あらすじ
本に挟まれた暗号。謎解きに挑む姉妹。忘れられない夏が始まる。 会員が2名しかいないクイズ研究会会長の高校2年生・成田頼伸(ライ)は、クラス内で「じゃない方」と呼ばれている。ライと同じ姓で、ダンス同好会に所属する人気者・成田清春(キヨ)がいるからだ。クラスで「成田君」といえば、キヨのこと。「役立たたない」ことが好きなライと、大学受験に向けて効率重視で「役立つこと」が好きなキヨ。性格も対照的で、クラスでは決して交わることのなかった二人だが、夏休みの間、ひょんなことから、謎解きに挑む姉妹を手伝うことになる。謎解きの先で待つものとは――。 すべての謎が明かされた時、切なさと温かさが胸を満たす、青春恋愛ミステリー。
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Posted by ブクログ
似鳥鶏さん 初読でしたが、とてもよかった。。。
謎解きしながらの青春。
男女の距離感がキュンキュンします。
胸が熱くなりました。
あとがき は ちょっと、、、
Posted by ブクログ
とってもとっても良かったです
私の大好きど真ん中!!
甘酸っぱい青春ミステリー☆
高校2年生の成田頼伸(ライ)は、モスバーガーで隣り合わせた美人姉妹と共に、謎解きをすることになる。
そこに通りかかった同級生の成田清春(キヨ)も加わる。
4人が体験する夏休みは、「初めて」がいっぱいで、初々しくてドキドキで、キュンに溢れています!!
キヨはクラスの中心人物。
一方ライは二人しかいないクイズ研究会の会長。
同級生だけどクラスでの立ち位置が真逆の二人は、関わることはなかった。
しかしこの謎解きを通して互いを知り、悩みを打ち明け、助け合い、成長していくのです。
あぁ~もう、こういうの、大好き!
謎解きは、暗号を解いて次へ進むのだけど、これは難しくて私には無理でした(+_+)
早々に投げ出して、ライ達に任せます。
得意な人は、これも楽しめるのかな?
キラキラした夏休みを彼らと一緒に体験し、ミステリーの部分はワクワクドキドキし、最後までずっと楽しかったです。
あ、ラストは切なさもありますよ。
そして多くの方がレビューで書かれているように、「あとがき」も面白いです。
私は初読みの作家さんでしたが、あとがきを読んだら俄然、似鳥鶏さんに興味が湧いてきました(^^)
この本は、何人ものブク友さんたちの素敵なレビューから、読みたい!と思っていました。
こんな大好きな作品に出会えて嬉しいです!
皆さん、ありがとうございます♪
Posted by ブクログ
クラスの中心にいる男子とおなじ名字のせいで「じゃない方」と呼ばれる主人公。
趣味はクイズ。知らないものを知る、知識を増やし、体系化することで知識は無敵になる。
だが、それを一緒に楽しんでくれるのはやっぱり「じゃない方」な友達一人だけ。
「中心」の彼らに「それ、何か役に立つの?」と言われ、役に立たないからなんだとも言えず。
やりたいことも見つからない。かといって友達もいない。
予定のない高校二年17歳の夏休み。ただずるずると時間を過ごすだけ、と思っていたのに。
ミステリーや謎解きが好きな人間にとって、一番興奮する瞬間とは何だろうか?
それは謎が解けた時よりも、むしろ謎と出会ったときではないだろうか。
日常を非日常にしてくれるかもしれない、特別な謎と出会うこと。
もしそれを一緒に考えてくれる人がいたら、それ以上なにも望むことはないかもしれない。
甘酸っぱい青春と、謎解きの興奮と、美少女と非日常と夏休み。
読み終わったら、ひと夏の冒険を探しに、出かけたくなるはず。
Posted by ブクログ
似鳥さんの、ガチのミステリーでない青春ラブストーリーは大好物で、青藍病とかもすごい良かったのだが、これも良かった。もちろん『目を見て話せない』にも通じるコミュ障っぽい主人公と、リア充の男の子との間の葛藤具合も、どちらの側にもこびないリアルさがあるし、物語を盛り上げるためだけの展開と感じさせない、生きる力に満ちたラストにも希望を感じた。
Posted by ブクログ
爽やか!こんなストレートな青春小説は久しぶりに読みました。
しかもただの青春小説ではなく、謎解きが何個も何個も登場し、主人公の男子高校生が気になる女の子と一緒に絆を深めながら解いていく姿はおもしろかったです
(ちなみに私は一つも解けませんでした 笑)
そして最後のあとがきがおもしろい。似鳥鶏さんのあとがきはいつもおもしろい!
表紙の絵もとても綺麗で読み終わった後に改めて見るととてもジーンときます
Posted by ブクログ
カッコ良く対人スキルの高いキヨ、オタク気質のライと、美人姉妹の4人。3人の高校生と1人の大学生による謎解きと冒険。「理由あって冬に出る」や「午後からはワニ日和」の似鳥鶏の作品らしく、さわやかでユニークな人々の物語です。
Posted by ブクログ
似鳥鶏さんのノン・シリーズ。
『育休刑事』『彼女の色に届くまで』など、似鳥さんは、現代社会の「ちょっとおかしいところ」をうまくすくい上げてくれる。
今作でも、主人公がとある「物語」を「嫌いだ」と断言するシーンがあり、わたしも常々まったく同じことを思っていたので、心の中でひっそり快哉を叫んだ。ありがとう、似鳥さん♡
ミステリとしては、全編暗号ものなので、好みは分かれるかもしれない。
わたしはとてもおもしろかったし、後書きにも書いてあるように、
「なぜ暗号を使わなければならないのか」
という根本的な状況がきっちり設定されていたし、
暗号を解いている最中の小さな違和感もすべて伏線として回収されていたので、気持ちよく読み終わった。
また、この本は「夏休みの高校生」の青春ものでもあり、甘酸っぱい爽やかさも楽しかった♪
暗号解読が佳境に入るのが8/20付近で、たまたまその頃に読んでいたので、たいへん臨場感もありました♪
Posted by ブクログ
友人たちと過ごした夏休みの思い出… それぞれの覚悟が新しい自分を発見してゆく #夏休みの空欄探し
■あらすじ
高校のクイズ研究会に所属する成田頼伸は、役に立たない知識をばかりもっている。一方、同じクラスの成田清春はコミュニケーションに長けており、頼伸いつも羨望の眼差しで見ていた。
ある日頼伸は、喫茶店で謎解きパズルを解いている美人姉妹を見かける。思いがけない出会いからパズルを手伝うことになった頼伸、さらに清春と共に四人で謎解きパズルに挑んでゆく… 彼らの何かを解き明かす夏が始まる。
■きっと読みたくなるレビュー
夏休みといえば、様々な思い出がありますよね。両親に連れてってもらった遊園地、友達といった花火大会、宿題に追われる八月の終わり…
親になると子ども達のおひるご飯を作ったり、塾の夏期講習に送り迎えしたり、むしろ休める時間が減って忙しくなる。それでも子どもたちには、めいっぱい熱い夏を楽しんで欲しい。
若い頃にもっている悩みというのは、実は人間の本質をついた悩みが多い。しかも経験も浅く、知識も少ない。さらに自信のなさと将来の不安に駆られるから、解決もままならない。そんな青春時代の苦い部分が胸にじんわり伝わってきました。
一番の読みどころは、男子チームの頼伸と清春が成長していく姿ですね。とにかく自信がない頼伸なんですが、得意分野をきっかけに、自分の中から答えを見つけ出していく。また清春は、序盤は煙たい奴なんですが、彼もまたどこにでもいる高校二年生。素直でいい奴で、まさに現代の若者を切り取った感じ。彼ら二人を見ていると、自分もそうだったなぁと懐かしんでしまいました。
そして女子チームの雨音、七輝。こんな女子たちを守ってあげるためであれば努力できる。恋愛ってたしかこういうことだったよな… と思い出させてくれる素敵な姉妹でした。
さて本作は謎解きパズルに挑戦しながら、物語が進行していく。よくもまぁ次々と奇問難問くりだしてくれました、聖地巡礼をしてみたくなりますね。私がもっと若かったら、男女混合の仲間たちで行きたいのですが、いまは家族といきたいな~
可愛さと優しさが伝わってくる素敵な作品、夏休みに空いた時間におすすめの一冊です。
ところで皆さん、夏は好きですか? 暑いのは嫌いな人も多いですよね。私も最近はずっと部屋に閉じこもって、本を読んでます。それでもたまには外に出て、街の景色や空を見てみて下さい。きっと懐かしい思い出が蘇ってきますよ。
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夏休みの思い出は
大人になっても忘れない
好きな子と出かけたあの日
きのうの空みたいに近くに感じる
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■ぜっさん推しポイント
終盤の頼伸が覚悟を決めた場面がカッコ良かった~
大人になると何でも先にリスクや損得を考えてしまいます。新しいことに挑戦することが少なくなってしまい、その結果成功も失敗もせず、成長することもなくなってしまう。
私が初めて告白&玉砕したときは、顔から火が出るほど恥ずかしかった。しかしそれ以降は、誰でも胸をはって女性とコミュニケーションがとれるようになったのです。誰にでも不得意なこと未経験なことはある。覚悟して一歩踏み出すことが大切なんですよね。
Posted by ブクログ
あえて言わせてほしい。
「けっ」
最初の感想が「けっ」ってどういう事だよ!ってなるけど、読み終わったら「けっ」って言いたくなるはず!!
暗号を読みすすめていく一冊。一緒になって考えるのも楽しいと思うけど、得意な主人公に任せた。
アオハルな夏休みだった。
けっ!!笑
Posted by ブクログ
序盤から暗号を解くのは諦めて読み進めた。
場面が想像しやすいし主人公も感情豊かで良い。
毎日読むには疲れるけど、
たまに味見したくなるタイプの本。
ミステリー=誰か死ぬ
という考えが根付いてるせいで「この姉妹はどのタイミングで裏切るんだろう。主人公はいつ誘拐されるんだろう。いつ怖い人が出てくるんだろう 」とヒヤヒヤしながら読んだ。最終的にはしっかり恋愛モノだった。
人の死に方にまで価値をつけるのはおかしい。というようなことが後半に描かれていて、「わかるわかる!」と共感していたら…笑
Posted by ブクログ
面白くて一気読み!やっぱり似鳥鶏さんはいいなあ。イケてない男子高校生に突然訪れたキラキラしたひと夏。その切ないきらめきを主旋律とし、そこに超難しい暗号がドドーンと投入され、底の方では、マッチョなもの、無神経なものへの怒りがずっと響いている。まったく作者らしい快作だと思った。
主人公のライ君が共感たっぷりに描かれている。偶然知り合った美少女七輝との会話やラインで、「今ので良かったのか」といちいち悩むところ、お出かけに着る服を買いに行ったが、怖くて店に入れず、覚悟を決めてクラス一の人気者キヨ君に助けを求める場面、卑屈になりながら実は無意識にあなどっていたキヨ君に対して、つきあう中でフラットな気持ちを持てるようになるところ、男二人にナンパされて困っている七輝を助けようと勇気を出すところ(ここの理屈っぽい逡巡が秀逸)などなど、あ~そうだよねそうだよねとうなずく箇所ばかり。七輝と姉の大学生雨音が一目で見抜くとおり、ライ君は優しい人で、そこがしみる。
ライ君は会員二人だけのクイズ同好会会長という設定で、彼が解いていくことになる暗号は、すごーく難しい。「あとがき」で作者は「溜まりに溜まった暗号のネタを放出できてほっとしています」なんて言ってるが、確かにこういう暗号が次々出てくる小説は、なかなか書きにくかろう。それを、ストレートなミステリとかじゃなく、切ない青春ものとしてまとめちゃうところなんか、まったくお見事としか言いようがないのだった。
(以下は本作最大の「ネタ」に盛大に触れています。ご注意ください。)
終盤で明かされる真実は、え、似鳥さんがそれをやるの?と驚かされるものだった。しかし、さらに読んでいくと、そう単純なものではないのだとわかって、やっぱり作者らしいなと納得した。ヒロインの難病や死という、その要素があるというだけで臍曲がりな自分などはスルーしてしまう、「感動」の定番。あえてそこに踏み込んだ作者の思いは、当のヒロイン七輝の言葉として語られている。
「まあもともと『余命○○日の××』みたいなの、嫌いではあったんですよ。そういう売り文句で『十回泣ける』とか、何なんアレ?って。『泣ける』が売り文句になるってことは、泣くって気持ちいいことなわけだよね。なんで人が死ぬのを肴にして気持ちよくなってるんですか?っていう。いや、娯楽だし、フィクションだからそういうジャンルもありですけど、人の死を消費している自覚はあるんですかっていう」
気持ちよく泣かせたりしないぜという、お話の閉じ方なのだ。それでも、表紙の絵を見ていると、命と青春のはかなさにじわっとくる。
Posted by ブクログ
高校二年の夏休み。オタク気質の主人公は暗号をきっかけに知り合った美人姉妹と同じクラスの陽キャ男子と共に次々と暗号を解く事に。コレは誰が何のために?そして行き着く先は?
青春小説にパズル的な暗号を散りばめたストーリー。暗号以外はありきたりのストーリーではあるが軽快で明るいので楽しく読める。
お姉さんの趣味が笑いを誘う。本を読まない人に好きな作家は「板垣足穂」「酉島伝法」というぶっ飛び方が良い。
Posted by ブクログ
青春ミステリーですね。
日常の謎。とびきりのパズルが散りばめられています。
似鳥さんのお得意の学園物語とは少し趣が異なりますが、高校生が主役の物語です。
似鳥さんは(未だに男性が女性か不明ですが)自分の分身を作品に仕立てたように思います。
博識が必ずしも『何かの役に立つ』とは限らない。そんなジレンマと好奇心の塊のような、何でも知りたがる性質の人間《実は私も同類なのですが》の一夏の物語です。
似鳥さんの語り口は軽妙で、それでいて出てくる豊富な蘊蓄がたまりませんね。本文に*のマークを置いて、説明文が入る等と云うのは、漱石先生の本か?と思わせる位、親切丁寧ですね。誤植が多い事も、漱石先生と同じようです(いつものように、あとがきで漏らされていました。)
主人公はクイズ・パズル研究同好会会長(会員は二人だけ)の頗る謎解きオタク。これが似鳥物語が面白く無い訳がありません。一夏の恋愛物語でもありますが、ほろ苦さはあるものの作者いわく、「著者にはありえない爽やかな本」です。
ほんとうに面白かった。
Posted by ブクログ
もともと何も書いていなかったカレンダーが、夏休みに入ったからといって突然埋まるはずがなかった。
「これでいいのか。これが正しい高校2年の夏休みなのか」
モスバーガーで偶然出逢い、パズルを解くことで一緒に行動しながら(キヨも特別参加?)カレンダーの空欄が埋まっていく。
提示されるパズルはキヨにならってサラッと読み進めてしまいますが、一生懸命な様子は伝わってる。
ワクワクする。
ライが最後の謎を解き、賞品をもらいにいく…いいなぁ…じーん…
ライと七輝のミライはわからないけども、今のふたりが幸せなのが救われる。
Posted by ブクログ
相変わらず読みやすくて面白い作者。忙しかったせいで手を付けるまでが長引いてしまったが、夏の間に読んでおきたかったなと思う。
本の主人公に本を読むような人種の内心を語らせたり、別人種への理解を深めさせるのはなかなか面白い読書体験。登場する暗号はほとんど部分的にしか解けず。出題者の正体は早めに予想できたが、動機だけがわからずに読み進み、余命が出てきて少しがっかり。そうとわかって読み返せば得心の行く描写はいくつかあったし、夜の湖あたりは露骨にほのめかされていたが、病室の映像あたりはまだこれが引っ掛けで平和に落着するのではとも思った(病院の近くに高圧電線ってどうなの? というのもあり)。
別に読後感が悪いとまでは言わないし、余命の話が当たり前に出てきてもいいとは思うが、出題の動機付けは「わるいネット」のくだりで十分だったので、どうにも蛇足の感が否めない。
とはいえ久しぶりに長々と文字量多めで語りたくなる本だった。すぐにでも読み返そう。
Posted by ブクログ
こうきたかぁ!
『じゃない方』と呼ばれる僕、成田頼信は会員が2名しかいないクイズ・パズル研究同好会会長である。
予定もないまま夏休みに入り、モスバーガーの店内で隣の席にいた2人組の美人姉妹がクイズに挑戦していた。
答えのわかったライは、2人が席を離れた隙にヒントを残して店外へ出ると、そこに妹が追いかけてきて、何故かその流れで、次の問題を一緒に解くことになった。
美人姉妹と歩いていると、『じゃない方』じゃない人気者の成田清春が通りかかり、4人で謎を解いていくことになる。
そこから素敵な夏休みが始まったと思いきや・・・。
姉妹の妹、七輝を好きになったライ。七輝もどうやらライのことを悪くなく思っているようだった。そんな夢心地のライに美人姉妹の姉雨音が
「本当の七輝を知ったら、あなたは絶対に驚く」
と言う。
そこから勝手にミステリ要素が生まれ、まさか宇宙人でしたとか、実は男でしたとか、そんなオチはないよな?と疑心暗鬼になりながら読み進める。
ますます急接近していく2人だったが、最後の問題が出題されると、「ここでお別れ」と言い残し、連絡が取れなくなってしまう。
そしてラストはなるほどと、ストンと腑に落ちる結末に導かれる。
この物語は、たくさんの難題が登場します。私は全くわからないので、謎解きは登場人物たちに任せ、ノータッチでしたが、謎解きを楽しむという読み方もあると思います。
私はもっぱら恋愛冒険の方が主で、今後のライと七輝、キヨと雨音を応援したくなりました。
Posted by ブクログ
夏休み、モスバーガーで隣り合ったことがきっかけで高校生男女4人で難しい暗号を解きながら一生懸命に過ごす。ラストは難病を抱える女の子の真実を突き付けられる。終わりよければ全てよし。
Posted by ブクログ
夏休みに高校生がぶち当たった人生と恋の謎。内向的な主人公が抱くコンプレックスがうまく描写されていて共感するところもあり、そのままの主人公を3人が受け入れてくれる人だったのが良かった。読み終えたあとは切なさと温かさに満たされた。
Posted by ブクログ
一つの暗号をきっかけに、4人の少年少女がひと夏を通して絆を深めていく。
一つ謎を解くと次の謎が現れ、どこかに誘われていく少年少女達。
その先に待ち受けるのどんな結末なのか、何のための謎なのか。謎を解くにつれて明らかにあっていく真実。最後にはまさかそんな理由があったのかと驚かされた。
こんな青春期っと楽しいなと思うようなひと夏の思い出を通して、それぞれを知っていく4人。しかし、そんな時間も長くは続かず…
暗号、謎解きパートは設定を知らないと解けない物もあるが、ところどころ一緒に考えられるようになっていて、そういった謎解きが好きな人は一緒に楽しめるのではないか。
ぼくはこの本をきっかけに似鳥さんのミステリにはまっていきました。笑
Posted by ブクログ
謎解き✖️青春✖️ミステリー
一人称「僕」は陰キャオタクとは言えない、陽キャぶり見せてくれた。コミュ力適応力あるので、もはや卑下するもの何もないのでは?
謎が華麗だが、うまく行き過ぎの青春のため、できすぎの一夏の思い出で共感呼ばず。
Posted by ブクログ
生きるのに「目的」があるっていう前提がまず、論理的におかしい。僕たちはそもそも、目的を持って生まれてきたわけじゃない。親が僕たちを産んだのは目的があるだろうけど、生まれた方は自分の意志じゃない。自分の意思と関係なく始まった状態に「目的」があるはずだっていうのは、論理的におかしい。
コミュ障の登場人物が、おずおずと世界とつながっていくのが、別の似鳥さんの作品にもあったと思うけど、感動的。
Posted by ブクログ
★この冒険は、僕たちの冒険なのだ。(p.157)
・夏休み、することも特にないクイズ好きの「僕」は偶然モスで出会った美人姉妹とともに一連の暗号を解いていくことになった。
・最初の三つの暗号に比してその後二つだけ暗号の毛色が変わったような気がするのはなぜ? 《この暗号ゲームには何かある。》p.174
・暗号を追って日本中を(というほどでもないが)あちこち行く少しだけロードノベルっぽい部分も。
■簡単なメモ■(★は主要語)
【一行目】キィン、とひときわ小気味よい音がして、ボールが高く打ち上がった。こういう時は「白球」という言い方をするんだっけ、と思う。
【青田】頼伸がクラスでほぼ唯一言葉を交わす相手。
【雨音★/あまね】立原雨音(たちはら・あまね)。モスバーガーで出会った美人姉妹の姉の方。東京学芸大学教育学部、高校時代は演劇部、三年次は生徒会長、座右の銘は「深謀遠慮」、特技は居眠り。話し始めが下手。見た目は知的なお姉さん。眼鏡を外すと「きみとど」のヒロインに似ている。抜けているところが多々ある。トランプのゲームではスピードと神経衰弱しかできずババ抜きも覚えられない。『百年の孤独』とか『巖窟王』とか稲垣足穂や酉島伝法が好きらしい。
【暗号ゲーム】《この暗号ゲームには何かある。》p.174。最初の三つが知識と論理を試す難解さだったのに、次の二つはただの場所探しで、ふたたび知識&論理的になった。すでに解けた暗号を誰かが置き直しているようにも見える。そのとき今では解けなくなった設問を他に差し替えたとか? 誰かに誘導されているようでもある。いやまあ、もちろん誘導されてるわけなのだがそれとは別に。ところでディズニーランドで見つけた暗号、主人公が当初解けないと思ったのは不自然かと。あそこまでいけたら彼になら簡単と思うけど。まあそれだけショックを受けたってことか?
【板橋省蔵★/いたばし・しょうぞう】ウーリッジホールディングスという会社の創業者。頼伸が全力で取り組みたくなる謎の暗号を遺した。
【宇賀崎篤志/うがさき・あつし】頼伸の中学時代の親友。頼伸を「ライ」と呼ぶ。
【エリア88】雨音さんと頼伸の盛り上がった話題。ぼくも何度も読みました。
【風羽/かざば】クイズ・パズル研究同好会副会長。
【ゴルゴ13】この時点で現在進行形の名作。頼伸や立原姉妹の愛読書のひとつ。
【塩沢】クラス委員。かわいい。クラスで一番人気のある女子。
【cicade3301】オタクだけが反応する単語のひとつ。p.33あたりから説明あり。世界中のハッカーその他の賢いオタクが挑戦したらしい。どうやら実際にあったできごとらしい。
【体系】《知識というものは、体系化すると無敵になるのだ。》p.10
【対等】《だがそれは周囲に人の目があって、「空気」というものがあるからなのだ。一対一になればけっこう、誰と誰だって対等にやりとりできるのかもしれなかった。》(p.138)
【立原姉妹】姉が雨音(あまね)、妹が七輝(ななき)。モスバーガーで出会った美人姉妹。美人だけどどちらもフレンドリー。
【七輝★/ななき】立原七輝(たちはら・ななき)。日清高校一年。モスバーガーで出会った美人姉妹の妹の方。しゃべるとやわらかい雰囲気がある。考え始めると地蔵のように動かなくなることがあって過去にそう呼ばれて嫌っていたが、今は逆にかわいいと思いSNSのアカウント名を「じぞう」にしている。どうやら関心ある方向は頼伸に近いタイプのようだ。
【成田清春★/なりた・きよはる】通称キヨ。コミュ力とテンションが高くクラスで一番人気のある男子。頼伸とは「文化」の違うグループに属する。性格は特に悪くはないが無意識に地味な連中を傷つけてしまうタイプ。《たぶんこいつとは仲良しにはなれないだろうけど、嫌いあうようなことにもならないだろう。》p.74。学校の成績はよく、英語や中国語もできる。読書とかはあまりしないし雑学等にはうとい。雨音に惹かれて暗号解きに参加することになった。
【成田頼伸/なりた・らいしん】→頼伸
【僕】→頼伸
【メタ思考】《出題者の癖や狙いといった「問題の外側」から、ありそうな解答を絞っていく解き方》p.76。《わずかにずるい気がするので避けていた》と頼伸は思うが、入試などの学校絡みの試験はだいたい、この思考でないと正解をもらえない。いわゆる「出題者の意図」。
【頼伸★/らいしん】語り手で主人公。成田頼信(なりた・らいしん)。都立萩山高校二年。クラスに成田が二人おり「でないほう」と呼ばれる。知識を集めていくのが好き。クイズ・パズル研究同好会会長。「分からない」「解けない」は自分のテリトリー内。立原姉妹と出会い少し変化が。
Posted by ブクログ
初めましての作家様です。後半少し辛くて読み進められませんでしたが、やっと読み終わりました。
やけに千葉の京葉線沿いや内房線沿いに詳しい描写多いなーと思っていたら、作者様は千葉大出身なのですね。そりゃ聞き覚えのあるのが多かったです。
ジャンルは青春ミステリーですが、謎解き( 暗号系 )がメインで全体的に炭酸のようにシュワシュワ爽やかな青春のお話です。
一緒に暗号を解きながら冒険している気分で読んでいたのですが、真相はあまり好きじゃないかもです。
なにかあるとは思っていましたが、余命がある指定難病になると全く印象の違うお話になってしまうな、
と。
自分は〝難病になってしまった側〟の気持ちしか分からないので〝難病の子を好きになってしまった人の気持ち〟が分かったのは嬉しかったです。
そうだよな…どんな未来だとしても会いたい気持ちが我慢できないものですよね。
私自身、他の方から『可哀想』とよく言われるのですが、可哀想は何よりも言われたくない言葉なので七輝の言ってること分かるなぁ…としんみり。個人的に『可哀想』は自分が同じ立場だと絶対に言わない言葉だと思っているので、寄り添ってくれていると言うより下に見られているように感じてしまうんですよね。『この子は可哀想な子だから優しく〝してあげないと〟いけない』みたいに。違うように取る方の方が大多数だと思うので、言葉って難しいなぁと実感してます。
最後のその後のお話は割と入院あるあるなのかな?私にも経験があり「やったわ…」とか「わかる…!」など、最後の数行に親近感を覚えました。
恋愛が主軸( ? )なのかなと思いましたが、どちらかと言うと友情の方が主軸に感じました。2人には今後も仲良くして欲しいな。
陽キャには陽キャの悩みや苦悩があるのだなと新しい発見もあった、とてもいい読書体験でした。
Posted by ブクログ
クラスの人気者と地味な子。交わることのない関係性なのにひょんなことから夏休みを深く濃く過ごすことになる。
それぞれが生きてる意味を考え、お互いを認め合う。
…いいですね。綺麗な青春です。
最後にはまさかそんな?という切なさが待っています。
次々と謎解きすることで話が進む。面白かったです。(謎解きはさっぱりんからなかったけど)
Posted by ブクログ
「役に立たない」雑学でも「知ること」に喜びを感じ、クイズや謎解きに熱中している地味な成田頼伸(ライ)と、クラス一の人気者で「役に立つこと」にしか興味がない成田清春(キヨ)。交差するはずのない二人の夏休み。しかし、ライが偶然小耳に挟んだ会話をきっかけに、美人姉妹と4人での謎解きイベントが始まる。
青春×謎解き。その目的は……
なんとも甘酸っぱくて、でもこれからどうするのという刹那感も残る。