あらすじ
僕は、名探偵になる。世界一大切な人のために――
切なくて、愛おしい青春本格ミステリ!
小学4年だった僕は、となり町の幽霊団地へささやかな冒険に出た。その冒険に不穏な影が差したとき助けてくれたのが、近所に住む名探偵の「お姉ちゃん」だった。彼女のとなりで成長していく日々のなかで、日本中を騒がせることになるあの事件が起きる――。ミステリとしての精緻さと、青春小説としての瑞々しさが高純度で美しく結晶した傑作。
装画/wataboku
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
一言で言うと「美しい」小説。
「キレイ」ではなく「美しい」という表現がしっくりくる。
主人公が小学生から中学→高校→大学と成長する中で、「お姉ちゃん」への想いの変化や葛藤がよく描写されている。
好きな人に、自分ではない別の好きな相手がいて、その二人が仲良く幸せそうにしている様子を傍で見る切なさとか、遠い昔にそんなんあったなぁと。
前半は、日常の中で遭遇した謎を解くというテイストで、コミカルな文体も手伝って割とサクサク読める系かと思ってたのが、後半は一気に本格的な(金田一少年的な)事件に。
特にラスト2章の主人公が人間臭くて、カッコよくて、切なくて、読後に爽やかさが残った。
Posted by ブクログ
似鳥鶏の作品は派手さはないものの、どれを読んでも心が暖かくなるな、と感じる。
登場した者全てが、幸せになればいいなと願ってしまう。
主人公の青年が、千歳お姉ちゃんのような素敵な女性と出会えますように。
Posted by ブクログ
日常の謎にかなり近い。
そして名探偵だけど親しみやすいキャラ。
最初は軽めの謎が続くんだな〜くらいの感じだったけど
全て軽めというわけではなかった。
みーくんの心の成長もポイント。
Posted by ブクログ
主人公が小中高大生と成長しながら、隣のお姉さんに探偵として鍛えられて見事に名探偵になるという話でした。
探偵として推理をしていくポイントが書いてあるだけでなく、それぞれの年齢層での友達や周囲との距離の取り方、初恋の行方など成長に欠かせない部分も丁寧に書いてあり、青春だなぁと感じました。
Posted by ブクログ
最初はジュブナイルかと思いきや主人公の成長ストーリー。
小学校、中学校、高校、大学と謎も近所の幽霊団地から殺人事件にまでレベルアップしていく。謎そのものもロジカルで良い。
最後は悲劇的になるかと思っていたが、ハッピーエンドと言えるかな。
Posted by ブクログ
第一話 となり町は別の国 第二話 恋するドトール
第三話 海王星を割る 第四話 愛していると言えるのか
第五話 初恋の終わる日
小学生のころから大学生まで、となりのお姉ちゃんの推理に惚れ惚れしたお話たち。語り口は成長していくのに隣人への呼びかけ方は変わらない。
私の知らない”男の子”の感じが面白い
Posted by ブクログ
主人公が小中高大学時代のぞれぞれの事件を通じて、お隣のお姉さんから探偵を仕込まれるお話。たいていのお話では名探偵というのはナチュラルボーンなので、こういう話は珍しいかもしれませんね。似鳥作品としては珍しいくらいストレートな青春小説といえるかもしれません。
Posted by ブクログ
「お姉ちゃん」と子供の頃から慕う年上の隣人女性。
小学生の謎を解く様は、まさに探偵そのもの。
年齢を重ねても、関係は変わらずのはずだったが、そこは年頃の男子中高生ともなれば心の変化も。
彼女が院生として通う学校と同じ大学の門をくぐる頃にはハッキリと自覚していた。
そんな中、大学の仲間と訪れた先で、密室での火災が。
彼女が解き明かした犯人は、事もあろうに付き合ってる彼氏であった。果たして、真相は?
これは、色んな時期のミステリがまだまだありそうなので、続編にも期待したい。
Posted by ブクログ
いつもなら冬場は寒すぎて引きこもるので読書がはかどるはずなのに全然はかどらない。
何なら引きこもることも出来ない。
どういうことなんだ。
そんなに外に出てインフルエンザとかなったらどうするんだ。
それはそれで経験してみたいかもかかったことないし。
というわけで(唐突)、ちまちま進めている読書記録です。
今回は「名探偵誕生」。
全開の硝子の塔の殺人のストーリーと微妙にマッチする感じのタイトルだったのでこれを選びました。
ちなみに内容は全く関係ないですし作者さんも全く別です。
まぁこの話はざっくり言ってしまうと「とある名探偵に憧れた主人公の男の子がやがて自分も名探偵になるまで」の話です。
普通名探偵って現れた時からもう名探偵じゃないですか。
普通の平凡な男の子が近くにいた名探偵と共に行動して、憧れて、最後には教えられたことを応用して自分もまた名探偵になる。
何となーくこういう話を読んでると「あぁあの探偵とかこの探偵にもこういう時期があったのかなぁ」なんて描かれてない時期を想像しちゃいますよね。
……いや、多分ないわ。奴らにこんな可愛らしい時期はないわ。
ただこの話、似鳥さんの専売特許(?)である注釈芸が少ないんですよねぇ……そこがちょっと残念。
ついでに言うと主人公の男の子と名探偵である「お姉ちゃん」の関係が何かこう、何か、うっすら新海誠感あってうーんってなっちゃいました。
ちょっと秒速5センチメートル感あるんだよねぇ、うまく言えないんだけど。