骨瘤を形成させているスコティッシュホールド、フクロモモンガ。これで悪ペットショップが浮き上がり、最後のアナコンダ事件で決着する。悪質なペットショップと、そこに動物を卸していた悪質なブリーダー(パピーミル)、それと『引き取り業者』のグループを告発し壊滅させるという勧善懲悪。
引用
”「悪いペットショップを利用するのは恥」という感覚が定着しますように、と思う。”
”「このグループのビジネスモデルはこうよ。まずブリーダーが、この間の事件であったように、動物の健康を無視したルール違反の繁殖を繰り返して、『流行りの犬種』や『流行りのネコ』を大量生産する。このブリーダーに関してはすでにRSSエージェンシーが調査報告書を出しているけど、狭い檻に閉じ込めてろくに世話もせず、死んだらそのあたりに捨てて、近親相姦でも構わずにとにかく繁殖させるという、いわゆる『子犬工場』だった。そこから『アニマルランド滝』が安値で仕入れて『特売』をし、、利益をあげる。現にあの店は、流行りのネコも流行りの犬種も、毛の色やオスメス、さらには月齢まで各種、常に店頭に揃っている状態だった。・・・・ということはその後、動物たちはどうなると思う?」
言うまでもないことだった。日本の顧客は「可愛いから」「懐きやすいから」という理由でとにかく小さいイヌやネコを欲しがる。それは動物たちにとってみれば、離乳前に親から引き離されて売りに出されるため、母乳から必要な栄養素を摂取できず、イヌ、ネコとしての社会性を身につけられないということになる。それと同時に、より小さい子犬や子猫が店頭に入ってきたら、それより大きい子犬や子猫は「特売品」にされるということでもあり、それでも売れなかった場合は「不良在庫」になってしまうと言う事である。”
”「『流行りの犬種』だの『流行りのネコ』だのというのも、いいかげんやめてほしいけどね」”
存外知られていないのがこの『引取り業者』の存在。色々と知らねばならんことは世の中にある。こうして事を描いてくれる作品というのは読書の面白さだけでなく、それ以上に大切なものだと思う。
それと、どうでもいいが、
2014年に新潟市内でナースシューズを200足盗んだ村上市の男性の話が服部くんによって変態事件の例として語られるが、そんな事があったんか!と思わず調べてしまった(笑)。
蛇足だが、
フクロモモンガ、オーストラリアなどの欧米先進文化圏ではペットとして売買されることに反対されているが(WIRES Wildlife Rescue :NSW Wildlife Information Rescue and Education Service) 残念ながら野生動物に対する文化後進国や貧困国では密猟対象として外貨を稼ぎ出している。私個人的には特に有袋類は金銭取引されるべきではないと思う。あっという間に絶滅する危険性がある。
動物愛護管理法
愛玩動物を飼う場合には必ず少なくとも一度は目を通すようにするべき。
もちろん野生動物を扱う人間もスタディする。
こちらにも明確に文言があるが、
第四十四条
3 愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。
捨てペットが後を絶たんが、
ペットを捨てることは犯罪。
そこらへん、全ての人がよく知るべき。
罰則があろうがなかろうが、
ペットはそのペットが死ぬまで責任を持つべし。
そして、ペットより先に死んではならんのだ。
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相変わらず、安定の面白さ&奥深さ(^ ^
もうすっかり「お馴染みの」飼育員4人組が、
動物絡みの様々な事件に巻き込まれ、
基本的には「スーパーレディ」鴇先生の活躍で解決する、
という連作短編集(^ ^
今回は、ちょっと鴇先生の秘密も垣間見えて...(^ ^
最初の「イヌ」の話は、何だかずいぶん小粒だなぁ、という印象。
フクロモモンガの回は、私もモモンガを飼っているので、
そうそう、その通り! と思いながら読み進む(^ ^
一冊を通してのテーマは、愛玩動物の運命と飼い主の「責任」。
そこに「悪質ブリーダー」「悪質ペットショップ「悪質引き受けや」の
悪のトライアングルが暗躍するので...かなりシリアス。
イキナリ本作から読み始めると、メインキャラ4人の
「特性」が理解できず、ややついて行きにくいか(^ ^;
特に「変態」服部氏については、単なる危ない人...か、やっぱり(^ ^;
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今回は本当にいい話ばかり。ペットの問題を似鳥流にアレンジして問題提起しているのは、本当に素晴らしい!ペットをこれから飼おうとする人、買っている人、ペット業社を含め是非読んでいただきたい!早く日本が生体販売を禁止されるようになってもらいたいと願うばかり。
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第4巻は、緩やかに繋がりのある短編集。私は、シリーズの中でこの巻が一番良かった。短いエピソードの方がキャラクターのクセがしつこくならずによい。
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似鳥さんの書くシリーズの中で一番好きかも。ユルさと思いがけないシリアスさが。あとはみなさんのキャラクターが。今回は、ペットに関わるお話。問題の根の深さにずうーんと気持ちが重たくなる
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動物園シリーズ第四弾。今回は連作短編集。今作は動物の中でも特にペットに主体を置いた話。確かにペット業界のこういう病巣は聞いた事があるけれど深く考えた事はなかったのでこのような話は良い啓発になると思った。それにしても服部くんは相変わらず変態だなぁ…。段々と変態さに磨きがかかっているような気がするよ。そしていつもどおりのあとがきの期待の裏切らなさ。こういうところが特に好き。
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楓ヶ丘動物園シリーズ第4弾
今回は動物園外での小さな事件を解決し行くけど、日本のペット業界の闇を題にしてた。
日本のペットブームとかあるかぎり、犬猫を展示するのはなくならないのかなー
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シリーズ4作目。今回は動物園の外で起きる事件なので、動物園の描写は少ない。犬や猫などのペットが多く登場する。相変わらず桃さんと愉快な仲間たちの活躍が楽しい。動物まめ知識も得られてサクサク読める。
基本的には軽く読めるミステリーだけど、動物を商品として扱うペット業界の難しい問題は考えさせられる。
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主要メンバーのチームとしての機能が進化していて、もはや飼育員ではなく動物探偵社を名乗る方が相応しいレベルです。
動物の行動を少し擬人化した表現の面白さ、生態の上手い使い方など、技術的にも優れている作品です。
最後の話で語られるペット業界が抱える暗部は心が痛いものでした。
鴇先生の多面的な魅力も良い。
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山の集落に出現した謎の大型生物が閉じ込めた筈の廃屋から消える、捕獲に当たる桃本と鴇の話が、四話収録のうちの一つとは思えない濃密さでドキドキした。提携した悪質業者問題が重い。七森をヒロインのように感じていたけれど鴇だったっけ。口調も鴇は男勝りと記憶違いしていた。桃本と鴇のコンビが新鮮でそわそわした。
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2018年20冊目。ペット問題は奥が深くて、根深いですね。勿論こんなことばかりではないだろうけれど、穿った見方をしてしまいそうになる。ペットを飼うことは、命を預かることだ、といういわば当たり前のことをこうも真剣に突きつけられるとたじろいでしまう。
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鴇先生も服部くんもすごい素性だったのねぇ。びっくりです。アニマルランド滝、みたいなお店やシステムはリアルで横行している気がして、なんとも胸が痛い。動物達に罪はないのに、なんでそんな結末を迎えなきゃいけないんだろう。軽いミステリー風味の文章だし、注釈もいちいち面白いし、うっかりするとさらっと読み流しそうだけど、扱っているテーマは重いな、と毎回思います。服部くんの変態っぷりが、若干行き過ぎ、をさらに過ぎてきているようでちょっとだけイラっとしたりも。最初読んだ時はてっきり七森さんかと思ったのに、桃くんやるなぁ。
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動物園の外で遭遇した動物に関する短編集。犬の散歩だけでも怪しさがばれちゃうのね。この4人チームはすごい。悪徳ペットショップか出てきたけど、ワンコたちのお値段設定にびっくり。
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楓ヶ丘動物園シリーズ第4弾。シリーズ初の短編集。
体重50キロ以上の謎の大型生物が山の集落に出現。その「怪物」を閉じ込めたはずの廃屋はもぬけの空だった―。
楓ヶ丘動物園の飼育員たちが動物に関係する事件を解き明かすシリーズ。
和気あいあいとした飼育員たちの会話に和むとともに、骨太な社会派テーマも織り込まれており読み応えがあります。
利益のためには動物の命を粗雑に扱う悪質なペットショップ・ブリーダー・処理業者によるペットビジネスについて考えさせられました。
こういうビジネスが成り立つのは、ただ可愛い・流行っているというだけでペットを気軽に飼う消費者の需要があるからなんですね。
生き物を飼うことによって伴う責任についてもっと考えるべきだし、自分自身、ペットを飼ったことが無いので無知だったなーと思い知らされました。
また、ミステリの謎解きも本格的で、こちらの方面も読みごたえがありました。
最後の短編、「怪物」の密室からの消失という謎にはわくわくしました!
動物という不確定要素によって偶然から成るトリックミステリの醍醐味を味わいたい方も楽しめます。
解決の手順に工夫が凝らされているのが見事です。
Posted by ブクログ
今回も脚注とあとがきに存分に楽しませていただきつつ、もちろん本編も安定の面白さ。動物たちの描写の可愛らしさに、メインの四人の惚けたやりとり、本格推理小説と言ってもよさそうな謎解きと、1冊でいくつも美味しいシリーズです。モモンガの描写可愛い(待)
今回はペットの飼育放棄などの問題をかなり掘り下げてきており、考えさせられることも多かったです。
Posted by ブクログ
文庫描き下ろしシリーズの4作目。
動物園職員を主人公にしたお仕事小説にして、毎回事件に巻き込まれる系の短編ミステリ集。取材もしっかりとされていて、ミステリとしてもよくできていて、気楽に読めるのでありがたい。
作者お得意の詳細な欄外注や、みっしりと書かれたあとがきも健在。
Posted by ブクログ
第一話:いつもと違うお散歩コース
第二話:密室のニャー
第三話:証人ただいま滑空中
第四話:愛玩動物
豆柴、スコティッシュフォールド、フクロモモンガ、オオアナコンダ??
ブリーダーに販売業者、飼い主に引取業者。全部悪い奴だったらペットには地獄。そして、こんな事件が‥‥
生き物を商売にしちゃいけないね。儲けを目的にしないやり方が欲しいよね
Posted by ブクログ
動物園シリーズ、4作目。
今回は短編集になっています。
しかしコナンや金田一に並ぶ犯罪遭遇率では…?鴇先生の過去が少し明かされたりと、短編ながら読み応えがありました。
Posted by ブクログ
★「『流行りの犬種』だの『流行りのネコ』だのというのも、いいかげんやめてほしいけどね」(p.238)
▶今回は短編集。楽しいです。短編の方が向いているような気がします。▶動物をペットとして「消費」している「ユーザー」が諸悪の根源なのでしょう。個人的に、動物を飼いたい欲求はありつつも飼っていない理由でもあります。
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■楓ヶ丘動物園についての簡単なメモ(これまでに読んだ全巻分/★は主要語)
【第一巻 一行目】動物園の飼育員は腰のベルトに様々なものをぶら下げている。
【第二巻 一行目】三人の男が話している。
【第三巻 一行目】深夜の県道をワゴン車が走っている。
【第四巻 一行目】方向音痴という人種は信じられない場所で迷子になる。
【RSSエージェンシー】都内最大手の探偵事務所のひとつ。社長は・・・
【アイ】ミニブタの雌、六歳。
【安達/あだち】大山動物園のダチョウ担当。
【あにまる通信】飼育員たちによる動物園ブログ。
【アリシア】ジャーマンシェパードの警備犬。ディオゲネスと功を争いかけたが協力体制をとることとなった。ハンドラーさんはなんか素敵っぽい人です。
【アルパカ】毛をトルステンとかすぐ臭い唾を吐くというくらいしか知りません。
【井坂/いさか】仁堂製薬株式会社早瀬川研究センターの守衛。鴇先生の顔見知り。
【イサミ】オオワシの雄、十八歳。ややフレンドリー。
【椅子】《座面の真ん中から黄色いスポンジを覗かせたパイプ椅子だけが一つ、そこが世界の中心であるというような風情でぽつねんと存在していた。》モモンガp.190。椅子ってそういうとこありますね。
【一反木綿】その正体はムササビだという説もあるらしい。
【乾愛梨/いぬい・あいり】祖父江の部下のライター。声とノリがよい。
【今成健太/いまなり・けんた】長谷井翼の友人。中学生。メガネデビューして間もない。拾ったスコティッシュフォールドの「トビー」を盗まれた(すぐ戻ってきた)。他にウェルシュコーギーの「茶助」も飼っている。母は敦子さんでアロマテラピスト。
【ウァレフォル】謎の人物。元の意味はソロモン王が使役する七十二柱の悪魔の一柱。手持ちのド=プランシー『地獄の辞典』によると天使の姿ないしは、ライオンの顔にガチョウの脚、野兎の尾という姿で現れ人間に才気と大胆さを与えるとなっている「ヴァラファール」がこれになるか。他の説では人間に盗みをそそのかす悪魔というものもあった。
【宇川幹夫】ある人物の本名。
【馬刑事】名前不明。都筑とコンビを組んでいるようだ。二足歩行の馬を思わせるルックス。
【ウララ】シマウマの雌、六歳。
【ARSJ】鴇先生が付き合いがある動物保護団体。代表が代わりそれまでの受動的活動を能動的なものに方向転換した。
【江川】獣医兼レッサーパンダ担当。
【N作戦】「泣いた赤鬼作戦」の略。友人のためにあえて悪役をするという憧れのシチュエーション。服部くんがしたがっていた。
【遠藤】広報係。女性。プライベートでも広報係という厄介なお人。
【大久保】南署の若い刑事。
【オードリー】フタコブラクダ。もうじき出産。
【大平牧場】アルパカも多数飼育している。
【大山動物園】近隣の動物園らしい。桃くんたちが捕獲したダチョウを引き取ってくれた。
【落合】ペンギン担当。
【怪物】和田郡大谷町に出没する。秀島光蔵(ひでしま・こうぞう)さん七十四歳が山菜採りで足を痛め山を降りるのに難渋しているとき遭遇しその後、金丸清三(かなまる・せいぞう)さん六十八歳によると小松菜の先っぽばかり食べ罠を破壊し、前加寿子(まえ・かずこ)さん五十九歳によると大きな犬を襲って連れていったことを証言し、唐牛修二(かろうじ・しゅうじ)さん七十四歳が小屋にとじ込めた(と自分では言った)。
【楓ヶ丘動物園】桃くんたちが勤める動物園。最近事件の舞台になることが多い特異点。
【カオリ】保護されたマヒワ。
【感染症】珍しいペットを欲しがり多様化して輸入動物から感染症が広まることが増えている。ヒトの無責任さの一例。動物園でも危険回避のために種々の手段が取られている。野兎病、エボラ出血熱、カンガルー病など。ペットとは限らないが鳥インフルエンザなんかもありますね。
【キーパーズトーク】飼育員による担当動物のガイド。
【北村】「週刊文椿(しゅうかんぶんちゅん)」の女性記者。
【ギンジ】イヌワシの雄、二十二歳。警戒心が強い。
【グレゴリー】たぶんフタコブラクダ。雄。
【見城市動植物園】閑散としている。水鳥池は大きい。
【ケント君】鷹待山のカピバラ。手拍子すると後ろ足で立ってどじょうすくいを踊る。
【幸一】おじさん。桃くんの?
【コータロー】グレービーシマウマの雄、八歳。
【ココ】ダチョウの雌、十六歳。おとなしい性格。
【骨軟骨異形成症】スコティッシュフォールドには多いらしい。そもそも特徴である、耳が折れていること自体がこの病気の症状なのだとか。なるほど、病気をありがたがっているというわけかぁ。
【コン】イリエワニ。一番小さく一メートル二十センチ。
【斎藤】ある夜、七森さんが見つけ、桃くんと鴇先生で保護した所有者不明のアルパカ。とりあえず楓ヶ丘動物園で保護することになりとりあえず斎藤さんという名前がつきとりあえず桃くんと本郷さんが担当することになった。
【坂下幹也/さかした・みきや】二十一歳の大学生。桃くんの顔面に飛びついてきたフクロモモンガの飼い主だったと思われる。死亡していた。殺されたと思われる。容疑者は元恋人の大森寛奈(おおもり・かんな)と友人の串田弘倫(くしだ・ひろみち)。
【佐世保修/させぼ・おさむ】三代目園長。長身で上品な白髪、知的なまなざしの紳士。アフリカゾウの飼育を二十年間担当した職人肌の飼育員だった。
【サトシ】イリエワニ。二番目に大きいがルディとそう変わらない。
【飼育員】二割は動物好き。三割は動物マニア。五割は動物バカ。現代の飼育員は明るさ、朗らかさ、トーク力、演技力が求められる。当然飼育の知識と能力や研究する能力も。厳しい・・・
【ジェシカ】アミメキリンの雌、九歳。
【ショコラ】モルモット。
【仁堂製薬株式会社早瀬川研究センター/じんどうせいやく】鴇先生が以前勤めていた研究所。
【新種】《そもそもひと目見て「見たこともないような」動物が新種である確率は低く、新種の発見はむしろ、普通種だと思って捕獲したら違った、というケースの方が多いのだ。》モモンガp.196
【スコティッシュフォールド】元々が病気なのでたぶん、お金持ちでないと飼えない。
【鈴木良太】花里千恵の彼氏。と自称している。いつもへりくだって騒いでいる。桃くんにだけは態度がデカい。
【祖父江洋平】フリーライター。花里千恵がコンタクトをとっていたらしい。普段は銀縁メガネでクールな態度だが赤いフレームのメガネに変えると野次馬根性丸出しの記者モードになる。
【ソロモン】怪盗。イリエワニのルディを盗んだ。
【高橋】庶務。
【鷹待山ファミリーパーク】動物園もある遊園地。あまり盛況ではない。カピバラの飼育では実績がある。
【垂水/たるみず】坂下幹也と同じアパートの隣室の住人。大柄でメガネ。
【都筑/つづき】南署の刑事。カエルに似ている。
【ディオゲネス★】服部君ちの犬。ボクサーとエアデール・テリアと何かが混じった雑種。《古代イヌ様生物、とでも表現すべき不思議な風情が漂っている。》アルパカp.185。桃くんと出会い興奮のあまり正体を失った。嗅覚にすぐれておりクマ以上という説も。
【テレビカメラ】《テレビカメラというのは、向けられる人にとっては銃口のようなものだった。》p.131
【動物園】犯罪現場には向かない現場。言うことを聞かない生き物がぞろぞろおり危険だしいろいろ制限もあるのでとても捜査しにくい。
【動物園不要論】根強く存在する考え方ではある。個人的にはぼくも「なくてもいい」とも思っているのですが、その教育的価値の高さは認めています。ただ教育的価値のために動物の自由を奪うのがゆるされるのかとか、でも実のとこ動物園で飼われている動物たちは野生よりもシアワセなのかもとか、まあいろいろ考えて結論は出にくいです。
【鴇佐恵子★/とき・さえこ】獣医兼猛禽館担当。髪をひっつめにしている。長身で姿勢がいい。思い切りと度胸もいい。この人に指示されると誰もがつい姿勢を正してしたがってしまう。格闘能力も高い。以前は仁堂製薬株式会社早瀬川研究センターに勤めていた。意外なことに桃くんのことが気になっているようでもある。
【時田】渉外係。
【トップ】鴇《トップだからあんななのよ》第二巻p.63
【トト】花里千恵の家でノノとともに死にかけていたハムスター。三色。とりあえず桃くんが世話をしている。
【トビー】今成くんちのスコティッシュフォールド。
【七森さや★/ななもり・さや】ふれあい広場担当。園のアイドル。動物の名前にも「さん」をつけて呼ぶ。油断すると折り紙をしてる。もしかしたら桃くんに気があるようでもある。
【盗まれた動物】イリエワニ一頭ルディ。ミニブタ二頭アイとハナ。インドクジャクの雌一羽。
【能登】刑事。
【ノノ】花里千恵の家でトトとともに死にかけていたハムスター。白茶。とりあえず桃くんが世話をしている。
【長谷井翼/はせい・つばさ】小学生の頃から動物園に通い中学生になったらボランティアしてくれていた。どうやら七森さんのことを好きになったようだ。そのふるまいがかわいらしく悶絶する(七森さん以外の)職員たち。友人の今成健太の飼い猫のことで相談を持ちかけてきた。
【服部樹★/はっとり・いつき】爬虫類館東側担当。文学青年だったゆえか作中一番の変人。「あにまる通信」に載せる文章もときおり耽美に走り変態的なことがあるのでむしろ評判がよかったりする。自分が変態であることの誇りを抱いている。他人の困っている顔を見るのが好き。特に桃くんが困ったことになっているのを見るとうっとりするので困るようにしむけたり後をつけたりする。フェンシングの心得があるようだ。金持ちと思われる。生ハムサラダを注文して生ハムをどけて食べたり、温玉牛丼を注文して温玉をどけて食べたりするタイプ。《服部君の辞書にデリカシーという単語はない。》第一巻p.230。
【ハナ】ミニブタの雌、十一歳。
【花里千恵】七森さんの大学時代同じ動物行動学のゼミの友人だった。最近不審なことがなかったか聞いてきた後に行方不明に。今福動物プロダクション勤務。後に服部家に客人として居候する。
【はにかみ屋】飼育係御用達の弁当屋。何を選んでも必ず異常に塩辛い謎の漬け物がついてきて皆が他の人に押しつけようとする。
【BL】ブリーディング・ローン。動物園同士での動物の貸し借り。
【菱川】リスザル担当。
【フクロモモンガ】かわいい。はっきり見分けられるわけではないけどなんとなくムササビよりかわいく見える。
【伏見】爬虫類館西側担当。
【ププル】オランウータンの雄、二歳。
【ふれあい広場】動物に触れるスペース。
【ペットショップ】《そして困ったことに、良いペットショップより悪いペットショップの方が儲かりやすい。》モモンガp.99
【ホウレンソウ】《報告連絡相談、が悪い方向に作用するケースはほとんどないのだ。》モモンガp.83
【北斗】仁堂製薬株式会社早瀬川研究センター創薬安全性研究室勤務。鴇先生の知人。
【ボコ】ダチョウの雄、十七歳。なぜか人間の雌を見分けることができ好みの女性に求愛行動をとる。
【本郷健助/ほんごう・けんすけ】先輩。どこの動物園にも一人はいる熊ヒゲの飼育係。楓ヶ丘牧場担当。ランニング好き。奥さんは美人。
【マカロン君】モモイロペリカン。見城市動植物園で以前は飼育員と漫才していた人気者。
【マラソン】本郷いわく「ランニングの体力は別腹」(第二巻p.10)なんだとか。どんなに仕事で疲れていてもランニングのペースは落ちない。
【丸山】飼育係長。飼育員の中で最古参。アルマジロ等小型小動物担当。
【村田】広報係。以前は工場に勤めていた。
【メイ】アミメキリンの雌、三歳。人懐っこい。桃くんの顔を舐めたがる。
【モモ】ミニブタ。
【モモモ】道端で桃くんの顔面に飛びついてきたフクロモモンガ。殺人事件かもしれない事件の証拠品なので警察から保護を依頼された。
【桃本★/もももと】語り手で主人公。三連「も」が言いにくいので、だいたい「桃さん」とか「桃くん」とか呼ばれる。オランウータンとミニブタに「モモ」がおり他園に引っ越したコビトカバにも「モモ」がいる。動物園の動物はなぜかとりあえず「モモ」と名付けられることが多いらしく桃くんは「人間の方のモモ君」と呼ばれることもある。アフリカ草原ゾーン担当。動物に舐められやすい。皮膚から美味しそうな何かを分泌しているのかもしれない。特にキリンのメイは執拗に舐めようとしてくる。毎回殴打されている。
【モルコ】モルモット。
【ヤヨイ】ミニブタ。
【結城明彦/ゆうき・あきひこ】仁堂製薬株式会社早瀬川研究センターに勤務している。鴇先生の元カレらしい。デリカシーがなく自信家のようだ。ルックスも悪くないしある意味鴇先生に似合っている。
【リリィ】シマウマの雌、五歳。コータローを物憂げに見ている。
【ルディ】イリエワニ。
【ワリー】イリエワニ。その中でも一番大きく二メートル近い。
【第一巻 第一章 のたのたクロコダイル】二メートル近くある危険なイリエワニが「怪盗ソロモン」とやらにさらわれた。いつ、どうやって、なんのために? 桃くんが疑われてるみたい?
【第一巻 第二章 ごろごろポットベリー】七森さんの周囲が不穏な感じがしたので食事に誘ってみたが・・・。そしてふれあい広場のミニブタ二頭がさらわれた。鴇先生とのコンビ誕生。
【第一巻 第三章 ばさばさピーコック】鴇先生と桃くんの捜査と危機。そして桃くんが襲われた。
【第一巻 第四章 がっかりホモサピエンス】七森さんとの会話から少しずつ謎がほどけてゆき鴇先生、服部くん、園長なども参戦。
【第二巻 第一章 公道上のダチョウ】市民マラソン大会でなぜかダチョウがゆうゆうと走っていた。そいつをなんとか捕獲したせいで・・・?
【第二巻 第二章 業務上のペンギン】鴇先生が襲われる。かなり不穏な状況なのに皆けっこうお気楽だったがえらい目にあう。
【第二巻 第三章 捜査線上のオオワシ】動物園まわりで無視できるような小さな異変が重なっている。いったい、なにが起こっている?
【第二巻 第四章 掌の上の鳥たち】ダチョウが逃げ出した施設があるはずなので探そうとする桃くんたち。服部君ちの犬ディオゲネス大興奮。
【第三巻 第一章 迷いアルパカ】迷いアルパカを拾い「斎藤」と名づけるが失踪しているアルパカの情報はない。
【第三巻 第二章 腹減りハムスター】七森さんの大学時代の友人と連絡がつかなくなっているので彼女の部屋に行ってみる。
【第三巻 第三章 ふらつきペリカン】今回も桃くんが襲われる。怪しいヤツは誰だ?
【第三巻 第四章 戦う飼育員】飼育員はなにと戦うのか。なにをすべきか。
【第四巻 第一話 いつもと違うお散歩コース】犬の行動からその飼い主に不審なものを感じた桃くんたち。
【第四巻 第二話 密室のニャー】スコティッシュフォールドが密室から盗まれすぐ帰ってきたできごと。
【第四巻 第三話 証人ただいま滑走中】道端でいきなり顔面にフクロモモンガが飛びついてきた桃くん。
【第四巻 第四話 愛玩怪物】密室から消えた謎の「怪物」の正体は?
Posted by ブクログ
ペット業界の暗い部分は、読んでて悲しくなる。本の中での話 でないことを、どれほどの人が知っているだろうか。
服部氏の変態度が、巻を増すごとにアップしている感じで。結構引く。
鴇せんせーと桃くんの今後は…ドキドキ
Posted by ブクログ
今回は短編集で活躍する動物園の飼育員
言葉しゃべれぬ動物の世話を行う為には
日常との差異を注意し気づく観察力です
ねたばれ
犬を散歩の人に道を尋ねる
近所の散歩と称する男の犬は不安気だ
新奇恐怖症反応(ネオフォビア)
そこで公園で遊ぶ二人の児童に尋ねる
「もう一人はどうしたの」「トイレ」
後は時間勝負、周囲を見てタクシーの
人も巻き込み誘拐事件を防ぐのだ
秀逸な短編ですコレだけでも読むべし
Posted by ブクログ
シリーズ第4弾。
おそらくテーマはコレだろうな~と予想していたとおりのペット事業の裏のお話。
読むのが本当に辛い。
しかし多くの人に読んでほしい。
眼をそらしたくなるような現実がある。いつか自分の前にその現実が現れたら鴇先生の様に毅然と立ち向かっていけるだろうか。
いかねばならない。そう覚悟を。
Posted by ブクログ
動物園ミステリ。シリーズ4作目。連作短編集。
今作は、動物園を飛び出して、いろんな場所で事件に巻き込まれる。
独立した短編かと思いきや、いちおう繋がっている。
日本における、動物・ペットに関する問題提起をしている感が強い一冊。
シリーズを通してですが、動物好きの人にオススメ。
Posted by ブクログ
楓ケ丘動物園シリーズ4作目。
動物のちょっとした習性から事件を解いていくのがこのシリーズらしいところ。軽いノリだけど、扱うテーマは毎回重い。気軽に珍しい動物をほしがり、飼えなくなったら捨てに来る飼い主、悪質なブリーダー、悪徳ペットショップ…例え摘発されたとしてもそれが氷山の一角でしかないということにやりきれなさを感じます。
鴇先生は好きだけど、ピンチを鴇先生の超人的なパワーで切り抜けました☆みたいな展開が続くとちょっと白けるなぁ。
今回一番面白かったのはあとがきでした(笑)
Posted by ブクログ
シリーズ4作目。短編集だけど、あるキーワードで繋がってる作品群なので連作とも。今回も服部くんの変態っぷりがより具体的になってステキでした。いいぞもっとやれ。(あの食客になってる人、その後どうなってるのかなーと思っていたので今回登場してきて良かったです)
桃君と鴇先生の関係も微妙に足踏みしつつ、『愛玩怪物』でのアクションシーンにしびれました。